ハイスクール・フリート ―霧の行く先―   作:銀河野郎のBOB

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皆様、大変、大変長らくお待たせいたしました。
約二ヶ月ぶりの本編更新、第十六話でございます!

正直、ここまで大変でした。
10月のはいふりキャラ誕生日ラッシュはもちろんのことですが、リアルの方でも10月から非常に忙しくなってしまい、平日に執筆できる時間がほとんど取れない状況が現在も続いていおります。
実際、誕生日記念もかなりギリギリの状態で当日投稿をやっておりました。
そのせいか、クロちゃん書き終えた後は少々燃え尽き気味でしたw

さて、すでに本編がどういう状況なのか忘れているかもしれませんが、前回は晴風クルーとヤマトムサシは新橋商店街船の救助活動を終えることができました。
今回からはいよいよアニメ8話の比叡戦!……の前に、晴風から遠く離れた横須賀の学校での一幕です。

それでは、どうぞ!(ひさしぶりだw


第十六話 校長室でピンチ!

 2016年4月26日午前8時半

 

 -真雪side.-

 

 横須賀女子海洋学校

 

 これまで数多くの人魚の卵たちを育成してきた名門校は今、未曽有の危機に瀕している。

 つい先日入学したばかりの新入生たちの初めての航海演習で、生徒を乗せた艦船の多くが突然逸脱行為を行い行方不明となった。

 その中には、入学試験の成績優秀者が集められた武蔵や比叡も含まれていた。

 

 私、宗谷真雪は学校長として連日その対応に追われている。学校には海上安全委員会やブルーマーメイドなどからの電話が引っ切り無しにかかってきており、学校にいる教員だけでは対応しきれないことも多く、時に私自身が対応に当たらなければならないことも少なくない。

 そして、昨夜もまたある事案の対応に徹夜で取り掛かっていた。

 南方ウルシー環礁付近で発生した新橋商店街船の座礁事故。この件に、本校所属の航洋艦「晴風」が救難活動に参加した。

 晴風乗員の新入生たちの尽力もあり、大規模な座礁事故であったのにも関わらず死者0という奇跡的な結果に終わった。

 

 しかしその一大事が終わったのも束の間、その「晴風」からある二つの報告書が私のメールアドレス宛てに届いていた。

 私はその二つの報告書の確認をたった今確認し終えたところだ。

 

 真雪

≪これは、急いで真霜に連絡しないといけないわね≫

 

 私は机の上にある自分の携帯端末に手を伸ばそうとした。

 その時、同じ机にある固定電話から突然呼び出し音が鳴りだした。

 私は携帯端末に伸ばしていた手を固定電話の受話器へ向け、それを手に取った。

 

 真雪

「はい、こちら校長室」

 

 学校受付

「こちら受付です。宗谷校長、徹夜明けのところ申し訳ありません」

 

 電話の相手は学校宛の電話や手紙の受け取りや訪問客などの到着を知らせてくれる受付からだった。

 

 真雪

「私は大丈夫よ。それで、用件は何?」

 

 学校受付

「はい。ただ今、宗谷一等監察官がこちらを訪ねられていまして、校長との面会をご要望です。至急お伝えしたいことがあるとのことです」

 

 受付からもたらさせたのは、今まさに呼び出そうとしていた真霜の訪問を知らせるものだった。

 これで呼び出す手間が省けた。

 

 真雪

「わかったわ。すぐに校長室へお通しして頂戴」

 

 学校受付

「かしこまりました。では、失礼いたします」

 

 受付の方が電話を切ったのを確認して、私は受話器を元の場所に戻した。どうやら真霜の方も急ぎでこちらを訪ねてきたようだったので、すぐにでもこの校長室に姿を現すだろう。

 私は急いで晴風からの報告書を表示しているタブレット端末と携帯端末をすぐに表示できるように準備をした。

 

 そして電話を受けてから二分後、校長室の入り口のドアからノックの音が2回聞こえてきた。

 

 真霜

「失礼します」

 

 真雪

 「はい、どうぞ」

 

 私が返事をすると、ドアを開けて一人の女性が姿を現した。

 白を基調に青や金の装飾の施された服装、ブルーマーメイドの制服を身に着けたウェーブのかかった長い黒髪と赤い瞳を持つ女性、私の娘であり現ブルーマーメイドの司令官でもある宗谷真霜一等監察官だ。

 真霜は校長室に入ってドアを閉めると、その場で起立をした。

 

 真霜

「突然の訪問で申し訳ありません。早急に宗谷校長にお伝えしたいことがありましたので、こうして参りました」

 

 真雪

「構わないわ。丁度こちらも、あなたに報告したいことがあったから呼び出す手間が省けて助かったわ」

 

 真霜

「そうでしたか」

 

 真霜は公私をしっかり使い分けられる子だ。こうして親子二人きりであっても、私から言わない限り、言葉遣いを普段のようにはしない。

 

 真雪

「とりあえず、こちらに座って頂戴。あと、言葉遣いはいつも通りでいいわよ」

 

 真霜

「そう? なら、そうさせてもらうわね」

 

 私が促すと、真霜はすぐさまいつもの喋り口調に戻った。

 そして、私が指定した応接スペースの椅子に腰かけた。

 

 真雪

「それにしても、あなたがここにアポなしで訪れるということは、余程のことがあったのね。まずはそれを聞かせてもらうかしら?」

 

 真霜

「ええ、じゃあ早速だけどこれを読んでもらえるかしら」

 

 そういうと真霜は手にしていた報告書のファイルを私の前に差し出してきた。

 その報告書のタイトルにはこう書かれていた。

 

「密閉環境における生命維持 及び 低酸素環境に抵抗するための遺伝子導入実験」

 

 私はファイルを開き、中を一通り読んでいく。

 そこに書かれていたのは、衝撃的な内容だった。

 

 報告書には、海上安全委員会が極秘裏に進めていた研究、その過程で生まれたある生物の存在、そしてその生物を乗せた実験用の潜水艦が不慮の事故でサルベージ不可能な海底に沈んでしまい、一時実験が頓挫していたことが記されていた。

 

 真霜

「でも、これで終わりじゃなかった。その実験艦が沈んだ場所の近くで海底火山が噴火して、その活動で海底が押し上げられて実験艦が再び海上に浮上してきたの」

 

 真雪

「その場所が、西ノ島新島、今年の海洋実習の最初の集合場所ってことね」

 

 そして私はこの時、私はあることを思い出した。

 

 真雪

「そういえば、教官艦「さるしま」にここに記されている研究機関の研究員を乗せる手配をしたわ。西ノ島新島付近で海洋生物の生態を研究したいという依頼があってね。その時は特に変な疑いもなかったから、私はすぐに承諾したわ」

 

 真霜

「でも、その本当の目的は実験艦からデータを回収して、その後に自沈させて隠蔽を図ることだったの」

 

 真霜曰く、古庄教官の見舞いに行った際に別の病室に入院していた研究員たちが、何かを話しているのを偶然耳にしたのだという。そこで真霜が独自に研究機関を調査した結果、今回の報告書に記されたことを見つけ出すことができたのだ。

 

 真霜

「そして、その研究で偶然生まれた生物というのが、この「RATt」と呼ばれるものよ」

 

 真雪

「! これって……」

 

 真霜が報告書のある一ページに掲載された写真を見せた。そこにはネズミのような生き物が映っており、横には「RATt」という名前と「全体主義の疾患」の文字が載っていた。

 さらに真霜からRATtについての詳しい報告がされていく。

 RATtがウイルスを保有していること、ウイルスの感染力は非常に高く、人間に感染すると自身の意志を制御できなくなること、さらに感染源である一次感染者、つまりRATtによって二次感染者以降は意志を強制的に統一させられること、普通に聞けばあまりに衝撃的な内容が次々と語られていった。

 だが私は、それらを聞いても全く驚くことはなかった。

 

 なぜなら私は、すでにその内容を知っているからだ。

 

 真霜

「……というわけで、これが今回の横須賀女子海洋学校所属の艦が大量に行方不明になった件と大きく関係があるんじゃないかと私は思うんだけど」

 

 真雪

「そうね。おそらくは」

 

 真霜

「……母さん、全然驚かないのね?」

 

 真雪

「ふふっ、ちょうどいいわ。今度は私の方からあなたに報告したいことを伝えるわ。内容は二件、そのうちの一つはまさに今真霜が話してくれたことよ」

 

 私はそういうと、真霜に自分のタブレット端末を手渡した。

 真霜はタブレットを操作してそこに記された内容を見て、驚愕していた。

 

 真霜

「すごい……私が調べた内容よりも詳しいことが書かれている。それに、調べきれなかったことまで載ってるじゃない。母さん、これの出所はどこ?」

 

 真雪

「航洋艦「晴風」からよ。その報告書を作ったのは晴風で船医として乗船している「鏑木美波」、そして「ヤマト」の二人ね」

 

 真霜

「鏑木美波って、あの海洋医大創建以来の天才で有名な!? それに、ヤマトって晴風と行動を共にしている例の霧の艦隊の総旗艦の方じゃない」

 

 真霜は報告書の作者の名前を聞いてさらに驚いた。

 鏑木美波、そして霧の総旗艦ヤマト、真霜にとっては二人ともビッグネームであることは間違いない存在であった。

 そんな二人からの情報と聞いて、驚くのも無理はないことだ。

 

 真雪

「あと、報告書の最後にはこうあったわ。

 今回の報告書は霧の艦隊の協力なくしては、決して完成しえなかったであろう、ってね。あの鏑木美波が、他人をここまで高く評価するなんて、本当によほどのことよ」

 

 私は自分が述べたことは、紛れもない真実だと思っている。

 これだけの短期間で研究機関が長年行ってきた実験の成果について、ここまで詳細に調べ上げたことがその証拠だ。

 例え稀代の天才と言われる鏑木美波だけでは達成できないことだろう。

 私は改めて、霧の艦隊の持つ力の凄まじさを感じていた。

 

 真雪

「さらに、鏑木美波の方から今回のRATtの持つウイルスに対する抗体を精製したと報告を受けているわ。すでに新橋を救助したブルーマーメイドにサンプルを渡したから、それを基に抗体を量産してほしいとのことよ」

 

 真霜

「そういえば、うちの喜島からの報告で、私に渡すものがあるからすぐに届けるって言っていたわ。それがその抗体のことだったのね」

 

 真雪

「そういうこと。真霜、サンプルが届き次第すぐに量産体制に入れるよう、至急準備をお願い。この報告書にある通り、ウイルスの感染力はかなり強力よ。いち早く手を打たないと、今よりもっと大変な事態になるわ」

 

 真霜

「わかったわ」

 

 真霜は事態をすぐに理解し、行動に移すことを約束してくれた。

 

 この緊急事態の中で、自分の愛娘が指揮官として頑張っている姿を見て、私は嬉しい気持ちになっていた。

 真霜も真冬も立派なブルーマーメイドとして育ち、末娘のましろも今まさに晴風という場所で頑張っている。親バカかもしれないが、私にとって三人は自慢の娘たちである。

 

 そんなことを考えていると、真霜がいつの間にか席を立っていた。

 

 真霜

「それじゃ、私は早速本部に戻って抗体の量産体制についての話を――」

 

 真雪

「あ、待ってちょうだい。まだもう一つ、晴風からの報告書があるのよ」

 

 立ち去ろうとする真霜に対して、私は少し慌て気味で呼び止めた。

 確かに抗体精製は急がねばならない案件だが、それにも勝るとも劣らないことがまだ残っているのなら、仕方のないことだ。

 

 真霜

「そういえば報告は二件って言っていたわね。それで、もう一つの方は?」

 

 真霜も納得してくれたようで、椅子に座り直してくれた。

 私は先ほどまで真霜が見ていたタブレット端末を操作し、再び真霜に差し出した。

 

 真雪

「あなたからの依頼案件、霧の超戦艦ムサシの調査報告書よ」

 

 真霜

「超戦艦ムサシの? 案外すんなりと調査させてもらえたのね」

 

 真雪

「霧の艦隊の二人は晴風の乗員たちをかなり信頼しているみたいよ。話を通したら、すぐに快諾してくれたわ」

 

 真霜

「それは助かるわ。早速拝見させてもらうわ」

 

 真霜は再びタブレット端末に視線を移した。

 

 晴風からもたらされた霧の超戦艦ムサシの報告書は私も先ほど確認したばかりだが、その内容はとても信じがたい内容だった。報告書は「霧の艦隊に関する情報」と「超戦艦ムサシのスペックデータ」の二つの構成となっている。真霜はまず、「霧の艦隊に関する情報」を読み通していく。

 

 真霜

「……なるほど。彼女たちはこの世界とは違う異世界からきた存在なのね。そして、かつては人類と敵対した存在だと」

 

 真雪

「報告書通りなら、そうなるわね」

 

 真霜

「いきなり突拍子もない話ね。でも、平賀からの報告とも合致するし、ムサシには潜航能力があることは確認されている。ならば、異世界からきたというのもあり得ない話ではないのかもね」

 

 普通なら笑いのネタにしかならないような内容であるが、真霜はすでに霧の艦隊の存在を受け入れ、理解しようとしていた。彼女は実際に霧の艦隊と電話越しではあるが接触しており、その存在をすでに認めているのかもしれない。

 

 真霜

「それよりも、彼女たちが人類に敵対する存在だったということが気になるわ。わざわざここでそれを明かすということは、余程自身の力に自信があるということね」

 

 真雪

「そうね。その報告書によれば、彼女たちは元いた世界の人類を海から完全に駆逐したとあるわ。もしそれが事実だとしたら、私たちは彼女たちとの関係づくりに慎重に取り組まなければならないということよ」

 

 真霜も私も霧の艦隊に対する警戒レベルは非常に高く設定するべきであるという意見で一致していた。今は幸いにも人類と霧の関係は晴風乗員たちのおかげでかなり良好なものとなっているが、その関係も絶対というわけではない。いつ、彼女たちが人類に牙を剥くことになるかわからない以上、警戒心は常に持っておく必要があるだろう。

 

 真霜

「とりあえず関係づくりについては後回しね。次がいよいよ本題ね」

 

 そういうと、真霜はさらに報告書を読み進めていく。真霜は今回の「RATt」が引き起きしている思われる騒動を早期に収束させようと考えていた。その最大の障害となりうるだろう直教艦武蔵への最大の切り札として、霧の超戦艦ムサシをこちら側の戦力としたいのだ。今回の依頼は、事前にムサシの戦力を把握するために必要な処置なのは間違いない。

 

 そのムサシについての報告には、実際の画像を交えながらスペックをかなり詳しいレベルで記されていた。中には我々の知りえない言葉や技術も多く記されているが、生徒たちが自主的に調べて分かりやすい表現に置き換えて表現されている。まだまだ至らない点もいくつかあるとはいえ、非常に競争率の高い横須賀女子海洋学校を合格した新入生に恥じない内容であった。

 私は事前に報告書の内容を確認しているが、正直今もう一度読んでも信じがたいスペックデータであると思わざるを得なかった。それは報告書を初めて読んでいる真霜も同じのようだ。

 

 真霜

「信じられないわ。外見こそ武蔵と全く同じなのに、武装や装甲、速力に至るまで全ての性能が桁違いじゃない。これを本気で信じろっていうの?」

 

 真霜がそういうのも無理もない話だ。まず武装を見ても、こちらの世界では技術が確立すらされていないビーム兵装を搭載した46cm三連装砲と15.5cm三連装副砲などの兵装に加え、20門の魚雷発射管、噴進魚雷に類似するミサイルという名の武器を発射する発射管が72門と、最新艦も真っ青になるレベルの火力を有している。それに加えて、最大で水上で75ノットを誇る速力、強制波動装甲とクラインフィールドによる二重の超装甲、その他にもすでに判明していた潜航能力、高性能レーダーやソナーなどの索敵装備、それら全てを一手にコントロールするメンタルモデルの演算能力と、全てが我々人類のレベルの遥かに上回っていた。

 

 真雪

「私だって最初は信じられなかったわ。でも、生徒たちが冗談でこれだけしっかりした内容の報告書を書いてくると思う? 私はそう思わないわ。この報告書には生徒たちの真剣な想いがこもっているように思うの」

 

 真霜

「もちろん私だって母さんの気持ちはわかるわ。でも、この報告書だけで信じろっていうのはやっぱり難しいわ」

 

 真霜の言うことは実にもっとももなことだ。いくら私が生徒を信じているからといって、今回の報告書だけでムサシの性能の全てを信じることはやはり難しいと考えている。すると、真霜は確たる証拠を得るために私にある提案をしてきた。

 

 真霜

「なら、こういうのはどうかしら? 現在ムサシと行動を共にしている晴風に、ムサシの実際の戦闘映像を記録してもらうのよ。私の見立てでは本命の武蔵と戦う前に、他の行方不明になっている艦と遭遇する可能性は高いと考えているわ。その際、「RATt」の行動特性を考えると戦闘は避けられないでしょうね。そこで、その戦闘を利用してムサシの実力を測るのよ」

 

 真雪

「ちょっと真霜、あなた正気なの? もしムサシの実力が報告書通りなら、ウイルスに感染した生徒たちを危険にさらすことになるのよ!」

 

 真霜

「もちろん承知しているわ。でも考えてみて。霧の艦隊が私たち人類に歩み寄る姿勢を持っているのだとしたら、生徒の乗った艦をむやみやたらに沈めるような真似をしてくるのかしら? 私の思惑通りなら、彼女たちは力を制限せざるを得ない状況になるはずよ」

 

 私はこの時、我が娘のしたたかな考えに驚かざるを得なかった。真霜は霧の艦隊という未知の存在に対して、本気で対峙してその実力を測ろうと考えている。そのために、例え生徒を危険にさらすリスクを背負ってでもやり抜くつもりだ。しかも、相手の事情も考慮して生徒には危険が及ぶ可能性が低いことまで計算に入れている。さすがは、この若さでブルーマーメイドの司令官に選ばれるだけのことはあった。

 

 真霜

「もちろん、これは私の一存では決められないこと。母さんがどうしても嫌だというのなら、別の手段を考えることにするわ」

 

 まさか、自分の娘から大きな決断を迫られることになるとは考えてもいなかった。

 

 私はどうするべきだろうか。

 私だってムサシの実力を確実に知りたいと考えている。現在ムサシは信頼関係を築けているとはいえ、晴風クラスの生徒と共に行動をしているのだ。その力が信頼に足るものかを知ることは必要なことだろう。

 だが、その実力を知るためにムサシを他の生徒の乗る艦にあてがうのもまた問題だ。いくら制約があるとはいえ、生徒が危険な目に合うことには変わりない。

 

 そんな苦渋の決断を迫られている中、校長室の電話機が突如鳴り出した。

 呼び出し音で思考の渦から戻った私は、急ぎデスクに戻り、受話器を手に取った。

 

 真雪

「はい、こちら校長室」

 

 教頭

「校長、朝早くからすみません。教頭です」

 

 電話の相手は教頭であった。教頭から電話があった場合は、今回の騒動で何かしら動きがあったことを示していた。

 

 真雪

「それで、何があったの?」

 

 教頭

「はい、先ほど新橋の救助活動を終えた晴風から、再び通信が入りました」

 

 

 

「行方不明だった我が校の大型直教艦「比叡」を捕捉したとのことです」




第十六話、いかがだったでしょうか?

アニメ8話でも少し描かれていた真雪さんと真霜さんの会話シーンを独自の見解でアレンジしてみました。

最後の方で真霜さんがかなり計算高い感じのキャラになっていますが、あの若さでブルマーの要職に就けるくらいですから、これくらいのことは考えるだろうと思い、結果こういう形になりました。
でも真雪さんはそれ以上にすごいのだと思う。間違いなくヤバいレベルで。
いつかカリスマ溢れる真雪さんも描いてみたいものです。
(なお真冬さんは、……お察しくださいw

前書きでもお伝えしましたが、現在リアルが忙しい状況となっているため、9月以前のペースでの投稿は少し厳しいかもしれません。
二ヶ月もお待たせした挙句、投稿ペースも落ちることになると思いますが、今後も拙作をよろしくお願いいたします。

次回、第十七話は
比叡を捕捉した晴風 だが、比叡はウイルスに感染していた
そして、進路の先にはトラック諸島が!
その時、ヤマトが取った行動とは?

次回も読んでいただけるとありがたいです。

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