「ハァ~」
大きく欠伸をしながらハルトはベッドから起き上がった。リビングへ向かうと小説を執筆したまま机に伏せて寝ている半蔵がいた。
「ほら、起きろ朝だぞ」
「ん・・・・・しまった眠ってしまったよ」
本日の朝食は卵のサンドウィッチとビシソワーズ。テーブルに座り食事を始める。と同時にハルトは半蔵に昨日起こった出来事を話した。
「そういやさ、昨日また新しいリベリオン使用者と出会ったんだよ」
「へぇ、それでまた戦いは辞めようとか言ったの?」
「まっ・・・・まぁな、けどソイツ、ちょっと今まで会った奴らとはちょっと違うんだよ。普通っていうか、変わった奴じゃないっていうか」
今まで会った使用者は一癖も二癖も強い人ばかりだった。それに対し昨日のテンパランスリベリオンは至って普通の人間って感じがした。それに半蔵は少し興味を持つ。
「それは面白そうだねぇ、会うのが楽しみだ」
言うんじゃなかったと思いながら、ハルトはビシソワーズを啜る。
同じ頃、伊織は葵と共にベランダでそうめんを食べていた。
「うん、美味しい」
「あの・・・・義理兄さん、話があるんだけど・・・・・・」
葵は恥ずかしそう伊織に尋ねる。
「どうした?」
「実はその・・・・・・友達にプールに誘われて・・・・・私、行きたいの」
昨日ハルトに話した、友達とプールに行きたい事であった。若干過保護な所がある伊織に言ったら断られるんじゃないかと思い言い出せずにいたが、ハルトの助言で勇気を出して本音を言った。それに対し伊織は・・・・・・・・・・
「そうか、いいんじゃないか。友達と遊ぶことは大事だ」
「ほっ・・・・・本当に!?」
まさか葵がそんな事言うとはな・・・・・・いや、今まで気を使わせ過ぎただけか。せっかくの夏休みだ。それくらい別に構わんさ。しかも、あんなに嬉しそうなんだ、よほど楽しみにしていたんだろう。
「勿論だ。で、何時行くんだ?」
「今日!!」
「えっ?」
突然の発言に伊織は唖然としていた。了承の降りた葵は楽し気にベランダから出て、行く支度を始めた。
「それじゃ義理兄さん、行ってきます!」
何時もはおとなしい葵が目をキラキラさせていた。あんな目をする葵を見たのは俺が国枝半蔵の小説を買って来た時以来何だが・・・・・・・・
「あっ・・・・あぁ。あんまり遅くはなるなよ」
伊織は手を振って葵を見送った。マンションを出て、入り口のすぐそばに
あまりにも突然すぎてその光景を伊織はただ見ているだけであった。
「お待たせ~」
「来た来た、じゃあ行こうか」
おっ、男もいるだと・・・・・葵が男とも遊ぶなんて初めてだ・・・・・・ちょっと心配になってきたな。
午前10時、ハルトと半蔵は街中を歩いていた。暑い日差しの中、ぶらりと回っている。
「あぁ~夏は何で暑いんだ?」
「それは夏だからだよ。それにしても今日は特に暑いね」
2人が歩いていると本屋で見覚えのある人物と遭遇する。それは白いYシャツに紺色のズボン姿の伊織だった。本を立ち読みしていた。
「ん・・・・・アレって、伊織じゃん」
「おや、こんな所で偶然だね」
伊織が呼んでる本が気になってコッソリ近づくハルトと半蔵。その中身は・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「何々、イケてる中学生について・・・・・・・か」
「なっ・・・・・お前ら!?何時からここに!」
人の気配が感じると思い後ろを振り向く伊織、2人に気付き3歩下がる。
「何でそんなの呼んでるんだ?」
「うっ・・・・・うるさい、お前らには関係ない事だろ!」
何時ものツンツンしている伊織が動揺している。ハルトの顔がニヤケ始める。
「はは~ん、さては葵ちゃんの事だな」
図星を突かれ本屋を出る伊織。その後を2人が追いかける。
「何があったんだよ~なぁなぁ、教えてくれよ」
「これは興味深いねぇ、僕も知りたいな」
「・・・・・・・・・葵が今日、友達とプールに行ったんだ」
これ以上黙っててもしつこいだろうと思い、正直に話す。ハルトは昨日の事だなと納得しながら聞いていた。
「別にいいじゃないか、年頃の女の子だしそれぐらい」
「男までいるんだぞ、何が起きてもおかしくない」
葵に彼氏でも出来たら、そう思うと心配で仕方がなかった。そんな彼を見て半蔵は突き刺すような一言を言う。
「ひょっとして君・・・・・・シスコンって奴?」
「馬鹿を言うな。俺はただ兄として妹を心配してるだけだ。他になんの理由があるんだ?」
「だからそれがシスコンなんだって」
自分がシスコンだと認めない伊織。煽る様に半蔵は言い続ける。そこへハルトが止めに入る。
「まぁまぁ、心配なのは分かるけどさ。葵ちゃんもそこはしっかりしてるから大丈夫だろ」
「お前に心配される覚えはない、ってか付いてくるな」
一緒に歩く2人から離れようと早歩きになる伊織。しかし同じ歩行速度で付いていく。
「そんな釣れない事言うなよ~こうしてせっかく会ったんだしさ」
「ッく・・・・・よく呑気でいられるな。今ここでお前を倒したっていいんだぞ」
イライラMAXの伊織は今にも戦いを仕掛けて来そうな勢いだった。そんな彼に対しハルトは・・・・・
「呑気ってワケじゃないさ。ただ、こういう時くらい戦いを辞めたっていいじゃないか」
「・・・・・・・勝手にしろ」
抵抗するのも無駄だと思い、2人に同行する事になった伊織。最初に向かったは・・・・・・・・・・・・
「おっ、ゲームセンターじゃないか。久々に遊んでいくか」
ハルトを先頭に3人はゲームセンターへ入っていった。ジャラジャラ鳴り響くメダルの音。無心でスティックを動かしボタンをタイミングよく押すゲーマー。クレーンゲームでぬいぐるみを取ってもらい喜んで彼氏に抱き着く彼女。色々な人達が楽しんでいた。
「へぇ、コレがゲームセンターか、実は僕初めてなんだよね」
「ほぉ、お前来た事がないのか、まぁお忙しい国枝先生だからな。暇がなかったんだろう」
それは意外だったなぁ、それなら存分に遊んでもらわないとな。
まずは手始めに・・・・・・・・・
「じゃぁ、アレでもやってみるか」
ハルトが指さしたのは、ゾンビを倒し閉じ込められたエリアから脱出するシューティングゲーム。最大4人でプレイできる。
「なるほどね、ならこう言うのはどうかな?一番倒した数が少ない人は全員にジュースを奢るのは?」
「いいねぇそれ、なんだか面白そうじゃん」
「くだらん・・・・・・・と言いたいがお前らの泣きっ面を見たくなってきた」
3人はそれぞれ100円を投入し、ゲームが始まる。画面には無数のゾンビが現れる。むやみに撃ちまくるハルト。頭部を狙おうとするが違う部分にヒットしリロードに手間取る伊織。それに対し半蔵は的確に頭部にクリティカルヒットを決める。チャリオットリベリオンとしての戦いの経験がここで行かされたのだろうか?着々と次のステージへ進み、トラックで逃げようとする所まで辿り着いた。
「おっとアレは・・・・・・・・・・・」
画面端に見えるのはドラム缶、アレを撃てば数十体は倒した事になる、つまりは一気に逆転出来ると言うワケだ。いち早く目を付けたハルトはすぐさま撃とうとするが・・・・・・・・・・・・・・
「アレ?弾切れかよ!?」
タイミング悪くリロードを忘れており、焦ってゾンビに攻撃を喰らってダウンしてしまう。その隙に半蔵が狙いを定め、ドラム缶を撃ち一気に40体のゾンビを倒す事に成功し、トラックが施設から脱出してゲームは終了し、リザルト画面に入った。
結果はハルトが42体、伊織が55体、半蔵が210体。よって半蔵の圧勝でありハルトが最下位に終わった。
「負けは負けだ、ほらさっさと買って来い、俺はレモンでいいぞ」
「じゃっ、僕はミルクティーをお願いしようかな」
「チェッ、分かったよしょうがねぇな・・・・・・」
しぶしぶハルトは2人分のジュースを買いに行った。計算通りと言わんばかりに笑う半蔵を見て伊織が尋ねる。
「お前、まさか自分が勝てると思ってこのルールを考えたのか」
「フフフ、さぁ?どうだろうね」
コレも計算の内だったのか?それは本人のみぞ知る。ジュースを買い終えたハルトは伊織にCcレモンを、半蔵にミルクティーを渡す。
「悪いね、ありがたく頂くよ」
早速ミルクティーを飲む半蔵。朝に軍資金を頂いたハルトだが、少ない消費ではあるものの、高校生にとってこれは痛手である。
「で、次は何するんだ?」
「そうだな・・・・・・・アレなんてどうだ?」
次に指さしたのは、首都高速道路を舞台に繰り広げられるレースゲーム。これは全員が初めてのようだ。これなら勝てると言わんばかりにハルトは自身気に笑った。しかし・・・・・・・・・・・・・・・・・
「アレ?曲がれ!!曲がれっての!!」
上手くカーブする事が出来ず次々と追い抜かれてしまいとうとう最下位になってしまい、またも敗北してしまった。
「さて、今度は何を頼むか」
「う~ん・・・・・・そこのダンスゲームで1人踊ってもらおうか」
半蔵が見つけたのは足踏みステップでリズムに合わせて踊るダンスゲーム。それをハルト1人にやらせようとする。
「お前らちょっと楽しんでるだろ!?」
「ほら、負けたんだからさっさとやって来い」
ハルトはしぶしぶダンスゲームの方へ向かい、100円を投入した。ダンスが始まると画面の矢印の落ちるスピードに付いて行けず、ギコちない動きになっていた。それを見た伊織と半蔵は不覚にもお腹を抱えて笑っていた。
「最高だよ・・・・・あぁ、腹が痛い」
「全く、バカバカしくて仕方ない」
「お前らがやれって言ったんだろ!!」
しかしこれは罰ゲーム。負けたハルトの責任だ。時計を見ると時刻は12時50分。お昼時だ。
「はぁ・・・・・なんだか、腹が減って来たな」
「ならお昼にするとしようか」
3人が向かった先は牛丼屋だ。丁度お昼なので席が一杯になっており、カウンター席しか空いていなかった。
「えっと・・・・・・どれにすっかな~おっ、コレがいいな!」
「ふぅ・・・俺はもう決まったぞ」
「僕も、コレがいいかな」
3人共が注文を決め、呼び鈴を押し、店員を呼ぶ。それぞれ選んだメニューを言い、注文したものが来るのを待つ。
「なんだか・・・・・新鮮だな、この感じ」
「何を言ってるんだ、お前が無理やり付いて来たんだろ」
「とか言って、ダッシュで逃げるワケではなかったけどね」
こうしてみると普通に楽しく話している様だ。だかが彼らはリベリオン使用者、何時かは最後の1人にならなければならない。その為にはここにいる2人を倒さねばならない時が訪れる。
そんな時、伊織がポケットの中にしまっていたスマホのバイブレーションが響く。
「ん?葵からか・・・・・・・何だ?」
スマホを見ると・・・・・・・・・・・・何と葵が友達とプールで撮った、自撮り写真をメールで送っていた。葵の水着は水色と白の水玉模様のフリルの付いたリボン・ビキニであった。一見友達と楽しそうに写真を撮っている様に見えるが、伊織は葵の隣にいる男の子の姿に目を向ける。
「コイツ・・・・やけに葵と近いな・・・・ただの友達だろ、そうだ、きっとそれだけだ」
メールには「プールとっても楽しいです。義理兄さんは何をしてますか?」と書いてあった。
「ん、何見てんだ?」
ハルトがスマホを覗こうとした時、咄嗟に伊織はスマホを隠す。葵の水着姿を他の人に見られたくないのだろう。
「何だよ、いいじゃねぇか、見せてくれてもよ~」
「黙れ、なんでお前に見せなきゃならなないんだ」
必死に抵抗する伊織、それでも見ようとするハルト。そう揉めている内に、店員が注文したメニューを運んできた。
「はい、こちら牛丼大盛とにんにくおろし牛丼、それとねぎ玉牛丼ね」
ハルトの所に牛丼大盛り、半蔵の所ににんにくおろし牛丼、伊織の所にねぎ玉牛丼を置いた。
「さてさて、紅生姜をっと」
ハルトは用意されていた紅生姜を、牛丼に乗せる。その時、ハルトのスマホから電話の着信音が流れた。
「っと、ワリィ。先食べててくれ」
電話に出る為、ハルトは店の外に出た。紅生姜を乗せた大盛牛丼を見て伊織は・・・・・・・・
「へぇ~意外だね、こういうことするとは」
ハルトの牛丼に、七味唐辛子を入れ始める。それも少量ではなく、一部に重点して掛けている。しかしこれでは七味唐辛子を掛けた事がバレてしまう。とそこに、半蔵が隠すまいと紅生姜をその上に乗せる。
その、電話に出ているハルトは――――――
「もしもし?」
「おぉ、ハルトか、元気してるか?父さんだぞ」
電話の相手はハルトの父、
「父さん?どうしたんだよ」
「どうしたんだよとはないだろ。この時期に電話をするんだから分かってるだろ」
「ハイハイ、それで要件は?」
「どうだ?今年も来ないか?今回はアメリカだぞ」
ハルトの父と母親、
「あぁ・・・・・行きたいのはやまやまなんだけどさ、今回はパスで」
「何だ?お前まさか赤点取ったんじゃないだろうな?」
「そうじゃないけどさ、ちょっと・・・・・やりたい事があってさ」
勉強しなければと言うのもあるが、一番の理由はリベリオン同士の戦いを放棄して海外に行くわけにはいかないからだ。ルールの1つ「14日以内に契約したクリーチャーに餌を与えなければ、契約破棄とみなされる」があるので、うかつに離れる事が出来ない。だからこそ仕方なく父の誘いを、ハルトは断った。
「そうか・・・・・・それは仕方がない、でも冬には日本に戻れそうだから、それじゃな」
「あぁ、それじゃ」
その一言を最後に電話を切った。店に戻り牛丼を見ると、やけに多く紅生姜が乗せてあった。
「アレっ、こんなに入れたっけな?」
伊織と半蔵の仕業だと知らずに、自分が多く入れたのではないかと思うハルト。そして牛丼を口にした途端・・・・・・・・
「――――――――――ッ!?」
七味唐辛子の辛さが喉を通り、からさが激痛すし、口を押える。その光景を見た
「オイ!七味唐辛子入れやがったな!!」
「アハハハ、予想以上のリアクションだよ」
「あぁ、バカ丸出しだな」
悔しがっても仕方がない。そのまま大盛牛丼をひたすら食べた。それから5分後、食べ終え、店を出ようとしたその時・・・・
「ッ!?こんな時にかよ!」
すぐ近くにクリーチャーが現れるビジョンが流れた。リベリオンに変身する為、隣のビルの屋上の監視カメラのある所へ向かった。
「全く、こんな時に現れて。セットオン!」
「あぁ、これからが面白い所だったのに、セットオン!」
「お前らっ、また何か仕込むつもりだったのか!?セットオン!」
3人は二の腕のアタッチメントにデバイスを取り付け、ソルリベリオン、ルナリベリオン、チャリオットリベリオンに変身する。
ブレーカーからサイバープログラムへ入ろうとするルナリベリオンをソルリベリオンが足を引っ掛け、転ばせる。
「ヒヒっお返しだ」
「なに子供じみた事してんの」
入り込もうとするソルリベリオンをチャリオットが頭を手で押し、その隙にサイバープログラムへ入る。
「って~人の事言えるのか!?」
「突っ立ってないで行くぞ」
その次にルナリベリオンがサイバープログラムへ入る。その最後にソルリベリオンもサイバープログラムへ入っていった。
カタパルトでゲートブースターを装着し「GO!!」のサインと共に発射されサイバープログラムへと到着する。
「どこだ・・・・・・・・?」
近くにクリーチャーがいるはず、ソルリベリオンが辺りを見回すと・・・・・・・・・・・・・
「うぉっ!何だコイツ!?」
「随分とデカい奴だな」
背後には巨大なカニ型の
「これはかなりヤバそうな奴だね」
手始めにチャリオットがギミックガンソードでマッドキャンサーを撃つが、全く効いていない。
「そんな攻撃通用するか」
「だな、デッかい一撃で決めないとな!」
腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填「ソードイン」「バスターイン」の電子音声と共に、ソルリベリオンはレオファングを、ルナリベリオンは
「ウオオオォォォォォォ――――――っ!」
マッドキャンサーの方に跳躍し、甲羅を斬り付けるルナリベリオン。しかし、多少傷跡が出来るだけであって、大きなダメージにはなっていない。
「下がってろ!コイツでやってやる!!」
レオファングにエネルギーを集中させ、一気にマッドキャンサーの口の中に目掛けて発射する。一撃を喰らい、少しだけだが仰け反った。
「っし!手応えありだな!!」
がしかし、すぐに体制を立て直し、ハサミの中の黄色い液体をまき散らす。ソルリベリオンとルナリベリオンはすぐさま避ける。
「おっと、危ないね」
腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し、ギミックガンソードに取り付けてあるデバイスに装填「シールドイン」の電子音声と共に、チャリオットフォートレスの車輪を模した
「コレは・・・・・・随分強力なクリーチャーを出してくれたねぇ」
防いだローラーシールドの黄色い液体が、付着した部分が溶け始めた。どうやらこの液体は強力な酸であるようだ。
「っと・・・・・・・まいったね」
「呑気な事言ってないで、何時もの派手な奴ブっぱなしてくれよ!」
チャリオットは「やれやれ」と言わんばかりにホルダーからシステムメモリーを取り出しギミックガンソードに取り付けてあるデバイスに装填「バスターイン」の電子音声と共に、
「ッし!!効いてるな」
見事に命中し、マッドキャンサーの脚部は破壊され、姿勢を崩し倒れる。
「一気に終わらせてやる」
ホルダーから、ユニゾンカードを取り出すと同時に、空が暗転し、風が吹き、雷が鳴り響く。デバイスにカードを翳し「ユニゾン」の電子音声共に、現れたブルームーンファルコンと融合し、ルナリベリオン ユニゾンモードへと変化した。
システムメモリーを取り出し、盾の持ち手の上の部分に装填「フィニッシュイン」の電子音声と共に、ルナリベリオンの身体がブルームーンファルコンを思わせる
尻尾はアロンダイトの剣と盾で構成され、頭部は金のクチバシ、翡翠色の瞳をしている。
「うぉ・・・・・・すげぇな」
周囲に青白いスパークで覆い、翼を大きく羽搏き、カマイタチを発生し、マッドキャンサーの全身を切り裂く。そこから雷を発生させ、回転しながら突撃し
巨大な身体を貫き、ルナリベリオンが元の姿に戻り着地すると同時に、マッドキャンサーは爆散した。
その残骸を3人の契約クリーチャーが餌にあり付き、平らげていた。
「ふぇ・・・・・終わったか」
戦いを終え、サイバープログラムから、現実世界に戻った3人。そこから2時間が経過し、時刻は15時55分。
噴水公園に来ており、群がる鳩を眺めていた。移動式の屋台でハルトはチョコ味、伊織はイチゴ味、半蔵はバニラ味のアイスクリームを買っていた。
「はぁ~この時間、この季節のアイスは格別だな!!」
「ふむ・・・・・甘いものは頭によく効くと言うからな。バカのお前には丁度いいかもな」
からかう伊織のアイスを、ハルトが、スプーンで取って食べる。
「おまっ!?何しやがんだ!!」
そのやり返しに伊織が何故か半蔵のアイスをスプーンで取って食べる。
「ちょっと、何で僕のを食べるんだい!?」
「そこにお前がいたからだ」
2人のくだらない喧嘩に、半蔵はため息を尽いた。
「っく・・・・・お前らといると気が狂う」
「ちょっとちょっと、僕を巻き込まないでくれたまえ」
「それどういう事だよ!!」
さりげなく酷い事を言われたハルトは、立ち上がり、伊織に指さす。
「フンっ、そのままの意味だ。俺はこれで失礼させてもらう。用事を思い出したんでね」
伊織は立ち上がって、公園を去り帰っていった。2人になったハルトと半蔵も買い物がてら帰る事にした。
「さぁ、先生、ちゃんと健康的な夕食といきましょうか」
「アハハハ・・・・・・・・サラダはコリゴリだ」
30分後、家に帰って来た伊織は、壁に手を突き、立ち眩みをしたかのように、額を押さえる。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・何だこの疲労感は・・・・・」
歩き方もおぼつかない状態で、何もない床で転んで倒れてしまう。
「これが・・・・・・ユニゾンの影響・・・・・・・」
ユニゾンの力は協力な代わりに、使用者に大きな負担が背負う事になり、体力の消耗が激しい。その疲労感から、そのまま伊織は眠りに着いた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さん・・・・・義理兄さん・・・・・義理兄さん!!」
身体を揺れる感覚を感じ、目を覚ます。その隣には、葵が座って伊織の身体を揺さぶっていた。
「葵・・・・・・帰って来たのか。そうか、そんなに寝ていたか」
時刻は17時30分。ざっと2時間近く眠っていた。起き上がった伊織は葵の方を見つめた。
「どうだった?プールは」
「うん!すっごく楽しかった!!」
とても楽しそうな表情に、伊織は優しく笑った。その反面、何かあったか不安であったが、本人はとても言い出せずにいた。
「そうか、それはよかった。これからも予定とか考えてるのか?」
「まぁ・・・・・そこそこ考えてるかな。でもちゃんと勉強はするよ」
まぁ・・・・・・葵に限って、そんな事起こるわけもないか。今後も遊ぶ予定か・・・・・・・葵もまだ子供だなぁ。
無意識に葵の頭を伊織は撫でていた。
「ちょっ、義理兄さん!?いきなりなにを・・・・・・・・・・・」
「あっ・・・・・・すまん、ついな」
まぁ、夏休みだしな。これぐらいは当たり前なのだろうか。それにしても、ユニゾンの力があそこまでとは・・・・・・・・・
俺はまだあの力を使いこなしていない、その為には――――――――――
現在リベリオン使用者22人中残り16人
ToBe Continued……
【今回登場したクリーチャー】
マッドキャンサー
【全長】405㎝
【体重】656キロ
巨大なカニ型のクリーチャー。ランクA+
ハサミからは酸を出し、いかなる相手も溶かしてしまう。弱点は脚で、耐久力が低くなっている。クリーチャー5体分のエネルギーを持っている。
ルナティックサンダーバード
【全長】200㎝
【体重】75キロ
ルナリベリオン ユニゾンモードがフィニッシュインによって変化した姿。ランクX
尻尾はアロンダイトの剣と盾で構成されており、足は鋼鉄をも引き裂く。翼には攻撃エネルギーを吸収する能力を持っている。
最大マッハ7の速度で移動可能であるが、伊織自体がそれに付いていけない。
【使用システムメモリー】
ルナリベリオン ユニゾンモード
↓
【フィニッシュイン】ライジングテンペスト ランクX
クリーチャーに変化し、翼でカマイタチを引き起こし、雷を纏い、回転し相手に突撃する。雷で周囲の敵も巻き込む為攻撃範囲が広い。
チャリオットリベリオン
↓
【シールドイン】ローラーシールド ランクB-
チャリオットフォートレスの車輪を模したシールド。
内部にはバルカン砲が仕込まれている。
メインキャラの中で誰が1番好きか?
-
獅子堂ハルト
-
三日月伊織
-
国枝半蔵
-
黒崎我怨