ハイスクール・フリート ―霧の行く先― 作:銀河野郎のBOB
かよちゃんの誕生日記念です。
あきらめきれず、急いで書いた! 後悔はない。
短いですが、楽しんでくれればうれしいです。
それでは、どうぞ!
2016年8月2日午後7時
-果代子side.-
松永
「かよちゃん、お誕生日おめでと~」
小笠原、武田
「おめでとー!!」
りっちゃんのかけ声で始まった、砲雷科4人での私の誕生日会。
ここは東京にある私の実家。
学校は夏休みで晴風クラスのみんなもほとんどが、入学以来久しぶりの実家に帰っている。
りっちゃんも群馬の実家に帰っていたが、私の誕生日だからとわざわざ東京まできてくれたのだ。
ひかりちゃんとみっちんも、今朝りっちゃんから話を聞いて山梨から駆けつけてくれた。
姫路
「ありがとうね~みんな。すごく嬉しいよ~」
小笠原
「いいって、せっかくのかよちゃんの誕生日なんだし、派手に一発撃っちゃうよ!」
武田
「順子も話聞いて、「いきたいー!」って言ってたよ。今は実家の三重だからすぐにこれなくて悔しがってた」
姫路
「そっか~。じゅんちゃんにも後で電話してお礼しなきゃね」
すると、りっちゃんがカバンの中から袋を取り出して私に差し出してきた。
松永
「はいこれ、クラスのみんなからのメッセージカードだよ。ちゃんと霧の人たちの分も入っているよ」
姫路
「お~、すごいねー」
小笠原
「艦長がみんなにお願いしてね、集めてくれてたんだよ」
武田
「私は誕生日会行けないからって、りっちゃんに託してくれたんだって」
姫路
「艦長が……、嬉しいな」
艦長、岬さんにはあの騒動の時から色々助けてもらった。
私にとって、岬さんは憧れの存在になっている。
ありがとうね、岬さん。
松永
「さてさてー、そろそろお料理出しましょうかー」
小笠原
「そうだね! 私何が出るか知らないから楽しみだよ」
武田
「ほらほら、ひかりも手伝ってよ」
3人は台所から料理を運びだし、テーブルの上に並べていった。
並んだ料理は、私の大好物の茄子のお料理!
麻婆茄子、焼き茄子、豚肉の茄子巻き、揚げ茄子のサラダ、茄子の洋風ラザニアetc.
小笠原
「すごっ!? ほんとに茄子づくしだ」
武田
「ていうか、茄子ってこんなに料理の種類あったんだ」
松永
「かよちゃんのお母さんに教わりました! 手伝ってもらったけど、頑張って作ったんだよー」
すごいや、りっちゃん。
もう私のとこにお嫁に来てほしいくらいだよ~。
姫路
「あれ?」
私はふとテーブルの中央に違和感があることに気が付いた。
姫路
「りっちゃん、真ん中にまだ何も置いてないんだけど~」
すると、りっちゃんは普段しないような似合わない笑みを浮かべていた。
松永
「ふっふっふっー、実はまだメインをお披露目していなかったのだー!」
すると、りっちゃんがテーブルの真ん中に料理の乗ったお皿を置いた。
そこにあったのは、
姫路
「こ、これは! 幻の、泉州産水ナスのぬか漬け!?」
私が一番好きな料理、水ナスのぬか漬けだった。
でも、なかなか手に入らない希少品なのに、りっちゃんはどうやって?
松永
「今朝、万里小路さんから送られてきたんだよー。「私もかよこさんの誕生日会に参加したかったんですけど、大事な家のパーティがあるので、行けなくてとても残念です。代わりに、かよこさんの大好きな水ナスをお父様に頼んで手に入れておきましたわ」とのことです」
小笠原
「さっすがまりこー。断り方もプレゼントもやり方が違う」
武田
「いやー、ほんとに」
まさかの万里小路さんからのサプライズプレゼント!
ありがと~まりこー!
松永
「さぁー、冷めちゃう前に食べちゃいましょー」
小笠原
「そうだね、早く食べようよ」
武田
「かよちゃん、今夜は楽しもうね」
みんな、今日は本当にありがとう。
私はいの一番に水ナスを口にした。
今夜は人生で一番楽しい誕生日になりそうだね~。