アルカナTHEリベリオン   作:イオ・りん

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圭の計画の1ページが動き出す・・・・・・・・?

そう言えば、我怨はどうなったのか?


第35話「アーキタイプ」

「ん・・・・・・あぁ?何だぁ・・・・・」

 

9月13日、時刻は15時丁度。

ビーワスプに刺され、気を失った所、警察に捕まったフールリベリオンの使用者、黒崎我怨(くろさきがおん)

目が覚めると、上半身は裸になっており、両手は鎖で縛られていた。そして辺りをよく見ると・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「どうみても・・・・・・刑務所じゃぁねぇなぁ」

 

警察に捕まったはずだが、どうみても刑務所ではない。ロウソクが灯った暗がりの場所で、風通しが悪い、そして何より、小汚い場所だ。

一言で表すのなら、山奥にある洞窟に作った監獄とも言える。

 

「んぁ―――――っ!!うぁ―――――!!」

 

力任せに鎖を外そうとするが、ビクともしない。それどころか、力強く引っ張ったからか、腕から血が流れる。

 

「あ~ら、そんなに力任せにやっても無駄よ」

 

そこへ現れたのは、黒のワンピース レディーズドレスに、サングラスを掛けた女性が、こちらへやって来た。

そして、我怨の方を、強く見つめていた。

 

「お前か・・・・・・俺をこんな所にぶち込んだのは?」

「えぇ、そうね。私は、八久慈玲。貴方をここに入れて、ざっと13日かしら?」

 

女性は、八久慈玲(はちくじあきら)と名乗った。

我怨が捉えられてから、約13日が経つ。ルールの1つ「14日以内に契約クリーチャーに餌を与える」その期限まで後4日。

玲は、我怨の持つ、ダークグレーのアルカナデバイスを、見せつけた。

 

「ほぅ・・・・・確かに、これじゃぁお前が殺した事にならねぇよなあ?」

「正解、だから、貴方にはしばらく大人しくしてほしいの」

 

玲が、我怨を拘束した理由。それは、14日が過ぎ、契約クリーチャーに食われる事を望んでいるから。

そうすれば、「リベリオン同士の戦い以外で相手を脱落させる事を禁止する」というルールに引っ掛からずに、我怨を脱落させる事が出来る。

 

「あなたは、とっても危険な奴だってのは分かっているの。出来れば殺り合わずに倒したいなって、ね」

 

そう話していると、2人の警官服を着た男性がやって来た。

 

「コイツら・・・・・・・警察のもんじゃあ、ねぇな」

「勘がいい・・・・その通りよ。コスプレしてもらってるのよ。コレを使ってね」

 

玲は、ポケットから、毒々しい紫色のシステムメモリーを取り出した。

メモリーにはMIND IN(マインドイン)と書かれていた。即ち、心を操る、という意味だ。

 

「すっごく便利なのよね~コレを使えば、誰だって操れる。意のままに」

 

マインドインを使い、男達を操り、警官に扮して、我怨を捉えていたのだ。

 

「まっ、後1日過ぎるまで、大人しくしてる事ね。何かあるかもしれないから、見張っててちょうだい」

「イエス、マム」

 

玲は、その場を去っていった。男2人は、我怨が妙な行動を取らない為に、見張りを頼まれた。

マインドインで操られている為、彼女の言う事を、絶対に聞く。

 

「フフッ・・・・・ハハハハハ!!いいぜぇ・・・・・・・自由になったら、たっぷり可愛がってやるよ!!」

 

我怨は、高らかに笑った。両手を塞がれ、身動きが取れない状態、彼に策はあるのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ、今日の夕飯何するの?」

「見りゃ、分かるだろ。コロッケだよ」

 

その頃、伊織とアリアは、夕食の買い物をしていた。

アリアも居候している身、伊織の手伝いをするのは、当然ともいえる事だろう。

 

「うんうん・・・・じゃがいも、パン粉・・・・・確かに」

 

買って来たものは、じゃがいも、パン粉、中濃ソース。言われてみれば、コロッケを作ると言えるだろう。

 

「おっと・・・・・・小麦粉買い忘れた、ちょっと持っててくれ」

「うん、分かった」

 

小麦粉を買い忘れた伊織は、荷物をアリアに任せ、急いでスーパーの方へ向かった。

それからしばらくすると・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「いや―――――っ何!?」

 

アリアの叫ぶ声が聞こえた。

その声を聞いた伊織は、急いで彼女の方へ戻った。

 

「っく・・・・・・・一体何を・・・・・・っ!?」

 

アリアの目のまえには、リベリオンに似たような、機械の戦士が立っていた。

その姿は全身がモスグリーン色で、クワガタの顎の形を思わせ、パイプでマスクが繋がれているのが特徴な頭部に、眼は単眼(モノアイ)となっており、胸には三つ葉のクローバーのマークが刻まれており、四角い肩、鋭いひし形の膝アーマー、カンガルーの様に柔軟そうな足、背中にはジェットエンジンが搭載されている。

 

「新手のリベリオン・・・・・いや、何かが違う」

 

これまでのリベリオンとの違いを、伊織は感じていた。

後ずさって逃げるアリアの元へ向かい、彼女の二の腕を掴んだ。

 

「何やってんだ!さっさと逃げるぞ――――――」

「あっ・・・・・うっ、うん」

 

アリアを立ち上がらせ、急いでその場から逃げた。

謎の戦士は、その後を追いかける事もなく、そのまま近くにあった電子パネルへの中へ、吸い込まれる様に、入っていった。

 

 

 

 

 

 

「へぇ~随分なデキじゃないか。コレも君のお父さんの技術あっての物だ」

「うん・・・・・・・」

 

その後ろには、皇圭(すめらぎけい)志向正義(しこうまさき)が立っていた。

 

「アーキタイプ・・・・・・・・今何体完成してるんだっけ?」

「5体だよ、試作機含めてね」

「へぇ~じゃぁ、これからも量産できるかな?」

「まぁ・・・・・・あなたが資金さえ、出してくれるなら、って父さんは言ってたけど」

 

伊織達の目のまえに現れたリベリオンもどきは「アーキタイプ」正儀の父である、英雄が作ったと言う。

正義が言うには、今現れたのを含め、5体存在すると言うが・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方――――――――――――

 

「でさ~その時になってね」

「何だよそれ、笑えるわ~」

 

ハルトと彩が、ベンチで、何気ない会話をしていた。

 

「面白いのは、ここからなんだよ」

「で、続きはどうなったんだよ?」

 

そんな会話が続いている中・・・・・・・・ハルトは怪しげな雰囲気を感じていた。

その時――――――――――

 

「彩―――――っ!!」

 

突然、何かが飛び込んでくる気配を感じ、ハルトは彩を押し倒して、襲撃を回避した。

 

「何だ・・・・・・・アイツは?」

 

その姿は、伊織が遭遇した、アーキタイプと呼ばれる者と同じ姿をしたリベリオンもどきだった。

違いは、胸がスペードの形になっており、全身が、水色と青で構成されている。

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

アーキタイプは、そのまま、後ろで佇んでいる男のスマホに、気付かれないよう、吸い込まれる様に、入っていった。

ハルトがその後を追いかけようとした時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はッ・・・・・・ハルト!?」

「ん?・・・・・・・あっ」

 

押し倒された彩は、顔を赤らめ、動揺していた。

ハルトは急いでベンチから降りた。

 

「わっ・・・・ワリィ、虫が飛んでてさ」

「わっ・・・ワザワザそれで押し倒す!?」

 

急な事で、胸がドキドキしていた。外で押し倒されるなんて、想像も付かなかったのだから。

もちろん、ハルトにその気はない。

 

「それにしても、アレは何だったんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『順調な様だな』

「うん、父さんの作ったアーキタイプ、彼のおかげで完成した。後はサイバープログラムを・・・・・・・・・・・」

『あぁ、ようやく時が来た』

 

電話をしている正儀と英雄。

保管されているアーキタイプを目の前に、英雄、圭の目的がはじまる・・・・・・・・・・・・・・・

サイバープログラムを閉じるとはどういう事なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・後を付けてるな」

 

アーキタイプから逃げている伊織とアリア。

サイバープログラム内へ移動下化と思われてたが、デバイスを見ると近くにいる反応を察知していた。

 

「俺が合図したら走れ」

「えっ?」

 

ゆっくりと歩く、伊織とアリア。近くの監視カメラの中から、アーキタイプが、その様子を見ていた。

 

(なるほど・・・・・・・)

 

伊織が3回足踏みをした。アリアはそれを、走る合図だと感じた。

 

「ッ―――――!」

 

アリアは走った。それに反応し、アーキタイプが監視カメラから飛び出そうとした時――――――――――

 

「お前の相手は俺だ」

 

伊織がアルカナデバイスを取り出し、監視カメラに突きつける様に翳すと、右二の腕にアタッチメントが取り付けられる。

 

「セットオン!」

 

デバイスをアタッチメントにセットし、伊織はルナリベリオンに変身し、監視カメラの中に入り込み、サイバープログラムへ移動する。

 

「っ・・・・・・・・」

「お前・・・・・一体、何者だ?」

 

ルナリベリオンは新月を構え、アーキタイプの様子を窺う。

 

「・・・・・・・・」

 

アーキタイプが左腰のホルスターから取り出した物、それはシステムメモリー。だが従来のリベリオンの形状の元は若干違い、ヒューズみたいな形をしている。

そして、左腕に取り付けてある、アルカナデバイスに似た、丸状の浮かんだ模様が刻まれた、物に装填した。

 

<<ショットイン>>

 

従来のリベリオンとは違う、高い声の電子音声と共に、ミヤマクワガタの角の形をしたライフル(シザーライフル)が発生したノイズの中から現れ、それを両手に持ち、狙いを定める。

 

「来るか・・・・・・・・!」

 

引き金を引くその瞬間まで、ルナリベリオンは動かずにいた。先に動いた者が先制を取られる状況。

最初に動くのはどっちだ・・・・・・・・?

 

「・・・・・・・・・・っ」

 

アーキタイプがライフルの引き金を引こうとした次の瞬間――――――――――――

 

「な・・・・・・・・っ!?」

 

ルナリベリオンが、一直線に走っていった。そして、新月を下から振り下ろした――――――――――!!

 

「ッ―――――!」

 

間一髪、斬撃を避け、後ろへ4歩下がった。そして、ホルスターからシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填した。

 

<<ソードイン>>

 

足元にノイズが発生し、ヒラタクワガタの角を模した中型の(スタッグツインセイバー)が現れ、左右両手に持つ。

 

「ハァ―――――!!」

 

ルナリベリオンの方に走り出し、スタッグツインセイバーを振るう。

 

「やるな・・・・・・・・!」

 

新月で、日本のスタッグツインセイバーを受け止め、勢いよく押し返した。

ホルダーからシステムメモリーを取り出し、新月に取り付けられているデバイスに装填した。

 

<<ストームイン>>

 

ブルームーンファルコンが現れ、両翼で大きな風を引き起こし、アーキタイプを吹き飛ばす。

 

「・・・・・・・・・・!?」

 

大きく吹き飛ばされ、アーキタイプは、地面に倒れ込んだ。

ルナリベリオンは、発生した風に乗り、飛び上がった。

 

「・・・・・いない?」

 

立ち上がったアーキタイプ。辺りを見回すと、ルナリベリオンの姿はなかった。

 

「フゥ・・・・・一先ず凌いだか」

 

遠くの方へ移動したルナリベリオン。追いかけて来ないのを確認し、現実世界へ戻ろうとした所・・・・・・・・・・

 

「アイツ・・・・・・・」

 

向かいの方を見ると、ソルリベリオンが辺りを見回していた。まるで何かを探しているかの様に。

 

「まさか・・・・・な」

 

ソルリベリオンも同様に、アーキタイプを追いかけているのではないかと思っていた。

 

 

 

 

 

「っそ・・・・・・何処に行った?」

「何してるんだ?」

 

ソルリベリオンの方へ移動するルナリベリオン。それに気づいたのか、ソルリベリオンは後ろの方を向いた。

 

「あっ、お前、こう・・・・・クワガタみたいな頭をした奴見なかったか?」

「クワガタ?あぁ、それなら見たぞ。さっきまで戦ってたからな」

 

ソルリベリオンの問いに、ルナリベリオンは素直に答えた。

 

「マジかよ?実は、ソイツにが急に現れてよ、気になって後を追ってみたんだが・・・・・・・」

「現れた?となると、俺達を襲って来た奴とは別か・・・・・・・・?」

 

ハルトと伊織が、アーキタイプに襲われたのは、丁度同じ頃。時間差があったとしても、5分前後。流石にそんな時間で同時に襲ってくるとは思えないが・・・・・・・・・・・・

 

「つまり、アレは数体いると思った方がいいのか・・・・・・・」

 

ルナリベリオンが考えていると――――――――――――

 

「なっ、こんな時に現れやがったか!」

 

2人の背後から、ラクーンケトルと、ビーワスプと同族と思われる爪の様な手の針が特徴の、クマバチ型のクリーチャー(ビーベア)が飛び掛かってきた。

ラクーンケトルの目は、血に染まったかの様に、真っ赤であった。

 

「こうなった以上、倒すしかないな」

 

2人は、ホルダーからユニゾンカードを取り出し、取り付けてったデバイスを取り外し、カードを翳した。

 

<<ユニゾン―――――!>>

 

ソルリベリオンとルナリベリオンは、ユニゾンモードへと変化した。

一気にケリを付ける為、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、ソルリベリオンは、ライオネルコアの中に、ルナリベリオンは、ビーヴェスの中に、システムメモリーを装填した。

 

<<フィニッシュイン―――――>>

 

ソルリベリオンは走り出しその姿は、紅蓮の炎を身に纏い、翼の様に左右3本生えているライガーデュランダルが装備された、ハーバーリライオン型のクリーチャー(シャイニングレグルス)へと変化し、ルナリベリオンはルナティックサンダーバードへと変化した。

 

ビーベアの方へ走りだしたシャイニングレグルスは、左右のライガーデュランダルを展開し、炎の翼の様な形を形成する。口からマグマの様な丸い火球を吐き、ビーベアの周りをマグマで囲み、動きを封じた。

そこから、上空へ飛び上がり、隕石が降る様に、急降下し、必殺技(ブレイジングヴァース)が発動する―――――――!

 

ラクーンケトルの上に飛び上がって、周囲に青白いスパークで覆い、翼を大きく羽搏き、カマイタチを発生させ、ラクーンケトルの全身を切り裂く。そこから雷を発生させ、回転しながら突撃し必殺技(ライジングテンペスト)が炸裂する――――――!

 

必殺技直撃した2体のクリーチャーは爆散した――――――――――

 

元の姿に戻った2人は、爆散から発生した炎を見つめながら、現実世界へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方―――――――――――――――――――――――――

 

「フゥ・・・・・・・手間が掛かっちまったな」

 

鎖で縛られ、身動きの取れなくなった我怨が、檻から抜け出していた。

近くに掛かっていた、赤いジャケットを取り、それを着た。

 

「おっと・・・・・あった、あった」

 

何かが厳重に保管されていそうな箱を破壊し、その中から、アルカナデバイスを取り出した。

 

「さて・・・・・・どう、倍返ししてやろうか」

 

見張っていた男達の姿は見当たらない、一体何処へ行ったのだろうか?そして何故、我怨は自由になれたのか・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

現在リベリオン使用者 22人中残り14人

 

 

 

 

ToBe Continued……




【今回登場したメカニック紹介】


アーキタイプ=クローバー

【全長】210㎝

【体重】90キロ

【総合ランク】A

志向英雄がリベリオンを元にして作った、模造リベリオン。
全身がモスグリーン色で、クワガタの顎の形を思わせ、パイプでマスクが繋がれているのが特徴な頭部に、眼は単眼(モノアイ)となっており、胸には三つ葉のクローバーのマークが刻まれており、四角い肩、鋭いひし形の膝アーマー、カンガルーの様に柔軟そうな足、背中にはジェットエンジンが搭載されている。
様々なリベリオンのデータを解析して作られている為、非情にスペックが高い。

【ショットイン】シザーライフル ランクA+
ミヤマクワガタの角を模したアサルトライフル。
射程距離は5キロ先まで狙撃可能。最大4体のリベリオンを貫通できる。

【ソードイン】スタッグツインセイバー ランクB+
ヒラタクワガタの角を模した中型の2本の剣。
2本を連結し、相手を挟み込む事が出来る。剣先には高熱を放っている。

ソルリベリオンユニゾンモード

【フィニッシュイン】ブレイジングヴァース ランクX+
左右のライガーデュランダルを展開し、炎の翼の様な形を形成する。口からマグマの様な丸い火球を吐き、敵の周りをマグマで囲み、動きを封じ、そこから上空へ飛び上がり、隕石が降る様に、相手に急降下、突撃する。

リベリオンを元にして作られた、模造リベリオン、アーキタイプ。
それを作り、サイバープログラムを消滅させようと企てる英雄。今回は2体登場しましたが、もう1体の方の詳細は後日。

遂に、ソルリベリオンユニゾンモードのフィニッシュインも見せる事が出来ました!
どこぞのライオン種じゃないですよ(笑)

次回もアーキタイプの脅威が襲い掛かる――――――
そして何故、我怨は抜け出す事が出来たのか?お楽しみに!

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  • 三日月伊織
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  • 黒崎我怨

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