そう言えば、我怨はどうなったのか?
「ん・・・・・・あぁ?何だぁ・・・・・」
9月13日、時刻は15時丁度。
ビーワスプに刺され、気を失った所、警察に捕まったフールリベリオンの使用者、
目が覚めると、上半身は裸になっており、両手は鎖で縛られていた。そして辺りをよく見ると・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「どうみても・・・・・・刑務所じゃぁねぇなぁ」
警察に捕まったはずだが、どうみても刑務所ではない。ロウソクが灯った暗がりの場所で、風通しが悪い、そして何より、小汚い場所だ。
一言で表すのなら、山奥にある洞窟に作った監獄とも言える。
「んぁ―――――っ!!うぁ―――――!!」
力任せに鎖を外そうとするが、ビクともしない。それどころか、力強く引っ張ったからか、腕から血が流れる。
「あ~ら、そんなに力任せにやっても無駄よ」
そこへ現れたのは、黒のワンピース レディーズドレスに、サングラスを掛けた女性が、こちらへやって来た。
そして、我怨の方を、強く見つめていた。
「お前か・・・・・・俺をこんな所にぶち込んだのは?」
「えぇ、そうね。私は、八久慈玲。貴方をここに入れて、ざっと13日かしら?」
女性は、
我怨が捉えられてから、約13日が経つ。ルールの1つ「14日以内に契約クリーチャーに餌を与える」その期限まで後4日。
玲は、我怨の持つ、ダークグレーのアルカナデバイスを、見せつけた。
「ほぅ・・・・・確かに、これじゃぁお前が殺した事にならねぇよなあ?」
「正解、だから、貴方にはしばらく大人しくしてほしいの」
玲が、我怨を拘束した理由。それは、14日が過ぎ、契約クリーチャーに食われる事を望んでいるから。
そうすれば、「リベリオン同士の戦い以外で相手を脱落させる事を禁止する」というルールに引っ掛からずに、我怨を脱落させる事が出来る。
「あなたは、とっても危険な奴だってのは分かっているの。出来れば殺り合わずに倒したいなって、ね」
そう話していると、2人の警官服を着た男性がやって来た。
「コイツら・・・・・・・警察のもんじゃあ、ねぇな」
「勘がいい・・・・その通りよ。コスプレしてもらってるのよ。コレを使ってね」
玲は、ポケットから、毒々しい紫色のシステムメモリーを取り出した。
メモリーには
「すっごく便利なのよね~コレを使えば、誰だって操れる。意のままに」
マインドインを使い、男達を操り、警官に扮して、我怨を捉えていたのだ。
「まっ、後1日過ぎるまで、大人しくしてる事ね。何かあるかもしれないから、見張っててちょうだい」
「イエス、マム」
玲は、その場を去っていった。男2人は、我怨が妙な行動を取らない為に、見張りを頼まれた。
マインドインで操られている為、彼女の言う事を、絶対に聞く。
「フフッ・・・・・ハハハハハ!!いいぜぇ・・・・・・・自由になったら、たっぷり可愛がってやるよ!!」
我怨は、高らかに笑った。両手を塞がれ、身動きが取れない状態、彼に策はあるのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ねぇねぇ、今日の夕飯何するの?」
「見りゃ、分かるだろ。コロッケだよ」
その頃、伊織とアリアは、夕食の買い物をしていた。
アリアも居候している身、伊織の手伝いをするのは、当然ともいえる事だろう。
「うんうん・・・・じゃがいも、パン粉・・・・・確かに」
買って来たものは、じゃがいも、パン粉、中濃ソース。言われてみれば、コロッケを作ると言えるだろう。
「おっと・・・・・・小麦粉買い忘れた、ちょっと持っててくれ」
「うん、分かった」
小麦粉を買い忘れた伊織は、荷物をアリアに任せ、急いでスーパーの方へ向かった。
それからしばらくすると・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「いや―――――っ何!?」
アリアの叫ぶ声が聞こえた。
その声を聞いた伊織は、急いで彼女の方へ戻った。
「っく・・・・・・・一体何を・・・・・・っ!?」
アリアの目のまえには、リベリオンに似たような、機械の戦士が立っていた。
その姿は全身がモスグリーン色で、クワガタの顎の形を思わせ、パイプでマスクが繋がれているのが特徴な頭部に、眼は
「新手のリベリオン・・・・・いや、何かが違う」
これまでのリベリオンとの違いを、伊織は感じていた。
後ずさって逃げるアリアの元へ向かい、彼女の二の腕を掴んだ。
「何やってんだ!さっさと逃げるぞ――――――」
「あっ・・・・・うっ、うん」
アリアを立ち上がらせ、急いでその場から逃げた。
謎の戦士は、その後を追いかける事もなく、そのまま近くにあった電子パネルへの中へ、吸い込まれる様に、入っていった。
「へぇ~随分なデキじゃないか。コレも君のお父さんの技術あっての物だ」
「うん・・・・・・・」
その後ろには、
「アーキタイプ・・・・・・・・今何体完成してるんだっけ?」
「5体だよ、試作機含めてね」
「へぇ~じゃぁ、これからも量産できるかな?」
「まぁ・・・・・・あなたが資金さえ、出してくれるなら、って父さんは言ってたけど」
伊織達の目のまえに現れたリベリオンもどきは「アーキタイプ」正儀の父である、英雄が作ったと言う。
正義が言うには、今現れたのを含め、5体存在すると言うが・・・・・・・・・・
一方――――――――――――
「でさ~その時になってね」
「何だよそれ、笑えるわ~」
ハルトと彩が、ベンチで、何気ない会話をしていた。
「面白いのは、ここからなんだよ」
「で、続きはどうなったんだよ?」
そんな会話が続いている中・・・・・・・・ハルトは怪しげな雰囲気を感じていた。
その時――――――――――
「彩―――――っ!!」
突然、何かが飛び込んでくる気配を感じ、ハルトは彩を押し倒して、襲撃を回避した。
「何だ・・・・・・・アイツは?」
その姿は、伊織が遭遇した、アーキタイプと呼ばれる者と同じ姿をしたリベリオンもどきだった。
違いは、胸がスペードの形になっており、全身が、水色と青で構成されている。
「・・・・・・・・・・・・・・」
アーキタイプは、そのまま、後ろで佇んでいる男のスマホに、気付かれないよう、吸い込まれる様に、入っていった。
ハルトがその後を追いかけようとした時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はッ・・・・・・ハルト!?」
「ん?・・・・・・・あっ」
押し倒された彩は、顔を赤らめ、動揺していた。
ハルトは急いでベンチから降りた。
「わっ・・・・ワリィ、虫が飛んでてさ」
「わっ・・・ワザワザそれで押し倒す!?」
急な事で、胸がドキドキしていた。外で押し倒されるなんて、想像も付かなかったのだから。
もちろん、ハルトにその気はない。
「それにしても、アレは何だったんだ?」
『順調な様だな』
「うん、父さんの作ったアーキタイプ、彼のおかげで完成した。後はサイバープログラムを・・・・・・・・・・・」
『あぁ、ようやく時が来た』
電話をしている正儀と英雄。
保管されているアーキタイプを目の前に、英雄、圭の目的がはじまる・・・・・・・・・・・・・・・
サイバープログラムを閉じるとはどういう事なのか?
「・・・・・・・・後を付けてるな」
アーキタイプから逃げている伊織とアリア。
サイバープログラム内へ移動下化と思われてたが、デバイスを見ると近くにいる反応を察知していた。
「俺が合図したら走れ」
「えっ?」
ゆっくりと歩く、伊織とアリア。近くの監視カメラの中から、アーキタイプが、その様子を見ていた。
(なるほど・・・・・・・)
伊織が3回足踏みをした。アリアはそれを、走る合図だと感じた。
「ッ―――――!」
アリアは走った。それに反応し、アーキタイプが監視カメラから飛び出そうとした時――――――――――
「お前の相手は俺だ」
伊織がアルカナデバイスを取り出し、監視カメラに突きつける様に翳すと、右二の腕にアタッチメントが取り付けられる。
「セットオン!」
デバイスをアタッチメントにセットし、伊織はルナリベリオンに変身し、監視カメラの中に入り込み、サイバープログラムへ移動する。
「っ・・・・・・・・」
「お前・・・・・一体、何者だ?」
ルナリベリオンは新月を構え、アーキタイプの様子を窺う。
「・・・・・・・・」
アーキタイプが左腰のホルスターから取り出した物、それはシステムメモリー。だが従来のリベリオンの形状の元は若干違い、ヒューズみたいな形をしている。
そして、左腕に取り付けてある、アルカナデバイスに似た、丸状の浮かんだ模様が刻まれた、物に装填した。
<<ショットイン>>
従来のリベリオンとは違う、高い声の電子音声と共に、ミヤマクワガタの角の形をした
「来るか・・・・・・・・!」
引き金を引くその瞬間まで、ルナリベリオンは動かずにいた。先に動いた者が先制を取られる状況。
最初に動くのはどっちだ・・・・・・・・?
「・・・・・・・・・・っ」
アーキタイプがライフルの引き金を引こうとした次の瞬間――――――――――――
「な・・・・・・・・っ!?」
ルナリベリオンが、一直線に走っていった。そして、新月を下から振り下ろした――――――――――!!
「ッ―――――!」
間一髪、斬撃を避け、後ろへ4歩下がった。そして、ホルスターからシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填した。
<<ソードイン>>
足元にノイズが発生し、ヒラタクワガタの角を模した中型の
「ハァ―――――!!」
ルナリベリオンの方に走り出し、スタッグツインセイバーを振るう。
「やるな・・・・・・・・!」
新月で、日本のスタッグツインセイバーを受け止め、勢いよく押し返した。
ホルダーからシステムメモリーを取り出し、新月に取り付けられているデバイスに装填した。
<<ストームイン>>
ブルームーンファルコンが現れ、両翼で大きな風を引き起こし、アーキタイプを吹き飛ばす。
「・・・・・・・・・・!?」
大きく吹き飛ばされ、アーキタイプは、地面に倒れ込んだ。
ルナリベリオンは、発生した風に乗り、飛び上がった。
「・・・・・いない?」
立ち上がったアーキタイプ。辺りを見回すと、ルナリベリオンの姿はなかった。
「フゥ・・・・・一先ず凌いだか」
遠くの方へ移動したルナリベリオン。追いかけて来ないのを確認し、現実世界へ戻ろうとした所・・・・・・・・・・
「アイツ・・・・・・・」
向かいの方を見ると、ソルリベリオンが辺りを見回していた。まるで何かを探しているかの様に。
「まさか・・・・・な」
ソルリベリオンも同様に、アーキタイプを追いかけているのではないかと思っていた。
「っそ・・・・・・何処に行った?」
「何してるんだ?」
ソルリベリオンの方へ移動するルナリベリオン。それに気づいたのか、ソルリベリオンは後ろの方を向いた。
「あっ、お前、こう・・・・・クワガタみたいな頭をした奴見なかったか?」
「クワガタ?あぁ、それなら見たぞ。さっきまで戦ってたからな」
ソルリベリオンの問いに、ルナリベリオンは素直に答えた。
「マジかよ?実は、ソイツにが急に現れてよ、気になって後を追ってみたんだが・・・・・・・」
「現れた?となると、俺達を襲って来た奴とは別か・・・・・・・・?」
ハルトと伊織が、アーキタイプに襲われたのは、丁度同じ頃。時間差があったとしても、5分前後。流石にそんな時間で同時に襲ってくるとは思えないが・・・・・・・・・・・・
「つまり、アレは数体いると思った方がいいのか・・・・・・・」
ルナリベリオンが考えていると――――――――――――
「なっ、こんな時に現れやがったか!」
2人の背後から、ラクーンケトルと、ビーワスプと同族と思われる爪の様な手の針が特徴の、クマバチ型の
ラクーンケトルの目は、血に染まったかの様に、真っ赤であった。
「こうなった以上、倒すしかないな」
2人は、ホルダーからユニゾンカードを取り出し、取り付けてったデバイスを取り外し、カードを翳した。
<<ユニゾン―――――!>>
ソルリベリオンとルナリベリオンは、ユニゾンモードへと変化した。
一気にケリを付ける為、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、ソルリベリオンは、ライオネルコアの中に、ルナリベリオンは、ビーヴェスの中に、システムメモリーを装填した。
<<フィニッシュイン―――――>>
ソルリベリオンは走り出しその姿は、紅蓮の炎を身に纏い、翼の様に左右3本生えているライガーデュランダルが装備された、ハーバーリライオン型の
ビーベアの方へ走りだしたシャイニングレグルスは、左右のライガーデュランダルを展開し、炎の翼の様な形を形成する。口からマグマの様な丸い火球を吐き、ビーベアの周りをマグマで囲み、動きを封じた。
そこから、上空へ飛び上がり、隕石が降る様に、急降下し、
ラクーンケトルの上に飛び上がって、周囲に青白いスパークで覆い、翼を大きく羽搏き、カマイタチを発生させ、ラクーンケトルの全身を切り裂く。そこから雷を発生させ、回転しながら突撃し
必殺技直撃した2体のクリーチャーは爆散した――――――――――
元の姿に戻った2人は、爆散から発生した炎を見つめながら、現実世界へ戻っていった。
一方―――――――――――――――――――――――――
「フゥ・・・・・・・手間が掛かっちまったな」
鎖で縛られ、身動きの取れなくなった我怨が、檻から抜け出していた。
近くに掛かっていた、赤いジャケットを取り、それを着た。
「おっと・・・・・あった、あった」
何かが厳重に保管されていそうな箱を破壊し、その中から、アルカナデバイスを取り出した。
「さて・・・・・・どう、倍返ししてやろうか」
見張っていた男達の姿は見当たらない、一体何処へ行ったのだろうか?そして何故、我怨は自由になれたのか・・・・・・・・
現在リベリオン使用者 22人中残り14人
ToBe Continued……
【今回登場したメカニック紹介】
アーキタイプ=クローバー
【全長】210㎝
【体重】90キロ
【総合ランク】A
志向英雄がリベリオンを元にして作った、模造リベリオン。
全身がモスグリーン色で、クワガタの顎の形を思わせ、パイプでマスクが繋がれているのが特徴な頭部に、眼は
様々なリベリオンのデータを解析して作られている為、非情にスペックが高い。
【ショットイン】シザーライフル ランクA+
ミヤマクワガタの角を模したアサルトライフル。
射程距離は5キロ先まで狙撃可能。最大4体のリベリオンを貫通できる。
【ソードイン】スタッグツインセイバー ランクB+
ヒラタクワガタの角を模した中型の2本の剣。
2本を連結し、相手を挟み込む事が出来る。剣先には高熱を放っている。
ソルリベリオンユニゾンモード
【フィニッシュイン】ブレイジングヴァース ランクX+
左右のライガーデュランダルを展開し、炎の翼の様な形を形成する。口からマグマの様な丸い火球を吐き、敵の周りをマグマで囲み、動きを封じ、そこから上空へ飛び上がり、隕石が降る様に、相手に急降下、突撃する。
リベリオンを元にして作られた、模造リベリオン、アーキタイプ。
それを作り、サイバープログラムを消滅させようと企てる英雄。今回は2体登場しましたが、もう1体の方の詳細は後日。
遂に、ソルリベリオンユニゾンモードのフィニッシュインも見せる事が出来ました!
どこぞのライオン種じゃないですよ(笑)
次回もアーキタイプの脅威が襲い掛かる――――――
そして何故、我怨は抜け出す事が出来たのか?お楽しみに!
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メインキャラの中で誰が1番好きか?
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獅子堂ハルト
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三日月伊織
-
国枝半蔵
-
黒崎我怨