IS - イチカの法則 -   作:阿後回

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今回、イチカの『禁句』に触れます。


第4話 禁句

Madoka side

 

「君みたいな生きる価値も知らない人間共(ゴミムシ)風情があの人達をバカにするだって、へぇ.........君いっぺん死んでみるかい?」

 

なんでことに......

 

Madoka side end

 

 

〜数分前〜

 

 

Ichika side

 

3時間目のチャイムが鳴り、教室に織斑千冬が入って来た。

「3時間目の授業の前にクラス対抗戦の代表者を決めなければならない。」

「クラス代表者とは、対抗戦だけでなく生徒会の会議や委員会への出席、他の学校で言うところのクラス委員だと思ってくれればいい。」

なんで、クラス対抗戦に出場するのに話し合いで決めるんだ?話し合いより受験時の実技のテストデータを元に一番強い人から順に聞いていけばいいんじゃないのか?

 

「織斑君を推薦します!」

「私も推薦します!」

女子達は織斑を推薦し始めた。俺は推薦されないように気配を消していたら、

「じゃあ私は、ハイドン君を推薦します!」

「私も!」

巻き添えをくらった。

(チッ、あいつが生贄(クラス代表)になればいいのに)

すぐに俺は自分への推薦を撤回しようと立ち上がろうとするが...

 

「納得出来ませんわ!」

さっき声をかけて来たヒステリックな女が声を上げた。

「代表候補生である私を差し置いて男がクラス代表などありませんわ!だいたい男がクラス代表などと私に!セシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間過ごせというんですか!実力から言って私がクラス代表になることなど自明の理!珍しいという理由だけで日本などという極東の猿にされては困ります。私がこのような島国に来たのはISの修練をするためであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!いいですか⁉︎クラス代表は実力がトップの者がなるべきであり、そのトップは私ですわ!だいたい文化としても後進的な日本に暮らさなければならないのは私にとっては、耐え難い苦痛であり.........」

セシリア・オルコット(ヒステリックな女)が なにやら意味不明なことを喚き出した時.........

「イギリスだって大したお国自慢はないだろ?世界で一番マズイ料理何年覇者だよ!」

織斑も喚き出した。俺はこんなくだらないことに巻き込まれないよう気配を消して、傍観していた。

「ーーーッ‼︎あなた私の祖国を侮辱しますの⁉︎」

「先に侮辱したのはそっちだろう。」

(はあ、早くこのくだらないことが終わらないかな。)

「決闘ですわ!」

(いやなんで決闘になる?)

「おういいぜ、四の五のいうよりわかりやすい。」

(いいのかよ!)

「言っておきますけど、真剣に勝負しなかった時には奴隷にしますわよ!」

(いきなり相手に向かって奴隷宣言するなんて常識を知らないのかよ?)

「侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない。」

「そう、なんにせよちょうどいいですわ。イギリス代表候補生セシリア・オルコットの実力を示すまたとないチャンスですわね!」

くだらないことを言い続ける織斑達に俺は呆れていた。それ以前に素人相手にISで決闘を挑む時点で俺はどうでもよかった。

「ハンデはどれくらいつける。」

「あら、早速ハンデのお願いですか。」

「いや、俺がどれくらいハンデをつけたらいいかなぁって」

(は?バカかこいつ?地獄人の能力すら開花していないのに、代表候補生に向かってハンデだと?)

「織斑君、それ本気で言ってるの?」

「男が女に強かったのは、大昔の話だよ。」

「確かに織斑君やハイドン君はISが操縦出来るけど、それは言い過ぎだよ。」

(くだらない。ISなんて兵器(おもちゃ)なんかが、最強だと思っている時点でお前らは弱いんだよ。)

基本ISは、天界人の『神器』や地獄人の『超身体能力』より劣り、スペックの高い『職能力者』にも負けるような代物である。それに対し『IS』を最強だと思っているのは、たんに他の世界を知らないからである。

「わかった。ハンデはいい。」

「ええ、そうでしょう。むしろ私がハンデをつけなくて良いのか迷うくらいですわ。」

オルコットは、織斑に対し滑稽だと思っているようだ。

「さて、話はまとまったな。勝負は一週間後の月曜。第三アリーナで行う。織斑とオルコット、ハイドンは準備をしておくように。」

(えっと今、俺の名前が出て来た?)

「すみません、俺は辞退したいのですが。」

「自推他推問わないと言った。決定事項だ、異論は認めん!」

(なんだこいつ?さっきそんなこと言ってなかったじゃあないか⁉︎)

「あらあなた逃げますの?あなたはとんでもない臆病者ですわね。それにあなたの家族はこんな臆病者を育てたのかですから、あなたの家族もくだらない『クズ』ですわね!」

 

『ブチッ』

頭の中でそんな音が聞こえた。

(今こいつなんて言いやがった!!!)

「今なんて言った!」

俺は聞いた、そしてオルコットは......

「あなたの家族は、『クズ』だと言ったのですわ!」

(殺す!)

周囲の雰囲気は変わり俺から殺意が漏れ出した。そして俺は2年前のあの口調に戻し、オルコットに聞いた。

「へぇ、君みたいな生きる価値も知らない人間共(ゴミムシ)風情が、あの人達をバカにするだって、へぇ.........いっぺん死んでみるかい?」

俺に『禁句』を言ったことにより、俺は昔に戻っていた。

 

 

Ichika side end




次回、イチカの『禁句』に触れたセシリアを中心にイチカの怒りが爆発します。

今回は遅くなりました。ギリギリペースを守れました。
誤字脱字等あればよろしくお願いします。

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