アルカナTHEリベリオン   作:イオ・りん

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ご無沙汰しております、CSMファイズギアを堪能している、月宮伊織です!

2週間以来の投稿です。まことに申し上けございません。

今回、新たな真実が、1つ明かされます。そして、モニタの策略にハマり・・・・・・
また、新たなリベリオンも登場!果たして、どうなるのか・・・・・・

凜の過去、一体どのような経験があったのか・・・・・・


第16話「落ちる流星」

「それ、どういう事だよ?」

 

ハルトは、凜に「選ばれたわけじゃい」と言う言葉について聞く。

 

「少し前の事だ・・・・・・」

 

それは1年半前、俺は特に目立たない田舎で暮らしていた。そして、1人の親友がいた。

普通に暮らし、普通に過ごしていた。

 

親友、空野渉(そらのわたり)、赤い短髪に、明るい笑顔で、心優しい少年だった。ハルトの様に、困った人を放って置けない奴だ。

 

ある日の事だった・・・・・・・俺は、その親友の事を、綺麗サッパリ忘れていた。記憶がゴッソリ抜けたかの様に・・・・・・

 

「自分でも、何がなんだか、サッパリだった。それから数週間経ったその日・・・・」

 

何かに導かれる様に、ある家へ訪れた。後に、渉の家だと知った。俺はそこで、このデバイスを見つけた。

そして手に触れた時・・・・・・・

 

「ッ――――!」

 

頭に映像が流れだした。これまで全て忘れていた物を思い出した。そして知った・・・

 

見たものは、渉がデバイスをある人物から、受け取っている所だった。当然、アイツはその気ではなかった。戦いを自ら行う様な奴じゃないと分かる。

そして―――あの巨大なクリーチャー(ギガ・オーガ)にサイバープログラムに引きずり込まれ・・・・・・アイツは消えた・・・・・

 

「そんな事が・・・・・」

 

「あぁ、自分でも驚いたさ」

 

「だったら、その親友を生き返らせる為に戦っても・・・・・」

 

「最初はそう思ったさ、だがな、アイツはこう言うだろ「そんな事考えんな」ってな」

 

デバイスを手にしたその日から、俺はこの戦いを止めるべく、旅を始めた。そして、ハルト達と出会った。

 

「お前を見て思った、アイツと何となく似てるなって。お節介な所とか」

 

だから思った、彼となら、きっと戦いを止められると・・・・・・・

 

「ハルト――」

 

俺が真実を口にしようとした時、脳裏に電気が走った。これを伝えれば、ハルトも、ただじゃすまないと。

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「いや、何でもない」

 

凜は口とどまった。起き上がり、保健室を出て、その場を後にした。

 

「凜・・・・・」

 

アイツも、凄いモン背負ってんのな、それに比べたら俺って・・・・・・いや、自分で決めた道だ、俺は俺のやる事をするんだ!

 

 

◇◆◇

 

その頃伊織は、傷を癒しながら、学校の中央広場のベンチに座っていた。

 

「あのフールって奴、正直いって手ごわい・・・・次に倒した奴に与えられる物を手に入れるべきだな・・・・・」

 

フールの脅威を思い知った伊織は、次に使用者を倒した者に与えられる「戦いを有利にするもの」を手に入れようと目に、火を灯す。その姿を、後ろから、葵が見つめていた。

 

「義兄さん・・・・・」

 

胸に手をあて、悲しそうな目で見つめている。兄がどこか遠くの存在であるかの様に・・・・・・・・

 

そして、その一方で、その光景を眺める1人の男がいた・・・・・黒崎我怨だ。

 

「へぇ~アイツも、使用者か・・・・」

 

「ふぅ~やれやれ、一敗喰わされたよ、ってアイツ・・・・こりゃマズいね」

 

その近くに、トイレから無事出ることができた、半蔵が歩いて来た。我怨の姿を見かけ、すぐさま、気づかれない様、ソッと、後ろの方へ移動する。

 

リベリオン使用者同士の戦いは、モニタの策略により、過激を増すことになる・・・・・・・

 

 

 

◇◆◇

 

そしてその夜、40mのマンションで、夜景を眺めながら、抱き合う、愛人と双葉、彼らもまた、誰よりも早く、他の使用者を倒そうと企てている。

 

「この戦いに勝つのは、僕ら」

 

「えぇ、そして誰にも邪魔されない、永遠の楽園を・・・」

 

お互いの唇を重ね合わせ、深いキスで、その想いを深く誓う・・・・・・

 

 

そもそも、何故2人が、誰にも邪魔されない楽園を目指すのか・・・・・それは2人の過去にあった。

 

元々、2人はどこにでもいる、普通のカップル。何1つ変わりもない、そんなある日の事だった。

双葉は元々、クラスの女子から、嫌悪を抱かれ、いじめを受けていた。

そんな事も、愛人と過ごす時間が、傷を癒していた。しかし、それは次第にエスカレートした。

 

そして事件は起こった。愛人は双葉をいじめていた、女子に従う不良グループに強引に工場に連れられてしまう。事態を知った双葉は、当然駆けつけた。

 

「ッ――――」

 

その光景は――――愛人の右足は酷くアザが浮かび、とても立てる状態ではなかった。周囲はそれを見せ物の様に、嘲笑い、その場を去っていった。

 

当時、愛人は、バスケ部のエースであり、試合に向けて、練習を励んでいた。しかし、この1件で、全てが水の泡となった。

治療を受けたが、足が完治する見込みはない。自分のせいで、愛人を傷つけてしまった事を深く悲しむ双葉。しかし、それは次第に、いじめをしていた女子グループに怒りの矛先が向いた。

 

そんな時、2人の前に、黒装束を着た人物が現れ、アルカナデバイスを渡した。そして他の使用者の様に「これを使い戦いを勝ち抜けば、望むモノが手に入るだろう」と。

 

それを手にした双葉、最初はリベリオン使用者として戦う事に戸惑いを感じたが、願いが叶うと言う言葉に惹かれていく。そして思った。

 

「幸せの為なら他の人間なんて―――」

 

彼女にとって、愛人以外の人間は不必要と思い、女子グループを、ドラゴキューピットの餌にしたのだった。愛人もまた、双葉以外を不必要と感じ、互いの幸せの為だけに戦うのだった・・・・・

 

 

 

 

 

そして朝が迎える・・・・・・・この日、1つの悲劇が起こる・・・・・・・・・

 

公園の天文台の中で眠っていた凜は目を覚まし、外に出て、朝日を浴びる。

 

「眩しいな・・・・・」

 

公園を出て、街中に移動する。真実を誰にも言えず、徐々に心身共に疲労が重なる。彼の体は限界に近い。

 

「コレくらいしか、残されてないか」

 

手にしたのは、銀色のハーモニカ。路上ライブをやる様な、敷地に座り「地球星歌~笑顔のために~」をハーモニカで吹き始める。

 

~♪~♪~♪

 

疲れ切った表情は、少し安らぎ、それを聞いた、仕事疲れの会社員、勉強疲れの学生、老若男女問わず、心が安らぐ様な表情を浮かべる。

 

「相変わらずだな」

 

そこへ、伊織が現れた。彼の姿を見て、一息つく。

 

「伊織か・・・・そういや、お前と出会ったのも、こんな感じだったな」

 

凜は、初めて伊織と出会った時の事を思い出す。

 

「そうだったな」

 

曖昧の様な感じで答える伊織。そんな彼に、凜は銀色のハーモニカを差し出す。

 

「悪いが、お前とはもう戦いたくはない。コレで見逃してくれ、妹にでも1曲奏でてやれ」

 

そう言い、凜はその場を去る。伊織はそのハーモニカを眺め、何かを察する。

 

「アイツ・・・・・・・・・」

 

 

それから30分。団地通りを通っていると、2人の人物に出くわす。愛人と双葉だ。

2人はくっつきながら歩き、凜の方へ近づく。

 

「見せつけなか?悪いが羨ましいとも思わなくてね」

 

それを素通りしようと、横に移動するが、挟み込まれてしまう。

 

「悪いけど通すワケにはいかないよ」

 

「貴方には私達の礎となってもらうのだから」

 

「やはり、戦いで止めるしかないのか・・・・・」

 

 

 

◇◆◇

 

「フゥ~危なかった~」

 

一方、ハルトは、コンビニのトイレから出ようとした時、1人の男、黒崎我怨に阻まれてしまう。

 

「よぅ・・・・・太陽サン」

 

太陽の言葉に察し、我怨が、フールの使用者だと感づいた。

 

「お前まさか・・・・・・・・」

 

「ハハッ、そのま・さ・か、だよ」

 

我怨に対し、拳を握るハルト。それを挑発する様に、我怨が責める。

 

「俺が許せないか?だったら、掛かって来いよ、お前はあの時から、面倒くさくて仕方なかったんだぁ・・・・・」

 

俺はリベリオン同士の戦いを止めたい・・・・・でも、コイツだけは――――!

 

2人はコンビニの裏の、ブレーカーに、デバイスを翳し、それぞれ、二の腕にデバイスを取り付け、ハルトはソルリベリオンを、我怨はフールリベリオンに変身し、サイバープログラムへ移動する――――

 

 

 

 

 

「さぁ、来いよ、せっかくだから、新しい力も試したくてよ!!」

 

「お前は・・・・・力ずくじゃないと、止められない!」

 

ソルリベリオンは、フールリベリオンに向かって、突進し、右ストレートを食らわせる。

 

「・・・・温いな」

 

しかし、それを片手で止められ、そのまま持ち上げられ、後ろの方へ、投げ飛ばされる。

 

「グァ―――ッ!」

 

「この程度か?なら、今度はこっちから―――!」

 

フールリベリオンの両腕がノイズで包まれ、やがて、肩と腕が逆の形、ハングドリベリオンの両腕へと、変化したのだ。

 

「なっ・・・・それは!?」

 

「驚いただろぅ、こう言う使い方もあるんだぜ―――!」

 

そのまま、左腕をソルリベリオンの方に伸ばし、体を巻き付ける。そして左腰のホルダーから、システムメモリーを取り出し、左二の腕のダイルデンジャーに装填「バスターイン」の電子音声と共に、アポロナインフォックスの尻尾を思わせる武器(フォックスレーザー)を右手に取り付け、その腕を伸ばし、ソルリベリオンの頭上から、レーザーを発射する―――

 

 

◇◆◇

 

「さっそくお出ましか、早い所、片付けるか」

 

キン――――ッ!

 

そして同じ頃、伊織=ルナリベリオンは、1機のリベリオンと戦っていた。

両腕が大きく、巨大なガントレットが目立ち、ゾウの耳を尖らせた様な、ヘッドギアをし、今までのリベリオンより、一回り大きく、体格がゴツイ、リベリオンだ。

 

「パワータイプか・・・・なら―――!」

 

ルナリベリオンは、ホルダーから、システムメモリーを取り出し、新月に取り付けているデバイスに装填「シャドーイン」の電子音声と共に、ルナリベリオンの陰から、5体の黒い分身が現れる。体格のゴツイリベリオンは、その状況に戸惑ったか、分身を見回す。

 

「・・・・どうやら戦い慣れてないみたいだな!」

 

その隙を突いて、分身と共に、新月で切り付ける。体格がゴツイリベリオンは、両腕のガントレットで防御しつつ、左腰のホルダーから、システムメモリーを取り出し、右腕のガントレットに内臓されているデバイスに装填する「パワーイン」の電子音声と共に、両腕が赤く光り、体を回転させ、分身を攻撃し、全て掻き消した。

 

「チッ・・・・・簡単にはいかないか」

 

体格のゴツイリベリオンを見つめ、後方へ移動するルナリベリオン、予想以上の強さに、警戒をしている――――

 

 

◇◆◇

 

別の場所でも、戦いを繰り広げられている。

 

チャリオットリベリオンと、以前ソルリベリオン達の前に現れた、白と紫色がメインの、肩に、槍を模した、突起が目立ち、背面は、触手の様な物が、ロングコートの様になっており、手足には、ランタンを思わせる形のデザインをした、黄色に光る、アーマーが取り付けられ、頭部には、額に、1つの目が、赤く光るのが特徴なリベリオンと戦っていた。

 

「悪いね、先に勝利するのは僕だ!」

 

チャリオットリベリオンは、自分の勝利を宣言しつつ、ギミックガンソードを、紫のリベリオンに目掛けて連射する。それを背中のイカの様な触手で弾き返す。

 

「フフフ、生ヌルい連射ね、見せて、ア・ゲ・ル」

 

その声は、色気のある大人の女性の様だ。そして、右腰のホルダーから、システムメモリーを取り出し、膝のランタンを展開し、その中のデバイスに装填する「スピアイン」の電子音声と共に、ヴェノムクラーケンの触手を模した(クラーケンニール)、チャリオットリベリオンに向かって、クラーケンニールを投げる。

 

「うっそ!?避けきれ―――!」

 

ジュッ―――!

 

チャリオットリベリオンの体は、槍に貫かれ――――――――

 

「なんてね♪」

 

てはなく、シルバアーマホースを召喚し、チャリオットフォートレスで防御していた。

余裕の表情で、チャリオットリベリオンは、ホルダーから、システムメモリーを取り出し、ギミックガンソードに取り付いてあるデバイスに装填「バスターイン」の電子音声と共に、背中に2つの滑空砲を思わせる武器(アーマカノン)を装備し、紫のリベリオンに向かって、発射する。

 

「クッ・・・・やるじゃない、けど、まだまだね」

 

多少効いているが、決定的なダメージには至らない。それぞれ、別の場所で戦いが繰り広げられる。一早く、他の使用者を倒す為に。戦いに有利な力を得る為に。

 

紫のリベリオンの手には、紫色のイカの形をしたクリーチャーの描かれたタロットカードが握られ、そこには「HERMIT(隠者)」と刻まれている事から、ハーミットリベリオンである事が分かる。

 

そして、戦いの場は再び、スターリベリオンの方へ・・・・・・・・・・・

 

「クッ・・・・・」

 

「あら、さっきまでの威勢は何処へ行ったのかしら?」

 

双葉が装着したラヴァーズリベリオンに頭を踏まれ、かなり苦戦している様子だ。

 

「まだだ、俺は・・・・止めなきゃならないんだ!」

 

フラついた状態でラヴァーズリベリオンに殴りかかるが、それを簡単に避けられてしまう。

それを見下す様に、見つめる。

 

「何が「戦いを止める」よ、下らない。貴方、バカじゃないの?」

 

「そうかもな・・・・・だがな、俺には責任がある、友を救えなかった責任を――――!」

 

スターリベリオンはホルダーから、システムメモリーを取り出し、スターシールドに取り付けてあるデバイスに装填「ソードイン」の電子音声と共に、スターソードが召喚され、それを右手に取る。

 

「ウォォォォォォォォォォ!」

 

「だからさ、しつこいっての!」

 

ラヴァーズリベリオンは、システムメモリーを取り出し、右太ももに取り付けてあるデバイスに装填する「トランスイン」の電子音声と共に、スターソードをスキャナーでスキャンする様に、読み込み、自分の手元に、スターソードを取り出す。

 

「面倒くさいし、さっさと終わらせてあげる!」

 

ラヴァーズリベリオンは、スターソードを軽々と持ち、素早い剣戟で、スターリベリオンを切り裂く。

 

ズシャ―――――!

 

「グぁッ―――このままでは・・・・」

 

「止めは任せるわ」

 

そう言いながらラヴァーズリベリオンは、近くのモニターから、サイバープログラムを出る。その瞬間、スターリベリオンの背後のスピーカーから、愛人の装着する、シアン色のラヴァーズリベリオンが現れる。

 

「了解、僕達の為に犠牲になってもらうよ」

 

ホルダーからシステムメモリーを取り出し、左太もものデバイスに装填する「フィニッシュイン」の電子音声と共に、ドラゴキューピットが現れ、スターリベリオンの方に向かっていく。

 

「マズい―――!」

 

スターリベリオンは、対抗する様に、システムメモリーを取り出そうとするが、近づいてきた、ドラゴキューピットの口で、そのシステムメモリーを弾かれ、足元と巻き付かれ、空中で振り回される。

 

バンッ―――!バンッ―――!バンッ―――!ガンッ―――!ガンッ―――!

 

「さよなら、素敵なお星さま!!」

 

そのまま、ラヴァーズリベリオンの方向に投げつけ、それを蹴り返し、それをまた、ドラゴキューピットが叩きつけ、それを繰り返し、最後には、ドラゴキューピットがマゼンタ色のラヴァーズリベリオンに変化し、2人同時に、踵落としを食らわせ、必殺技(ラブ・レイト・ヘイト)が炸裂する!

 

ズゴォォォォォォォォォ――――ン!

 

「グアアアアア――――ッ!」

 

地面に叩きつけられ、全身にヒビが入り、地面に倒れ込むスターリベリオンを、ラヴァーズリベリオンが倒したか確認する為に、腹部を蹴り上げる。スターリベリオンは、ピクりとも動かなかった。

 

「・・・・・倒したか、ハハハハハ!残念だったね!僕の、いや、僕達の勝利だ!」

 

勝利を確信し、高笑いが止まらないラヴァーズリベリオン。笑いが止まり、冷静になり。一言呟く。

 

「おっと・・・・流れ星に願いを言うのを忘れてた」

 

スターリベリオン=星、であるからか、落ちた瞬間が流れ星みたいだったので、願いを言おうと思ったのだ。

 

「まぁいいや、願いは必ずかなう・・・・・」

 

そのまま、モニターから、サイバープログラムを抜け出す。抜け出した外の目の前には、双葉が待っていた。

 

「お疲れ様、カッコよかったよ」

 

「ありがとう・・・・・」

 

勝利祝いに、お互いの唇を重ね合わせ、キスをする。そして、腕を組み、その場を去る―――

 

 

◇◆◇

 

時を同じく、ルナリベリオンは・・・・・・・・

 

「そろそろ埒が明かないな・・・・ならば!」

 

お互い互角で、中々勝負が付かない状況となっている。お互いの装甲は、ヒビが入り、これ以上戦えば、相打ちの恐れがあると確信していた。

ルナリベリオンは、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、新月に取り付けてあるデバイスに装填する「フィニッシュイン」の電子音声と共に、ブルームーンファルコンが、背中に合体し、空高く舞う。

 

「ッ―――!?」

 

それに対抗し、体格のゴツイリベリオンは、ホルダーからシステムメモリーを取り出し、右腕のガントレットに取り付けてあるデバイスに装填する「シールドイン」の電子音声と共に、両腕から、ビーム状のバリアを発生させる。

 

「ハァァァァァァァ――――っ!」

 

空中を舞ったルナリベリオンは、新月を大きく構え、体格のゴツイリベリオンに向かって、急落下し、新月を振り降ろし、羅刹滅却翔(らせつめっきゃくしょう)を発動する―――――――――

その一撃を、両腕のガントレットのバリアで防がれ、その衝撃で、爆発が起きる。

 

ドガ―――――――――ン!

 

「グッ―――!?」

 

爆風の衝撃で吹き飛ばされたルナリベリオン、立ち上がり、周囲を見当たすと、そこには、体格のゴツイリベリオンの姿がなかった。

 

「逃したか・・・・・」

 

倒し損ねた事を悔しく感じ、そのまま、サイバープログラムを抜けるのであった。

 

 

 

◇◆◇

 

 

「・・・・・っ、ハァ・・・ハァ・・・・」

 

同じ頃、辛うじて、残った体力を振り絞って立ち上がる、スターリベリオン。

ラヴァーズリベリオンの必殺技で、死んではおらず、間一髪、一命を取り留めた。

 

「まだ・・・他の場所で、誰かが戦って・・・・・」

 

近くの方向で、誰かが、戦う様な音が聞こえる、その場所は・・・・・・・

 

「うぅ・・・・てめっ・・・・」

 

「どうしたよ?こんなもんかぁ!?」

 

ソルリベリオンの首を、ハングドリベリオンの両腕で、巻き、締め付ける、フールリベリオン。既に、ソルリベリオンの装甲はヒビが入り、まともに戦える状態ではない。

 

 

「ハルト・・・・・グッ!?」

 

その近くに辿りついたスターリベリオン。しかし、彼の体も限界を迎えていた。

さっきの一撃が、身体全体に響いたのだろう。

 

 

このまま、ここを抜け出しても・・・・俺はもう、助からないだろう。だったら―――――

 

 

「フン―――――ッ!」

 

「ガハァっ!?」

 

締め付けている腕を振るい、ソルリベリオンを、壁に叩きつける。そして、ホルダーからシステムメモリーを3本取り出す。

 

「もう終わりにするか、死に方くらい、選ばせてやるよ」

 

「ふざ・・・けるな!この野郎・・・・」

 

立つ事もままならないソルリベリオン。その姿を見て、嘲笑うフールリベリオン。そして、1本のシステムメモリーを、ダイルデンジャーに内臓されているデバイスに装填する。

 

「そうかい、じゃぁ俺が選んでやるよ」

 

<<フィニッシュイン―――――>>

 

バイオヘルダイルが現れ、背後から、ソルリベリオンを顎で挟もうとした、その時――――

 

「ハルト――――!」

 

スターリベリオンが飛び込み、バイオヘルダイルの顎で挟まれ、それと同時にフールリベリオンも跳躍し両足をワニの顎を開くような構えをする、その構えと同時にバイオヘルダイルはフールリベリオンの方向に投げつける様に振り放す、そのスターリベリオンを両足で空中で顎で上半身と下半身がかみ砕かれる様に、強く挟み、様にして掴み地面の方に叩き付け、蹴り飛ばし、必殺技(ファングラッシャーバイオレンス)が発動される!

 

強烈な一撃を食らったスターリベリオンは、そのまま、地面に叩きつけれらる。

そこへ、ソルリベリオンが、駆け込む。

 

「凜・・・・・凜!何で・・・・どうして!?」

 

倒れるスターリベリオンを、ソルリベリオンが、抱える。

 

「・・・・・お前は・・・ここでやられるべきじゃない、そう・・・・思った・・・・からだ」

 

・・・・やはり、話しておくべきだったな・・・・・だが・・・いま・・・でも・・・まに・・・あう・・・・ハズ・・・・だ。つた・・・・え・・・・なけれ・・・・ば・・・・

 

薄れゆく意識の中、弱った声で、語る。

そして、ソルリベリオンに向けた最後の一言・・・・・・・・・・・

 

「ハル・・・・・ト、この・・・・戦い・・・の黒幕・・・は・・・・」

 

「今はいい!だから・・・・死なないでくれ!」

 

ソルリベリオンは、スターリベリオンの言葉を、止めようとする。しかし、既に、手遅れの状態だった。装甲はボロボロとなり、肩と、膝のアーマーが完全に破損していた。それはソルリベリオンも分かっていた。それでも、生きていてほしい、ただそれだけだった。

それでも、スターリベリオン=凜の言葉は、止まらない。

 

「黒幕・・・・の、しょ・・・正体・・・・は・・・の・・・・残り・・・・の、使用者の・・・・な・・・中に・・・・いる」

 

その言葉を残し、スターリベリオン=凜の体は、粒子となり、足から徐々に、消滅していく。

 

「ダメだ・・・・・凜!消えるな!」

 

その言葉も届かず、儚く、スターリベリオン=凜は、完全に消滅した・・・・・・

消えていく粒子を掴もうと、手を伸ばすソルリベリオン。それを呆れて見ている、フールリベリオン。

そして、ダイルブレードを構え、こちらの方へ、向かっていく・・・・

 

「仲良しごっこは終わりか?じゃぁ、お前もお友達の所へ――――!」

 

ソルリベリオンに近づいた、フールリベリオンは、ダイルブレードを、振り、斬り付ける――――その時、その後ろから、銀色の装甲、チャリオットリベリオンが突き飛ばされ、フールリベリオンに、ぶつかった。

 

「ナっ―――!?てめぇ・・・・」

 

「いやぁ、悪いねぇ、アイツ中々、強くてさぁ」

 

その目の前には、紫色の戦士、ハーミットリベリオンの姿が。

それを見たフールリベリオンは苛立ったか、ハーミットリベリオンに、攻撃対象を変えた。

 

「せっかくの・・・・いい所を・・・・邪魔しやがって――――!」

 

ハーミットリベリオンに近づこうとした時、フールリベリオンの両腕は、イカの様な触手で、縛られた。

 

「ウフフ、焦りは禁物よ、力任せじゃ、口説けないわよ」

 

余裕の態度を取る、ハーミットリベリオン。

だがその時、4人のリベリオンの体から、粒子が零れ出す。

1時間の制限時間を、近いのだろう。

 

「アララ、もう時間?あっけないわねぇ、まぁいいわ、また今度、お相手いたしましょ」

 

そう言い、ハーミットリベリオンは、その場を去った。苛立ちを表したまま、フールリベリオンも、その場を去る。

 

「ほら、このままじゃ、君も消えるよ」

 

「・・・・・・・」

 

仲間を失い、ショックの隠せない、ソルリベリオンにチャリオットリベリオンが声を掛ける。

しかし、返事は返って来ない。

 

「全く・・・・・っ!」

 

そのまま、ソルリベリオンを、テレビのモニターに、投げつけ、共にサイバープログラムを抜け出す。

現実世界に戻った半蔵は、ハルトに一言残す。

 

「そんな調子じゃ、次にやれれるのは、君だよ、もう少し、覚悟を決めた方がいいんじゃない?」

 

その言葉を最後に、半蔵は、ハルトの前から去っていった。

 

「凜・・・・・」

 

ハルトの心の傷は相当深い、今でもショックを隠せない。

そして、凜の残した一言「黒幕は、残りの使用者の中にいる」その言葉が、頭を過ぎる。

 

「俺達の中に・・・・・こんな事を仕込んだ奴がいるのか・・・・・?」

 

拳を握り、大きな声を上げ、悔しさを表す。

そして、凜の残したこの言葉は本当なのか?はたまた、本当に黒幕は、残りの使用者の中にいるのか・・・・・・・・・・

戦いは、さらに、過激さを増し、次々と、犠牲者を出し、そして、その先に、何があるのか・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

現在リベリオン使用者 22人中残り18人

 

 

 

ToBe Continued……




【今回登場したリベリオン&使用されたシステムメモリー】

ハーミットリベリオン

【全長】200㎝

【体重】79キロ

【常設武器】紫槍ハーケンスピア

現在の使用者は不明だが、女性である可能性が高い。タロットカードの「HERMIT」を意味する。白と紫色がメインの、肩に、槍を模した、突起が目立ち、背面は、触手の様な物が、ロングコートの様になっており、手足には、ランタンを思わせる形のデザインをした、黄色に光る、アーマーが取り付けられ、頭部には、額に、1つの目が、赤く光るのが特徴。最大、8本の槍を備えている。
目的は不明だが、ギガ・オーガの、一部を回収している。

契約クリーチャーは不明だが、イカ型である事は確かである。


【スピアイン】

クラーケニール ランクB-
イカの触手を模した槍。圧さ30㎝の鉄板をも貫く。


チャリオットリベリオン

【バスターイン】
アーマーカノン ランクA-
背中に取り付ける2つの滑空砲。重量に見えるが、意外と軽量。


ラヴァーズリベリオン

【トランスイン】
スキャニングコピー ランク無し
相手の武器、姿を解析し、自身の物にする。ただしスペックは使用者と同じになる為、強い相手をコピーしても強さはそのまま。

【フィニッシュイン】
ラブレイトヘイト ランクB-
相手をラヴァーズリベリオンの方向に投げつけ、それを蹴り返し、それをまた、ドラゴキューピットが叩きつけ、それを繰り返し、最後には、ドラゴキューピットが使用している方とは別のラヴァーズリベリオンに変化し、2人同時に、踵落としを食らわせる。



明かされた真実、果たして、黒幕は、どのリベリオン=使用者なのか?

凜の死、新たなリベリオンの登場、その繰り返しが、ハルトの精神に、どう影響するのか・・・・・唯一の良心を失い、これから、どう戦えるか・・・・

一方、勝利を確信したラヴァーズリベリオン、しかし、実際倒したのは、フールリベリオン。それを知ったら、そうなる事やら・・・・・

次回もお楽しみ下さい!

メインキャラの中で誰が1番好きか?

  • 獅子堂ハルト
  • 三日月伊織
  • 国枝半蔵
  • 黒崎我怨

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