ちっちゃくなっちゃった、ゆーのくん。   作:形右

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 かなりお待たせしましたが、第四話でございます。
 リクエストから、スバル&ノーヴェをチョイスしては見ましたが、なんだか書いているうちにあんまり甘くもない拙い感じになってしまいました。
 次回以降でもっと甘くできる様に頑張ります。



『お宅訪問! ――ナカジマ家(スバル&ノーヴェ&チームナカジマ+α編)――』

 

 

 

 それではリクエストの多かったナカジマ家編(一応メインとして据えるヒロインはスバルとチームナカジマの面々です)

 

 

 

 × × ×

 

 

 

 ――ナカジマ家(スバル宅にて)

 

「それにしてもセンセーよ、災難だったなぁ~そんな姿になっちまうなんてさ」

「うん、でも生活面ではそれほど困ってはいなんだけどね」

 苦笑しながら、ノーヴェにそう返すユーノ。

「その生活面が不安だからこうなってんじゃねぇ―の~?」

「うっ。た、確かに……」

 言い返せない。ぐぅの音も出ない正論である。

 

 はてさて、なんでユーノはこんな感じにスバルの家でノーヴェに抱っこされているかと言いますと、その話はほんの二、三時間前へと遡る。

 

 

 

 × × ×

 

 

 

 さてさて。公平なくじ引きの結果、最初にゆーのくんと過ごせる権利を得たのは――

「いーやったぁぁぁああああッ!!」

 ――スバルだった。

 

「くぅッ……。不覚なの……!」

「ぅぅぅゆーのぉ~……」

「なんでや……ある意味不遇な者同士のシンパシーとか働かへんのかいな……」

「スバルに取られるなんて……!」

「…………ユノユノ」

「べ、べつに……悔しくなんてねーですよ!?」←ちゃっかり参戦してるヴィータちゃん。

「シャマルセンセー、残念です……」←こちらもいつの間にか参戦してる先生である。

「うぅぅ、ユーノくん…………」

「…………残念です」

 

 敗者の悲痛な叫び(?)を受けつつも、スバルは完全に有頂天である。

「ふっふふ~。じゃあ今日は私んちですね~、せんせー?」

「あ、うん。ゴメンねスバル。迷惑かけると思うけど、よろしくお願いします」

「いえいえ~(寧ろ歓迎! せんせーなら万事オッケーですよ! 寧ろカムヒアーですよ!!)」

 

 スバル、幸せ頂点!

 

 ――だったのだが。

 

「なんでこーなるのぉぉぉオオオオオオオッ!!??」

 みなさんご存じだとは思うが、彼女の職業はレスキュー、である。となれば、急な招集も所詮()()()()()である。

 早速ユーノの家に行こうかと思ったのだが、その瞬間――依頼が飛び込んできた。

 そんな訳で泣く泣く現場へと急行するスバル。

 しかしそうなると困るのはユーノである。さてどうしたものかと思ったが、そこへ丁度誰かが図ったようなタイミングで妹登場。

「よースバル、こんなとこで何してんだ……? ン? その子誰だ?」

「ノーヴェ! ちょっとせんせー預かってて! はいコレ家の鍵!」

「へ?」

「ゴメン! 後よろしく! ――あっ! 後せんせーに変なことしないでよォォォォォォ…………!!??」

「……一体何だってんだ……?」

「たははは……」

 

 ――そんな訳で冒頭に戻る。

 

 急遽以来の入ったスバルのところに偶々通りかかったノーヴェにユーノを任せた、ということがこの話の顛末である。

 そんな訳でノーヴェに抱っこされているユーノくん。

 ――するとそこへ一通の通信が入って来た。

『ノーヴェ~、月の練習のことなんだけど――って!? なんでユーノくんがそこに!?』

「何そんな驚いてんだー? ヴィヴィオ~」

『えっ、だって……ええっ!?』

「スバルに緊急の仕事が入っちゃってね、それでノーヴェに預けられたんだ」

『はぁ……そーですか――って、そうじゃなくて!? ノーヴェ狡いよ! 私だってユーノ君といたかったのに――』

「なら家来るか?」

『――へ?』

 一周呆けるヴィヴィオ。

「丁度いいから皆連れて遊び来いよ、今二人で暇だしよ」

「あ、それいいね。ヴィヴィオ達もおいでよ」

 そのセリフに一瞬固まるヴィヴィオだが、ノーヴェとユーノが声を掛けると即座に我に返り速攻で返事を返した。

『……、』

「ん? どしたーヴィヴィオ~?」

「ヴィヴィオ?」

『――ハッ! す、すぐ行くから! 五分で行くからね!!』

「いや、何もそんな急がなくても……」

「ゆっくりおいでよ」

『分かってるよぉ!』

「「(絶対分かってないな……)」」

 それはともかくとして、そのやり取りの約五分後――ナカジマ家の玄関にぜーぜーと息を切らせたヴィヴィオ達四人娘と、どこから引っ張って来たのか……ヴィヴィオの友達で、ヴィータとザフィーラの弟子であるミウラとインターミドルの前々回チャンピオンであるジークまで連れて来ていた。

「だ、大丈夫……?

「だ、大丈夫です……」

 どう見ても大丈夫そうには見えない。

 仕方なくユーノはパパッと六人分のドリンク作り、それを彼女らに渡していく。

「はい、ヴィヴィオ、アインハルト」

「ありがとぉ……、ユーノくん」

「す、すみません……」

 あからさまにバテバテの状態であるヴィヴィオとアインハルトは、差し出されたそれを素直に受け取る。

 そしてユーノはその隣で半分のびかけているリオとコロナにもそれを渡す。

「はい、リオ、コロナ。お疲れさま」

「あ、ありがとうございますぅー……」

「ししょちょ―……ありがとうございます~……」

 二人はよほどバテていたらしく、ドリンクを受け取るとちびちびと力なく飲みながら、乱れるなんてものじゃないほどに荒れた息を整える。

「はい、君たちも」

「あ、有難うございます!」

「お、おおきに……」

 どうやら二人は他の子どもたちよりかは疲れていないらしく、荒息こそついているものの、そこまで深刻ではないらしい。

 ユーノはそれを見て体力があるなぁ~、と感心しつつ…… 子供たち(勿論今の彼は見た目子供だが)の回復を待っていたが、不意にミウラがおずおずとユーノにこう尋ねてきた。

「あ、あのぉー……」

「ん? 何だい、ミウラさん」

「あ、あの、ユーノ司書長さん――何ですよね……?」

「うん、そうだけど……、それがなにか……?」

「あ、いえ……。ただ、その……以前『無限書庫』にお邪魔したときに見たときとは大分イメージが違うなぁ……と思って」

「ああ、それがちょっと今ロストロギアの影響で子供になっちゃってて……」

 苦笑しながら頭をポリポリと掻くユーノ。

「たはー、子供に戻っちゃうのって、結構あるんですねぇ……」

 ――ボク、ビックリです。とミウラは口を開けたまま驚きを表す。まぁ、そんなに頻繁に起こることでもないんだけどね? とユーノは伊藤そう弁明しておくが、

「ウチは、少しわかるなぁ……その気持ち」

 ジークはそんなことを口にする。

 何を隠そう彼女もまた、先日の『無限書庫』の騒乱で〝魔女〟であるファイビア・クロゼルグに子供に戻された経験がある。

「ししょちょーさんのお気持ち、わかりますぅ」

「いやぁ……なんともお恥ずかしいことで。でも、僕ホントは二十三なんだけどねぇ……」

 その瞬間、ジークとミウラが固まる。

「え、ってことはヴィヴィオさんのお母さんと同い年、ってことですか?」

「あ、うん。そうだけど……」

 なのはたちと比べられるとやっぱり老けて見えるかなぁ、たははは……。とユーノが苦笑するが、二人の驚いたところはそこではない。

「「(二十三!? あの中性的な顔立ちで、しかも声もかなり高いのに……)」」

 彼女たちの父親と比べても、というか世の中の全般的な男性の基準からすれば絶対おかしい。

 まぁ確かに、ユーノは正直男らしいという基準には確かに当てはまらない。中性的な顔立ちは衰えず、毛深いわけでもなく、すらりとした体躯に、高い声――正直女性にしか見えなかった第一印象を振り払っても、最低でも十代後半くらいじゃないと男性としては老けなさすぎではないだろうか?

 男性からもだろうが、寧ろ女性からクレームが来そうである。何せ特に手入れしたわけでもないのにさらさらな髪質で、室内勤務ということを差し引いても『男性』としては綺麗すぎる肌――正直むかつくというのが幼馴染たちの結論である。(以前抱き着こうとして、自分達より細い体躯にさらに女性としてのプライドが折れそうになったらしい)←ティアとスバルはギリギリ耐えた。(まだ、同じくらいだから)

 まあ、そんなことはどうでもいいことと言えばそれまでであり、ユーノのことはそうだと納得したミウラ。その間に息を落ち着けたヴィヴィオたちもノーヴェに促され玄関から家の中へと入る。

 

 

 

 × × ×

 

 

 

 さてさて、家の中に入った一同は早速今度の鍛錬の話し合いをすることにしようと思われたのだが、ノーヴェがふつーにユーノくんを膝の上に載せたのにヴィヴィオとアインハルトが「狡い」と文句を言った。

「ノーヴェず~る~い~っ」

「あ、あの。わ、私も……その…………」

「わーったわーった。じゃあ悪ぃんだけどよセンセー、ヴィヴィオとアインハルトの隣にいってくれ」

「あ、うん」

 そう言って苦笑しながら二人の隣に行くユーノくん。五歳くらいゆえにその動き一つ一つがトテトテとしていて可愛い。ヴィヴィオは挙句の果てに自分の膝上に載せようとしたが、さすがに小学生の、それも幼馴染の娘で、自分自身も娘的な存在だと(少なくとも自分は、とユーノは思ってる。←向こうは寧ろ女と見てほしかったりするらしい)でもある彼女に膝上に載せられるのはちょっとと思ったが、アインハルトも一緒になってキラキラと擬音が付きそうな程に期待したようなまなざしを向けられ、ユーノはついに折れた。

「……僕なんかわざわざ抱っこしても面白くないと思うんだけど……?」

「そんなことないからぁ~、こうしてるんですぅ~♪」

 すりすりとユーノくんを愛でるヴィヴィオ。

「ヴぃ、ヴィヴィオさん。は、早く交代してください……!」

「も、もうちょっとだけ~~」

 そのわちゃわちゃしてる様子と、その間に挟まれて困っているユーノくんの様子を見て、リオやコロナたちもうずうずとし出したのは内緒であるとここに記しておこう。(まあ、内緒なんて防壁はすぐに決壊するのだが)

 その間にもヴィヴィオからユーノを受け取ったアインハルトは、いつもの無口に拍車をかけて言葉を発さず、ただただ蕩けたような表情でぽわぽわ~、としていた。

「……♪」

「…… あのさ、アインハルト」

「――っ……! は、はい……何でしょうか?」

 ヴィヴィオと同様の有無を聞こうとしたのだが、なんだか――アインハルトの表情を見ているとヴィヴィオ以上に天然な答えを返されそうな気がして、先に出そうになった言葉を引っ込め、何か適当な言葉を探す。

「……重く、無いかな?」

 やっと出てきた言葉は何だが少し、いやかなり不自然な気もしたが……天然なアインハルトはその言葉をそのままにとらえ質問の答えを変えす。

「はい、とても軽いです」

「(男としてはちょっとショックかも……)そ、そっか……」

 適当に言葉を選んだことを地味に後悔しながら、どうやら彼女はヴィヴィオと同じく自分を抱くことを――〝楽しんでいる〟らしいので、とりあえずそれに乗っておくしかないのかぁとユーノは考えた。

 ――しかし……。

(なんかこうしてると、本当に子供の頃を思い出すなぁ……)

 子供の頃、部族の友達とたわむれた記憶や……昔、魔導学院に通っていたころに会った姉的な存在や九歳の頃無限書庫の調べもの中に仲良く(?)なった猫姉妹(特に妹の方)に可愛がられた(勿論いろんな意味で)記憶が思い出される。

 当時は色々と恥ずかしかったが、今考えてみるとそれもいい思い出というやついなるのだろう。

 肉親がいない自分にとって、そうやって可愛がってくれる人がいるというのは恵まれた境遇だということはよく分かっている。

 もし少しでも何かがずれれば、自分自身が孤独という闇に囚われ、道を踏み外すほどに狂う可能性だってある。勿論、自分が狂ったくらいで世界がどうこうなるなどとは考えないが、それでも多少(?)迷惑にはなるだろう。

 そういう意味では、こうして誰かのやさしさのぬくもりを感じていられることは本当にありがたいことなのだから…………。

 ただ、今ユーノが管理局に反旗を翻したらかなり困ったことになるだろう、ということだけは簡単に想像がつく。

 

 ――何せ、今世界の記憶とその全容足る叡智に近いのは――彼なのだから。

 

 むろん、彼がそんなことをしない、というのが大前提となって存在しているのだが……もしかしたら〝そんな未来〟も〝孤独〟も()()()()()()()()()ということである。

 とまあ少々暗い思考に突入してしまったが、現状はほのぼのとしたものである。アインハルトの様子を見て他の子どもたちも少しうずうずしている様な微笑ましいものである。(その間救助現場ではスバルを含めた方々が現状に涙していたが……犯人たちの命が心配である←ちなみに、事件の原因は金目当ての強奪という非常に器の小さい小物であるが、ただその強奪の後、逃走の手段の一つにビルまで倒壊させたとかで彼女らが駆り出される羽目になったそうな――本気で彼らの今後が心配である……主に制裁的な意味で)

 その間にも自分たちよりも年下になってしまったユーノくんを愛でる一同。

 ユーノの抱いていたネガティブな感情など何のその、温かい雰囲気が彼の周りを包んでいく。

(ああ……)

 ――恵まれてるな、と先ほどのネガティブな感情とは違う……本当の温かい思いが、彼の周りを包む。

 

 そのまま、ユーノを交えたまま今後の練習スケジュールを組んでいく一同。ユーノは最近とんと目にしていなかったヴィヴィオのストライクアーツの現状を見て、頑張っているんだなぁと嬉しくなった。

 優しく微笑みつつ、皆の話を静かに聞き続けるユーノ。その様子は、在りし日のなのは、フェイト、はやて、アリサ、すずかといった幼馴染たちや、アルフやクロノやエイミィ、リンディ、ヴォルケンリッターの皆や、あの頃ずっと一緒だった大切な人たちとの日々が、今この瞬間と重なったような気がした。

 

 ――なんだか、落ち着く…………というか……楽しい、なぁ……。

 

 純粋に……そう思った。

 そうやって久しく感じていなかった〝穏やかな日々〟をユーノは今、確かに感じていた……。

 そうやって流れる時間は、早く過ぎていく――とよく言われるが、ユーノにとってはこの時間は長く、ゆっくりと『心』にしみわたっていた。

 

(ロストロギアに……感謝、かな…………?)

 

 そうつぶやいたユーノは、なんだか久しぶりに誰かと過ごす『日常』の〝楽しさ〟を、感じたような気がしていた。

 

 

 

 終わり。

 

 

 

 × × × おまけ・そのいちっ!

 

 

 

 その夜の事、結局ヴィヴィオ達もここに泊まっていくことになり、かなりは大人数での夕食を終え眠る段階となったのだが――

「あの……、なんでこうなるのかな……?」

「? どうかしたんですか、ししょち……おっと、ユーノくん」

「いや、だって……なんでわざわざ皆僕のところに来るの?」

「いいじゃないですか、可愛いユーノくんと一緒にいたいんだよ~」

「はぁ……」

 いっそフェレットモードでも使おうか? と思ったが、べつに必要でお無いのにフェレットになる趣味はない。だが、皆わざわざ自分の部屋に来るのやら……。

 女の子同士の方が楽しいだろうに……。(そんな風に優しすぎるほどに「受け身」な姿勢のままではだめなんじゃないかなぁ……)

 しかし、久方ぶりに〝人のぬくもり〟を感じて眠りについた彼の表情は――とても穏やかだったという。

 

 

 

 × × × おまけ・そのにっ!

 

 

 

 その翌日、かなりボロボロな状態で帰宅したスバルをユーノは介抱していた。

「えへへぇ~……」

「なんだか今日のスバルは甘えん坊だね?」

「そ~ですかぁ~? あ、でも~せんせーの会いたかったのはぁ……ホントですよ~?」

「そっか、有難う……スバル」

 ユーノの膝枕にすりすりとしつつ、ゴロゴロ~と犬か猫のようにして甘えている。

「でも、僕なんかでよかったの? ノーヴェとかヴィヴィオ達もいるのに」

「今は~、せんせーがいいんですぅ~♪」

「そっか……有難う。そう言ってくれると、嬉しいよ。僕にできる事なら何かしてあげたいな……」

「! じゃあ、せんせー……一つお願いがあります」

「何だい?」

「えっとー……その…………〝お姉ちゃん〟って…………呼んでもらえませんか?」

「ええっ!?」

 その願いに驚くユーノ。しかし、スバルはせっかくの好機を逃したくない。

「おねがいします! 何なら後で私に何してもいいですk…………――」

「あわわわっ! わ、わかった、分かったから! 」

 何だか不穏且つ、どこかで自分の命を縮めかねないような発言をされるところだった気がする。主に先の出動で不機嫌な魔王とか死神とかタヌキとかその守護騎士とか凡人(笑)とか、後今自分の後ろで怒気をはらんでいる視線を向けている方々とか。

「そうですか! ならぜひ!」ケロッ 

「(…………わざと? いや、そんなわけないか……)」

「せーんせ! 早くはやくぅ~!」

 やっぱりわざとなんじゃなかなぁと思いつつ、ユーノは出来ることをするといった手前、何もしないというわけにもいかない。

 よ、よし! と意を決し、スバルの方を向き……その言葉を言う。

「え、えっと………その、――お、……おね……――お姉…ちゃん…………?」

「―――――ッ!!?? ぐハッ!!」

「す、スバルーっ!?!?」

 何か知らんが鼻血吹いて倒れたスバルに驚くユーノ。

 あわあわと慌てるユーノ、ノーヴェ達の方を向くが……そちらでも同じような光景があった。

「み、皆――っ!?」

 

 そのあと、ユーノくんはしばらく倒れた皆の介護のために奔走するのだった。

 

 

 

 ――ちなみに、そのユーノくんの〝お姉ちゃん〟ボイスは……とある同人作家もやっているゴーレムクリエイターが録音していたことがのちに発覚し、それは戦技教官と執務官と指令の手に渡り、三人やそれに関連する者たちの尊い犠牲を払ったとかなんとか。

 

 

 

 × × × おまけ・そのさんっ!

 

 

 

 時はスバル帰宅より少し戻り、真夜中――ユーノの周りを固めていた少女たちだったが、雑魚寝の状態では少しずつ皆が動くことで多少初期の状態からずれてしまうことが多い。

 そしてこの時もその例にもれず、一番端にいたはずのジークがユーノの目の前に来てしまうこともよくある事、であった。

 ちなみに、幸か不幸か――目を覚ましたのはジークの方であった。

 その光景を目にした瞬間、ジークは声にならない悲鳴という奴を上げたが、幸いなことにまさに声にならざる悲鳴は、当然誰にも聞かれることはない。

「んぅ……っ…………」

「――っ!?」

 ビクッ! 思ったよりも近かったユーノが少し動いたので、ジークは驚いたが……ユーノが起きる気配はなくホッとしていた。

 だが、改めて見ていると――

(……ししょちょーさん、ホンマに男の子なんやろか……?)

 ――当然の疑問が浮かんでくる。

 あざやかな金髪や、翡翠の瞳(勿論今は閉じられているが)、優し気な顔立ち、柔らかそうな唇……とそこまで想像して目をそらした。

(う、ウチ何しとるんやろ……!)

 自分がやっていたことに赤面し、布団を深くかぶりなおすと音を立てないようにじたばたと悶える。

 その間にも、

(二十三……やったっけ? ししょちょーさんの年……)

 十六と二十三なら、それほど問題はないかな……とジークは考えてしまう。ここまで男の子に接近したことなど無い彼女はどうにも思考が先走り過ぎであった。

 

 

 

 ――ちなみに、ミウラはそれと同じことを寝ぼけながらに体験し……、彼女は朝までユーノに抱き着きっぱなしだったとかなんとか。

 

「ふぁ~……いいにおいですぅ~…………」

「ん……っ…………あった……かぃ…………」

 

 

 

 ――翌朝のヴィヴィオとアインハルトの反応。

 

「にゃぁぁぁあああっっ!!!!」

「ず、ずるいです…ミウラさん……!!」

 

 

 

 今度こそ本当に終わり。

 

 

 





 いかがだったでしょうか? とりあえず書いては見たのですが甘さが足りませんよね…………もっと糖分を追加しなくてはなりませんね。
 どうせならいっそお出かけ編でも書くか……それとも、カットしたお風呂シーンとかをえっちぃ感じで書くか……迷うところです。

 もう少し話が進んだらそういうのも悪くないかなとは思ってます。それかなんて言うか、お題決め手そのパロディを書くとか……そういったパロディ用として『ステージ・シフト』的なのを作ろうかななんてことも考えていますので、そちらを上げたときは是非ともそちらもよろしくお願いします。

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