銀狼 銀魂版   作:支倉貢

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新キャラ登場です。




迷走するのもたまには悪くない
散歩をすると普段見えない街の姿が見えてくる


ここは、かぶき町のとある団子屋。

そこに笠を被った二人の男が、背中合わせで座っていた。

 

一人は茶色い髪を頭の上で一つに括っている。

彼の名は、風魔ミサト。

元お庭番衆の忍である彼は、幕府によるリストラを受けてからはフリーの忍者をやっていた。

金さえ積めば、人殺しでも人攫いでも、どんな汚い手段を使ってでも依頼を完遂する。

 

彼は、その背中合わせに座る男に依頼内容を尋ねた。

 

「用は」

 

「アンタが凄腕の忍かィ。ちょいと頼みがある」

 

「用は」

 

「オイオイ、そう急くなよ。そんな危険な事じゃない。女を攫ってほしいんだ」

 

男はミサトを振り返らず、一枚の写真をミサトに差し出した。

そこには、真選組の黒い制服に身を包んだ、志乃が写っていた。

 

「そいつの名は霧島志乃。このかぶき町で、万事屋という何でも屋を営んでる娘だ。しかもこの娘、なんでもあの"銀狼"の末裔らしい」

 

「‼︎」

 

ミサトは動揺を表には出さず、写真を見つめる。

写真の中にいるのは、活発そうな娘だった。

なるほど、銀狼の特徴である、銀髪に赤い目という条件をクリアしている。

しかし、こんなどこにでもいそうな娘が、本当に銀狼なのだろうか?

 

「……そんな女を攫って、何をするつもりだ」

 

「そりゃもちろん、売るに決まってるさ。あの銀狼の血筋だとわかれば、良い値が付く。それに何より、女のガキだ。攫うのにこれ以上楽な条件はないだろ?」

 

依頼人の男はすくっと立ち、ミサトの隣を通り過ぎていった。

 

「金は後払いで頼むぜ。ガキの身柄貰ってから必ず渡すからよ」

 

「……………………了解」

 

ミサトは懐に写真をしまうと、彼も立ち上がり去っていった。

その後ろで、呑気な声が上がる。

 

「こんにちは〜!」

 

「あら、いらっしゃい志乃ちゃん」

 

「オバちゃん、団子ちょーだい」

 

しの……志乃⁉︎

ターゲットが突如背後に現れ、完全に動揺したミサトは思わず振り返る。

そこには、写真の通り、銀髪を揺らして座る志乃がいた。しかし、写真のように制服ではなく、私服の藤色の浴衣を纏っていた。

しばらくして、店のオバちゃんが団子を持ってくる。

皿を受け取った志乃は代金を手渡し、「いただきます」と両手を合わせてから食べ始めた。

 

「〜♪」

 

ミサトは電柱の影に隠れて、幸せそうに団子を食べる志乃を見ていた。

可愛い。こうして見ると、やはりただの娘だ。とても彼女が銀狼だとは思えない。

 

ーーあの娘、もっと調べる必要があるな。

 

団子を食べる志乃を眺めながら、ミサトは踵を返した。

 

********

 

それから一週間、ミサトは志乃の身の回りを徹底的に調べ上げた。

その結果、彼女を誘拐するのはなかなか難しいということがわかった。

 

志乃は銀時らをはじめ、かぶき町中に多くの知り合いや友達がいる。しかも彼女の交友関係はそれだけに留まらず、攘夷志士や幕府関係者、ヤクザまでとかなり広範囲なのだ。

そんな多くの人に認識されている少女が、不意に何も告げずいなくなったら。皆がすぐに彼女を探し出し、誘拐しても連れ戻されるのに時間はさほどかからないだろう。

 

腕がなる。そう言えばいい言い方に聞こえるかもしれない。

しかし、自分のしていることは間違いなく仕事だ。

彼女の知り合いの目をかいくぐり、依頼を達成せねば自分の生活が危ない。

 

ミサトは軽いジャブとして、今日霧島志乃に接触を試みることにした。

 

********

 

志乃は今、銀時と一緒に散歩していた。

何故、あの銀時を連れ出せたのか。それはもちろん、

 

「パフェ奢ってやるから散歩についてきて!」

 

この一言で見事つったのである。

カツオならぬ銀時の一本釣りだ。この男は甘いものさえ並べればあっさり食いつくので、安いことこの上ない。

しかし、難点もある。

 

「オイ、いつになったらパフェに辿り着くんだ。つーかお前アレ、さっきもレストラン通りすぎたぞ。ちゃんと連れてく気ィあんのか?」

 

「うるさいなァ、散歩だっつったろ‼︎真っ先に目的地行ってどーする!楽しくねーだろが‼︎」

 

「そこら辺プラプラしたって楽しくねーだろが。オラ、ちゃっちゃと行こうぜ」

 

「や〜だ!」

 

銀時の目的はあくまでパフェだけであり、散歩ではない。つまり、散歩をしている志乃とは目的が違う。当然志乃がいくら駄々をこねても、聞く耳を持たなかった。

それでもなんとか別ルートを通っていこうと、銀時の袖を引っ張る。

 

「ねぇ銀!あっちにね、カワイイ雑貨屋さんがあるんだよ。一緒に行こうよ」

 

「知らねーよそんなん。お前が一人で勝手に行け。お兄ちゃんは帰る」

 

「あっ‼︎ちょっと‼︎」

 

とうとう銀時は、踵を返して帰ってしまった。志乃が引き止めるのも聞かず、さっさと歩いていってしまう。

 

「…………銀のバカ」

 

ブスッと頬を膨らませ、遠くなった銀時の背中を見つめる。

ホント、面白くない男だ。せっかく奢ってやるとまで言って誘ったのに、勝手に帰ってしまうとは。

でも、それも銀時か、と割り切ってしまう自分にも苛立った。

 

「いいもん。今日も一人で散歩するもん」

 

イライラを抑えるため、わざと大股で歩く。その時、彼女に近付いてくる一人の男がいた。

 

「すみません、駅までの道を教えて頂きたいのですが」

 

「えっ?」

 

振り返ると、笠を被った男が現れた。笠の下から茶色い髪が見え隠れしている。歳は銀時と同じくらいか、もしくはそれより少し下か。

志乃は、駅への方向を指さした。

 

「駅なら、ここから真っ直ぐ歩いて角を右に曲がればすぐですよ」

 

「角?あの曲がり角のことですか?」

 

「そーそー」

 

「ありがとうございました」

 

男は一礼すると、そそくさと志乃が指さした方向へ向かう。

それをしばし見送ってから、志乃は目当ての団子屋へ向かった。

 

「…………」

 

男は曲がり角を左に曲がると、藤色の背中を振り返った。

 

ーーあの程度ならば、余裕だな。

 

笠を脱いだミサトは、一人ほくそ笑んだ。

 

********

 

翌朝。バイトのため真選組屯所に向かっていた志乃は、スクーターを運転しながら大きな欠伸をした。

志乃は基本、早寝遅起きを心がけているため、バイトの日など朝早く(といっても8時や9時)に起きるのが苦痛で仕方ないのだ。

 

「ぁー、ぅー……眠……」

 

くあと口を開けて欠伸をすると、涙が滲んでくる。

ゴシゴシと目を擦ってから、青に変わった信号を一瞥し、アクセルをかけた。

 

「あーあ、何でこんな朝早くに起きて仕事に行かにゃならんのだ?私ゃまだ12だぞ。12歳なめんなよコラ」

 

愚痴をこぼしながら、風を切って走る。今度は十字路で右に曲がった。

 

「あいつら死んでくんねーかな。頼むから死んでくんねーかな。ものすごい苦しい死に方してほしい」

 

とんでもなく物騒な事をグチグチ言いながら、それでもスクーターを走らせていた。

するとその時。

 

ーーバシュン

 

「うわっ⁉︎」

 

突如スクーターの車輪がパンクし、志乃はすぐさまブレーキをかけた。降りてタイヤを見てみると、少し小さい穴が見受けられた。

何か尖ったものでも踏ん付けたのか。しかし、考える間もなく志乃は再びスクーターに跨る。

ボタンを押して車輪をしまうと、フワッと宙に浮かせた。ブースターを使用し、一気に加速する。

 

「あーあ、車輪マジでどうしよ……」

 

志乃の文句が再開された。

 

一方、志乃が止まった道の真ん中。

茶髪を揺らした一人の男が、しゃがんでマキビシを手に取った。

 

「……ダメか」

 

本来ならば、スクーターが使えなくなった彼女の隙をついて、攫おうかと考えていたが。

どうやら読みが甘かったらしい。まさか彼女のスクーターが、空中浮遊が可能なタイプだとは思ってもみなかった。

 

ーーだが、面白い相手だ。

 

作戦第一は失敗。次に動くのは、夜中だ。

 

********

 

真夜中。もちろん、志乃は自分の部屋で眠っていた。布団を被り、スヤスヤと寝息を立てている。

その天井。隙間からぱかっと開け、中に降り立つ人物がいる。ミサトだ。

ミサトは仕事服である忍装束を身に纏い、志乃の家に侵入していた。

足音を立てずに彼女に近付き、眠っていることを確認する。無防備に寝顔を晒し、気持ち良さそうに目を閉じていた。

 

ーー…………カワイイ。

 

パッと浮かんだ呑気な感想に、ミサトはブルブルと頭を振って忘れようとした。

モタモタしている暇はない。早く彼女を連れていかねば。

そっと、志乃に手を伸ばす。その瞬間。

 

ヒュンッ

 

風を切る音が耳に入り、ミサトは咄嗟に志乃の隣から跳躍して離れた。彼がいた場所には、木刀が刺さっていた。

 

ーー何者だ?俺以外にも、刺客が……?

 

「よォ、兄ちゃん。こんな時間にウチの妹に何か用か?」

 

「‼︎」

 

人の気配に振り返ると、一昨日志乃と一緒に歩いていた男ーー銀時が立っていた。

 

「ワリーが万事屋は年中無休じゃねーんだ。依頼なら明日にしてもらいてーんだが。……それともアレか?お前、最近コイツの周りコソコソと嗅ぎ回ってた奴だろ」

 

「………………‼︎」

 

ミサトは驚愕の表情を浮かべ、銀時を睨み据える。

何故、この男は自分に気付けたのか。忍者の気配を察知することは、とても難しいのに。

しかし今は、そんなことはどうでもいい。とにかく、この娘を攫わなければ。

ミサトは眠る志乃の腕を掴み、引っ張る。しかしその時、その腕がぽろっと外れた。

 

「⁉︎」

 

何だコレは⁉︎ミサトは咄嗟に腕を投げ捨てた。

まさかと思い、布団をバッと捲り上げる。敷き布団の上には、頭と腕、足しかなかった。

 

ーーじゃあコレは……!

 

「こんばんはお兄さん。私に何か用?」

 

ミサトの背後から、高い声が耳に入ってくる。振り向く間もなく、ミサトは後頭部に強い打撃を受け、壁に強く打ち付けられた。彼はそのまま、意識を手放した。

振り抜いた金属バットを肩に担ぎ、志乃はミサトを見下ろした。

 

「ねぇ銀、ホントにこの人が私をつけてた人なの?」

 

「一昨日の昼もいたろ。しかもお前に道訊いてたし」

 

「えっ!あの人⁉︎」

 

「何で自分のことになるとこーも鈍感かねェ、お前は……」

 

盛大な溜息を吐いて、銀時は呆れる。ボリボリと頭を掻く彼に、志乃は頬を膨らませた。

 

「何?バカにしてるの?」

 

「ああ、してる」

 

「そこはしてないって言ってよ‼︎」

 

「で、コイツどーすんだ?」

 

真夜中だというのにギャーギャー喚く志乃を無視して、気を失ったミサトを顎で示す。

 

「警察に突き出すか」

 

「何でよ?そこまでする必要ないじゃん」

 

志乃は金属バットを腰に挿すとミサトを人形を寝かせていた布団に横にさせる。

 

「コイツの処理は私がするよ。銀、ありがとね」

 

「そーかい。オイ志乃、もう一枚布団敷いてくれ。もう今日泊まるわ」

 

「布団は自分で敷いてよね」

 

くああと欠伸を一つする銀時。

だらしなくて頼れる兄に、志乃はクスリと微笑を送った。

 

********

 

ぼんやりする視界に、光が差し込んでくる。覚醒したミサトの脳が、体に「動け」と命令した。

ガバッと勢いよく起き上がると、それと同時に部屋の障子が開いた。

 

「‼︎」

 

「あ、おはようございます」

 

そこに立っていたのは、袴を履いた女だった。空のように澄んだ髪を括り、深海を思わせる優しげな眼差し。

上体を起こしたミサトに、女はにこりと微笑みかける。

 

「気分はいかがですか?」

 

「…………」

 

「志乃がご迷惑をおかけしたようで。申し訳ありませんでした」

 

「え?」

 

キョトンとするしかないミサトに、女ーー実際は女ではないーー時雪は、お盆を差し出す。白飯に焼き魚、白菜の浅漬けに味噌汁。

ミサトは戸惑いながらも、一応会釈をした。

 

「あの……一体、昨日何が……」

 

「お、起きたか?」

 

「‼︎」

 

「あ、志乃」

 

突如入ってきた第三者の声に、ミサトは一気に緊張した。つけていたから、何度も彼女の話し声を聞いた。

ターゲットーー霧島志乃が、腕組みして部屋の扉に寄りかかっている。

時雪は彼女の姿を認めると、体を志乃に向けた。

 

「おはよ、トッキー。そいつ、私が相手するから。今日家族と出かけるんでしょ?休んでいいよ」

 

「そう?じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな。よろしくね」

 

時雪は彼女の好意に甘え、ミサトを志乃に託して部屋を出ていく。

それを見送ってから、振り向きもせずに志乃は彼に問うた。

 

「ーーんで?私に何か用だったの?」

 

「…………っ」

 

「安心しなよ。別に警察に届けようなんて思ってないから」

 

しかし、ミサトの警戒は解かれない。

志乃は彼を一瞥して溜息を吐き、どかっと座り込んだ。

 

「私は、ただ知りたいだけなの。何でアンタが私をつけるのか。それ訊いたら、後はどーでもいい。こっから逃げようが何しようが、構やしないよ。だからさっさと教えて」

 

「…………」

 

教えて、と頼まれても、教えられるわけがない。ミサトは俯き、志乃の鋭い視線から目を逸らし続ける。

志乃は一度嘆息してから、お盆をスッと指で押し出した。

 

「食べな」

 

「?」

 

「勘違いすんなよ。別にアンタのためじゃない。トッキーのご飯のためだから。このまま置いてたらトッキーがせっかく作ってくれたご飯が冷めちゃうだろ。いーからとっとと食え。大丈夫、毒も何も入ってないから」

 

優しい声音ながら、完全なツンデレ炸裂。しかもちゃんと毒とかそういう事まで付け加えて言っている。おそらく、今の所自分は敵ではないとアピールしたいのだろう。

ミサトは彼女の好意に甘え、味噌汁を口に運んだ。

温かい味に、心がホッとする。

もう一口、と茶碗を口に寄せたその時、じーっと凝視するような視線を感じた。

志乃のルビーのような双眸が、味噌汁に向けられている。彼女のお腹から、ぐうと微笑ましい音が鳴った。

 

「あ」

 

腹の虫が鳴ったのに気付き、志乃は恥ずかしさを隠してそっぽを向く。

 

「……腹が減ってるのか」

 

「昨日アンタを殴った事トッキーに言ったら、めちゃくちゃ怒られた。いくら泥棒かも知れない相手でも、背後からいきなりぶん殴るのは危ないって。それで朝ご飯抜きにされた……」

 

はぁぁ……と悲しげに頭を垂れると、再び藤色の中から虫が空腹を訴える。

ミサトは志乃に、手にしていた味噌汁の茶碗を差し出した。

 

「飲め」

 

「……いいの?」

 

チラリと上げた顔は、まるで一縷の希望が差し込んだかのような表情を浮かべていた。

ミサトが頷く。すると志乃は、パアッと弾けんばかりの笑顔を浮かべた。

 

「ありがとうっ!」

 

ミサトから茶碗を受け取り、ズズッと啜る。体から力が抜けていくように、志乃は肩を落とした。

敵であることを忘れ、ミサトはコロコロ表情の変わる志乃を見ているだけで楽しかった。

自分を睨みつける顔から、今のような笑顔まで。ふとした拍子に一瞬で変化する彼女の顔が面白かった。

志乃がミサトの視線に気付き、目を合わせる。彼の顔を見て、また志乃も嬉しかった。

 

「よかった」

 

「え?」

 

「お兄さん、やっと笑ってくれた」

 

優しげに目を細め、ミサトを見つめる。

 

「ずっと険しい顔してたから、少し怖かったんだ。でも、お兄さん笑ってた方がいいよ。こんな綺麗な顔してるもん。見てるだけで、私も嬉しい」

 

敵であることを忘れて、志乃はニコッと彼に笑いかけた。

 

やはり、人は誰しも楽しげに笑う顔が一番似合う。

それは自分の友であっても然り、また敵であってもそうだと志乃は思っている。

 

そんな彼女の信条など、ミサトは知る由もない。

しかし、彼の中で確実に何かが弾けた。

溢れてくるのは、太陽のような暖かさと炎のような情熱。

後者が何なのかこの時の彼にはわからなかったが、それでも目の前の少女を攫う気など、今の彼には無かった。

 

ミサトは立ち上がり、志乃を見下ろす。

 

「世話になった。残りは君に譲ろう」

 

「え?あ、ちょっと待って、お兄さん!」

 

踵を返したミサトの背を追い、志乃も立ち上がった。

 

「待って!お兄さんの目的、まだ聞いてない……」

 

「聞く必要もない。君にとってとても悪い話だ。だが安心しろ。もう君にその魔の手は降りかからない」

 

「え……?」

 

「では、さらば」

 

「あ……!」

 

窓からトンと飛び降りたミサトを追って、志乃も窓の外に身を乗り出す。

下を見てもミサトの影はどこにもなく、人が歩き交っているのが見えるだけだった。

 

「…………お兄さん」

 

たった一人、部屋に残された志乃の髪を、風が靡かせる。

陽の光を反射し輝く銀髪を、ミサトもまた見上げていた。

 

「また会おう。霧島志乃」

 

自分を探す彼女を見上げ、ミサトはいつもの着物に着替え笠を被り、大通りを歩いていったーー。

 

********

 

後日。いつもならば、真選組のめちゃくちゃな逮捕劇やら、芸能ニュースやらが大々的に報道される大江戸新聞の一面を、人身売買グループ全員逮捕の文字が飾った。

記事によると、真選組が駆けつけたその時には、既にグループ全員が縛られた状態で見つかったという。しかし、彼らを倒したのは誰かわかっていないらしい。

 

「へぇ〜、珍しい事件もあるもんだね。仲間割れでもしたのかな?」

 

大江戸新聞を読んでいた志乃は、ソファにぐでーっと凭れかかり、新聞を床に落とした。

その記事の写真の隅には、チラリとミサトの影が写っていた。




風魔ミサトの名前は、戦国時代の北条氏の忍者・風魔小太郎をモデルにしています。


風魔(ふうま)ミサト



【挿絵表示】



年齢:20歳


身長:175㎝


体重:63㎏


誕生日:9月28日


星座:てんびん座


容姿:茶髪のポニーテール、黄色の目


備考

元お庭番衆の忍。現在は全蔵と同じでフリーの忍者をやっている。お庭番衆の中で最も若手であるが、その実力は組織内でも上層の位置にある。
表情があまり変わらない所謂ポーカーフェイスで顔立ちも整ってはいるが、一旦好きな人ができると相手に尽くしすぎるタイプであるため、女性陣からの評判は散々。現在その愛の矛先は志乃に向けられていて、猛烈なアピールをするも悉く失敗に終わる。
実は忍の一族ではなく伊賀出身でもない。実家はとある暗殺組織により既に断絶され、命からがら逃げのびた場所で全蔵に拾われ忍者となる。これにより全蔵は家族同然の存在だが、かなりぞんざいに扱っている。

次回、全蔵とようやく会います。

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