道化と往く珍道中   作:雪夏

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これは、タマモと小竜姫が麻帆良女子中学校に入学した日のこと。彼女らが廊下で刹那と別れ、木乃香と出逢ったときのある一人の女生徒のお話。


一言: 思いつき。本編裏側……シリーズ化するかも


休み時間 その1
超鈴音さん企む


 

 

 

 

 

 

 

小竜姫とタマモが刹那と廊下を歩いていた頃。一年A組の教室に、その少女の姿はあった。

 

俗に言うお団子ヘアーの彼女の名前は(ちゃお)鈴音(りんしぇん)

 

 

 

 

――好きなものは世界征服と断言する、自称 マッドサイエンティストである。

 

 

 

 

 

教室に一番乗りした彼女は、クラスに入ってくる少女たちを確認しては、何やら端末を操作している。

 

(彼女たちは……釘宮円、柿崎美砂に椎名桜子。この三人は問題ないネ。……ネギ坊主が来るまで、約二年。その間に、準備を終えなくては……。その為にも、私が持つ情報の確認と、この時代で収集した情報の分析を進めないといけないネ)

 

彼女が持つ端末には、様々な情報が表示されている。その中のある箇所をタッチすると、数名のクラスメイトの顔写真が映し出される。

 

(優先して確認したいのは、ネギ坊主のパーティーとして名が知られている人たちネ。刹那サン、古、楓サンはちゃんと入学することは確認済。明日菜さんと木乃香さんもOKネ。このグループはまず間違いなくネギパーティに入る筈ネ)

 

表示した画面を元に戻し、次に “パーティIN70%”と書かれた画面を表示すると、そこには夕映とのどか、ハルナの写真と情報が。

 

(この三人は、のどかさん次第ネ。ネギ坊主がのどかさんにどう接するかで、魔法に関わるかが決まると言ってもいいネ。出来れば、のどかさんには仮契約して欲しくないネ。あのアーティファクトは計画の妨げに……。それに彼女がネギ坊主に好意を持っていたと言うのは、物語にもなった有名な話だけど……あんな“最期”になるのなら)

 

そこまで考えて頭を振る超。その眉間には深い皺が刻まれていた。気を取り直すかのように、一度大きく息を吐く。

 

(他のクラスメイトは、パーティーに入った記録はない……が、何人かは協力者として名前が残ってるネ。彼女たちが、何かのきっかけで仮契約する可能性は……否定しきれないネ。まぁ、全てはネギ坊主が来てからネ。それまでは、私が来たことによる影響の調査、それに伴う計画の修正。そして、世界樹の魔力の調査。この三つを中心に進めていくしかないネ)

 

超は端末をカバンの中にしまいながら、最近追加した二人の情報を思い出していた。

 

(“妙神竜姫”と“葛葉タマモ”……か。本来、クラスに存在しない筈の二人。私が行動した影響……)

 

最後に表示した二人の情報。その情報は、超が歴史に影響を与えたことを示していた。

 

 

 

妙神竜姫:魔法世界出身。絡繰茶々丸という新たな従者を得たエヴァンジェリンに、不安の声をあげる魔法関係者に配慮し、新たに雇い入れた少女。高畑自らスカウトしており、実力は高いと思われる。実力の調査が必要?

 

葛葉タマモ:魔法世界出身。妙神竜姫と同様に、エヴァンジェリンに対する抑え、監視の為に雇われた少女。また、妙神竜姫とコンビで賞金稼ぎをしていたとのこと。同じく、実力の調査が必要?

 

備考:エヴァに対抗する為に雇われたことから、吸血鬼に有効なAFを所持している可能性あり。戦闘タイプなので、二人とも従者である可能性も。

 

横島忠夫:妙神竜姫、葛葉タマモと同居する男性。魔法世界出身。彼女たちとパーティーを組んでいる。データによると、凄腕のトレジャーハンター。魔法先生ではなく便利屋を隠れ蓑にしていることからも、直接戦闘より情報収集に優れている可能性が高い。

便利屋は女子寮とエヴァンジェリン宅の中間にあることからも、エヴァンジェリンの動向を探っている可能性は高い。

 

備考:警備の仕事に現時点では登録されていない為、エヴァンジェリン専任の可能性あり。

 

 

 

 

 

脳裏でデータを思い浮かべていた超は、自分が確実に歴史に影響を与えていることを実感し、思わず考えていることを口に出してしまう。その顔には、目的に近づいている満足感からか、不敵な笑顔が浮かんでいた。

 

「ふふ……。未来は変えられる。私たちが茶々丸を創ったことで、警戒されてしまったエヴァンジェリンには悪いが、いい隠れ蓑になってもらうネ。まぁ、向こうから持ちかけてきたのだから、自業自得ネ。ま、そうなるように仕向けたのは私だけどネ」

 

 

 

「全ては……世界の平和の為。なんだって利用してやるネ」

 

 

 

そう呟くと、彼女は再びクラスメイトたちを観察するのであった。

 

 

 

 

 

その後、彼女が木乃香と仲良く話しながら教室に入ってきたタマモたちを目撃し、彼女たちのネギパーティー入りを検討せざるを得なくなったのは別の話である。

 

 

「一体誰ネー!!余計な二人を麻帆良に入れたのはー!!」

 

 

 




突発的裏側シリーズ(未定)。本編のあの頃を別視点で。基本短いです。
タマモたちの情報は、超が学園のデータベースをハッキングした時に判明したデータです。
横島たちが警備に加わっていることは、限られた人たちしか知りません。
また、登録されているデータは、関係者に見せる為に辻褄を合わせたデータなので、事実とは違う情報となっています。

のどかの物語は、簡単に言うと悲恋の物語です。気になる方は超に聞いてください。

超が知っているネギパーティのメンバー。のどかが物語になっている。超がクラスメイトたちを調査した。エヴァの家と女子寮の中間地点に便利屋「よこっち」がある。
これらは拙作内設定です。

ヒロイン残り数十を切りました。誰が滑り込むのか。今更ですがGS勢からヒロインって需要あるのだろうか。色々考えましたが、合流させにくいと少し後悔中。

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