前回はフォーチュンの死で終わりました。新たな始まり……ハルト達に待ち受ける物とは?
そしてちょこっとだけ登場した、新たなリベリオン、戦いは次のステージへと進む!
前回までのあらすじ
7人のリベリオン、そしておびき寄せられたクリーチャー達の乱戦、チャリオットリベリオンのクリーヴ・オブ・ロードにより、戦況は大きく変わった。フォーチュンリベリオンはフールリベリオンにより、攻撃を直撃、及びクリーチャー達の的となってしまう。
残った力で、反撃を仕掛けるも、フールリベリオンのファングラッシャーバイオレンスを喰らい、倒される―――そしてアポロナインフォックスの襲撃、それに1人立ち向かうフールリベリオン。
残るリベリオンは20人、ここから新たな戦いが幕を開ける。
第13話「愛、故に」
7人のリベリオンの大乱戦から2週間が経過していた。
6月16日、午後16時丁度。学校を終えたハルトは、寄り道に、噴水のある公園でボ~っとしていた。
「あれから何も進展なし・・・って、ない方がいいんだが」
この2週間、クリーチャーが現れるくらいで、リベリオン同士の戦いは起こっていなかった。ハルトとしては、それがありがたいと思っている。望みを叶える為に、殺し合う、普通なら、そんな事耐えられるワケがない。そんな事を考えるハルトの前に、カレンが通りか掛かり、声を掛ける。
「どうも~奇遇ですね」
「んっ?あぁ、たまにはこうなりたい時があるのよ」
カレンがハルトの隣に座る。そして彼に、声を掛ける。
「そう言えば、あの秀才な三日月伊織さんとよく一緒にいますけど、どういう関係なんですか?」
それは伊織の事であった、言われてみれば、リベリオン同士と言う事もあり、彼とはよく一緒に行動する事が多くなった。もしや何か誤解されているのでは……思わず鳥肌が立つ程であった。
「いやぁ~まぁ、なんと言うか・・・たまたま会う度に、先生に仕事頼まれる程度だよ!」
何とか誤魔化す。あながち間違いではない、一度は生徒会室にダンボールを運ぶのを頼まれたのだから。その理由に、カレンは首を頷き納得した。
「なぁ~んだ、そんな事ですか~てっきり・・・」
カレンは顔を、下の方に向き、怪しそうに笑う。その表情にハルトは、ゾッとする。
「ヨイしょっと!ありがとうございます、では私はこれにて!」
カレンは、立ち上がり、そのまま前進し、その場を去る。
公園から帰る中、場面に遭遇する。それは恋人同士と思われる16歳ほどの、男女がいた。男は、長身で、明るい茶髪、紳士的な、純白な服を着た―――
それを見たカレンは、ため息をつきながら、そのまま歩き、小声で一言呟く。
「ふぇ~、あういうのはヒッソりといてほしいよね・・・・」
男と少女は、周りを気にせず、まるで自分だけしかいない様に、抱きしめている。その目は、お互いしか見ていない様に・・・・
「愛してるよ・・・」
「えぇ、私もよ」
愛をささやく2人、そのベンチの後ろには、凜が座っていた。どうやら気付いてないみたいだ。
「・・・・恋人・・・か」
凜が手にしてたのは、
「あっ、凜!来てたのか」
その姿を、ハルトが発見し、声を掛けながら、手を振る。
「ハルト!あれから何か変わりはないか?」
凜は、ハルトの隣に座り、あの時以来、何か変わりがないかを聞く。
「いや、何もないぜ、そっちもないっぽいな」
お互い進展はない様だ。2人は沈む夕日を見つめていた。
「だが・・・次に現れる奴・・・恐らくコレだ」
凜は、ハルトに1枚のタロットカードを渡す。さっき手にしていた、LOVERSのカードだ。しかし・・・
「えっと・・・コレ何て読むんだ?」
英語事態が読めていなかった、そのポカンとした表情をしたハルトに溜息をしながら、LOVERSの意味を教える。
「そこからか・・・伊織の言うとりのバカ・・・か、
意味を理解したのか、両手をポンっ、と叩く。
「恋人っていうと・・・アレみたいな?」
ハルトの方からも、抱き合う男と少女の姿は見えていた。ずっと目に入っていたと思うと・・・気の毒だ。
「あっ、あぁ・・・そんな感じだな」
あんま気にしてなかったが・・・随分長い間抱き合ってるよな、暑苦しくないのか?分かんねぇな~まさか・・・なあの2人が次に現れるリベリオンでした~なんて。そんなバカな。今はそんな冗談が言える余裕があった・・・
「ともあれ、被害が増える前に、この戦いを止めないと・・・だな!」
「あぁ、こんな事は終わらせないといけない」
そう言い、2人は立ち上がり、公園を去る、抱き合う2人を気遣う様に反対側の方へ・・・
「行った・・・?」
「あぁ・・・ようやく」
人もいなくなり、静かな夜・・・二人はそっと顔を近づけ、そして―――
がその瞬間、2人は同時に、頭を押さえ始める。
「はぁ・・・何時もいい時に」
「ホント、空気読めないよね」
二人はベンチから立ち上がり、公園内にある、管理事務局へ向かう。そこの入り口にある、カードキーに愛人がある物を手に取る・・・・アルカナ・デバイスだ。
「それじゃ、後でね」
「うん、気を付けてね♪」
双葉の手にも・・・・アルカナ・デバイスを手にしていた。2人もまた、リベリオン使用者として選ばれた人間だった。しかし勝者は1人のみ、それなのに2人は愛し合う。それは一体なぜなのか・・・・・?愛人がカードキーに、アルカナ・デバイスを翳し、彼の左二の腕に、アタッチメントが取り付けられる。
「セットオン―――」
その叫びと共に、デバイスをアタッチメントに取り付け、シアンカラーを中心とし、体のラインはマゼンタ色、、脚にパワージャッキが展開され、身軽な細い体型に螺旋状に渦巻く肩のアーマー、右目は青、左目はピンクの両目ツインアイを持ち膝にはハートマークが刻まれている、戦士の姿に変わる。その姿から
「それじゃ」
ラヴァーズリベリオンは、カードキーの中に吸い込まれる様に、入り込み、でゲートブースターを取り付け「GO」のサインと共に発射され、サイバープログラムへと突入する。
「いってらっしゃい」
双葉は変身せず、管理事務局から離れる。一体何故なのか・・・・?
サイバープログラムに到着したラヴァーズリベリオンの目の前には、角と頭が金属で覆われているのが特徴の
「またコイツか・・・2度も邪魔するなっての!!」
右手を握り締め、アヘッドカプリコーンに突撃する。そのパンチをかわされ、その右手を掴まれ、背負い投げをお見舞いされる。
以前、ラヴァーズリベリオンは、アヘッドカプリコーンと交戦しており、その時は逃がしてしまった。どうやら2度もいい雰囲気を邪魔され、我慢の限界の様だった。
「っ―――!?全く・・・・無駄にウザいね!!」
ラヴァーズリベリオンは、管理事務局の壁の方向に飛び、その壁を、蹴り上げ、その際に、
ガキン―――!!
その突進は、直撃し、真っ直ぐに、10mの方向へ吹き飛ばされる。アヘッドカプリコーンは立ち上がり、その場から逃げ出す。
「あの距離だと・・・丁度いいね。双葉、街の方に逃げたよ!」
ラヴァーズリベリオンは、左太ももに付けてあったデバイスを取り外し、双葉にアヘッドカプリコーンが街の方に逃げた事を伝える。
「了解、あの時のね・・・・また邪魔してくれちゃって・・・・」
双葉は、街中の方に走り、路地裏の方に向かう。
一方、ラヴァーズリベリオンは、アヘッドカプリコーンを追いかけながら、双葉が向かっている路地裏に誘導しようと、LOVERSのタロットカードを手に取る、そこにはシアンとマゼンタ色をした、鋭い天使の様な翼を持ち、光線を吐きそうな長い口、タツノオトシゴを龍にした様な
「頼んだよ、僕らのキューピット」
ラヴァーズリベリオンがフィンガースナップをしながら、アヘッドカプリコーンを指さすと、ドラゴキューピットが、口から緑色の光線を吐き出す。その光線から逃げる様に走り出すアヘッドカプリコーン、それはまるで何処かに誘導する様に・・・・・
◇◆◇
一方、路地裏についた双葉は、そこにあった、いかにもスパイが使いそうな、公衆電話の前で、待機する。
それと同じくして、クリーチャーの反応を察知したハルトと凜が変身できる場所を探しながら、走っていた。
「それにしても、人多いな」
「そりゃ、都会だもんね」
夜になっても人は大勢いる。うかつに変身すると、目立ってしまう。そんな中、路地裏を発見する。しかしそこは、双葉のいる場所であった。
「よしっ、あそこなら・・・」
何も知らずに路地裏へ向かおうとするハルト、しかしそれを凜が、彼の襟を掴んで止める。
「待てっ!!誰かいる」
凜が路地裏に少女―――双葉の姿を発見し、ビルの角に隠れる。
「アレって・・・さっきの・・・」
何故いるのか、それを疑問に思っている2人、しかしまだ彼女がリベリオン使用者である事をまだ知らない。
同じ頃、ラヴァーズリベリオンは、とうとうアヘッドカプリコーンを路地裏に追い詰める。
「それじゃぁ、バトンタッチだね」
そう言い、壁の方にジャンプし、姿を消す。それと同時に、双葉がデバイスを取り出し、公衆電話に翳し、右二の腕にアタッチメントが取り付けられる。
「そろそろね・・・セットオン―――」
その叫びと共に双葉は、右二の腕にデバイスを取り付け、リベリオンへと変身する。その姿は、ラヴァーズリベリオンそのもの、しかし体とラインのカラーが逆転している。それだけの違いだった。
その姿に、ハルトと凜は驚いていた。
「やっぱり・・・・アイツもリベリオン使用者・・・」
「だな、俺達も行くぞ」
マゼンタのラヴァーズリベリオンが公衆電話に入り込むと、その後を追う様に、ハルトと凜も、リベリオンを装着し、公衆電話に入る。
サイバープログラムに着くと、既に、マゼンタのラヴァーズリベリオンがアヘッドカプリコーンと戦闘を開始していた。
「ハァっ―――!!」
マゼンタのラヴァーズリベリオンの回し蹴りが、アヘッドカプリコーンに直撃する。そして左腰のホルダーから、システムメモリーを取り出し、右太ももに取り付けてあるデバイスに、装填する「ショットイン」の電子音声と共に、ドラゴキューピットを、弓に変形させた様な武器―――ラビリンスボウが召喚され、それを右手に取る。
「とびっきりの・・・いくわよ―――!!」
マゼンタのラヴァーズリベリオンがラビリンスボウを引き、狙いを、アヘッドカプリコーンに定める。
グググ・・・・・
「ハァっ―――!!」
ビュン―――ッ!!
引いたラビリンスボウを、一気に離し、発射された矢が、アヘッドカプリコーンの体を貫く。貫かれた体を抑えながら、反撃しようと、飛び掛かる・・・・・がしかし、貫いた矢が、背後から、再び、貫く―――!!
グサッ―――!!
「チェックメイトね」
アヘッドカプリコーンの体は、光に包まれ・・・・空中で爆散した。その光景を見た、ソルリベリオンとスターリベリオンは出る間もなく、ただ唖然としていた。
それを見たマゼンタのラヴァーズリベリオンは・・・・突然と2人に襲い掛かる―――!!
「んなっ!?イキナリかよ!」
「やはりコイツも・・・簡単には納得しない様だな!」
分かってはいたが、少々同様していた。スターリベリオンは、右腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し、スターシールドに装填する「ソードイン」の電子音声と共に、スターブレードが召喚され、それを左手に取り、マゼンタのラヴァーズリベリオンの攻撃を防ぐ。
ギンっ―――!!
「コイツっ・・・・中々やる様だねっ!!」
マゼンタのラヴァーズリベリオンは、後ろに一回転しながらジャンプし、ラビリンスボウを連射させ、それをスターリベリオンは、スターシールドで防ぐ。
その後ろから、ソルリベリオンが、レオンハートソードで斬り掛かる。
「っと・・・2体も・・・ゆっくり出来ないわね~」
連戦に頭を抱えるマゼンタのラヴァーズリベリオン。2人の足元に、ラビリンスボウを放ち、すぐ様、テレビの方に入り込む。
「逃げた・・・・?」
「戦略的撤退・・・なのか?」
その行動に警戒を怠らない2人、その背後から突然と、愛人の変身する、シアンのラヴァーズリベリオンがスターリベリオンの背中に蹴りをお見舞いする。
「グぁっ―――!?」
「凜!!アイツ・・・・」
シアンのラヴァーズリベリオンにレオンハートソードを突きつける。よくその姿を見ていると、さっき現れたマゼンタのラヴァーズリベリオンと色が違う事に気付く。
「コイツ・・・さっきと色が違うぞ、どういう事だ?」
「まさか・・・2人使用者がいるって事か?」
ラヴァーズリベリオンの能力、それは使用者が2人いる事、とは言っても、2人同時に変身出来る訳ではない。片方が変身していると、もう片方のデバイスには、変身機能がなくなる。しかし交互に後退する事により、制限時間とシステムメモリー使用回数の制約を気にする事なく、戦う事が出来る。また同じリベリオンとしても扱われるので、2人一緒に勝者となる事が出来る。まさに恋人の意味を持つリベリオンに相応しい能力だ。
「だが2人同時に来ないと言う事は・・・・使えるのは1人に限るって訳だ」
スターリベリオンはその事に気付いた。
「分かった所で、勝てるかな?」
シアンのラヴァーズリベリオンは、2人を挑発する様に誘う、そこにソルリベリオンが戦いを止めようと、説得に入る。
「ちょっと待てって!!こんな戦い辞めようぜ」
しかし、聞く耳など持たない。シアンのラヴァーズリベリオンは、右腰のホルダーから、システムメモリーを取り出し、左太ももに取り付けてあるデバイスに装填する「ショットイン」の電子音声と共に、ラビリンスボウが召喚されそれを手に取ると、すぐ様、弓の刃で、2人に斬り掛かる。
ザシュ―――!!
「何を行ってるのかな?僕達は永遠の幸せを求める、その為なら誰が相手だろうが―――!!」
斬撃の猛攻に、押し負けるソルリベリオン。それに対抗しようと、左腰のホルダーから、システムメモリーを取り出し、右二の腕のデバイスに装填する「シールドイン」の電子音声と共に、ライオディフェンダーが2つ召喚され、両手に装備し、斬撃を防御する。
ラヴァーズリベリオンの望み、それは愛人と双葉、2人の永遠の幸せ。誰にも邪魔されない愛の楽園を築く・・・・・
「クッ・・・・だったら・・・大人しく愛し合ってろ!!」
ギギギ・・・・カキン―――!!
斬撃を押し返し、無意識に、左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し、右二の腕のデバイスに装填する「フィニッシュイン」の電子音声と共に、プロミネンスレオが召喚され、共に飛び上がり、口から出された火球を足にに纏い空からプロミネンスブレイカー(キックver.)を発動する。その蹴りは、真っ直ぐに、ラヴァーズリベリオンに降りかかる――――
ゴゴゴ・・・・・・・・ゴォ――――ン!!
「待てっ、ハルト―――!!」
「っ―――!?」
スターリベリオンの言葉に反応し我に帰ったソルリベリオンは、蹴りを45度の方に曲げ、プロミネンスブレイカーは地面の方を蹴った。
「フゥ・・・・驚かせないでよね!!」
シアンのラヴァーズリベリオンは、体制を立て直し、ソルリベリオンに蹴りをお見舞いし、10mまで吹き飛ばす。
「ぐぅ・・・・俺は・・・・」
ラビリンスボウを引き、エネルギーがチャージされ始める。
「オイ、しっかりしろ!このままじゃ―――」
自分がラヴァーズリベリオンを倒そうとした事に動揺し、身動きが取れない。そんなソルリベリオンの腕を、スターリベリオンが掴む。
「もう遅いよ・・・・じゃぁアディオス」
ラビリンスボウから、エネルギー状の矢が放たれる・・・・・・その瞬間―――突然と、シアンのラヴァーズリベリオンの周りが爆発を起こす!!その衝撃に30m程、吹き飛ばされる。
「一体何が・・・」
スターリベリオンが上の方向を見る。するとそこには、ビルの上で、キャプチャースナイプライフルを構えたチャリオットリベリオンの姿があった。
「アイツ・・・なんのつもりだ?」
チャリオットリベリオンは助けたのか・・・・・その真意は不明だ。その隙に、スターリベリオンは、ソルリベリオンを立ち上がらせる。
「ここは退くぞ、体制を立て直そう」
「あっ・・・・あぁ、そうだな」
巻き起こる爆風の中、2人は、ビルの屋上まで登り、そこにあった電線から、サイバープログラムを抜け出す。
「クッ・・・・一体なにが?」
爆風を振り払いながら立ち上がるシアンのラヴァーズリベリオン。爆風を消すが、そこには2人の姿はなかった。
「逃げられたか・・・まぁいいさ、何時でも倒せるからね」
その表情からは、余裕の笑みが浮かばれる。そのまま、双葉が変身した、公衆電話からサイバープログラムを抜ける。
「おかえり、大丈夫だった?」
心配そうに声を掛ける双葉、しかしどこか彼を信頼する様に安心する部分も見える。
「まぁ・・・何とかね、まだやられる訳にはいかないからね」
「よかった・・・」
そのままは双葉は、愛人を抱きしめ、そして唐突にキスをする、それもかなりディープな・・・・
「ん・・・積極的だなぁ、でももう少し雰囲気の出る所の方が、いいかもね」
優しく双葉の頭を撫でる。愛し合う2人、まさに誰もが求める理想の恋人関係・・・・・リベリオン使用者である事を除き・・・・・
◇◆◇
一方、ハルト達は、とある工場にあるトラックから、現実世界に戻って来た。
「俺・・・・本気で・・・やろうと・・・・」
ハルトは、ラヴァーズリベリオンを本気で倒そうとした事に、戸惑い、今でも手が震えている。その手を凜が掴む。
「無理もないさ、戦いが続くんだ、無意識になる事はあるさ。にしても普通に説得するのが無理となると・・・・」
凜の出す戦いを止める新たな方法、それは・・・・
「何か情報が必要だな。この戦いの本当の意味に関わる情報を」
「って言っても・・・・そんな情報簡単に見つかるか?」
リベリオンがどう作られたかも謎のままで、情報が簡単に掴めるわけがない、一体どうすれば・・・・・
「このリベリオン事態、誰かが作ったのは確かだ。例えば大手企業とか」
こんな高性能なリベリオンを作れるのは有名な大手企業、もしくは軍だと、凜は推測する。
「そりゃぁ、こんなん、そんな所しか作れないかもしれないけど・・・・俺達を戦わせる理由になるか?それなら社員で試せばいいだろうに」
確かに、戦わせるなら、俺達じゃなく、社員にテストすればいい。だが、軍用使う様な物じゃない。それにサイバープログラム、あんな世界、誰が発見したのか・・・ファンタジーものでよく見る異世界とはまた違う、まるでこの現実世界を再現してる様だ・・・・
「ん?だとすると、何か研究・・・とか?」
「・・・・それも1つの可能性だな。ともかく、一度調べてみよう」
こうして、1日が過ぎた・・・・・
翌日、6月17日、午後12時丁度、ハルトが、屋上で、寝転がりながら、昼ご飯のコッペパンを口に加え、空を見つめていた。
「ハァ・・・情報・・・か、どこから探せばいいのか・・・」
戦いを止めるため、まずどこから探ればいいのか、そこに悩んでいた。そしてもう1つ、昨日自分が手を下しかけた事を・・・・・
「俺はただ・・・人を、クリーチャーからを守る為に・・・・」
最初はクリーチャーを倒す為にリベリオンになった。それが今じゃ、望みの為に、22人で戦い合え?頭もこんがらがるって―――!!それに・・・フールだっけ、アイツは俺達の目の前で、
ハルトが自分の心の中で、葛藤していると、屋上のドアが開く、そして伊織が、こちらに歩いてゆく。
「ハァ・・・何でまたお前が・・・」
伊織が嫌味の様な一言を言うと、ハルトも嫌味を言い返す。
「そりゃ、コッチのセリフだ・・・・そんな気分なんだよ」
伊織が隣に座る、ハルトとの距離を、少し空けて。袋に入っていた、おにぎりを食べる伊織に、ハルトが話しかける。
「昨日・・・新しいリベリオンにあった、ちょっと特殊な奴だったよ」
昨日、ラヴァーズリベリオンに遭遇した事だ。それをある程度、耳に入れる伊織。新たな敵の情報は知りたいのだから。
「そうか、で、お前はまた「戦いは辞めろー」なんて言ったか」
「ハイハイその通りだよ、だけど、無意識に倒そうとしていた」
浮かない表情をするハルトの顔をみて、伊織は少し距離を詰め寄る。
「珍しいな、でも倒せなかったと」
皮肉を言う伊織に、言い返すことが出来ない。
「あぁ、そうだよ!俺だってもう何が何だか分からねぇよ・・・・」
ハルトは頭をくしゃくしゃに掻き回す。その姿に、伊織が溜息をつく。
「嫌ならいいんだぞ、リベリオンになった時点で、逃げ場はないがな」
14日以内に、契約クリーチャーにエサを与えなければ、契約破棄と見做され、エサと認識され、食べられる・・・・もはやリベリオン使用者に逃げ道は存在しない。最後の1人になるまで戦い続ける事しか出来ない。そんな運命を背負ったハルトは、何だか疲れた表情を見せる。
「まぁ、どうするかはお前の好きにすればいいさ」
伊織は立ち上がり、屋上を出る。助ける訳でもない、ただ皮肉を残し・・・・ハルトは頭を押さえ、大声で叫ぶ。
「アアアアアア―――――――――!!」
◇◆◇
そして放課後。1人寂しく下校するハルト。助けを求める事は出来ない。そんな孤独な状況を強いられている。
「俺は・・・・どうすりゃ・・・・」
そんな時、道路の向かい側に、蝶々を追いかける身長130㎝程の、赤い髪のツインテールの少女を見かける。そんな平和な光景に、少し顔が笑うハルト。しかし―――その時、頭の中に、クリーチャーの現れるヴィジョンが浮かぶ、その場所は・・・・少女の間近だった―――!!
「マズいっ―――!!」
だが時既に遅し―――少女の後ろの、テレビから、かつて現れた、ベノスティンガーの亜種、である
「キャ―――!」
だがその時、ライオンの様な足がシザ―スティンガーを引きずり込む様に、引っ張る―――プロミネンスレオだった。
プロミネンスレオが引っ張ってる間、少女を抱きかかえ、守ろうとする。そしてプロミネンスレオの姿を見て、呟く。
「お前・・・・」
単純に、14日が近づている、プロミネンスレオは腹を空かし、ハルトを襲おうとした矢先、目の前に現れた、シザ―スティンガーを攻撃しただけに過ぎない。だがハルトにはこう感じた。
「人を守れ・・・って言いたいのか?」
勘違いではあるが、プロミネンスレオに気付かされた。人を守る為に戦う事は忘れるなと・・・・
「君、早くここから離れて!」
「うっ・・・うん」
少女は、ハルトに言われた通り、この場から離れ、走る。そしてハルトは、アルカナ・デバイスを取り出し、シザ―スティンガーの現れたテレビに翳す。
「戦いを止める事も重要だ・・・でも・・・・セット・・・オン―――!!」
デバイスを、右二の腕に取り付け、ソルリベリオンを纏う。そのまま、テレビの中に入り込み、サイバーゲートでゲートブースターを取り付け「GO」のサインと共に、発射され、サイバープログラムへ突入する。
サイバープログラムに着くと、目の前にはシザ―スティンガーが待ち構えていた。その姿は、ベノスティンガーと同じ姿だが、体が金色に染まっており、ハサミには、毒々しい紫色をしている。
「戦いは止める・・・そして人を守る―――!!」
ソルリベリオンは左腰のホルダーから、システムメモリーを取り出し、右二の腕のデバイスに装填する「フレイムイン」の電子音声と共に、全身が炎に包まれる。
ゴゴゴゴゴ・・・・・・・・
「ウオオオォォォォォォ―――!!」
炎の纏ったソルリベリオンは、そのままシザ―スティンガーに突進する―――巨体な体故に、押される事はないが、纏った炎が、シザ―スティンガーに燃え移り、苦しみ出す。
後ろに下がり、左腰のホルダーから、システムメモリーを取り出し、右二の腕のデバイスに装填する「フィニッシュイン」の電子音声と共に、プロミネンスレオが召喚され、共に飛び上がり、口から出された火球を足にに纏い空からプロミネンスブレイカー(キックver.)を発動する。
ゴゴゴ―――スドォォォォォォ―――ン!!
その蹴りは、シザ―スティンガーに直撃し、爆散する。プロミネンスレオは、久々のエサに、喜ぶ様に、その残骸を捕食する。
「そうだ・・・俺は人を守るために、リベリオンになった・・・今もそれは変わらない!!」
そう再び胸に決意し、拳を握り締めるハルト・・・・戦いも止める、そして守り続ける―――この先なのが起きようとも・・・・
◇◆◇
その頃、凜はマンガ喫茶のパソコンで、リベリオン、そしてサイバープログラムの手がかりを探していた、そして、ある情報を掴んだ。
「コレは・・・・そういう事だったか・・・・」
凜が掴んだ情報・・・・一体何なのか・・・・?
現在リベリオン使用者22人中残り20人
ToBe Continued……
【今回登場したリベリオン&クリーチャー】
ラヴァーズリベリオン
【全長】190㎝
【体重】88キロ
【総合ランク】C+
【使用メモリー】
↓
【ショットイン】
ラビリンスボウ ランクC
ドラゴキューピットを弓の形にした武器。
チャージモードと、連射モード、近接武器として扱える。
深井愛人及び、永遠野双葉が使用するリベリオン。タロットカードの「LOVERS」を意味する。愛人が使用する場合メインカラーはシアン、双葉が使用する場合メインカラーはマゼンタ。
脚にパワージャッキが展開され、身軽な細い体型に螺旋状に渦巻く肩のアーマー、右目は青、左目はピンクの両目ツインアイを持ち膝にはハートマークが刻まれている
デバイスが2つ存在し、2人の使用者として戦う。変身できるのは1人のみで、片方が使用すると、もう片方には変身機能が失われる。
ランクは、デッドリベリオンより上だが、単純なパワー戦では劣っている。そのため、2人で交互に使用し、制限時間やシステムメモリーの使用制限の制約を無視して戦い、相手を惑わせる戦闘スタイルを持つ。
【契約クリーチャー】ドラゴキューピット
【全長】6m
【体重】250キロ
タツノオトシゴを龍にした様なクリーチャー。ランクB-
天使の様な羽根持ち、鋭く長い口が特徴的。エネルギー弾を放つ。
【今回登場したシステムメモリー】
ソルリベリオン
【フレイムイン】
フレイムウェア ランク無し
炎を纏い、相手に突撃、または武器に炎攻撃を付与する。
【クリーチャー】
シザーススティンガー
ベノスティンガーの亜種の、金色のサソリ型クリーチャー。ランクA+
毒々しいハサミには、猛毒が仕込まれており、挟まれたら最後、体全身に毒が回り、死に至る。
久々の投稿、いかがだったでしょうか?
新たに登場したラヴァーズリベリオンはとんたリア充です。非リアな主には難しい難題です(笑)どこまで書けるか。
戦いの中で最初の目的を忘れていたハルト、勘違いとはいえ、プロミネンスレオに気付かされる。契約クリーチャーにも感情が芽生えた・・・・かもしれません。
そして凜の掴んだ情報が今後の展開を大きく左右する・・・・そんな次回はお祭り回?です!ご期待ください!
感想、指摘待ってます。
メインキャラの中で誰が1番好きか?
-
獅子堂ハルト
-
三日月伊織
-
国枝半蔵
-
黒崎我怨