アルカナTHEリベリオン   作:イオ・りん

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第26話「審判の猛槌」

「あぁ~マジでしんどい」

 

8月6日、時刻は11時、ハルトと彩は夏休みの宿題をする為に、図書館に訪れていた。

 

「結構遊んだんだから、その分頑張らないとね」

 

頬杖を突きながら、黙々と勉強に励む彩、そんな中ハルトはあまりの面倒臭さに、頭の後ろに手を押さえる。

 

「しっかし、何でこう夏休みに宿題するんかね?休みなら楽しく休ませて欲しいもんだよ」

「タダでさえ、バカな頭がもっとバカになるからじゃない?」

 

からかい混じりに彩が言い返す。不貞腐れたように、ハルトは上を向いた。

 

「ちぇっ、難しすぎるわ」

「もぅ、仕方ないなぁ。どれどれ?」

 

難問に頭を抱えるハルト。そんな彼の隣に座り、分からない所を分かる範囲で教える彩。少しづつ分かってきたのか、答えを書く速さが若干上がった。

 

「ありがとな、手伝って貰って」

「なっ・・・・・何急に!?別に、アンタがまたギリギリになって泣きついてくるのを見たくないだけだし!!」

 

照れ隠しなのか、つい席を立って、机を叩いてしまった。それにハルトはちょっとビックリしてしまう。

 

「おっ・・・・おい、急にどうした?」

「あっ、ゴメン、何でもない」

 

髪をかき分け、席に座った。それからお互い、少しづつ宿題を終わらせた。1時間後、一旦宿題を終え、図書館を出る2人。

ハルトは両手を伸ばし、欠伸をした。

 

「そういや、来週だっけ?臨海学校」

「そっか、もう来週か~楽しみだね」

 

一週間後には、待ちに待った臨海学校。夏休み最大の楽しみともいえる。

 

「それまでには、宿題終わらせないとね」

「うっ!?分かってるよ。一番の難関は読書感想文だな・・・・・・・・・・」

 

ハルトが1番やりたくない宿題。それは読書感想文。ただでさえ小説も10分も読めないハルトに、感想が書けるのか?頭がいっぱい、いっぱいであった。

そんな時――――――――――サイバープログラムに何か感知したかの様なノイズが、頭に鳴り響く。

 

「どしたの?」

 

何も知らない彩は、首を傾げていた。

 

「あっ、悪い!急用思い出したわ!!」

 

すぐさま、ハルトは図書館を後にし、走り出した。

向かった先は、小さな電気屋。ここなら、店長は何時も新聞ばかり読んでいて、変身しても気づかない。

 

「おし・・・・・ここならってお前らもか?」

「何だい、来てたのか、ハルト君」

「っく・・・・・・どいつもコイツも」

 

同じ電気屋に、国枝半蔵(くにえだはんぞう)と、三日月伊織(みかづきいおり)がやってきた。

離れてもしかたないので、3人共、薄型テレビにデバイスを翳し「セットオン!」の叫びと共に、デバイスを二の腕に付けられ、アタッチメントに取り付け、ハルトはソルリベリオンを、伊織はルナリベリオンを、半蔵はチャリオットリベリオンに変身し、テレビの中から、サイバープログラムへ入る。

 

「そういや、今回はクリーチャーが現れた感じじゃぁなかったな」

「確かにな、一体なんのつもりだ?」

 

今回は、クリーチャーが現れたビジョンではなかった。違う反応を感じ、サイバープログラムへ入ってった。ノイズ交じりの音が頭に響く中、こちらに向かってくる足音が聞こえる。

 

「あん・・・・・お前らも来てたのかぁ?」

 

フールリベリオンだった。面倒くさい相手に遭遇し、チャリオットは、額に手を当てる。

 

「何?まさか君が呼んだんじゃないだろうねぇ?」

「何の事が知らねぇが、お前らが相手してくれんなら、俺は構わないぜ!!」

 

そう言いながら、チャリオットの方に向かって、蹴りを入れようとする。

 

「まっ、逃れは出来ないだろうね!!」

 

その蹴りを、右手で受け止め、右足でフールの脛を狙って蹴り返す。

 

「丁度いい、ここでお前を倒すのも悪くない」

 

そこへルナリベリオンも乱入し、新月をフール左肩に目掛けて振り下ろす。

 

「おいおい、こんな戦い辞めろっての!!」

 

さらにソルリベリオンが割って入り、戦いを止めようとする。がしかし、ルナリベリオンによって突き飛ばされてしまう。

 

「邪魔をするな!」

「って――!?何しやがんだよ!!」

「言ったろ、コイツを仕留めるにはいい機会だ」

「だね、そろそろしつこくて、しょうがないんだよ」

 

幾度と戦いを挑むフールにウンザリしていたチャリオットは、ルナリベリオンと一時共闘し、フールを倒そうとする。

その戦いをビルの陰から見ていた――――――――――テンパランスリベリオンがいた。

 

「はぁ・・・・・何だか面倒くさそうな展開だね。しばらく様子を見せてもらうよ」

 

フールとの戦いには参加せず、漁夫の利を狙おうとしている。

再度、割って入ろうとするソルリベリオン。だが、邪魔をするな言わんばかりに、フール、チャリオット、そしてルナリベリオンの蹴りを同時に喰らってしまう。

 

「いでで・・・・・・って、何で先生まで蹴るんだよ!」

「あぁ、ゴメン、ついね」

 

謝ってすぐに、戦いに戻る。フールがホルダーからシステムメモリーを取り出し、ダイルデンジャーの口を開き、中にあるデバイスにシステムメモリーをデバイスに装填、その口を閉じ「ソードイン」の電子音声と共に、スターウェイブが、星を二重に重ねた様な大きい手裏剣と思われる(スターブレード)を出し、それを左手に装備した。

 

「あれは凜の・・・・・・」

「懐かしいだろ?お友達の形見だぜ」

 

と言いながら、ルナリベリオンに近づき、スターブレードで鳩尾を突く。

 

「ぐっ・・・・・別に、そんなじゃないさ!」

 

立ち上がったルナリベリオンは、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、新月に取り付けてあるデバイスに装填「ソードイン」の電子音声と共に、牙王天羽々斬(がおうあめのはばきり)が召喚され、両手に構える。

 

「ハァ―――――っ!!」

 

フールの上から、牙王天羽々斬を振るう。右肩に直撃し、右手で押さえ、その隙にチャリオットが、ギミックガンソードをガンモードにし、フールに向かって撃つ。銃弾が直撃し、後ろから倒れる。

 

「あぁ・・・・随分楽しませてくれるじゃねぇか、ますます面白くなってきたぜ」

 

立ち上がったフールは、首を横に曲げ、スターブレードを2つに分離させ、ルナリベリオンとチャリオットの方向に、同時に投げる。

 

それに対抗し2人ホルダーからシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填「シールドイン」の電子音声と共に、ルナリベリオンはブルームーンファルコンの翼を模したシールド(ルナーズイージス)を背中に装備。チャリオットはチャリオットフォートレスの車輪を模したシールド(ローラーシールド)を左手に装備し、分離したスターブレードを防いだ。

 

「こんなもんじゃないよ」

 

チャリオットは、ローラーシールドの内部に仕込まれたバルカン砲をフールの足元に向かって放つ。

 

「ちっ・・・・・また足止めか?」

「どうかな?」

「あん・・・・・・?」

 

煙を払ったフールの後ろには、ルナリベリオンがいた。腹部に新月を突き刺し、貫いて剣を抜く。

空いた穴を塞ぐ様に、フールは左手で押さえる。

 

「ぐぁ・・・・・・・ハハハ―――――!!こうでなくっちゃなぁ、戦いは!!」

 

傷口を押さえながら、高らかに笑っていた。その狂いっぷりに、ソルリベリオン、ルナリベリオン、チャリオットが引いている。

 

「うぇ・・・・・・何アイツ、気味悪いな」

 

テンパランスも同様、頭を押さえる程だ。

 

「この調子なら、行けるんじゃない?」

「その様だな」

 

状況はルナリベリオンとチャリオットが優勢、この調子なら勝利も目前、と思われたが――――――――――

 

「あぁん・・・・・・誰だ?」

 

ズシン―――――ズシン―――――

 

重い足音が後ろから聞こえた。一同が振り向くと、そこには、白金の全身に、屈強な鎧、胸の下辺りから黒と金の垂れたローブ、丸く、先端の尖った肩、ひし形の膝アーマー、ハンマー形みたいな黒い足、頭部に雷の形をしたヘッドギア、獲物を狙うような丸みの帯びた黄色い両目(ツインアイ)背中には赤と青の振り子の様なバックパックを背負った戦士(ジャッジメントリベリオン)が、ゆっくりこちらに向かって歩いてくる。

 

「新たなリベリオン・・・・・・だよな?」

「その様だね、ここに来て乱入とは・・・・・厄介だね」

「関係ないな、戦って倒す、それだけだ」

 

ジャッジメントがソルリベリオン達の前に到着すると、ビルの大きなモニターから、モニタが写しだされる。

 

『ピンポンパンポーン。え~今チミ達の前に現れたのはジャッジメントリベリオンです。実はこの子にはある〝役割‶あって、基本的には参加出来ないんです。ですがそれでは退屈で仕方がない。そこで、今回、チミ達にはジャッジメントと戦って貰います。ってチミ達しかいないのか・・・・・・・・ガッカリ』

 

モニタはソルリベリオン達しかいないのを見て、酷く落ち込んでいた。今回、サイバープログラムにノイズを発生させたのはモニタだった。

それに反応したのは、ソルリベリオン、ルナリベリオン、チャリオットリベリオン、フールリベリオン、テンパランスリベリオンの5人だけ、他の使用者は、気付かなかったか、反応を無視したのであろう。

 

『まぁ、ただ戦ってるだけじゃぁつまらないからね、いい戦いを見せてくれた人には、いい物上げちゃうよ』

 

踊りながら、モニタは高らかに笑う。手を振った後、映像は終了した。果たしていい物とは・・・・・・・・?

ジャッジメントの眼が不気味に光りだし左右上下に動きだし、巨大なハンマー型の武器(ガベルトール)を後ろに構える。

 

「いいもん用意してくれるじゃねぇかぁ・・・・・これだから堪らねぇんだよ!!」

 

ジャッジメントに向かって、フールは走り出す。デバイスに、システムメモリーを装填「ナックルイン」の電子音声と共に、太い棘が付いたタイヤの様なナックル系の格闘武器(ホイールパンチャー)を両手に装備し、ジャッジメントの胸部を殴る―――――

 

「・・・・・・・・・・・」

 

パンチは直撃。しかし、ジャッジメントには、ハエが止まったかに思える程、ビクともしなかった。

 

「なっ・・・・・アイツ!?」

 

「フン――――――っ!」

 

そのまま、フールの腕を掴み、ソルリベリオン達の方に、投げ飛ばした。

ゆっきり近づきながら、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、ガベルトールに取り付けてあるデバイスに装填「ホバーイン」の電子音声と共に、足からジェットエンジンが噴射し、空中に浮き始める。

 

さらにシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填「クラッシュイン」の電子音声と共に、ガベルトールの背部のジェットエンジンが加速し、ソルリベリオン達のいる方向に向かって、急降下し、地面を叩いた―――――――――――――――!!

 

「うぁ―――――っ!」

「グっ―――――」

「なっ・・・・・・・・!?」

 

そして地層を塔のように隆起させ、ルナリベリオンの左手を貫いた――――――――――

 

「っ・・・・・・!?クソっ!」

 

痛みに耐えながら、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填「シャドーイン」の電子音声と共に、ルナリベリオンの影から、分身が7体現れ、ジャッジメントを囲んだ。

 

「これなら―――――!!」

 

一斉にデバイスにシステムメモリーを装填「スパークイン」の電子音声と共に、新月に電撃が発生し、ジャッジメントに目掛けて放たれる――――――――――

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ウソだろ?アレも効かないのか!?」

「何でもアリだね」

 

ジャッジメントには、一切ダメージはなかった。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・・だったら―――――!」

 

ルナリベリオン本体と分身は、再びシステムメモリーを装填「フィニッシュイン」の電子音声と共に、ブルームーンファルコンも8体(内7体は黒い分身)が現れ、ルナリベリオンは猛ダッシュで走り、ブルームーンファルコンが背中に取り付けられ、上空へ羽ばたき、一斉に、牙王天羽々斬を振り下ろし、必殺技(羅刹滅却翔)が発動される――――――

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

ジャッジメントは、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填「シールドイン」の電子音声と共に、周囲に六角形で構成されたバリア(ミスディレクションフィールド)が発生し、羅刹滅却翔(らせつめっきゃくしょう)を受け止める。

 

「グ・・・・・・・・・・!!」

 

何とかフィールドを破壊しようとするが、傷1つも付かない。そしてとうとう、弾き返され、分身は消滅、ルナリベリオンは吹き飛ばされてしまう――――――――――!!

 

「できれば逃げたい所・・・・・・だけどそうはいかないみたいだね」

「あっ・・・・・・あぁ、今回ばかりは仕方ないみたいだな」

 

戦いを避けたいソルリベリオンも、今回ばかりは戦うざるを得ない状況だ。その状況を陰から見ていたテンパランスは、笑いながら、アーチャースライサーを振るう。

 

「いいねぇ、もう少ししたら、出てみようかな」

 

それに気づいたかの様に、ジャッジメントは眼をテンパランスのいる方向に向け、システムメモリーを取り出し、デバイスに装填「バスターイン」の電子音声と共に、M字のナックルバスター型の武器(ホーミングエディット)が召喚され、右手に装備し、上の方向に向け、発射する。

 

「・・・・・・・・は?」

 

その弾は、軌道を変え、テンパランスの方に向かって行く。やがて弾はテンパランスに直撃、ソルリベリオン達のいる方向へ吹き飛ばされる。

 

「そっ・・・・・・そんなの、反則だっての!」

 

立ち上がったテンパランスは、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、アーチャースライサーに取り付けてあるデバイスに装填「トランスイン」の電子音声と共に、ジャッジメントの持っていたホーミングエディットをスキャンし、自分の手に生成する。

 

「自分の武器にやられな―――――!」

 

ホーミングエディットを数発放ち、その軌道は全てジャッジメントに向かっていく――――――――――!!

しかし・・・・・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

ジャッジメントがシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填「メタルイン」の電子音声と共に、全身が鋼で覆われ、硬貨した。

全ての弾はジャッジメントに命中したが、一切ダメージは入っていない。

 

「ウソでょ・・・・・!?こんなの滅茶苦茶だ!!」

 

ジャッジメントに強さに、テンパランスは頭を押さえ、錯乱していた。

 

「こうなりゃ・・・・・・やるしかねぇ!!」

「あぁ、そうだね」

 

ソルリベリオンとチャリオットが、システムメモリーを取り出し、デバイスに装填、ソルリベリオンのデバイスから「バスターイン」チャリオットのデバイスから「ショットイン」の電子音声と共に、チャリオットに背中に大きなエネルギータンクと太いスナイパーライフルを思わせる重火器(キャプチャースナイプライフル)を装備し、ソルリベリオンに、空からプロミネンスレオの顔の形をした手甲(レオファング)が降ってきて、それを右腕に取り付けた。

 

「ハァァァァァァァァァァ――――――――――!!」

 

2人同時に、一撃を放った―――――!!

再びジャッジメントがシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填「シールドイン」の電子音声と共に、ミスディレクションフィールドが発動し、2人の一撃を防いだ。

 

「だったら――――――――――!!」

 

ソルリベリオンがデバイスにシステムメモリーを装填「フィニッシュイン」の電子音声と共に、プロミネンスレオと共に飛び上がり口から出された火球を拳に纏い、上空からジャッジメントに向かって、拳を振りかざし、必殺技(プロミネンスブレイカー)(パンチver)が発動される――――――――――

 

バリアによって守られているジャッジメントには当たらず、防がれてしまう、しかし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ん・・・・・・・?ヒビが入ってる!?」

 

バリアには、徐々にヒビが入り出す。ソルリベリオンの力は更に増し、全身に炎が纏われ出す。

 

「――――――――――――――――――――――――――――――っ!?」

 

そして、バリアは破壊され、ソルリベリオンの拳を、ジャッジメントは両手で受け止める。

力に押されたのか、少しづつ後ろに押される様に下がっていく。

 

「ウオォォォォォォォォォォ―――――――――――――――!!」

 

「・・・・・・・・・・・っ!!」

 

しかし、拳は受け止められてしまい、全身の炎は消えた。

そのまま、上に持ち上げられたソルリベリオンは、地面に叩き付けられた。

 

「グハっ―――――!?」

「アレでもダメか・・・・・・・・」

 

少し押したかと思ったが、決定的なダメージにはならなかった。流石のチャリオットも、その力を認めざるを得ないぐらい拳を握っていた。

ダメージを与えかけたソルリベリオンを見て、ルナリベリオンは拳を地面に叩きつけた。

 

「何でアイツが・・・・・・・・・・何故!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

倒れたソルリベリオンに、ジャッジメントが止めを刺そうとするが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ん・・・・・・・・何だ?」

 

1枚のカードを、ソルリベリオンの胸に落とした。それは火山が噴火し、大地にマグマが垂れいく絵に、GAIA(ガイア)「UNISON」(ユニゾン)の文字が刻まれたユニゾンカードだった。

 

その様子を見ていたモニタは、飲んでいたジュースを、思わず吹いてしまう。

 

「ちょっと!何でよりによってソイツに渡しちゃうかな!?何考えてるの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そのままジャッジメントは去っていった。ユニゾンカードを見つめ、ソルリベリオンは立ち上がった。

 

「コレって・・・・・・・・伊織と同じ・・・・・・・・・」

 

モニタは中継を止め、趣味の悪いピエロの顔を思わせる椅子に座った。

 

「まっ、いっか。コレもまた面白そうだし、まだまだ楽しくなるよ~ププププププ」

 

薄ら笑いをし、20枚のカードを手に持つモニタ。そこには全て「UNISON」(ユニゾン)の文字が刻まれてあった。

 

「あぁ・・・・・・もう終わりか?つまらねぇな」

 

立ち上がったフールは、飽きてしまったのか、サイバープログラムを抜け出す。

テンパランスも同様、逃げる様に現実世界へ戻った。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・・・戻るしかねぇな」

 

ソルリベリオン達も、サイバープログラムを抜け、現実世界へ戻った。そこにはハルトと半蔵しかおらず、伊織の姿はなかった。

 

「アレ?伊織は?」

「さぁ?別の所から抜け出したんじゃない」

「そうか、しょがねぇ奴だな・・・・・・」

 

ハルトと半蔵は、小さな電気屋を出て、マンションへ帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

そして同じ頃、別の場所から戻って来た伊織は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「っ・・・・・・・・何故俺はユニゾンを使わなかった?」

 

ジャッジメントに刺された腕を押さえ、街中を歩いていた。

ユニゾンを使えば、ジャッジメントを倒せていたかもしれない。だが使わなかった。まだ使いこなせないから、力に振り回されるあまり、思考が回らなかった。

 

「俺には勝てなかった。だがアイツは・・・・・・・・・・・・」

 

伊織はジャッジメントに敵わなかった。だがしかし、ハルトは一歩追い詰め掛けていた。それが理解できず、認めたくなかった。

 

「まさか・・・・・・奴も強くなって―――――」

 

その時、ポケットの中のスマホが鳴り、それを取り出す。

 

「葵から・・・・・・・もしもし?」

『もしもし、義理兄さん?大変なの・・・・・・由奈ちゃんが大変なの!すぐに病院へ来て!!』

「なっ・・・・・・由奈が!?分かった、今行く!!」

 

由奈に何かがあり、それを知った伊織は、腕の痛みに耐えながら、必死に走り出した。一体由奈に何があったのか――――――――――――――――――――!!

 

「由奈―――――――――――――――――――――――――――――!!」

 

 

 

 

 

 

現在リベリオン使用者 22人中残り15人

 

 

 

 

ToBe Continued……




【今回登場したリベリオン&クリーチャー紹介】


ジャッジメントリベリオン

【全長】189㎝

【体重】99キロ

【総合ランク】S

【常設武器】輪罪槌ガベルトール

タロットカードの【THE JUDGEMENT】の名を意味するリベリオン。
白金の全身に、屈強な鎧、胸の下辺りから黒と金の垂れたローブ、丸く、先端の尖った肩、ひし形の膝アーマー、ハンマー形みたいな黒い足、頭部に雷の形をしたヘッドギア、獲物を狙うような丸みの帯びた黄色い両目(ツインアイ)背中には赤と青の振り子の様なバックパックを背負っている。
モニタからある「役割」を担っており、特別な事がない限り、バトルには参加しない。



【使用メモリー】
   ↓

【シールドイン】ミスディレクションフィールド ランクA
周囲に巨大なバリアを展開する。ランクB以下のフィニッシュインも防ぐ。

【ホバーイン】エアシューズ ランクB
足からジェットエンジンが起動し、空中飛行が可能となる。

【クラッシュイン】グランドブレイク ランクA
ガベルトールで大地に衝撃波を放ち、地層を様々な形へ変化させる。

【メタルイン】シルバーエフェクト ランクB
全身を鋼で硬貨する。持続時間は最大9分。

【バスターイン】ホーミングエディット ランクB+
M字のナックルバスター型の武器、弾道の指定が可能。



テストゥードブロッカー

【全長】3m

【体重】666キロ

【総合ランク】A+

カメにジェットエンジンを取り付けた様なクリーチャー。高い防御力を誇る。
重量型でありながら、マッハ3の速度で移動が可能。
各甲羅は分離し、小型シールドとなる(ランクB+)
ラテン語で「カメ」 testūdō (テストゥードー)から名前は取られていいる。


次回、ハルト対伊織、再び・・・・・・・・・果たしてどうなるか?

メインキャラの中で誰が1番好きか?

  • 獅子堂ハルト
  • 三日月伊織
  • 国枝半蔵
  • 黒崎我怨

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