真剣に私と貴方で恋をしよう!!   作:春夏秋冬 廻

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第72話投稿。

凛奈さんまたも大活躍?


第72話 箱根旅行、露天風呂の素敵なひと時

第72話 箱根旅行、露天風呂の素敵なひと時

 

  side 川神百代

 

「………………」

 

「………………」

 

駅から旅館へと向かうバスの中、隣同士で座っているのに実に気まずそうだな、タカとまゆまゆは。まあ、あの電車の中での出来事を考えると無理はないか。

 

この現状を作りだした原因の凛奈さんは1番後ろの座席で満足そうに2人を眺めているし。しかし驚いたな。あの緋鷺刀至上主義の凛奈さんがいとも簡単にまゆまゆを認めるなんて。

それほど気に入ったという事なんだろうが、本人たちはあんな状態だしな……私とジンに続くファミリー内カップル誕生はまだ先になりそうだ。

 

あーしかし暇だな。バスに乗らずに旅館まで競争だと走って行ったワン子とクリが心配だからって、ジンも一緒に走って行ったからな。

優しいのはいいが彼女放ったらかしにすんなよな全く。

 

「おい、戦っ娘」

 

大和でもイジって憂さ晴らしでもしようかと思ったのにな。だが凛奈さんに呼ばれたのら行くしかない。何故か本能がこの人を敵にしてはいけないと警告するんだよな。1度も手合わせした事ないのに未だに分からん。

 

「何ですか? 凛奈さん」

 

「お前と暁の坊主だけ別の2人部屋を取ったんだか、その部屋について少し説明をしたくてな」

 

説明もなにも、部屋は部屋だろう。食事や寝るのはみんなとは別なだけでそう変わりのあるものじゃないはずだ。私としてはジンと一緒に寝泊まりできるだけで十分だけどな。

 

「まず1つ目。予約特典で家族風呂に入れる」

 

なに!? 家族風呂だと!? という事はあれか!? 恋人同士の嬉し恥ずかしドキドキイベント『一緒にお風呂』のフラグが立ったと言うのか!?

 

「そして2つ目。恋人特典で1番見晴らしのいい露天風呂を1時間無料貸し切りだ」

 

おお!? 1番見晴らしがいい!? という事はあれか!? 恋人同士の心ときめくラブラブイベント『満天の星空を寄り添って見上げる』のフラグまで立ったと言うのか!?

 

つまり今回のこの旅行で、ドキドキラブラブイベント『満天の星空を一緒のお風呂で寄り添って見上げる』を経験できると言う事か!?

 

テンション上がってきたーーー!!

 

「それからこれも渡しておくぞ」

 

ウナギ登りのテンションのままハンドバッグから取り出した何やら箱みたいなものを受け取る。5センチ×10センチぐらいの長方形の箱。チョコなのかと思い箱に書いてある文字を読む。

 

こ、これは……っ!?

 

凛奈さんから手渡されたモノ。

それは兵士がサバイバルで水筒代わりにもしたり、子供たちが風船代わりに遊んだりするという、いわゆるひとつの“幸せ家族計画(コンドーム)”だった。

 

って思惑モロバレかい!!

 

  side out

 

 

  side 直江大和

 

宿についてもキャップはまだ眠っている。

いい加減起きろと言いたいが、今日はこれから夕飯まで自由行動になるからそのまま寝かせておいてやるか。

 

「キャップも寝てるしジンもいないし、代理で私が仕切るぞ。温泉は24時間入り放題。夕飯までには時間が余っている。とりあえず好きに行動しろ」

 

姉さんの号令のもと、各自思い思いの行動を取り始めた。

 

凛奈さんは宣言していた通り、宿に到着して代表でチェックインを済ませたら、常連という事で顔見知りなんだろう、女将さんと世間話をしながら離れの方に歩いて行った。

姉さんも自分と兄弟の荷物を持って、仲居の人の案内で予約していた2人部屋の方へと向かった。

 

さて、残りのメンバーを見てみよう。

 

ガクト→たぶん女湯覗くための下準備に下見に行ったな。

モロ→さっそく部屋に備え付けられているゲームに取り掛かったよ。

キャップ→未だに寝てる。いつ起きるんだろうこいつは。

京→部屋で芦ノ湖を眺めながら本読んでる。ブレない奴だ。

ヒロ→気まずさは解消したのかまゆっちとお土産見てる。

まゆっち→少し緊張しているけどヒロ一緒にお土産見てる。

 

さて、俺は何をしようかなと思ったが、いくらなんでも走って登ってきている3人が遅い気がした。もう1時間以上たってる。

 

兄弟がついているから無駄な心配だとは思うが、様子見に旅館の前で少し待ってみるか。携帯に連絡しようにも預かった荷物の中にあったしな。

 

「お? お出迎えかヤマ?」

 

俺の姿が見えたのかゆっくり速度を落として隣に並んだ兄弟。息ひとつ切らしてないのはさすがと言うべきなんだろうな。しかも余裕の先頭だ。後ろにいるワン子とクリスが豆粒に見える。

 

「そらぁぁぁラストスパートォォォッ!」

 

「絶対に負けん!」

 

もうすぐ旅館の前だ。そろそろ止まる……っておいおい! 全く減速する気配がないんですけど? しかも勝負に集中しすぎて俺が目の前にいるって気付いてないね2人とも。

 

「ゴォォォルッ! 同時かっ! やるわね」

 

「犬もな! スピードは互角か!」

 

2人が同時に旅館前のロータリーを走り抜け、ザザッと土煙を上げながら停止した。というか停止して土煙を上げる程のスピードって、人間に出せるのか?

 

え? 俺は無事なのかって? ああ無事だ。ぶつかる直前に隣にいた兄弟が俺を引っ張ってワン子とクリスの直線上からどかしてくれた。おかげで正面衝突は避ける事が出来た。

 

「時間かかりすぎな気がするんだが何してた?」

 

息を整えているワン子たちを見ながら兄弟に問い掛ける。何となしに理由は分かってるけどね。

 

「カズがな、どうせなら山道を行こうとか言い出したんだよ。でも時間掛けるわけにもいかないから、俺が先行してルートを決めて走ってきたってわけ」

 

その行動で間違いはないだろう。ワン子たちに任せていたらもっと遠回りになって時間がかかっていたに違いない。GJだ兄弟。

 

「だから葉っぱとか体についてんのか。クリスもいちいち挑発に乗るなよ」

 

「誇りがある。勝負を避けるわけにもいかない」

 

どうやら俺の呟きが聞こえていたようで、息を整えたクリスが少しだけ怒りの籠った声を上げた。クリスの言い分も分からんでもないけどね。でももうちょっと柔軟になれよ。

 

「走る服装じゃないだろ……時と場合を選べ」

 

「むっ」

 

俺の言葉に反論を取る姿勢を見せたが、

 

「はいはい、言い合いは後。カズもクリスもとっととお風呂行って汗流して来い。女の子がいつまでも汗臭くちゃ示し悪いぞ」

 

遮るように手を叩いて注意をする兄弟に出鼻を挫かれる結果になった。

 

「カズ、クリス引っ張って行ってこい」

 

「うん! それじゃあ行くわよクリ!」

 

「ま、待て犬! 自分で歩ける! 引っ張るな!」

 

兄弟の命を受けてワン子は問答無用とばかりにクリスを連行していった。まだ何かを言いたそうなクリスだったが、あの決闘以降、兄弟に対してはある種の尊敬に近い感情を持っているらしい。素直に言葉に従った。

 

うん、この場に兄弟がいて本当によかった。本当に。

 

でも本当にどうにかならんのかねクリスは……

 

  side out

 

 

  side audience

 

豪勢な夕食も終り、今日1日目最後のイベント。至福の温泉タイム。

旅館と言えば温泉。温泉と言えば露天風呂。露天風呂と言えば覗き。そう、今まさに覗きが決行されようとしていた。

 

「では、男湯を覗きます」

 

ただし、女湯で。

 

「やめときなさいよ。ってか大和以外の男が見えたらどうするの京的に」

 

覗きをしようと男湯と女湯の仕切りに近付いて行く京に、一子が咎めるように声を掛けた。その指摘にそこまで思い立っていなかった京はハッとしたように立ち止った。

 

「その可能性を考慮していなかった。では聞き耳を立てるぐらいで……京イヤーは地獄耳」

 

「これって普通、男の方がするものじゃあ……」

 

「はっはっは。いいじゃないか由紀ちゃん。たまには男女逆転があっても」

 

耳の後ろに手を当てて聞く事に集中している京を見て、由紀江が少し戸惑っているのに対し、凛奈は面白そうに豪快に笑っていた。

 

 

一方その頃の男湯は――

 

「いい湯だね。温泉いいなぁ〜」

 

「たまにはこういうのもいいなぁ」

 

「そうだね。箱根は何度来てもいいね」

 

卓也、大和、緋鷺刀の3人は食後の温泉を穏やかに満喫していた。だがそんな風に静かに温泉を楽しめない人間が風間ファミリーにはいる。そうそれは。

 

「見ろ貴様ら! 俺様のこの筋肉美!」

 

島津岳人である。

温泉にタオルをつけるのはタブー。しかしお湯にも浸かっていないのに腰にタオルも巻かず、素っ裸でボディービルのポージングのような姿勢を取る岳人に、卓也のツッコミが刹那の時間も置かず入る。

 

「少しは隠してよ! グロいんだよガクトのは!」

 

「男同士でいちいち隠す必要もないだろ」

 

それに対して答えたのはもう1人の素っ裸の男、翔一であった。それに呆れたような苦笑いを浮かべて緋鷺刀が小さな声で呟く。

 

「キャップと岳人君は堂々としすぎだよ」

 

だがその声は小さすぎで翔一と岳人の耳には入っていない。緋鷺刀も聞こえるように言ってないから別に問題はないのかもしれないが、ここでは大きな声で言っておくべきだったと後で後悔する事になった。

 

「俺様のマイサンは銃で例えるとバズーカだな」

 

岳人は下ネタに走り出した。それに何気なくツッコミを入れるのは大和。

 

「まだ1度も対象に向けて発砲した事ないけどな」

 

「訓練ばっかでよー。砲身は磨いてんだけどな。って何言わせんじゃいコラ!」

 

下ネタ話が得意でない卓也と緋鷺刀は、そそくさと3人から離れて端っこの方に移動した。どうやら話しの対象になるのを少しでも避けるための行動のようだ。余り意味がないだろうなと緋鷺刀は思っていたが卓也はある意味で必死だった。

 

「そういうテメーのジュニアはどーなんだよ大和」

 

「俺のはマグナムだね。重い1撃をドスンと。キャップはマシンガンっぽいな。連射性能が良さそうだ」

 

岳人の話に悪ノリする大和に緋鷺刀は呆れるしかない。神がこの場にいない今、止めてくれる人がいなくなった以上は話が自分たちに飛び火するのは避けられないだろうと悟った。

 

「下品! げーひーん!」

 

耐えられなくなった卓也の言葉に緋鷺刀は頭を抱えたくなった。今ここで声を出せば話題にしてほしいと言ってるようなもの。案の定飛んできた。

 

「チラッと見たが、ヒロはスナイパーライフルっぽかったな」

 

「ははは、『目標を狙い撃つ』ってか?」

 

「まゆっちも大変だなぁ。失敗すれば1発ってか?」

 

例えて言う大和。笑う翔一。ニヤケた顔の岳人。3人に対していろいろとツッコミたかった緋鷺刀だが、下手に反応すればさらにイジられると分かっていので必死に耐えていた。

それが功を奏したのか、標的は緋鷺刀から卓也へと移った。

 

「モロの水鉄砲は革のホルスターに入ってるからな」

 

「僕だって好きでそうなってるわけじゃないよ……」

 

小さい声ながらも反応する卓也を見て緋鷺刀は小さく溜息を吐いた。反応しなければさらに踏み込んで突っ込まれる事はない。それを知っている緋鷺刀は卓也に同情の念を抱いたのだった。

だがその反応を見逃さなかったのが翔一。

 

「あのさ、それってもしかして……」

 

「いいか、遠回しに言うんだぞキャップ。それが優しさだ」

 

翔一の言いたい事を理解している大和は言葉を選べと注意を促した。しかし感性が自分と違う事をすっかり忘れていた。

 

「剥けてないのか」

 

「うわぁぁぁ!」

 

言葉の直撃をくらった卓也は恥ずかしすぎてお湯に潜ってしまった。そんな卓也の姿に緋鷺刀は同情と哀愁の念を抱かざるを得なかった。

 

「頭を撫でるように優しく言ったのになぁ」

 

「遠回しどころか最短距離な表現だな」

 

「言葉のチョイスが殺しにいってるとしか思えねぇよ」

 

訳が分からず首を傾げる翔一に、ある種の戦慄を受けた大和と岳人が少しだけ呆然とした声音で呟いた。そんな仲間たちを眺めながら、緋鷺刀は呆れた溜息を吐くしかなかった。

 

「よし、それじゃあ俺にモロの大事な部分見せてみ? 俺が剥いてやるからよ」

 

「嫌だよそんなイベント! いったい誰が幸せになるのさ!?」

 

「リーダーとして心配なんだよ。恥ずかしがんな。お前あだ名モロだろ?」

 

「そーいう意味のモロじゃないって知ってるでしょ!?」

 

本当に呆れるしかない緋鷺刀だった。

 

 

場所は変わって再び女湯では――

 

「おお〜ぅ……コレは凄い展開だった……」

 

聞き耳を立てていた京はお湯の中で悶えている。そんな姿をクリスは呆れたような半眼で眺め、一子は訳が分からず首を傾げ、由紀江は聞こえたのだろう若干頬を赤くして俯いていた。

 

「ねぇ凛奈さん。マグナムってどんな銃だっけ?」

 

初な反応をする由紀江をご満悦な表情で眺めていた凛奈に、京の疑問が飛んできた。男湯の会話が聞こえていた凛奈は、年頃の娘としては興味津々過ぎる京の問い対し、咎めるどころか満面の笑みを浮かべて答えた。

 

「大口径ならグリズリーだって倒せる立派な銃だ」

 

「屈強なモノを装備してるんだね大和……」

 

何かを妄想し再び悶え出した京に、クリスと一子はもはや視線すら向けずに由紀江と一緒に談義を咲かせている。どうやら完全無視する方向で決まったようだ。

 

和気あいあいと話をしている3人をと悶えている1人を、凛奈は温泉の中にある大きな岩に背を預け眺める。しかし花を愛でるような穏やかな雰囲気とは裏腹に、その目はまるで獲物を捉えた鷹のように鋭かった。

 

「あの……凛奈さん。そんなに見つめられると非常に気になるのですが」

 

恥ずかしそうに声を上げるクリスだったが、言葉を掛けられた凛奈は予想の斜め上をいく言葉を返してきた。

 

「ふむ、正義っ娘は80・58・81。犬っ娘は77・54・79。弓っ娘は84・59・83。由紀ちゃんは88・56・87といったところだな」

 

「なっ!?」

「ほへ?」

「おおぅ」

「ひゃう!?」

 

ズバリ言い当てられて真っ赤になり胸を隠すクリスと由紀江。感心したように拍手をする京。何を言われたのかあまり分かっていない一子。そんな4人の反応を楽しみ愛でながらも凛奈の言葉は止まらない。

 

「弓っ娘は相変わらず肉付きがいいな。逆に犬っ娘はもうちょっと肉が必要だな。正義っ娘はスレンダーだがもう少し胸が欲しいと思っているだろ? 由紀ちゃんは安産型か……しかし年齢らしからん肉体だなぁ」

 

ゆでダコ状態の由紀江にズバリと悩みまで言い当てられて言葉もないクリス。慣れている京と一子は特に思う事はない様子だった。

 

「出た。モモ先輩すら驚愕させた凛奈さんの特技『女体計測スカウター』。久し振りに見たけど錆びついていないね」

 

「な、なんだそれは!?」

 

「凄いでしょ。1センチの誤差もない高性能らしいよ」

 

「そんな事を聞いているのではない!」

 

声を荒げるクリスに対してクールな京。由紀江は未だに固まったまま動かない。そんな3人を無視して一子は無邪気に問い掛けた。

 

「ねーねー! 凛奈さんとお姉様の数字は?」

 

「んー? 興味あるのか犬っ娘? 戦っ娘は90・58・88だな。服の上からの誤差修正だから確実ではないがな。ちなみに私は88・57・86だ」

 

こっちもこっちもで下ネタに走る女湯だった。

 

 

そして再び男湯では――

 

「あっちも盛り上がってんなぁ」

 

声は聞こえていないので何の話で盛り上がっているかは分からないのが、女性陣にとっては救いなのかもしれなかった。だが感心する翔一を無視して岳人が欲望まみれの声を上げる。

 

「大和。俺様は明日覗きがしたいぞ!」

 

「覗き? やめろよ。そんなんではしゃぐのはお子様だぜ……なんて言うのは素人だ! 覗きたいのなら覗け!」

 

「お前のその柔軟な考え方、俺様好きだせ」

 

岳人の欲望を増長させるような声を上げる実にノリのいい軍師。そんな大和に緋鷺刀はたましても溜息を吐くのを止められなかった。

 

「覗いても凛奈さんに殺されるだけだよ」

 

一応の注意を無駄だと分かっていても促す緋鷺刀に、岳人は人差し指を立てた手を軽く揺らして、何故か自慢げに答えた。

 

「隣を覗くなんて自殺願望は俺様にはねぇよタカ。だが調べて分かったのよ。山の下の方にも旅館があってな、頑張ればそこの女湯が見れるかもしれん」

 

「ネットで調べたらその旅館、明日から女子校生のラクロスチームが泊まりに来るみたいなんだよね」

 

「わざわざ調べてあげたのか。優しいねモロは」

 

岳人の言葉に付け足すように言う卓也に、労りの言葉を掛ける大和。それに対して卓也は呆れたような苦笑を浮かべるしかない。

 

「ガクトが俺様の健康状態に関わるって言うからさ」

 

「ははは! 女子校生ラクロスチームかぁ。上手くいきゃお前、天国への扉が開くかもしんねーぜ?」

 

もはや浮かれるしかない岳人。それを見て呆れる卓也。執念の凄さに少し引き気味の大和。興味がないので話に加わらない翔一。そして緋鷺刀がポツリと呟いた。

 

「地獄への扉じゃない事を、一応だけど祈っておくよ」

 

こうして、邪念たっぷりの1日目は終わったのだった。




あとがき~!

「第72話終了。あとがき座談会、司会の春夏秋冬 廻です。今回のお相手は――」

「師岡卓也です」

「久し振り、革のホルスターに入った水鉄砲のモロ君」

「こんなところに来てまでイジられるの僕!?」

「はてさて今回のお話ですが、原作通り旅行1日目の温泉でのシーンをやりました。まさかの女湯でのやり取りが追加されましたけどね」

「なんであんなシーンを追加したんだよ」

「凛奈さんてすごいね」

「そのひと言で全てが分ったよ」

「いやしかし本当に凛奈さんは書いてて楽しい。急遽思い付きの箱根旅行参加だったけど、もはや作者の意思を超越したキャラになってしまった」

「超越って……いったいどうしたのさ」

「いやね、神や緋鷺刀、それから原作にないシーンとかを考える時は、このキャラならこんなセリフを言ってこんな動きをするだろうな、って考えながら書くんだけど、凛奈さんのセリフと行動はほとんどその場の勢い。登場したら考えなくても勝手に出来上がるんだよ」

「凄いねそれ……」

「だからもう本当に楽しいんだよ」

「その分、割りを食うのがタカとまゆっちだよね」

「否定しないね。前回の話で凛奈さんの中では由紀江は緋鷺刀の嫁に決定したからね。後々イジられまくるんだろうな2人して。お気に入りには容赦ないからあの人」

「ところで温泉シーンでジン兄とモモ先輩が全く出てこなかったけど?」

「それはね、一応恋人同士で家族風呂に入ってるからね。みんなとは違う場所なんだよ」

「そのシーンは書くの?」

「投稿するよ。1話にするのは短いから閑話か外話だね」

「本当に短いの?」

「多分」

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