ハイスクール・フリート ―霧の行く先―   作:銀河野郎のBOB

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Happy Birthday! みっちん!

皆さま、あけましておめでとうございます!(遅
2017年もどうぞよろしくお願い致します。

2017年初投稿は恒例の誕生日記念です。
……本編の更新が滞っていて誠にすみません。
なんとか月一更新はやりたい!ので頑張ります……


さて、本日1月11日はみっちんこと武田美千留ちゃんのお誕生日です。
みっちんといえば、大体ひかりちゃんとじゅんちゃんの砲術員トリオの一人で、二人にツッコミいれるという印象があります。
ほかの二人が元気いっぱいで暴走しがちなので、みっちんがセーブ役として機能しているのではないでしょうか。
でも、水鉄砲で遊んでいる時はすごくテンション高くなったりするので、そのギャップが可愛い!

さて、新年最初の作品、ぜひ楽しんでもらえればと思います。

それでは、どうぞ!


特別編⑰ 新年でハッピー!

 2017年1月11日午前11時

 

 -美千留side.-

 

 年が明けて、楽しかった冬休みも昨日で終わり、いよいよ一年生最後の学期が今日から始まった。と言っても、今日は始業式だけで午前中で学校は終わりだ。明日からは早速艦に乗り込んでの航海実習が始まる。

 その実習前に今日はこの後、ひかりと順子のいつもの三人組で横須賀の街へ遊びに行く予定になっている。

 

 小笠原

「あ、みっちんお待たせー!」

 

 日置

「おいーっす! みっちん」

 

 すると、教室で待っていた私に少し用事があると言って席を離れていたひかりと順子がもどってきた。

 

 武田

「おかえりー。なんか私だけ置いてどこか行ってたみたいだけど、どこ行ってたの?」

 

 小笠原

「え!? いやまぁ、それは、ね?」

 

 日置

「そ、そうそう。後のお楽しみってやつだよ」

 

 武田

「ふーん。そういうことにしとくわ」

 

 私からの問いかけに慌てたように弁明する二人。どう見ても私に内緒で何かを企んでいることは丸わかりだった。そして、私にはすでに何のために隠しているのか見当はついていた。

なぜなら、今日は私の誕生日だからだ。きっとサプライズでプレゼントを渡すとかパーティを開くとか、そんなことを考えているのだろう。

しかし二人がせっかく準備してくれているサプライズを私の一言で台無しにしてしまうのは無粋だろう。なので私はあえて二人の企みに乗ってあげることにした。

 

 武田

「それより、早く遊びにいこうよ。せっかくお昼前に学校終わったんだから、早くしないともったいないよ」

 

 小笠原

「うん、そうだね! いこういこう!」

 

 日置

「よーし! 今日は新年最初の三人遊びだー!」

 

 私たちは足早に教室から出て、横須賀の街へと繰り出していった。

 

 

 

 新年最初の三人での集まりといっても、私たちがやることはいつもと特に変わらない。

 まずはいつものようにランワンでボウリングやダーツ、そして私の得意なビリヤードで対決をして楽しんだ。何度も通っているうちにみんなの腕前はどんどん上達していたため、勝負はこれまで以上に白熱したものとなった。

 

 小笠原

「みっちん、ずいぶんとダーツの腕上げたね。ちょっと前までは毎回最下位だったのに、今日はじゅんちゃんに勝ったじゃん!」

 

 武田

「いつまでも二人に負けっぱなしじゃ悔しいんだもん。内緒でいっぱい練習したんだ」

 

 日置

「くぅぅぅ、悔しい! 次は絶対負けないからね!」

 

そしてお昼を食べた後、次はショッピングに出かけることになった。丁度お正月から始まったバーゲンセールが終わるギリギリのタイミングだったせいか、普通じゃとても手が出せないアクセサリーやコスメが半値以下になっていたりしていた。私たちはここぞとばかりに欲しいものを色々買い込んだ。中でも順子は私やひかり以上に買いすぎてしまったため、1月の半分も経っていないのにすでに懐事情がとても寂しいものになってしまっていた。

 

日置

「これからしばらくはお昼パン一つか……。とほほ」

 

 武田

「調子に乗って買いすぎるからよ。全くしょうがないわね」

 

 小笠原

「まぁまぁ、おかずの一つくらいならあげるからさ。元気出しなよ」

 

 日置

「うぅ、ありがとう」

 

 

 

 そんな感じでいつも通りに遊んでいるうちに、時刻は午後4時を回っていた。太陽はすでにビルの向こう側まで沈んでいてすでにその姿を見ることはできない。

 すると、ひとしきり遊んで程よく疲れたと感じていた私と順子に、ひかりが声をかけてきた。

 

 小笠原

「みっちん、じゅんちゃん、ちょっといい?」

 

 武田

「ん? なに、ひかり?」

 

 小笠原

「あのね、学校に忘れ物してきちゃったんだ。それで、二人にも一緒にきて欲しいんだけど、いいかな?」

 

 私は一瞬、なんで私と順子まで付き合う必要があるのか、と疑問に思った。しかし、その疑問の答えはすぐに出てきた。

 

 武田

≪あ、そういえば私の誕生日のサプライズの準備?してたっけ≫

 

 学校を出る前に二人でコソコソ何かしていたことを私は思い出した。きっとこれから学校でそのサプライズを実行するのだろう。

 

 日置

「私はいいよ。みっちんも大丈夫だよね? ね?」

 

 ひかりの質問に答えた順子は、私にも一緒に来るように同意を迫ってきている。普段通りにしているようで、そうじゃない二人の様子に思わず笑ってしまいそうになるのをグッと堪えた。

 

 武田

「うん。私も一緒にいくよ」

 

 私がそう答えると、二人の顔からぱぁっと笑みがこぼれた。

 

 小笠原

「よーし! それじゃ学校へゴーバーック!」

 

 日置

「ばきゅーん!」

 

 武田

≪ほんとに、嘘つくの苦手なのに無理しちゃって≫

 

 私はサプライズを隠そうと必死な二人に苦笑いしながら、再び学校へ戻っていくのだった。

 

 

 

 横須賀市街から20分もしないうちに学校に戻ってきた。

 

 小笠原

「ちょっと取ってくるから、二人はそこで待ってて」

 

 日置

「はいさ」

 

 私の返事も聞かず、ひかりはそそくさと教室に入ってすぐに扉を閉めた。おそらく教室の中で何か準備をするのだろう。

 しかしこのまま何もせず待つだけでは面白くない、そう思った私は隣にいる順子にもう一度聞いてみることにした。

 

 武田

「ねぇ順子、もう一回聞くけどひかりと二人で何企んでるのさ?」

 

 日置

「え? 何のことかなー?」

 

 私の質問に相変わらずしらを切る順子。しかしその顔には焦りが見えていた。イタズラ心をくすぶられた私は、さらに順子を追いつめていく。

 

 武田

「そういえば、今日って私の誕生日なんだよねー」

 

 日置

「ギクッ!?」

 

 武田

「そんな日に私に内緒で親友二人がコソコソしている。これって偶然?」

 

 日置

「べ、べべ別にコソコソなんて、してないよ?」

 

 武田

「本当にー?」

 

 順子の焦りはどんどん大きくなっていき、私の目で見てもわかるくらい汗が流れていた。さすがにこれ以上は可哀そうだろうと思った時、教室の中からひかりの声がした。

 

 小笠原

「ごめーん。みっちん、じゅんちゃん、ちょっと中入ってきてくれる?」

 

 ひかりが私と順子に中に入るよう言ってきた。中の準備が整ったのだろう。

 

 武田

「ほら、順子。ひかりが呼んでるから行こう」

 

 日置

「へ? あ、そうだね」

 

 焦りすぎて声が聞こえていなかったという様子の順子を引き連れて私は教室の扉の前に立った。

 

 武田

≪さて、どんなサプライズが待っているのかなー?≫

 

 これから始まるサプライズに期待しながら、私は教室の扉を開けた。

 すると、

 

 パパーン!!

 

 開けたと同時にクラッカーの音が何発も耳に響いてきた。その音に続けと言わんばかりに、いくつもの大きな声が私耳に飛び込んでくる。

 

 小笠原

「みっちん、お誕生日おめでとー!」

 

 日置

「みっちんおめでとー!!」

 

 松永

「おめでとー!」

 

 姫路

「おめでと~」

 

 万里小路

「おめでとうございます」

 

 中で待っていたのは、先に教室に入っていたひかりに加え、りっちゃん、かよちゃん、万里小路さんの砲雷科仲間のみんなだった。教室内はいつのまにか装飾が施され、黒板にはクラスのみんなから私へのバースデーメッセージがびっしり書かれていた。さらに、ひかりたちが囲んでいる机の上を見てみると、私の好物であるイノシシ肉や柏餅を始めとした料理がいくつも並んでいた。

 そんないつもとは違う教室を眺めていると、ひかりが不思議そうな顔をして私を見ていた。

 

 小笠原

「……あれ? みっちんの反応がうっすい気がする……」

 

 姫路

「みっちん、サプライズだよ~。驚かなかったの?」

 

 かよちゃんも疑問に思ったようで、私に質問してきた。

 

 武田

「いや、正直遊びに行く前からもうバレバレだったから」

 

 小笠原

「ええー!? うっそ、絶対ばれないと思っていたのに」

 

 日置

「ひかりちゃんゴメーン! 待っている間にみっちんに色々聞かれちゃったよぉ」

 

 先ほどまで私にからかわれていた順子がひかりに対して申し訳なさそうに謝っている。ひかりは私にバレていたことが未だ信じられないという顔をしている。

 

 松永

「あらー。サプライズちょっと失敗かな?」

 

 万里小路

「あらあら。残念ですわね」

 

 サプライズが筒抜けであったことを知り、残念そうな様子を見せる5人。

 

 武田

「でも、ここまで教室を綺麗に飾って、料理までいっぱい用意してくれたのは、結構驚いたよ。みんな、ありがとう」

 

 小笠原

「みっちん……。うん、頑張って準備したんだよ!」

 

 私の素直な感想に、ひかりたちは一転笑顔を見せる。私のためにここまで準備してくれたみんなに私は感謝の気持ちでいっぱいになっていた。

 

 小笠原

「よーし! それじゃ、みっちんの誕生日パーティ、はじめよっか!」

 

 日置、松永、姫路、万里小路

「おー!」

 

 ひかりの元気な声にみんなが一斉に答える。

 さぁ、これから楽しいパーティの始まりだ。

 

 武田

「あ、パーティの前に私からちょっといい?」

 

 小笠原

「ん? なにさ、みっちん」

 

 

 

 武田

「みんな、あけましておめでとう! 今年もよろしくね!」

 

 

 

 新しい年の始まり、そして私にとっても新しい一年の始まり、みんなと一緒に迎えられたのはきっととても素敵なことだろう。

 

 さぁ、これから一年間、何が起きるのかな?

 

 夢と希望に満ちた一年が、今から始まる!


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