ハイスクール・フリート ―霧の行く先―   作:銀河野郎のBOB

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Happy Birthday! サクラちゃん!

先週ようやく本編投稿を再開したのも束の間、再び誕生日記念を投稿です。

本日、11月21日はサクラちゃんこと伊勢桜良ちゃんのお誕生日です!

サクラちゃんと言えば、やっぱりあのスタイル(おっぱい)ですよね!
漫画版でもレオちゃんやソラちゃんたちから「エロい」と言わしめるその素晴らしいボディ、男なら気になるのは仕方がないでしょ!

今回のお話は、タイトルのまんまで思いっきりスタイル絡みの内容です。
人によっては不快にならないかちょっと不安(- -;
どうか、お手柔らかに見てやってください。

それでは、どうぞ!


特別編⑬ おっぱいでハッピー?

 2016年11月21日午後5時30分

 

 -桜良side.-

 

 横須賀女子海洋学校、その学生寮のとある一室はいつもとは違う妙な雰囲気になっていた。

 

私、伊勢桜良はちょっと困ったことになっている。

 そして私が困っている原因であり、この部屋こと私の自室が妙な雰囲気になっている原因が私の目の前にいる。その人物とは、

 

 宇田

「伊勢さん、ここならだれにも邪魔されないよね? ね?」

 

 伊勢

「ちょ、ちょっと待ってよ宇田さん! 落ち着いて!?」

 

 宇田さんは謎の気迫を持って私に顔を近づけてくる。今この部屋にいるのは私と宇田さんの二人だけ。傍から見ると誤解されかねない状態だった。

 

 伊勢

≪ど、どうしてこんなことに……≫

 

 

 

 事の発端は、今から2時間ほど前。私は学校の授業を終えて、クラスの皆に囲まれていた。

 今日11月21日は私の誕生日ということで、クラスの皆から祝福されていた。今までみんなの誕生日をお祝いする立場だったから、こうやって祝ってもらえるのは少し恥ずかしかった。でもそれ以上に、みんなにこれだけ祝ってもらえることがすごく嬉しかった。

 

 柳原

「おいおい、おめーらそろそろサクラちゃん解放してやりな。お祝いは後でもゆっくりできるだろ?」

 

 みんなから熱烈なお祝いの言葉に見かねたのか、機関長が手助けしてくれた。機関長の一言でクラスの皆は解散していった。

 

 伊勢

「機関長、ありがとう。助かっちゃった」

 

 柳原

「別にどおってことねぇよ。それとサクラちゃん、お誕生日おめでとう!」

 

 機関長のお節介、いつもは少しだけ面倒だと思うことが多いけど、こういう困った時には非常に助かる。だからこそ、機関長はみんなに愛されているんだろう。

 

 すると、みんなが解散していく中で私の席を離れなかった人が機関長以外で二人だけいた。

 

 宇田

「あ、あの。伊勢さん、ちょっといいかな?」

 

 伊勢

「あれ? 宇田さん、どうしたの?」

 

 残っていたのは、晴風クラスのレーダー担当の宇田慧さんとその親友で通信担当の八木鶫さんだった。宇田さんの顔を赤くなっていて、恥ずかしそうな表情で私に尋ねてきた。私には宇田さんがなぜ恥ずかしそうにしているのか、見当がつかなかった。

 

 宇田

「あ、あのね。あのね……」

 

 柳原

「んん? はっきりしねぇなぁ、さっさと言っちまったらどうでぃ?」

 

 はっきりと喋ろうとしない宇田さんに対して、機関長が発破をかけてきた。宇田さんには申し訳ないけど、できることなら早く話してもらいたいと私は思っていた。

 そして、私はその直後の宇田さんの言葉でそれを後悔することになった。

 

 宇田

「あのっ! 今夜、伊勢さんの部屋に泊まりに行ってもいいかな?」

 

 伊勢

「……え?」

 

 柳原

「んなっ!?」

 

 意を決した宇田さんから飛び出した言葉は、私の部屋に泊まりに行きたいという衝撃的なものだった。突然の告白に私も機関長も驚きを隠せなかった。そんな中、ただ一人だけが驚きもせず普段通りだった。宇田さんの隣にいた八木さんだ。

 

 八木

「めぐちゃん、その言い方はまずいんじゃないの?」

 

 宇田

「だ、だって、他にいい言葉が浮かばなかったんだもん!」

 

 宇田さんは相変わらず顔を真っ赤にしている。しかし、八木さんは宇田さんがこんなことを言った理由を知っているようだ。

 

 伊勢

「えーと、どうして私の部屋に泊まりたいのかな?」

 

 八木

「えっとね、最近めぐちゃんが自分の体形にすごく悩んでいるんだ。本当は私が助けてあげたかったんだけど、私だってそんなにいい体形じゃないから参考にならなくって。そうしたら、宇田ちゃんがクラス一スタイルのいい伊勢さんに相談するんだって話になって、それがいつの間にか部屋に泊まりに行くってことに――」

 

 宇田

「わーわー! つぐちゃん、恥ずかしいからやめてよぉ!」

 

 恥ずかしがっている宇田さんに代わって八木さんが理由を話してくれた。それにしても、いくら他人事とはいえ、親友の恥ずかしい話を淡々と話せる八木さんって結構すごいと思ってしまった。

 確かに私はクラスの皆からスタイルが良いと言われることが多い。小学生の頃から色んなスポーツをやってみたり、ダイエットをやったりして身体を動かす機会もそれなりにあったとは思う。でも、自分は意識してこの体形を手に入れたという自覚はなかった。正直、アドバイスを求められても答えられる自信はなかった。なので、本当ならここで宇田さんのお願いを断るべきだった。

 

 宇田

「それで伊勢さん、泊まっても、いいかな?」

 

 しかし、宇田さんは恥ずかしがりながらも、私に繰り返し泊まっていいか尋ねてきた。この時、私は懇願してくる宇田さんの姿を見て、不覚にもすごく可愛いと思ってしまった。その気持ちが判断を鈍らせたのか、私はこう返答した。

 

 伊勢

「う、うん。1泊くらいなら、いいよ」

 

 

 

 こうして私は自室に宇田さんを連れて戻ってきた。宇田さんはお泊りのための準備を早々に用意しており、私の部屋に持ってきたものを広げている。

 

 宇田

「じゃあ伊勢さん、早速なんだけど!」

 

 伊勢

「う、うん」

 

 宇田さんはつい2時間前まで恥ずかしがっていたのが嘘のように、グイグイと迫ってくる。私はもう、彼女のペースに乗るしかなかった。

 

 宇田

「その素敵なスタイルを維持するためにはどんなことをしてきたの?」

 

 早速予想通りの質問が飛んできた。私はこの2時間で考えられる質問に対する回答をいくつか用意しておいた。それでうまく乗り切ろうという作戦だ。

 

 伊勢

「うーん。何かを意識したってことはなかったんだよね。小さい頃から水泳とか短距離とか色んなスポーツをやっていたことはあったけど、それのおかげかな?」

 

 宇田

「おおー! なるほどなるほど」

 

 宇田さんは私の言葉を手にしているメモ帳に熱心に書いている。どうやら私の思惑通りに事が進みそうだと私は思った。

 しかし、次の宇田さんの言葉でそれは甘い考えだったと気づくことになる。

 

 宇田

「じゃあ、次の質問!」

 

 伊勢

「うん、どうぞ」

 

 

 

 宇田

「ずばり、そのおっぱいの大きさの秘訣は?」

 

 

 

 一瞬で私の思考がフリーズしてしまった。

 この質問が来ることは、予想していなかったわけではなかった。宇田さんが体形で悩んでいて、私に聞いてくる可能性が高いといえば、やはり胸の事だろう。

 でも、こんなに直球をいきなり投げてくるとは思わなかった。

 

 宇田

「私、実はずっと伊勢さんのおっぱいに憧れていたの。こんなに大きくて綺麗なおっぱい、早々お目にかかれないよ」

 

 伊勢

「え、えと、宇田さん?」

 

 宇田さんが目を輝かせて私の胸を凝視している。私は恐怖を感じて、思わず両腕で胸を隠す。それでも宇田さんの暴走は止まらない。

 すると、宇田さんはジリジリと私に近づいてきた。私はすぐに最悪の事態を予想した。

 

 宇田

「ねぇ? ちょっとでいいから、おっぱい触らせてよ?」

 

 伊勢

「な、なな何を!?」

 

 その予想は悲しくも的中してしまった。

 宇田さんはだんだん私に近づいてくる。私には後ろに下がって逃げることしかできなかった。

 

 宇田

「伊勢さん、ここならだれにも邪魔されないよね? ね?」

 

 伊勢

「ちょ、ちょっと待ってよ宇田さん! 落ち着いて!?」

≪ど、どうしてこんなことに……≫

 

 なんとか宇田さんを止めようと説得を試みるが、宇田さんはすでに聞く耳を持たないという様子だった。そして、ついに私は部屋の壁際に追い詰められた。

 

 宇田

「えへへ、じゃあ早速――えい!」

 

 逃げ場を失った私に対して、宇田さんは容赦なく迫ってきた。

 そしてついに、私の胸を両手でつかんだ。

 

 伊勢

「あ、宇田、さん」

 

 宇田

「す、すごい……。すごく、柔らかい」

 

 宇田さんはゆっくりと私の胸を揉んでいく。胸を触られていく度に、不思議な感覚が私を襲う。

 

 伊勢

「ふっ――んんっ、あっ、あん」

 

 宇田さんに胸を揉まれて、私の口から変な声が思わず出てしまう。このままではいけないとわかっていても、私は抗うことができなかった。

 

 だがそれは突然終わった。宇田さんは胸を揉む行為をやめたのだ。

 

 宇田

「伊勢さん、すごく綺麗だよね。うらやましいなぁ。私もこんなに大きかったら――」

 

 伊勢

「宇田さん?」

 

 宇田さんの顔を見ると、今にも泣きそうになっていた。私は宇田さんに触られた胸元の服を正して、彼女に向き合う。

 

 宇田

「ごめんね。私、背が小さくて体形だってお世辞にもいいって言えないでしょ? だから伊勢さんのスタイルが羨ましくて、自分だってそうなりたいって思っちゃったの。本当はこんなこと、したいわけじゃないのに……。なのに、こんなこと……最低だよ、私……」

 

 宇田さんは自分がしてしまったことを後悔しながら、私に謝ってきた。

 そして、立ち上がってこう言ってきた。

 

 宇田

「私、やっぱり部屋に戻るね。あと、こんなことした後に言うのも変だけど、お誕生日おめでとう。じゃあ」

 

 部屋に広げていた荷物を仕舞い始めて、立ち去ろうとする宇田さん。

 

 その時、私は片づけをしている彼女の手を掴んだ。

 

 伊勢

「待って、宇田さん。ううん、めぐちゃん!」

 

 宇田

「え? 伊勢さん?」

 

 めぐちゃんは私が引き留めることに困惑しているのか、何が起こっているのかわからないという顔をしていた。

 

 伊勢

「私、胸を揉んだこと、別に怒ってないよ。それに、めぐちゃんの悩みをちゃんと聞きたいって思ったの。だから、今夜泊まっていってよ。もっとお話ししましょう?」

 

 宇田

「伊勢さん、本当に、いいの?」

 

 伊勢

「もちろん。それと、私のことは、サクラ、って呼んで」

 

 宇田

「う、うん! サクラちゃん!」

 

 めぐちゃんは私の手を強く握ってきた。その目にはまた涙が浮かんでいた。

 私はめぐちゃんの様子を見て一安心した。もしかしたら拒否されるかもしれないと思っていたが、結局杞憂に終わった。

 

 宇田

「ところで、サクラちゃん?」

 

 伊勢

「ん? どうしたの?」

 

 宇田

「サクラちゃんの誕生日パーティって何時からだっけ?」

 

 伊勢

「えっと、6時からだけど――」

 

 私は時計を見ると、時計の長針はすでに頂点を過ぎていた。

 つまり、完全に遅刻だ。

 

 伊勢

「あぁ、やばい! もうみんな集まってるよ! めぐちゃん、早く行こう!」

 

 宇田

「う、うん!」

 

 私たちは急いで身支度を整え、クラスの皆が待つ食堂へと向かっていった。

 

 

 

 結局、私とめぐちゃんはパーティに15分遅れてしまった。でも、誕生日パーティはとても楽しいものとなった。

 

 そしてその夜、私とめぐちゃんはたくさんお話をした。その中で、まためぐちゃんに胸を揉まれたりもした。そして、同じベッドで一緒に寝た。

 

 なんだか不思議な関係になってしまった私とめぐちゃん。でも私は、それも悪くないなぁと思う。

 

 でも、胸を揉むのだけは少し勘弁してほしいです……。


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