IS - イチカの法則 -   作:阿後回

16 / 30
今回は早めに投稿できました。
次回も早めに投稿できるといいなあ…


第13話 専用機

Ichika side

 

 

ー試合開始ー

 

「ウオオオオ!!!」

 

試合開始の合図が終わると、織斑は俺に向かって真っ直ぐに突っ込んで来た。

 

「無意味ですね。」

 

俺は攻撃を躱し武装を確認する。

 

(要望通りに答えられるとは、流石キルノートン)

 

俺は突っ込んで来る織斑に“武装”『鉄』を展開した。

 

「突っ込んで来るしか能が無いなら、『キエロ』」

 

ズドンーー

 

織斑に向かって巨大な鉄の弾丸が襲い掛かる。

 

「クッ⁉︎」

 

織斑はその弾を避けるが、背後から大きな音が鳴り振り返った。音が鳴った場所から弾丸が消え、残ったのは大きなクレーターだけだった。

 

(やはり『神器』よりかなり威力が落ちている。天界力は余り込めなかったが、通常の威力よりかなり弱くなっている)

 

このISはキルノートンやハピネスの開発チームと一緒に天界力をISに流用し天界人のスペックをISで再現しようと考えられたのが、このISのきっかけだった。

このISには元々天界力は備わっていないので普通の人間には使えず、天界力を持った天界人や天界人を取り込んだ守り人一族の者は使えるが、所詮ISなので再現したとしても其れ相応に天界力を込めなければ武器としての威力を出せないのである。

 

(まあ、どのみちこのISよりも今のISの方が弱いんだから結果は変わらないよな)

 

織斑はさっきの攻撃を恐れたようで攻撃してこない。だから俺は質問をしてみた。

 

「なあ、織斑。君はそのIS()をどう使うんですか?」

 

至極単純な質問だ。

織斑は少し意味を考えると答えた。

 

「俺は.........千冬姉をみんなを守る為に使う。」

 

至極単純な質問に、とても真っ当でふざけた(・・・・)答えが返ってきた。

 

「くだらない答えだね。」

 

反射的にそう言ってしまった。

 

「どこが、くだらないんだよ⁉︎これがオレの答えなんだよ!!!」

 

その言葉に少しイラついた。

 

「くだらないんだよ。

だって、弟を学校全体で虐めていた癖にそんな綺麗事をほざくなんて『キモチワルインダヨ』」

 

俺は怒っているようだ。

 

「なんでそれを知ってるんだよ!!!」

 

ああ、心は静かに呆れているのに対し、身体が憎しみで燃えているようだ。

 

「ハピネスの情報網を甘く見ないで貰えるかな。そんなこんなぐらいすぐにわかったよ。それに不愉快だったのは、その詭弁を弟を失踪したのに言ったところかな。」

 

俺は嘘を付いた。だがこっちの方が効果的だったようだ。

 

「オレは悪くない!!!織斑の中で唯一何も出来ないあいつが悪いんだ!!!」

 

ああ、なんでこんなにもイライラするんだろう。

イチカ・ハイドン()』と『織斑一夏(あいつ)』違うのに、なんでこんなにも不愉快なのだろう。

 

織斑はさっきの言葉で怒りで自分を忘れたのだろう。織斑は無我夢中で突っ込んで来た。

俺はもうこんなにも不愉快な事はしたくなかった。

 

「ウオオオ!!!」

 

「ああもういいや。

 

『キエテナクナレ』』

 

俺は『快刀乱麻』を呼び出し、織斑が展開する雪片弐型を《零落白夜》を発動した攻撃《零落白夜》ごとぶった斬った。

そして俺は織斑を『快刀乱麻』で切り刻んだ。

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も.........

 

 

 

ー試合終了ー

 

 

 

試合終了のアナウンスが鳴り俺は漸く気づくことがができた。目の前には装甲がボロボロになり気絶している織斑だった。

俺はそれを放置し、ピット内に戻った。

 

 

Ichika side end

 

 

 

Another side

 

そこは地獄だった。

イチカ・ハイドンと織斑秋一の試合は圧倒的にイチカ・ハイドンが優っていた。ハイドンの攻撃は、織斑と何か会話したと思ったら激しさを増した。ハイドンは織斑が抵抗出来なくなるまで切って切ってからまくった。織斑は気絶し、そこに立っていたのは地獄の底の『鬼』のようだった。

 

 

Another side end

 

 

Madoka side

 

超身体能力で聞こえた内容はとても不愉快な内容だった。その詭弁に怒りで沸騰しそうになった時、兄さんの雰囲気が変わった。

兄さんの雰囲気は怒っているようで苦しんでいるようで、どこか悲しんでいた。兄さんの事情を知らない者達が何か言っているようだが、知っている者達は静かにその光景を見ているようだった。

 

試合終了後、私はとても悲しかった。

兄さんは記憶への思いを消してもまだ縛られているのだと思うととても辛く感じた。私はこんなにも愛しているのに兄さんを変えられないのだと無力に思った。

 

(ああ、兄さん。私は貴方を愛しています)

 

私は心でそう思った。

 

 

Madoka side end




誤字脱字等あればよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。