あの戦いからかれこれ1ケ月が過ぎた。何度か戦う時はあったが、誰も脱落してはいない。だがここからさらなる戦いが幕を上げる
7月20日・・・・・・・・・・・・それは同時に夏休みの始まりでもあった。
「えー皆さん、これから夏休みです。皆さん楽しむのは構いませんが、くれぐれもハメを外しすぎないように、それと宿題はキチンと終わらせてください」
しっかし、何でこう校長先生の話は長いのかね。欠伸が6回も出るわ。それにしても彩の奴、学校終わったらすぐに家に来て宿題やろうって・・・・・・よほど遊びたいんだろうな。まぁ俺は遊びすぎて宿題は何時もギリギリになって彩に泣きながら手伝ってくれと頼んだ事はかなりあるが・・・・・・・・・まさかそれを懸念したんじゃないよな。そう考えると少し背筋が凍る様に伸びた。
「それでは皆さん、良い夏休みを」
ようやく終わった。後は教室で先生の話を聞いて終わりか~ここまでくれば後もうちょいって所だ。
しばらくして教室に戻り教師の話を聞く。
「校長先生も言ったように、ハメは外しすぎない様にしてくださいね。楽しむときは楽しんで、励む時は精一杯励んでくださいね。それじゃぁ今日は終わりです」
教師の話も終わり、生徒一同はすぐさま帰る者もいれば、教室に残り夏休みの予定を話し合っていた。
「終わったね、それじゃ家行こうか」
「あっ・・・・・あぁ、そうだな」
まっ、こういう日があってもいいかもな。最初は俺の家でやるかもしれないと思った時はどうなる事かと思ったが、まさか彩が自分の家でやろうと言い出してちょっと安心したぜ。と言いつつも・・・・・・・先生ちゃんと飯は食ってるだろうか?一応用意はしたけど・・・・・・・・・・・・・
心配される中、国枝半蔵はハルト達よりも少し早く夏休みに入っており、小説の執筆をしていた所、お腹が鳴り、冷蔵庫の中を見ると・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・」
中にはひやむぎが入っていた。半蔵の表情はあまり満足してなさそうだった。
「そういえば今日ハルト君は友達と勉強会とか言ってたっけ・・・・・・・だったら」
半蔵の鞄の中からあるものを取り出した。カップラーメンだ。
「やはりこれが一番だよね」
すぐさまお湯を沸かし始めた。カップラーメンとひやむぎを両方食べる様だ。
その頃、ハルトは彩の家へと到着していた。
「さぁさぁ上がって」
「おじゃましますっと」
玄関に入るとまずリビングへ向かった。
「ちょっと待ってて、お昼用意するから」
冷蔵庫から作り置きのそうめんを取り出す彩、水でほぐし、器に移す。つゆを取り出しテーブルに用意した。
「お母さん仕事でいなくってさ、これぐらいしか用意できなくて」
彩は料理はほぼ出来ないと言ってもいい、精々麺を茹でる事が精一杯だ。それはハルトも知っている。
「やっぱ夏はそうめんだよね~」
「だな、熱い時には冷えたものよ」
2人共そうめんを美味しそうに啜り、熱い体に癒しを入れる。
食べ終え片づけを終えると、彩の部屋の方に向かい、本題である夏休みの宿題に取り掛かろうとする。
「さてさて、早く終わらせていっぱい遊ぶぞ~」
「あぁ・・・・・・頭が痛くなる」
宿題を見るだけで頭を抱えるハルト。やる気満々の彩を見ていると、「嫌でもやらねば」と言う念に駆られてします。
そして勉強が始まり30分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ダメだ、全然分からん」
「どこどこ?ってまだ最初の方じゃん・・・・・・・」
ハルトの様子を彩が近づいて見に行く。やっている所は国語の1枚目のプリント半分の所であった。仕方ないなと言う表情で彩は教えてあげた。
「コレはこうで、ここをそうしてあぁして・・・・・・・・・」
「なるほど・・・・・・・・」
一件普通に教えているように見えるが、妙に2人の距離が近い。もう少し近づくと胸が肘にあたりそうなぐらい近い距離であった。しかしハルトはそれに全然気づいていない。
「おぉ・・・・・ちょっと分かって来たぞ」
ハルトのペンの進む速度が少し上がった。何とプリントの2枚目に入ろうとしていた。だが彩はどこか不満気な顔をしていた。
(分かってはいたけどさ・・・・・・・ちょっとぐらい動揺したっていいんじゃない)
そこから2時間が経過し、国語と数学のプリントは4枚程終わらせていた。
「疲れた・・・・・・・ここまでやれれば上等だろ・・・・・・」
疲れ切った顔をするハルト、しかしプリントはあと7枚残っている。流石にコレを今日中に終わらせられないと確信した。
「まぁ、この調子でやれればギリギリまでに頑張る必要はないよね」
「あっ・・・・・やっぱりそれも思ってた」
ハルトの予想通り、ギリギリになって泣きついてくるのをどうにかしたからでもあった。
「にしても暑いね・・・・・・・・・着替えてもいい?」
「あっ、ズルいぞ!?俺だって着替えたいのに!」
「ふふ~ん、残念だったね。とゆうわけで一旦出てってね♪」
何故か楽し気にハルトを部屋から追い出した。それから5分後、リングジッパーノースリーブリブカットソーに短パン姿に着替えた彩が部屋の扉を開けた。
「お待たせ、どうかな・・・・・?」
「ん?別におかしくねぇぞ」
思った反応を見せないハルトに、頬を膨らませて言い返す。
「そうじゃなくて、可愛いね~とか、素敵だね、とか!」
「って言われても、俺そういうのよく分からねぇし」
ハルトは仕方ないだろと言わんばかりに言い返す。それに対し彩は少し不貞腐れたような顔をして後ろの方を向いてしまう。
「う~ん・・・・・似合ってると思うぜ、なんだか大人っぽいって言うかさ」
機嫌を直そうと何とか彩を褒めるハルト。しかし一向に振り向いてくれない。
「悪かったって、なぁ頼むから機嫌直してくれよ」
「そうだね・・・・・・・・この後少し付き合ってくれるなら許してあげる」
「・・・・・・・分かった、買い物でもなんでも付き合うぜ」
その言葉を聞いて嬉しそうに振り返る彩。その姿を見てハルトは少しホッとした。
それからしばらくの間宿題を数枚終わらせ、1時間後には家を出て大型ショッピングモールへ向かった。
「いやぁ~悪いねぇわざわざ付き合わせて」
「まさかとは言わないが・・・・・これが狙いじゃないだろうな?」
「う~ん・・・・・半分正解」
その答えに首を傾げていた。しかし彩の楽しそうな一面を見ていると言い返す気にもならなかった。
「で、どこから行くんだ?」
「うんとね~まずはあのアクセサリーショップかな」
彩が指さしたところは、女子が行きたがりそうなアクセサリーショップであった。可愛い動物から輝く宝石の様なアクセサリーがいっぱい揃えてあった。
「言ってた通り、いろんなのがあるな~」
子供のライオンのキーホルダーに目移りする彩。ハルトはある物に目が入る、それは太陽を思わせる丸いペンダントだ。
「・・・・・・・なんかお守りになりそう」
そう言いつつも値段を見ると2500円もした。財布事情を考えると、ハルトは買うのを断念した。
その間彩は見ていた子供のライオンのキーホルダーと赤と青のビーズの腕輪と十字の髪飾りを買っていた。
「お待たせ~さぁ、次はあっちあっち」
「はいはい、そんなに慌てんなって」
彩が向かった先は、女性用の水着専門店であった。流石のハルトも顔を引きつっていた。
「やっぱ夏は水着だよね~サイズも新しいのに新調しないと・・・・・・」
自分の全身を鏡で見つめ水着エリアの方を見つめる彩。流石にハルトは入りずらいと言い、外で待ってる事にした。
「えぇ~いいの?後で見たくなっても知らないよ~」
実際の所、彩はハルトに見て欲しい一心であった。しかし素直に言えるわけがない。少し勿体ぶった様にハルトの顔をチラッと見る。
「いやいや、気まずすぎて流石に入れんよ」
「しょうがないな~じゃぁそこで待っててね」
彩は少し寂し気な顔をしていた、何だか申し訳なく思ってしまうハルト。その後ろからコッソリこちらの様子を見てくる人物がいた。
「何か誰かに見られてる様な気が・・・・・・」
気になったハルトは後ろの方に向かうと・・・・・・・・・・・・・・・
「ってアレ?葵ちゃんじゃん!!」
「はっ・・・・・ハルトさん・・・・・どうも」
こちらの様子を見ていたのは三日月葵であった。気づかれた彼女は、少し気まずい顔をしていた。
「どうしたの、こんな所で?ってか今日は1人なんだ、アイツはいなさそうだけど・・・・・」
近くに伊織がいる様子はない。1人出来たのかと尋ねると・・・・・・・・・
「えぇ・・・・まぁ、ハルトさんこそどうしてここに?」
逆に聞き返された。ハルトは葵の質問に息を吐きながら答えた。
「実は彩に付き合わされてさ。参ったもんだよ」
「そなんですか・・・・・・・」
葵は水着ショップの方を何回もチラッと見ていた。その様子を見たハルトは尋ねた。
「もしかして葵ちゃんも買いに来たの?」
「えっ!?まぁ・・・・そうなんですけど・・・・・・」
どこか恥ずかしそうな、申し訳なさそうに指を動かす葵。唾を飲んでハルトに思い切って正直に話そうとする。
「えっと・・・・・義理兄さんには内緒にしてくださいね」
「言わないよ。言ったら言ったでアイツに殺されかねないから・・・・・・・」
「そのですね・・・・・実は友達にプールに行かないかって誘われたんです。正直なところ私も行きたいんです。けど義理兄さんに何て言えばいいか分からなくて・・・・・・何時も忙しいから私ばっかりこんな事していいのかって思うと言い出せなくて・・・・・」
そっか・・・・・・葵ちゃんもまだ中学生だし、友達と遊びたいよな。確かにアイツは家族の事になると過保護な所があるから、プール行きたいとか言おうとすると心配するんだろうな~
「そうだっんだ。そうだな・・・・・・葵ちゃんが行きたいならさ、思い切って言ってみるといいよ。友達と遊ぶのってとても大事な事だからさ」
「ハルトさん・・・・・・・そうですよね。私、プールで泳ぎたいです!!」
「俺に言われても何とも・・・・・・でもその勢いだよ!きっとアイツも分かってくれるよ。でも俺の差し金とか絶対言わないでよ」
「はい、ありがとうございますハルトさん!!」
ハルトの励ましに元気が湧いた葵はすぐさま走り出し、伊織を説得しようと試みる様だ。いい事をした気分になったハルトは背筋を伸ばし気持ちよさそうな顔をしていた。
「へぇ~私がいない間になんか面白そうな事になってるね~」
その後ろには笑顔で怒っている彩がいた。突然後ろにいた為ビックリして後ろに下がるハルト。焦りのあまり苦笑いしてしまう。
「全く・・・・・・ハルトのバカ」
「その・・・・・・ゴメンなさい」
謝る事しか出来ないハルト。彩は少し涙目になっていた。
「そんなに私と一緒じゃつまらない?」
「そんな事ないって。楽しいに決まってるだろ!今回は俺が悪かった。ゴメン!」
彩の涙を見たハルトは本心から彼女を傷つてしまったのではないかと感じ、頭を下げて謝った。
「じゃぁもう少し付き合ってくれる?」
「勿論だ。ただ俺金はないんだよ・・・・・・・」
ハルトの財布の中には1500円しか入ってなかった。それを聞いた彩は思わず笑ってしまう。
「アハハハ――ハルトらしい。別にいいよ。私が買いたいだけなんだから。そうだね~次は屋上に行こうか」
2人は屋上へに向かった。そこには小さなアミューズメントパークがあった。メダルゲーム、モグラ叩き、小さいメリーゴーランド、メロディペット、小さな子供が好きそうなものが沢山おいている。当然、子供も遊んでいる。
「変わらないねぇ、昔はよくここで遊んだよね」
「あぁ、そうだな。確かにあの頃となんも変わってねぇ」
2人が幼い頃、両親が買い物に行くと必ずここに遊びに行った。そしていつもやっていたのが・・・・・・・・
「コレコレ、よく2人で乗ってたよね」
「まだあったのか~懐かしいな」
ライオン型のメロディペットだ。ここに来ると必ず2人でコレに乗っていた。昔を思い出して懐かしむハルトと彩。するとある事を思いつく。
「まだ乗れるかな?・・・・・・2人で」
「オイオイ、流石にそれは・・・・・子供ならまだしも」
またあの頃みたいに2人で乗ろうと考えていた。流石に高校生2人で乗るのは無理だと言うハルト。しかし彩は頑なに乗ろうとする。
「いいじゃん。ほら乗った乗った」
「っく・・・・しょうがないなぁ」
仕方なくライオン型のメロディペットに乗るハルト、そこへ彩が後ろの方に乗り、落ちない様ハルトの腰に手を添えた。
ハルトが100円を入れると、ライオン型のメロディペットが動き出す。流石に高校生2人を乗せているからか、動きが若干遅い。
「なぁ・・・・・凄い子供に見られてるんだが」
高校生2人がメロディーペットに乗ってる光景を子供たちは見つめていた。「見てはいけません!」と言わんばかりに子供の目を隠す親も少なからずいた。
「気にしない、気にしない。楽しいからいいの」
「っく・・・・・・しょうがない奴だな」
時間はあっという間に過ぎ、メロディペットは止まった。すぐさま降りた彩は身体を伸ばす。
「ん~~~楽しかった!」
「何だろう・・・・・凄い恥ずかしい」
「何時まで恥ずかしがってんの!それとも、もう1回いっとく?」
「・・・・・・・遠慮しときます」
ただ乗っていただけなのに、もの凄い疲労感に見舞われたハルト。彩に背中を叩かれ、倒そうになるくらいだ。
「けど・・・・・お前が楽しそうでなによりだよ」
「そう?ふふっ・・・・・ありがとう」
何だか最近ハルトって疲れた様な感じだったから少しでも元気でればいいなと思ったけど・・・・・・・・ちょっとは元気になってくれたかな?あぁ~ずっとこの時間が続けばいいのに。それにしても・・・・まだ気づかないんだね。私はこんなにアンタの事・・・・・・・・・・・好きなのに。
「そろそろ夕方か、どうする?」
「そっ・・・・そうだね~そろそろお開きにしますか」
時刻は17時30分。帰るには丁度良い頃合いだ。ショッピングモールを出て、彩を家まで送る。
「今日はありがと。私がいなくても宿題はちゃんとやるんだぞ」
「分かってるって、それじゃまた」
彩を送り終えたハルトは家まで帰っていく。
「それにしても今日は色々とあったな~そういや何か忘れているような気が・・・・・・・・・」
ハルトは大事な何かをを忘れていた。それすらも思い出せない、何だったのだろう?そんな事を考えていると、クリーチャーが現れるビジョンが頭に浮かぶ。
「まっ・・・・・また誰かが!!」
向かった先は野球場だった。更衣室のドアを開くと、野球帽が2つほど落ちているだけで誰もいなかった。
「クソっ!遅かったか」
惜しくも間に合わず、ここにいたであろう、2人はクリーチャーの餌となってしまった。
アルカナ・デバイスを落ちていたタブレットに近づけ、アタッチメントが取り付けられ右手を前に出し拳を握るポーズをし「セット・オン!」と叫びデバイスを取り付けソルリベリオンに変身し、タブレットの中に入りサイバープログラムへ移動する。
「あそこか!!」
ソルリベリオンの目の前には
「一気に仕留めてやる!」
左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し、デバイスに装填「バスターイン」の電子音声と共に空からレオファングが降ってきて、それを右腕に装備する。
「ハァああああああああああああ―――――――」
レオファングにエネルギーを集中させ、一気に放出しようとする、その時――――――――――
「なっ・・・・・・何だ!?」
上空から、黄色い煙に覆われたクリーチャーが現れた。それはまるでアラジンに登場するランプの魔人を思わせる。
そのクリーチャーはタイガーウォンを掴み、持ち上げた。
「フフッ・・・・・よくやった」
スタジアムの上には紺色の装甲に時計の針の様に左右非対称な角を持つ兜に杯を身体にしたような背中には天使の羽を模したローブが特徴的な戦士が立っていた。その手にはそこにいる聖杯の中から現れる黄色い煙に覆われたクリーチャーが描かれ、
テンパランスは
「そのまま離さないでよ・・・・・・・・」
テンパランスはアーチャースライサーを引き、タイガーウォンに目掛けて弓を引き矢が放たれた。その矢はイカリのような形に変化し、一直線に突き進み
その残骸を取り込むように煙が覆う。
「ふぅ・・・・・あっ、あそこにいるのは」
テンパランスがソルリベリオンを見つけスタジアムから降り、近づいてくる。
「ねぇ、アンタもリベリオン使用者って奴でしょ?」
テンパランスの質問に、動揺しながらもソルリベリオンは返した。
「あっ・・・・・あぁ、そうだけど」
「だったら・・・・・悪く思わないでね」
そう言うとアーチャースライサーを振り下ろし、ソルリベリオンに攻撃を仕掛ける。
「って――!?いきなり何すんだよ!」
「だって、最後の1人になるまで戦わなきゃいけないんでしょ?だったら戦うのが道理だと思うんだけど」
テンパランスもまた、願いを叶える為に戦っている。突然の攻撃に戸惑い、戦いを辞めようと説得を試みるが・・・・・・・
「なぁ、こんな戦いは辞めよう。俺達が戦っても誰かが死ぬだけだ!!」
「お兄さん・・・・・・何言ってるの?それが戦いじゃん。それで願いが叶うワケなんだからしょうがないじゃん」
冷静な答えだ。言っている事は間違っていない、この戦いは最後の1人になるまで戦い、勝者が願いを叶える。その為のリベリオンであり、その為に集められた使用者であり、その為の戦いなのだから。
「おっ、それ強そうだね、使わせてよ」
右腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し、アーチャースライサーの横に取り付けてあるデバイスに装填「トランスイン」の電子音声と共にソルリベリオンが装備しているレオファングがスキャンされ、テンパランスの左手に生成されていく。
「へぇ~面白そうじゃん、使ってみよう」
テンパランスはレオファングにエネルギーを集中させ、一気にソルリベリオンに目掛けて発射する。
「しま―――――ッ!?」
攻撃を直撃したソルリベリオンはその衝撃で監視カメラに吸い込まれ、現実世界へと戻ってしまう。
「あちゃ~やり過ぎちゃった?まぁいいか」
思わず相手を逃がしてしまったが、気にせず頭を掻きながらテンパランスもまた現実世界へ戻っていく。
「いててて・・アイツ一体何なんだ?にしても・・・・・・・」
腰を押さえ立ち上がったハルトは思った。テンパランスは今までの使用者とは何かが違う。フールやハーミットの様に狂った考えを持っている訳でもない。フォーチュンやデッドみたいに平気で人を巻き込む訳でもない。至って普通に願いを叶える為に戦っている。その行動に少々違和感を感じていた。
「とにかく今日は帰ろう・・・・・・・・・」
そのままハルトは家に帰った。
「ただいま・・・・・・・」
玄関を抜けリビングに入るととんでもない光景を目にする――――――!
「やぁおかえり、随分遅かったじゃないか」
目のまえにはカップラーメンを食していた半蔵が目の前にいた。台所にあるカップラーメンの数を見たハルトは笑顔で問う。
「先生・・・・・・コレは一体?」
「えぇっと・・・・・・あまりにも帰って来るのが遅いから仕方なく買って来たのさ」
「あのな・・・・・・夜にそんなの食ってたら体に悪いだろ!!もっとちゃんとした飯を食え!」
あまりにも不健康な食をしていた半蔵に説教をした。そこから察するに、私生活もかなりだらしないのだろうか感じたハルトであった。
「ハァ・・・・・・まぁ今回はいいや。俺も飯食って寝るわ」
そう言いながらハルトは台所へ向かった。半蔵はどこか笑っていた。ハルトの抜けている所とは裏腹に私生活に関しては生真面目な所に。
「フフフ、ますます面白いね。これはもうちょっとここにいてもいいかな」
そして同じ頃。一軒家のベランダでアルカナデバイスを回す男が1人、黒髪に茶色の瞳、白と紺のボーダーにシャツにジーパン姿の男だ。
「さてと・・・・・・今度はしっかり倒さないとね」
ベランダからリビングへ入る。テーブルの上には
「俺も叶えたい願いがあるんでね」
彼の叶えたい願いとは?
現在リベリオン使用者22人中残り16人
ToBe Continued……
【今回登場したリベリオン&クリーチャー紹介】
テンパランスリベリオン
【全長】186㎝
【体重】75キロ
【総合ランク】B+
【常設武器】聖杯弓アーチャースライサー
天条仁が変身するリベリオン。タロットカードの「THE TEMPERANCE」を意味する。
メインカラーは紺色。時計の針の様に左右非対称な角を持つ兜に杯を身体にしたような装甲に天使の羽を模したローブが特徴的。
【使用メモリー】
↓
【バスターイン】
アルテミスダースン ランクC+
アーチャースライサーの先端に装備されるロングバレル。そこから放たれる一撃はいかなる固い敵でも貫く。
【トランスイン】
スキャニングコピー ランク無し
ラヴァーズリベリオンと同様。
相手の武器、姿を解析し、自身の物にする。ただしスペックは使用者と同じになる為、強い相手をコピーしても強さはそのまま。
ジーマ・スモッグ
【全長】250㎝
【体重】不明
【総合ランク】B-
テンパランスリベリオンが契約する聖杯の中から現れる煙で覆われたアラジンに登場するランプの魔人を彷彿とさせるのクリーチャー。煙で覆われている為、正体は契約者本人でも分からない。
巨大な体を生かし、他のクリーチャーを取り押さえている所をテンパランスリベリオンが攻撃を行う。
新たなリベリオン、テンパランスリベリオン登場!彼の登場は果たしてハルト達をどう翻弄するのか?こうご期待!!
メインキャラの中で誰が1番好きか?
-
獅子堂ハルト
-
三日月伊織
-
国枝半蔵
-
黒崎我怨