銀狼 銀魂版   作:支倉貢

127 / 205
外国人宇宙人と言うが私達も外国人宇宙人

それから諸々をすっ飛ばして、ゴール前。そもそもお通と共にゴール前まで向かっていた志乃にとって、このマラソン対決は正直どうでもよかった。

しばらく待っていると、先頭を走る一人の姿が目に入る。

 

「来ましたァ‼︎寺門通公式(オフィシャル)ファンクラブ決定戦予選一位は、チーム通選組トッシー氏ぃぃ‼︎」

 

一位でゴールしたのは、トッシーこと土方。土方は寺門通親衛隊以外の他チーム全てと手を組み、足止めをさせるという戦略で、見事一位を獲得したのだ。

一服する土方に歩み寄り、志乃は彼に話しかけた。

 

「おめでと、トシに……じゃない、トッシー。いやはや、なかなかの手腕だねェ。流石鬼の副ちょ……」

 

言い終わる前に頬ごとがっちり掴まれ、口を押さえられる。そして彼女に顔を近づけた。

 

「お前な……隠すのか隠さねーのかどっちかにしろ。っていうか隠す気ねーだろお前‼︎」

 

「あ、いや、その……ごめん、つい」

 

「はぁ……気をつけろ」

 

一つ溜息を吐いて、志乃の頭をわしゃわしゃと撫でる。それから踵を返しそうとした彼の腕を掴み、ボソッと呟いた。

 

「……ま、全てアンタの手駒なんだろうけど」

 

「⁉︎」

 

そう。彼女の言う通り、この大会において寺門通親衛隊以外の全てのチームは、トッシーの手駒なのだ。しかもその事実を、誰も知らない。つまり、彼女は最初から見透かしていたのだ。それはいつもの勘によるものか、そうでないか。どちらにせよ彼女がその真実に気づいていることには変わりない。

 

「……てめー、いつからそれを」

 

「ずっと前から、とでも言っておこうか?大丈夫だよ。誰にも言わないから」

 

その時、レポーターが情報が入ったと叫ぶ。なんと、多くのチームがゴールに辿り着く前に次々と棄権しているというのだ。次々にコース上で異変が起き、足止めを食らっているとのことだ。9㎞以降のコースを走るのは、たった1チーム。その姿が、見えてきた。あの見慣れた法被はーー。

 

「寺門通親衛隊の……」

 

「誰だァァァァァァ!!!」

 

ゴールテープを切ったのは、ものすごくゴツい外国人。筋肉もヒゲも立派で、グラサンをかけていた。こんな奴チームにいただろうか。いや、いなかった。しかしその後ろに銀時がいる。

 

「よっしゃー、本戦勝ち残りイエ〜」

 

「ちょっと待てェェェェェ‼︎」

 

勝利を喜びハイタッチする二人に、土方が横槍を入れる。そりゃそうだ。だって鮮やかすぎる替え玉なのだから。

 

「誰だそれェェェ‼︎どっから連れてきたんだ‼︎なんで知らねー奴がゴールテープ切ってんだ‼︎こんな奴てめーらのチームにいなかっただろーが‼︎」

 

「ああ、いいから。もうそういうのはいいから。そういうリアクションは前回充分見たから」

 

「銀、前回もクソもお前らが頑張って走ってた話、あの作者(バカ)が全部すっ飛ばしてんだよ。あ、詳しくは原作かアニメをチェック」

 

「どーでもいいんだよんなこたァ‼︎替え玉仕込んどいてどんだけ太々(ふてぶて)しい態度とってんだ‼︎」

 

「替え玉?オイ証拠もねーのに妙な言いがかりはよせ」

 

「証拠って丸々コイツが証拠だろーが現行犯逮捕だろーが‼︎」

 

「土方くん、マラソンってのは人生と同じなんだよ。艱難(かんなん)辛苦を乗り越えてな、ゴールテープを切る時にゃすっかり成長してまるで別人のように……」

 

「別人だろーが‼︎まごうことなき別人だろーが‼︎」

 

銀時はこの外国人を、タカチンだと言い張っているようだ。色々無理がある気がするが。土方が抗議したくなる気持ちもわかる。だって別人だもん。爽快すぎる替え玉だもん。

しかし銀時は折れない。

 

「わからない奴だな……あっ、ちょうどいい所にご到着だ。ホラ見てみろお前らのチームメイトの姿を。山崎くんも成長してすっかり変わって」

 

「ザキ兄ィィィィィィ⁉︎」

 

「髪型変わってんじゃねーかァァァァァ‼︎なんでマラソンで髪型が変わるんだよ‼︎なんでマラソンで髪型が成長するんだよ‼︎成長っていうかどう見ても劣化してるし‼︎」

 

山崎の髪が剃り落とされ、モヒカンになってしまっている。志乃と土方は愕然として叫んでいた。だってあのジミーが。地味が取り柄の山崎が。めちゃくちゃ派手になっているのだ。その山崎本人も、涙を流して膝をついている。

 

「うう……こんな派手な頭でこれからどうやって監察の仕事続けていけばいいんだ」

 

「‼︎山崎お前、まさかコイツらに……」

 

「スイマセン……ヘマやらかしちまいました。でも土方さん、ここは流してください。ここは奴らを見逃してやってください。俺達……もっとヤバイ不正(こと)、奴らに握られてます」

 

群集から少し離れた所で、車が止まる。どうやらタクシーのようだ。その中から、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

「あっここでいいです。大丈夫大丈夫、バレやしやせんよ。あっ領収書もお願いします。土方十四郎で」

 

タクシーから降りてきたのは、通選組の格好をした沖田。土方は思わず咥えていた煙草を落とした。その後ろから、銀時がわざとらしく言う。

 

「アレ〜?どっかで見た事あるなアイツ。アレって……」

 

言葉を紡ごうとした銀時の口を土方が押さえた。

 

「そっ……そういやいたような気がする‼︎よっ……よく考えたらいたわ、お前らのチームに外国人一人‼︎あ……あの名前なんだっけ」

 

「タカティン」

 

「そォォタカティン‼︎いたわタカティン‼︎妙な言いがかりつけて悪かったな‼︎山崎もすっかり立派になっちゃって〜‼︎よしそうと決まったら早く本戦いこう‼︎あまり余所見をせず本戦いこう‼︎」

 

マラソンでタクシーを使うなど、暴挙にも程がある。替え玉も反則だが、同罪にあたるものだ。もうこれ誰かに言ってしまおうか。言いたい。めちゃくちゃ言いたい。

その時、ゴールの前に今度はパトカーが止まった。

 

「大丈夫?アレだったら中まで案内するけど」

 

「大丈夫です」

 

「じゃあ気をつけてね。もう迷子になるんじゃないよ」

 

パトカーが走り去ると、近藤と神楽(おバカたち)が少し気まずそうに立っていた。そういえば、近藤と神楽は先頭を突っ走っていたのだが、ヒートアップしすぎてもはやオーバーヒート、つまりコースを外れてどこかへ行ってしまっていたのだ。詳しくは原作かアニメを見てね!

さて、これはもう隠しようがない。予選から波乱を巻き起こすこの大会。一体どうなることやら……。

 

********

 

予選マラソン対決で、怪我人、脱落者、棄権者が相次ぎ、最終的にゴールまで辿り着いたのは寺門通親衛隊と通選組のたった二チーム。

 

「しかも迷子のところを警察に保護されてパトカーでゴールという微妙な判定の選手も出ているんですが……」

 

「どこが微妙アルか‼︎ルール説明の時にお前一言でも車に乗ったらダメって言ったアルか」

 

すかさず神楽が司会者に反論する。彼女の言い分もあ……るわけがない。常識的に考えてマラソンでパトカーに保護されるなどありえない。神楽の反論はもはや言いがかりの部類に片足を突っ込んでいる。

 

「いや確かに言わなかったけど、言わなくても普通あのわかるじゃないですか」

 

「わかるワケねーだろ‼︎俺達がどれだけバカかわかってんのか‼︎あんまナメてんじゃねーぞ‼︎」

 

「そうアル、バカにするのもいい加減にしろよ‼︎」

 

元がバカだから、いちいちルールどうこうがわからなくなるらしい。しかしバカすぎるのも問題だ。かたや万事屋の看板娘、かたや真選組の局長。この国の未来が危ぶまれる。

司会者はお通に判定を求める。

 

「お通ちゃんどうなんでしょう、マラソン勝負で車を使うっていうのは。これはどう考えても……」

 

「これは私への愛を見せてくれる大会なんですよね。マラソン勝負で車を使ってまで私に会いに来てくれるなんて……愛以外の何物でもないと私は思います」

 

会場に、えええええ⁉︎というオタク達の落胆混じりの叫び声がこだまする。

 

「オイマジかよォォ‼︎何だったんだ今までの俺達の努力はァァ‼︎」

 

「最初から言えよォォォどうしてくれんだァ」

 

次々と文句の嵐が巻き起こる。志乃は司会者からマイクを強奪して、喚くオタク達に言い放った。

 

「ギャーギャーギャーギャーやかましいんですよ。カラスですかァ、コノヤロー」

 

うざったい様子で顔をしかめて、オタク達を睨むように見据える。志乃は一度溜息を吐いてから続ける。

 

「うだうだ男が文句タレてんじゃねーよ。可愛い女の子にゃちょっとしたワガママが付き物なんだよ。それをてめーらはうるさく文句並べやがって。そういう全てを包み込む度量がねーからてめーらはモテねーんだよ」

 

頭を掻きつつ、さらに述べる。オタク達が彼女の物言いに弱冠頭にきているのは知っていたが、この際どうでもいい。

 

「男なら女の子の可愛いワガママの一つや二つ、笑って聞いてやれや。それもまた愛ってモンだろ」

 

マイクを司会者に投げつけ、言いたい事を言い切った志乃はスッキリしていた。

司会者が仕切り直し、大会を進める。

 

「寺門通親衛隊、通選組この2チームにお通ちゃんの公式(オフィシャル)ファンクラブの座をかけて戦ってもらいます‼︎これから行われる三本勝負にて、より多くの勝利を収めたチームに『公式(オフィシャル)』の座は与えられます。予選にて示してもらったのは体力、続いて試させてもらうのは知力です‼︎」

 

今度の対決は、仕掛け付きの滑り台の上で行われる。お通に関するクイズに正解すると、相手チームの滑り台の傾斜がキツくなり、最終的に相手チームのメンバー全員を下のプールに落とせば勝ち。なお、クイズを間違えるとペナルティとして自分の滑り台が上がるため、クイズに答えるのは慎重にいかなくてはならない。

全員がスタンバイしたところで、司会者がクイズ対決開始の合図を送る。しかしその時、新八が滑り台から落ちてしまったのだ。

 

「新八ィィィ何やってんだ‼︎」

 

「これは親衛隊、のっけから貴重な戦力を失ってしまった。一体どうしたんでしょうか、手でも滑らせてしまったんでしょうか。志村氏無念の表情です‼︎」

 

「ツッコめェェェェェェェェ‼︎」

 

突如、司会者の背後から新八が現れ、司会者の脳天に踵落としを浴びせる。司会者は台に顔がめり込んでいた。汗だくで荒い呼吸ながらも、新八はツッコんだ。

 

「何滞りなく話進んでんの⁉︎何勝手に本戦始めてんの‼︎」

 

「アラ、ここにも志村氏が」

 

「アラじゃねーだろ‼︎今ようやくマラソン終えて到着したとこなんだよ!仲間にエサにされて必死にここまで辿り着いたんだよ‼︎」

 

「アレ?まだ着いてなかったんだ、師匠」

 

「気づかなかったアル」

 

「全く何の支障もなく話進んでたもんな」

 

「……え……何。ちょっと……マジで誰も僕がいない事に気づいてなかったの。……ちょっと、やめてくれませんかその真顔。全員八つ裂きにしますよ」

 

弟子や仲間だけでなく、敵にまで認識されていなかった新八。影の薄さにおいて彼の右に出る者はいないだろう。

でも、後から来た新八はどうなるのだろうか。彼の処遇を、司会者が判断する。

 

「まァとにかく、ここまで遅れたペナルティで貴方はこのクイズ勝負に失格ということで」

 

「ちょっと待ってくださいよ、チームメンバーが上位に入れば他はいくら遅れてもいいって言ったのアンタらでしょ‼︎」

 

「新八、心配するな。お前がいなくてもこんな奴らにゃ俺達ゃ負けねーよ」

 

「それ新八じゃねーって言ってんだろ、新八の眼鏡ですらねーし‼︎」

 

銀時が滑り台の上から新八(誰のものでもないただの眼鏡)に声をかける。水にふよふよ浮く眼鏡に居場所を取られる師匠が滑稽で、志乃はクククと笑いを堪えていた。新八から恨めしそうな視線が送られるも、お構いなしだ。

仕切り直されて、クイズの第1問が出題される。

 

「お通ちゃんが4歳の時見た最も愛する映画といえば?」

 

「うわっ超簡単だよ!コレ教えちゃダメなんですか、チームのみんなに伝えちゃダメなんですか」

 

「ダメに決まってるでしょ」

 

志乃が新八を一蹴したその時、通選組チームの土方がボタンを押す。

 

「ローマの災日」

 

流石、と言ったところか。正解だ。土方は体を取り戻すと決めてから、様々なメディアについて勉強していた。志乃もそれを手伝って、アニメやアイドルについての資料やらグッズやらを集めたりした。

しかし、ピンポンピンポンという明るい音でなく、ブブーという不正解のブザー音が流れる。

 

「惜しかったですね。正解は、『ローマの災日ッパリハイスクールロックンロール』です」

 

「残念!土方氏、うっかり語尾にお通語をつけるのを忘れてしまいました」

 

「ちょっと待て、うっかりってそんなルール聞いてね……」

 

「それでは土方氏、ペナルティで一段階滑り台が上がります」

 

土方の抗議の声も何もかもを無視して、滑り台が上がる。台はいきなり90度近くまで上がり、土方はそのままプールに落ちてしまった。

 

「ああーっと土方氏、早速脱落してしまいました‼︎」

 

「あ……あの、スイマセン。一段階ってあんなに上がるんですか。ほとんど90度になってたけど……」

 

「滑り台の角度の匙加減は、お通の持ってるリモコンで決まるからね。お通の気持ち次第で角度は変わるよ。ここじゃお通がルールだから」

 

「どんだけアバウトなんだよ。俺そんなに悪い事した⁉︎お通語使わなかったのがそんなに気に食わなかった⁉︎」

 

なんと開始早々、両チームのキャプテンが脱落するという波乱の展開に。さて、これからどうなることやら。土方を救出してから、第2問に移る。

 

「お通ちゃんが……」

 

ピンポン

 

なんと、問題文を全て読み上げる前に早押し。先程の文で問題の全てを理解したというのか。そんな芸当が出来るメンバーは、両陣営にいないはずなのに。

ボタンを押したのは……。

 

「親衛隊、タカティン氏」

 

ーーえええええええ⁉︎何でアンタが押してんの⁉︎

 

志乃は唖然として、くちゃくちゃとガムを噛んでいるタカティンを凝視する。

いやだってそんな、あいつただの替え玉だよ?銀がどこぞで拾ってきたただの替え玉だよ?そんなお通にめちゃくちゃ詳しい人とかじゃなさそうだし、そもそも外国人だし!

 

「オゥ……チョットマテクダサーイ」

 

日本語もカタコトじゃねーか!絶対無理だってコレは!

志乃が心の中でハラハラしつつツッコミを入れていると、ついにタカティンが答えを言った。

 

「スイマセン。トイレ行ッテキテイイデスカど松は冥土の旅の一里塚」

 

途中から超流暢な日本語に変わったァァ‼︎しかも日本人でもなかなか知らない諺が出てきたよ⁉︎っていうかお前ただトイレ行きたいだけじゃねーか‼︎とっとと落ちてトイレにでも冥土にでもどこへでも行きやがれェェ‼︎

 

余談だが、「門松は冥土の旅の一里塚」とは、一休の狂歌「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」による諺である。

門松を立てるということは、新しい年が始まる、つまり年を重ねたことを意味する。ゆえに、門松は死に近づく印であるということなのだ。みんな!勉強になったかな?

 

志乃の胸中でツッコミが炸裂したところで、果たして正解なのか否か。そもそも問題文すらまともに聞かされていないので、そんなこともわからない。

その時、ピンポンピンポンと音がした。

 

「正解ィィィ‼︎問題は『お通ちゃんが初ライブの時、緊張のあまり最初に客席に言った言葉は何?』答えは、『トイレに行っていいですか?』。タカティン氏、問題も聞かずに見事正解ィィィ‼︎」

 

当たった。志乃は愕然としてタカティンを見つめた。なんか……とんでもない替え玉が現れた気がする。

親衛隊が正解したということは、通選組の滑り台が一段階上がる。しかし、お通は何故か近藤の滑り台だけ他の二人より高く上げた。

 

「………………あのォ…………お通ちゃん?……なんか気のせいか、俺だけ角度がキツい気がするんだけど…………え?コレって……どういう事なのかな」

 

「それでは3問目いきます」

 

「アレ無視?無視なの?」

 

ピンポン

 

近藤の滑り台の角度は完全に無視して、問題が進められる。またもタカティンが、早押しでボタンを押した。今度は全く問題を聞かないという荒技を披露している。

 

「スイマセン、パンツ取リ替エテキテイイデスカトちゃんぺ」

 

お前さてはそのボタンクイズの回答権が得られるものだとわかってねーな⁉︎っていうかもうやっちまってるじゃねーか!頼むからとどめさしてやってくれよもう!早く落としてトイレに行かせてやって‼︎

 

「正解ィィィィ‼︎」

 

司会者が高らかに叫ぶ。

マジでかァァァァ!志乃は文字通り開いた口が塞がらない。

 

「問題はお通ちゃんがハナクソをほじってるのを友人に見つかった時、何と言って誤魔化したか。正解は『カトちゃんぺ』です」

 

答えはお通語(そっち)だったようだ。そういえばそんなこともあったな、と志乃も振り返る。

それにしても、人気アイドルのクイズなのに全くもってそれらしい問題が出ない。っていうかタカティンの引き起こす偶然がすごすぎる。ただ、彼の願望は他にあるのだが、それが何故か正解へと繋がっている。

そして、通選組の滑り台が、また一段階上がる。しかしまたもや近藤の滑り台だけが150度くらいにまで上がっていた。逆さまになりつつも滑り台にしがみつき、お通に尋ねる。

 

「………………あの……お通ちゃん。…………あの、ひょっとして、俺のこと……嫌い?」

 

お通が笑顔で滑り台のスイッチを押すと、不意に寺門通親衛隊の滑り台が一気に引き上がる。そして三人揃ってプールに落ちてしまった。

 

「正解ィィィィィ‼︎答えは『生理的に受け付けない‼︎』。通選組、敗北寸前のところで大逆転んんん‼︎三本勝負一本目クイズ勝負は、通選組の勝利ィィィ‼︎」

 

近藤がお通に嫌われていることを言い当て、通選組は見事逆転勝利を収めた。

しかしつくづく彼は女性に嫌われる男だ。以前真選組の面々とは、お通が一日局長をしたため面識があるはずなのだが。その時はすごく楽しそうに話していたが。

どうしてそんなに嫌われるんだろう。志乃は疑問を心の内に秘めつつ、勝利を引き寄せた近藤に拍手を送った。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。