こういった類の話を書くのは初めてなので、つたないとおもいますがなにとぞご容赦を。
それはともかく、ユーノくんを今回振り回すのは……アリサちゃんでございます。
それではどうぞ!
最近、ミッドチルダにて生活中。
まずここからしてちょっぴりおかしい。普段あたし達(あたしと紫髪の幼馴染)は、基本的には海鳴市の方で生活している。昔色々あったこともあり、あたしらは『魔法』に非常に近い……でも少しだけ違うような、言ってみればあたし達の〝オリジナル〟とでも言えばいいような力を持ってる。まぁ、もちろんそれを使えるのもあたしらだけ、完全なるオンリーワンというわけでもないのだけど……とはいえ、まぁそんな感じの力を持っているわけなのだけど、あくまでも私らの生活の中心世界は地球なのだ。これは『魔法』を認知していて、かつこの世界の中でもそこそこの影響力をもつようなあたし達は丁度良くミッドチルダと地球を繋ぐための役割――所謂橋渡し役をやるのに丁度良かったから、というのも大きい。
そんなわけで、会社経営の跡取りの令嬢のあたしと、これまたお嬢様な現在大学院に在学中の幼馴染と一緒に窓口的な役職をやってる。だか、いかにそんな役回りをしているとはいえ……まだまだ『魔法』を知っている者は少ない、というより迂闊に露見させるわけにもいかないということで、その部署では主にミッドチルダの方から来た応援社員の方々と共に色々な橋渡しをしている。
物資の輸入・輸出だったり、技術の共有だったり……後は、人の行き来だったりを管理していたりする。
とまぁここまでを前置きとして、現在進行形であたし達は幼馴染の仕事バカ(この言い方だと特定するのは難しいが)の新たに抱えた面倒ごとを更に広げてしまった(ちょっぴり自業自得な部分もあるが)所為で子供になってしまった。
あまりにも突拍子がない、といえばそこまでだが……それが事実だったりするから余計に始末に負えない。
その苛立ちは、その原因の〝ロストロギア〟の解析を急かしたことと……この機を利用してちょっぴり休暇を得られる事になったこと、そして〜♪
「あのさぁ……アリサ?」
「なぁに? ユーノ」
「この格好、ものすごく恥ずかしいんだけど……着替えてもいい?」
「えぇ〜、いいじゃないちょっとくらい、減るもんじゃないんだから」
「……いや、減るよ。主に男としてのプライドとかが……」
「そんなこと、アンタ元から女顔なんだし今更よ、今更。気にするだけ無駄ってやつよ。受け入れて納得なさい」
「気にするよ! それにこの状態を普通に受け入れも、納得もしないよッ!?」
これでちょっと鬱憤を晴らしてるのよねぇ〜♪
なんとも楽しそうに笑いつつも、どことなく有無を言わせないような〝威圧感〟をもつ彼女の笑みに……ユーノ君はただただ従うしかなかったのだった……。
「それにしてもアンタってホント女顔よねぇ……、その上天然ものだし」
「天然って……それを男の僕に言うの? アリサ……」
「そーよねぇ……でもなんだかそう言ってたら段々腹立ってきたわね。男のくせにあたしらよりも手入れが要らないなんて」
「あ、ありしゃあー!? い、いひゃい、いひゃい!!」
むにぃーむにゅぅー、と頬っぺたを引っ張るアリサ。そんな彼女の様子が、何だか微妙に母親にかまって欲しいと示す赤子のように見える気がするのは、気のせいだろうか?
「うぅぅ……酷いよ、アリサぁ」
「フン! なっさけないわねぇー。そんなだからいつまでも経ってもこうなのよ、まぁその方があたし的には面白くていいけどネ♪」
「そ、そんなぁ……」
とぉ~っても良い笑顔でアリサちゃんにそう言われたユーノ君は、ガーンという擬音が合いそうな悲痛な顔を浮かべるのだった。
「さて、そんなことよりも続きよ、続き!」
「も、もういやだよぉぉ――ッ!」
「うっさいっ! 今のアンタはあたしのおもちゃなのよ!」
そういいつつ、ユーノ君が今着ている服(勿論女物)を引っぺがすアリサちゃん。
「はい、次これね♪」
「もう嫌だよぉぉぉ!?」
「問答無用よ!」
「うぅぅ……」
「うんうん♪ さすがあたしのチョイスね、よく似合ってるわ~」
そう言って落ち込んでいるユーノ君をニコニコ、つやつや(?)とした笑みで見ているアリサちゃん。
そんな彼女がユーノ君に着せたのは、何故かメイド服。そう、丁度どっかのアリサと似たような声のこれまた似たような金髪ロリお嬢様が、なのはのお姉さんと似たような声の借金執事に着せたような奴である。
「ちょっと、黙ってたら面白くないでしょユーノ。『お嬢様』とかって言ってみなさいよー」
「……お、お嬢様……」
「」
アリサちゃん、急に黙る。
「……? アリサ?」
「――ハッ、な、何よ……」
「いや、なんだか急に黙るから……」
「べ、べつに何でもないわよ! それより次行くわよ!」
「うぇぇぇッ!?」
そしてネクスト。
「今度は……何だっけコレ、地球の着物だったっけ?」
「うーん、これも結構似合うわねぇ」
胸が無い方が美しく見える、つまり必然的に絶壁・オブ・絶壁(どこかで誰かが苛立ちを感じた。具体的に言うと馬鹿と償還が云々の学校のポニテヒロインが)の男の娘が着物の着こなしに関しては最強ということに……ゲフンゲフン。
まぁ、それ抜きにしても、とても似合っている。子供化したとはいえ、髪の長さ等はそのままなので、ユーノ君やなのはちゃんたちの髪型は大人の頃のままとなっている。(一つ結びやサイドポニテなど)
ただ、自分で戻せる方々はそれを自分で変えたりもしてるが、それはまぁ余談であろう。
「あ、そうだ」
「い、一応聞いとくけど……な、何するのかな?」
「それはぁ~……こーするの、よっ!」
ユーノ君の帯に手を掛けて、思いっきりひぱって回すアリサちゃん。
「そぉ~……れぇぇぇぇッ!」
「あぁぁぁぁぁぁれぇぇぇぇッッ!?」
所謂殿様プレイ(?)という奴である。
「よいではないかー、よいではないかぁーッ!!」
アリサちゃん、ノリノリである。
そして、帯は結構あっさりと最後まで達し、ユーノ君は床に目を回して倒れる。
「あぅぅ……」
「さ~て、お次は~?」
床に転がったユーノ君を放置して次の服を選ぶアリサちゃん。
「はい、次はこれ♪」
「は、は……ぃ…………」←もはや抵抗をあきらめた。
続いてのお洋服は?
「……、」
続いてアリサちゃんがチョイスした服とは――黄色を基調とした、どっかの魔法少女の服だった。
「うーん、これはいまいち……かしら?」
そう、いまいちボリュームが不足している。決して越えられない壁的な(性別等の含めた)意味で。その部分だけは……さすがに埋められない。
「まぁ、良いわ。……って、そんな疲れと悲し気な目で見ないでよ。もぉ、じゃあ次は男の子の服にするから」
「……」
結局コスプレ自体はするという、なんとも言い難い気持ちがユーノ君の中にあったが、どうせ逆らっても無駄なので、そこは受け入れることにした。
「赤コートに、白手袋。そして……黒いパンツ……」
「おー、似合うじゃない」
「まさか三つ編みにさせられるとは思ってなかったよ……」
「その方がいいのよ、初期はそうなんだから。あ、そうだねぇねぇユーノ。ちょっと手を合わせてみて」
「……こう?」
パンッ、と両手を合わせる。
「いいわぁ! いいわよユーノ!」
「そ、そうなの……?」
「~♪」
思わず「兄さん」呼びをしてしまいそうになるほどである。ユーノ君は、錬成系の魔法は使えないけど。(まぁ、盾的にはまさに「最硬」ではあるが……「強欲」の名に該当するかは……まあ正直微妙である)
さて、お次は……?
「次これね」
「これはまた……随分と…………」
「言葉濁してないで早く着なさい」
「……分かったよぉ」
さて次の服は、フェレットパジャマ。
「あははっ! これまでで一番かわいいかも、ねぇユーノ?」
「……これ、べつにただ単純にフェレットモードになってもよかったんじゃ……?」
「それじゃあ
「……ボクの存在義って、まだフェレットなの?」
「半分はね、少なくともあたしが初めに見たときはそうだったし。そんなに変化が欲しいなら……こっち着てみる?」
そう言って差し出されたのは、どっかの街で不条理な契約を迫る白い邪悪《マスコット》のこれまた着ぐるみパジャマだった。
「……」
「……」
(ボク、そんなに悪いことしたっけかなぁ……?)
(これなら契約も一発ね……ご愁傷さまねQB)
その頃どっかの救助隊の訓練施設に一角で、一人の陸士が持ち前の「
より具体的には「は、放してティア!! 私はあの白い悪魔(某教導官に非ず)を始末しなくちゃいけないの!! それこそじっくり、ねっとり(?)と!!(というかマミさんタッくんのQBコスとかどんだけ私得――(ry)」そう口走りつつ、妄想しつつ、じたばたともがく青髪の彼女を橙髪の彼女が羽交い絞めにしていた。
「……ねぇアリサ、これ脱いでもいい? 何だかこのままだと命と貞操的な方での危機を感じるんだけど……」
「……まぁ別にいいわ。確かに世の理が変わっちゃいそうだからやめにしましょ――『アレ? こんなところにいたのかい、ユーノ
『きゅぷぃっ!?』←丸焼き
訳が分からないよ、と言い残して白い邪悪は消え去った。(ただ、ほんの少しどっかの男の娘が混じっていたけれども)
「……あのさアリサ。その……」
「アンタはよくやったし、よくやってるわ」
だから気にしなくていいのよ、と言い放つ。(実際、ユーノくんの場合結構な割合でアフターサービス充実してますからねぇ)
まあ次はこれね、と先ほどの流れお構いなしに次の服を要求してくるアリサちゃん。
「女神ですか……」
「どっかの
アンタにならこの世界の命運託してもいいわ。と思いつつ、先程葬り去った白い邪悪もこれなら手を出せまいとアリサちゃんは思った。ただ、今度は寧ろアリサちゃんの方が〝獣〟になりそうな雰囲気であったが……。
「……あの、アリサ……さん…………?」
「あ、ゴメンゴメン。はい次これね」←少しずつ落ち着いて来た。
「……分かった」←悲しいかな、もう慣れ始めた。
続いては――。
「これは……なんというか」
「う~ん♪ さすがにこれはばっちりねぇ~」
どっかの凡庸決戦兵器のプロトタイプパイロットのスーツを着て立つユーノくんの姿にアリサちゃんはニヤニヤしていた。
「金髪なのがちょっと残念だけど……まあ許容範囲ね」
「なんで、女の子仕様の方を……?」
「そんなの今更でしょうが、まあいいけどじゃあこっちも着てみる?」
「……これは」
半袖のYシャツと黒い学生ズボン。一般的な日本の夏の学生のスタンダードすぎるほどのスタンダードファッションだが、先程の恰好の後だと……どっかの天王星の守護戦士と同じ声の神の子の主人公と同じような格好である。とはいえ、彼自身は金髪なため、どっちかって言えば「うーん、歌はいい。リリンの生み出した文化の極みだ」というセリフを言ったホモっぽい少年の方があってるかもしれない。(
「ねぇユーノ♪」
「(なんか嫌な予感が……)何かな、アリサ……?」
「ん~? あれ見て♪」
そう言って彼女が指さした先にあるのは――いつ間に作ったのか、まっさらな病室。
「~♪」
そして、いつの間にかなんかパジャマに着替えているアリサちゃん。
「な、何を……」
するつもり、と聞こうとしたとき……なんかもう先の展開が読めた。
「――脱出!」
「させると、思う?」
ものすーっごい「良い笑顔」でそう聞かれた。
そして彼女が手を合わせ、この空間を密室に置き換える。しかし、ユーノくんとて優秀な魔導師。そう簡単にやられはしない。
「トランスポー……た――『させると思う?』――うぇっ!?」
すると、これまたもの凄い妖艶な表情をしたアリサちゃんがユーノくんの方に顔を寄せて耳元でささやくような感じにそう問いかけた。
魔導師の魔法の構成はデバイスを用いようが持ちいまいが、基本的にどっかの巨大学校都市の能力者たちと同じように数式のごとく組み立てるものであるので、本人が動揺したりして冷静に更生を行言えないとまともに術式を展開できなくなる。とりわけデバイスの補助なしが通常のユーノくんでは……まあお察しである。
「さぁ、ユーノ♪ あのシーンの再現、しよっ♡」
「い、いやだよ!? あ、アリサなに言ってるの!? そんなことしたくないよ!」
アリサだっていやでしょ!? とユーノくんはアリサちゃんに言うのだが……。
「……知ってる? 対象にされても、手を出さないのが嫌だった……っていうのがあの愛憎劇の中で明言されてるんだけど?」
意気地なし――というセリフ、みなさんご存じだろうか?
「だ、だからって……!」
「あたし、アンタならいいのよ」
「な、なぁ……ッ!?」
「ねぇユーノ、私の事――好き?」
既に、本編の筈なのにパロ全開になりかけているが……既に止まれない、止まれないのだ。
「さあ、あたしのモノに――なりなさい」
彼女の瞳が、彼の瞳を捕らえた。
その時――グラリ、と世界が歪む。
そして、二人がベットの上と横にパロディのスタンバイレディした二人。
そして――。
「――なのはも、フェイトも……怖いんだ。…………助けて」
しかし、彼女は微動だにしない。
「助けてよ、アリサ。ねぇ、起きてよ……。ねぇ……アリサぁ……! 僕を一人にしないでよ……おきて……いつものように、僕を馬鹿にしてよぉ……! ねぇ、アリサ、アリ……サぁッ! ねえっ!!」
そして、彼女を大きく揺さぶった。彼女の体が、彼の方を向きそうになり体中に張り付いていた電極などがはがれ―――――と、そこまで言ったところで――――。
『ちょぉぉぉっと待ったぁぁぁああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!』
「ちっ……もう少しだったのに」←この作品のチャプターヒロインとしての特権フル活用中だったが、乱入者により中断。
「……あれ? なにしてたんだっけ……?」←正気に。
「アリサちゃん抜け駆けなんて許さないのぉー……」←目に光無い、完全魔王シフト。
「アリサ……何してるの……?」←ヤンデレモードに、死神の如き様。
「抜け駆けなんて、させへんよ……?」←案外、怖い。
「ねぇアリサちゃん……させないよ?」←禍々しいオーラ全開。
「アリサぁん……? ――させませんよ」←こちらも全力全開シフト。
「――――させません……!」←天地に覇を成す力、ヤンデレシフト。
「はぁはぁ……せんせーのQBコス撲滅(私専用!! せ・ん・よ・う!!)」←今すぐにでも悪魔化しそう。
「ユーノ先生は私の……お持ち帰りぃ――決定」←どっかのお姉ちゃん系魔王のオーラ。
こうして、楽しい、楽しい(?)着せ替えタイムは終わりを告げた。
しかし――。
「――うふふふっ……。良い絵がいっぱいね♪」
これまでの映像は、しっかりとどっかの湖の騎士のお姉さんによって撮影・保存されていたことが、のちに発覚するのだが……それはまた別のお話しである。
* * * おまけ・そのいちっ!
「……今回は邪魔されちゃったけど、またやりましょうねユーノ♪」
「何を!?」
今は笑顔の彼女がひたすら怖い。……ついでに後ろの皆も。
『(アリサ/ちゃーんッッッ!!!???)』
* * * おまけ・そのにっ!
ちなみに、今回のコスプレ騒動の過程で……とある魔法少女たちに迫る白い邪悪の魔の手は一応止まった、らしい。
ただ、諦めが悪い彼らはこの世界で何人かの少女に声を掛けたのだが――。
『やぁ、僕と契約して魔法少女に……』
パターン・N
「え、いやなの。というか貴方はお呼びじゃあないの。寧ろユーノくんにもう一回来てもらって今度は永遠の誓いを……あ、そういえばまだユーノくんから『お礼』の形でもらった物ってないの。出会いの始まりはユーノくんだし、もらった物は大きいけど、『お礼』はもらってないから今度は……えへへ、永遠の愛の誓いとかを――あ、まだいたの? とにかくユーノくんじゃないならお呼びじゃないの。他を当たって欲しいの」
『いや、僕らと契約すれば望みは叶う――』
「そもそも、『お礼』もらう条件は既に整ってるから別に望みはないの。あとは、ユーノくんからの指輪か……あるいはもっと具体的な既成事実を――えへへへ~」
『……そんなにユーノ先輩がいいのかい? でも、ユーノ先輩も僕と同じ……』
「同じではないの。特に戦闘サポートも具体的な説明もなしに、ただひたすらに利潤を貪るような本物の邪悪の化身の貴方たちとユーノくんは根本的に違うの」
『……』
一刀両断。殺されないだけましと思おうか――「あと、私の旦那様と娘と教え子を死へと誘ったあなたの罪は重いの」――そうはいかない様である……。
《Divine_Buster.》
『きゅぷぅいっ!』
マミった。
パターン・F
「いやだよ」
『……望みとか、無いのかい?』
「別に……そこまでは。今が一番、充実してるから」
これまでに積み上げてきたその『今までにこそ、黄金にも等しい輝きと価値がそこにあるっ!!』みたいな感じである。
『……(これ以上は無駄かな。まったく、たまにこう淡白なのもいるから分からないよ、人間は)』
「あ、でも……」
『?』
「貴方をここで、始末しておくことだけは……殺っておくよ」
『きゅぷっ!?』
「終わりにしよう……いやな定めを、ここで」
《Jet_Zamber.》
金の光を放つ大剣が、その白い身体に叩き込まれる。
ズパンッ! 一刀両断(今度は物理)
「貴方は、罪を犯しすぎた……わたしの大切な人たちを、傷つけたことは……何よりも重い罪だ」
パターン・H
「嫌や、そんなんまっぴらやがな」
『そう言わずに、話くらい聞いておくれよ』
「ネタが割とんのに乗るほど甘い女やないで私は」
『』
至極当たり前である。
「それに、このまま放置しとくと……あんたなら家の子らにもちょっかいかけそうやしなぁ……それに、職業柄悪を見逃すわけにはいかへんのよ」
流石管理局の司令官と、どっかの巨乳風紀委員なだけは有る。
『またかい……』
「ラグナロク」
白い魔力の奔流に、消えた。
パターン・S(月村)
「嫌だよ」
『何故だい?』
「私が欲しいのは、皆と同じだから」
『はっきり言うね』
「そうじゃないと手に入らないもん」
『だったら契約して楽に手に入れたらどうだい?』
「それじゃあ、皆に失礼じゃない……」
『何故だい? 合理性が全く分からないんだけどなぁ』
「
『……わからないよ、そんなにユーノ先輩がいいのかい?』
「まぁね、可愛いし……それに、すごく優しいから」
彼女もまた、真っ直ぐに進み……止まらない。
「だから、じゃまは……しないでね」
彼女の背後から暗い夜のオーラが生じる。夜闇の如きその紫のオーラは、翼を形作り……目の前の邪悪を、音もなく薙ぎ払った。
パターン・S(ナカジマ)
『……』
「……」
『……、ええと』
「……、なに?」
『いいえ、なんでもありません』
「そう、じゃあ――消えて……」
容赦ない。(当たり前かもしれないが)
「私の大切な人たちに近づくのは、許さない……」
ループの中で、ずっと苦しんできた経験は……伊達じゃない。
パターン・T
「ふぅーん……そうなんだぁ。少女の感情のエネルギーを、ねぇ……」
『説明はしっかりしたんだけど、それで契約の方はどうするんだい?』
「そんなわかり切ったことを聞くなんて、いい性格よね」
『……』
「もちろん答えは――No♪」
恐いですね、怖いですよ……(どっかの目の腐った高校生によるコメント――「ふーん、そうなんだぁ……怖いんだねぇ、可愛い♪」ごめんなさいごめんなさいごめんなさい)
『なら別にいいよ、他にも当てはあるからね』
「あれ? 誰が逃がすなんて言ったのかな?」
『……』
「知ってる? あたしも、なのはさんと同じの撃てるのよ?」
《Sift_phantom_strike.》
彼は橙の奔流の内に消えた。
パターン・V
「円環の理を、ここで……断ち切るよ」
『わからないね、君の必死になる理由が』
「分からなくてもいいんじゃないかな。分かろうとしたくなったときに、貴方はもう少しだけ……人間に近づけるよ」
『僕はそもそも君達とは違うから、『近づく』の定義がいまいち不明快だとおもうんだけど?』
「わかろうとすることから 、始まるんだよ」
『……』
「いま、貴方を浄化するよ。私の、この、光でぇぇぇッッ! 〝セイクリッドォォォ・ブレイザァァァ――ッッ〟」
虹色の聖なる光が、悪しき体を焼き払う……。
パターン・E
「その定め、その悪しき野望……私がここで、打ち破ります!」
『話は聞いてくれないんだね』
「まずは、貴方を倒さなくては……なりませんから」
『また、大切な人の為……ってやつかい?』
「はい、その通りです」
『なぜそこまで、寄り添うんだい?』
「……分かりません、ただ――」
そう、人は、人間は……ずっとずっと昔から、互いを思いやりながら生きてきた。
「――ずっと昔から、そうやって来たんです。そうやって〝絆〟を紡いできた……ただ、それだけのことです!」
『それは単なる依存なんじゃないのかい?』
「言葉でいえば、それもまた正しいのかもしれません。ですが、人間の心は……言葉だけでは測れない強さがあります。それをあなたが知るまでは、きっと……貴方は本当の意味で、誰にも勝てません」
『何に対しての勝ち負けなのかな?』
「――人の心に、です。柵を、鎖を断ち切る力を〝覇王・断空……拳ッ!!〟」
碧銀の輝きを宿した拳が、叩き込まれた。
『まったく……訳が分からないよ』
心を知る者は、心知らざる者に勝てない。いつの世も、どんな時でも……最後はその意志の力の前に、敗北するのだ。
* * * おまけ・そのさんっ!
《ガイアパロ》をまだ書いてる途中ですが……ちょっと妄想が浮かび、『とある』と『IS』のパロも書こうかと思い……取り掛かり始めました。
もしも、何かご希望党がありましたら遠慮なくご意見をお寄せください。
各パターンとしては、
『とある』で、貨物置場での決闘、木原数多戦、雪原でのヒーロー激突あたりを。キャストとしては、当麻はクロノかユーノ、エリオあたり。美琴はフェイトかレヴィ、アリシアあたり。インデックスはユーノかキャロ、ヴィヴィオあたり。一方通行はユーノかなのは、ヴィヴィオあたり。打ち止めはヴィヴィオかアリシアあたり。浜面は、ヴァイスとかそのあたりを。絹旗はミウラとかアインハルト。フレンダはアリサかティアナとか。麦野はシグナムかアリサとか。大体そんな感じにしていくつか『パターン』でかき分けようかと思います。
『IS』で、姉はフェイトかシグナム当たりで……束さんはなのはかシャマルあたり。ヒロインズは、まだ未定な感じです。
いかがでしたでしょうか?
面白かったならば幸いです。ご意見感想等は常に募集しておりますので、お気軽にどうぞ。皆様の声を少しでも聞けるなら、お聞きしたいのでよろしくお願いします。
さて、では次回は『IS』か『とある』か『ガイア』あるいは『空白期』のどれかをたぶん更新するのでお楽しみに。