アルカナTHEリベリオン   作:イオ・りん

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FGOの10連で爆死しモチベーションダウン中だった月宮伊織です、残す所第1部もあと2話……果たしてどんな展開になるんでしょうかね…

前回のあらすじ
フォーチュンリベリオンの攻撃に押されたソルリベリオン、スターリベリオン、そしてルナリベリオン、フォーチュンリベリオンに止めを刺せなかった伊織は2人の目の前で悔しさを表す。
これまでの戦いのダメージが応え倒れてしまった伊織、それをハルトと凜は彼の家まで運び込む。戦い続ける伊織を心配する葵…要人の起こした事件もあり学校が休みとなり、ハルト達は一時の休息を得た。しかし要人の計画はまだ終わらない、次は何をたくらんでいるのか……


第11話「加速するリベリオンバトル」

要人が起こしたテクノアカデミー高を占拠してから1週間が経ち、ようやく授業が再開した。

一見何事も無い様な光景だが今後同じ事態を起こさない様、さらに警備を強化し、高度な対ハッキング用ブロックを掛けた(ワルプルギスでも難関と教師達は断言している)これで一安心だろう、そう生徒達は心に秘める。

 

「しっかし…アレから音沙汰ねぇな~逆に不安だ」

 

6月1日―――時刻は16時50分。あれから要人も何もしてこない、飽きたのであろうか?その方がありがたいと信じるハルト。

そんな時、頭にクリーチャーが現れるビジョンが流れだす、デバイスを見てみると、その場所は、近くのスーパーの中であった。

 

「っく…久々のお出ましだな!!」

 

ハルトはすぐ様そのデパートへと走り出す、走り出して4分、ようやく到着しデパート内3Fのフロアにあった、証明写真機の中に入りポケットの中に入れていたデバイスを手に取り写真機のモニターに翳し、右二の腕にアタッチメントが取り付けられ「セットオン!」の叫びと共にデバイスをアタッチメントに取り付け、ハルトはソルリベリオンを装着する。

左腕を口元に構えソルリベリオンは写真機の中に入り込み、カタパルトの様な所(サイバーゲート)でゲートブースターを取り付け「GO」のサインと共に発射され、サイバープログラムへと突入する。

 

「っし…アイツか!!」

 

ソルリベリオンの目の前にはカジキを人型にしたクリーチャー(マーリンソー)が左腕のフェンシングのフルーレを思わせる様な剣を構えてゆっくりとソルリベリオンの方に進んでゆく、その姿はカジキの背ビレが棘の様になっており頭にカジキの口の様な角が特徴的だ。

ソルリベリオンは左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出しデバイスに装填し「ソードイン」の電子音声と共に後ろから飛んでくるように召喚されたレオンハートソードを両腕に装備する。

 

「ウォォォォォォ!!」

 

勢いよく走り出しマーリンフルーレを斬り付けようとするソルリベリオン、だがその攻撃は難なくかわされてしまい右足で引っ掛けられ転がり込んでしまう。

 

「ウグッ!?って~~コンチクショウめっ!!」

 

すぐに立ち上がったソルリベリオンはマーリンフルーレの腹部を右足で蹴り、怯んだ所をレオンハートソードで両肩を突き、5m程吹き飛ばす。

止めを刺そうと左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出そうとしたその時!!突然後ろから大砲の弾の様な物がマーリンフルーレに命中し爆散した。

 

「んなっ!?誰だ!!」

 

ソルリベリオンが後ろを振り向くと、そこには両腕に大砲の様なキャノン(ブラストカノン)を構えているチャリオットリベリオンの姿があった。

 

「おっお前!!あの時の甲冑野郎か!?」

 

以前チャリオットリベリオンにクリーチャー諸共吹き飛ばされたソルリベリオンはチャリオットを指さし、彼のいる方向へ向かう。

その距離10㎝の所でチャリオットリベリオンは右腰に着けていたギミックガンソードを取り出し、ソルリベリオンの鳩尾目掛けて撃ち込む。

 

「グァっ!?んニャロー!!」

 

左腕で腹を抑えながら、ソルリベリオンはチャリオットリベリオンを殴ろうとするが、アッサリ交されてしまう。その隙を突かれギミックガンソードでうなじを叩きつけられてしまう。

 

「あっ…うぅ…」

 

ドサッ…ソルリベリオンはその場に倒れ込んでしまう、そしてチャリオットリベリオンは小言で―――

 

「君と戦うのは出来るだけ避けたいんだよ…」

 

チャリオットリベリオン事国枝半蔵はハルトを気に入っており、なるべく戦いたくなく、他の誰かが倒す事を望んでいる。

 

「と言う訳なんでここはひとまず退散させてもらうよ」

 

その言葉を残しチャリオットリベリオンは近くにあったATMからサイバープログラムを出る。

ソルリベリオンはまだ気を失っている、そこへ戦いを見物してたかと思われるフォーチュンリベリオンが柱の陰から現れ、ソルリベリオンの方へ近づく。

 

「あ~あ、またやられちゃったの?つまらないよな~でもっまた盛大に盛り上がる為には、まだまだ利用価値があるからしばらくはいかしておいとくね♪」

 

フォーチュンリベリオンはソルリベリオンを肩に持ち上げ、広場のある屋上の方へ向かい、そこにあった自販機にソルリベリオンを放り込む。

そしてフォーチュンリベリオンが次に企んでいる事とは?―――

 

ハルトが目を覚ますと、ベンチの上でうつ伏せになっていた、何があったかサッパリ分からないハルトは辺りをキョロキョロ見回す、そんなハルトを近くで遊んでいた子供達は目を合わせない様に後ろを向く。

 

「アレ…俺は確か…甲冑野郎に…しっかしアイツは何者なんだ?」

 

ハルトはまだ知らない、チャリオットリベリオンの正体があの国枝半蔵である事を…知っているのは伊織と凜くらいであろう―――

よく分からないままハルトはスーパーにいるので夕食の買い物を済ませようとする。

 

◇◆◇

 

同時刻。一方伊織は怪我が完治しクリーチャーを倒し続けていた。倒し終えサイバープログラムから出た伊織は偶然凜と会う。

 

「またクリーチャー退治かい?」

 

「だったら何だ?お前には関係ないだろ」

 

「妹さんの件なら…やめておけ」

 

凜は伊織の家に行ったときに彼の戦う理由を知った、その言葉に伊織は凜の胸ぐらを掴む。

 

「簡単に言うなよ…!!アイツが…由那がどれだけ苦しい思いをしてると思ってるんだ?少しでも早く昔みてぇに元気な姿が見られるなら…俺は何だってする!!」

 

「でも、お前にそれは出来なかった、だったら無理に強がるな、それが彼女達を心配させるんだ!!」

 

凜は逆に伊織の胸ぐらを掴み返す、何時も出さないくらい感情的だった。胸ぐらを掴まれた時、伊織は以前デッドリベリオン(切島一貴)が起こした連続殺人怪事件の中でハルトに言った事を思い出した、まさに自分がハルトに言った事と同じだった。

 

「だったらこのまま由那を見殺しにしろと?そんな事俺にしろって言うのか―――!!」

 

「そうじゃない、ただ1つ、可能性がある」

 

凜の言う由那を救う可能性とは……

 

「リベリオンの中にも病や傷を治す能力を持つ奴もいるかもしれない、極めて低いが掛ける価値はあると思う」

 

確かに低い可能性ではあるがそんな力を持つリベリオンもいてもおかしくはない、しかし伊織はその可能性を拒んだ。

 

「もしそんな奴がいたとしても、素直に聞いてくれるとは思えないな、それにこの戦いに身を投じた時点で戦いからは逃れられない、お前だってそうだろう?」

 

その反論に凜は言い返すことはなかった、だが彼が戦いを止めると言う目的も変わらない。

 

「あぁ…そうだな、逃れられないかもな、だからこそこの戦いを終わらせなきゃいけない」

 

やはり相容れぬのか……この戦いには何が残るのか……本当に望みが叶うのか?2人(伊織と凜)が互いの目を見る光景を激励させるように風が吹く。

 

◇◆◇

 

その同時刻。葵は買い物を済ませ家に帰ろうとしていた、そんな中ある事に気付く、スカートのポケットの中にしまってたハンカチを落としてしまった様だ、柄はピンクと紫の縞々模様だ。

 

「あれ…ない!どこに落としたんだろう…?」

 

安物ではあるが伊織が買ってきたハンカチでもあり落としてしまった事に焦っていた、そんな時ある男が葵が落としたと思われるであろうピンクと紫の縞々模様のハンカチを差し出した―――和野要人だ…

 

「コレ…君の落としたのかな?さっき落とす所見てさ」

 

「あっ…はい!ありがとうございます―!よかった…」

 

葵はハンカチが見つかった事に喜び要人にお礼を言いハンカチを愛らしいクマさんがプリントされてある白いエコバッグにしまう、しかしそのハンカチの真ん中が少し棒状に膨らんでいた……

 

「いえいえ、間違ってなくてよかったよ」

 

要人は葵に手を振りながらその場を去った、葵との距離から10mの所で彼の表情は悪どい笑顔をしていた、一体今度は何が目的なのか……?

 

次の計画を着々と進めようとする要人、その近くの路地裏喧嘩をする様な音が聴こえる、要人がそれを覗くと1人の男が3人の不良を蹴散らし2人が顔面を壁に減り込まれていた―――黒崎我怨だ、物足りないからか頭を抱え石ころを蹴り上げる、その時彼の頭にクリーチャーのビジョンが流れ込んだ―――そのクリーチャーはディスティニーラチェルタだった。

 

「この感覚……何だ?」

 

頭のビジョンを振り払おうとする我怨、その彼の目の前に要人が駆け寄る。

 

「もしかしてクリーチャーの気配感じてること気付かない?さてはアンタが最後に選ばれた使用者って訳?」

 

挑発的な態度を取る要人を見て我怨はアルカナ・デバイスを取り出す、しかし要人は戦う気はなく降参する様な手の上げ方をする。

 

「まぁまぁ、今は戦う準備の最中でね、そうだ!アンタにも協力してほしいんだよ~最近まともに戦おうとしない腑抜けが多くてね~アンタも戦いを楽しみたい方でしょ、だったら尚更盛り上がるよ~なんせリベリオン使用者を一気に集めて戦わせるんだもんねゲストも沢山呼ぶから楽しいよ~」

 

要人はマークインのメモリーを振り回しながら我怨に提案を求める、彼が行うの次の計画…それはリベリオン使用者を多く集め壮大なバトルを行う事、そこにさらにクリーチャーを大量に呼び寄せ文字通りバトルロワイヤルをしようと企てていた。

 

「ふぅ~ん、悪くねぇなぁ…退屈過ぎて仕方なかったんだなぁ……んで具体的にどうすりゃいい?」

 

我怨は素直に要人の計画に乗った、不本意ではない、退屈過ぎる喧嘩に飽き飽きしている彼にとっては最高のステージになるであろう。

 

「まぁ僕は腑抜け共を駆り立ててくるからアンタにはこの人をおびき出してもらおうかな、喜んで参加してくれると思うよ~多分喫茶店にいる可能性が高いかな」

 

要人が我怨にある男の写真を渡した……国枝半蔵の写真だ、要人は既にチャリオットリベリオンの使用者が半蔵である事を知っていた。受け取った写真を握り絞めた我怨は路地裏を出て半蔵を探しにいった。

 

「喫茶店か…手あたり次第探しゃぁ現れるだろうな……」

 

そのまま辺りの喫茶店を手あたり次第に探しに行く我怨、その様子を見て要人は次は計画が上手くいくと思い顎に手を当てながら「ニヤっ」っと笑う。

 

「この調子なら後は何とかなるかな……」

 

◇◆◇

 

17時18分。デパートを出たハルトはというと、自販機でコーラを買い一息ついていた。

 

「プハ~!!生き返る~って訳でもないがな……早い内にアイツを止めないと……」

 

ハルトは要人が次に何をするかと思い止めなければと感じた。しかし着々と計画が進んでいくのに気づかないのであった……

するとそこへハルトの後ろから何かがいる気配を感じた。クリーチャーではないかとハルトが後ろを振り向くと、何者かが気付かれたからか「ギクっ!!」と体を震わせ電柱に身を隠した。

 

「ん?誰かいるのかー?」

 

しかし返事は返って来ない、仕方なくハルトが電柱に近づくと慌てるかの様に何者かが飛び出した。紺色のシフォンブラウスに白色のブルームスカートの格好から女の子の様だ。よく分からないままそれを追いかけるハルト、追いかける事10分逃げていた、女の子も走り疲れたからか、辿り着いた街中で手に膝を着いて息を荒立てる。よく見ればその女の子はハルトと同い年と思われ、栗色のグラデーションボブの髪型をした女の子であった。ハルトもようやくその女の子元に辿り着いた。

 

「ハァ…ハァ…追いついた…お前…何で俺を見てたんだ?」

 

ハルトは何故自分を見ていたのかと女の子に尋ねる。その質問に彼女は…

 

「えぇっと…その…貴方にお聞きしたい事がありまして……」

 

女の子は指をツンツンして恥ずかしがりながらハルトの問いに答える。

 

「俺に?一体何の用で?」

 

「それはですね…この頃度々起きている謎の失踪事件についてです!とある情報によればあなたがよくその現場にいると伺ったので!何か知ってるのではないかと!」

 

「ビシッ!」と指し、ハルトに問い掛ける。確かにハルトはリベリオンとしてクリーチャーと戦ってるので当然現場には現れる、だがしかしここで「実は電子機器を通して怪物と戦ってる」何て言える訳ない、言ったとしても信じてもらえる訳ない、そう思ったハルトは彼女の問いに誤魔化しを入れて答えるのであった。

 

「あ~うんうん、最近はインターネットでよく情報がすぐ流れるから行くことはあるからね~まぁ何も収穫はないけどね」

 

その答えに「確かに最近じゃすぐに情報流れるしね~」と女の子は首を頷きながら納得する。するとハルトは女の子が何者かを尋ねる。

 

「あっゴメンねこっちから名乗らなきゃね、私は青葉カレン、テクノアカデミー高の1年生の2組で新聞部よ、改めてよろしく」

 

俺とテクノアカデミー高の生徒か…2組と言うと伊織と同じクラスだな、そういや新聞部が書く記事に彼女の名前が載ってたな~

 

カレンの名前を聞いた後、言葉を返す様にハルトも自己紹介する。

 

「あっ、俺は獅子堂ハルト、因みに俺は1組だよ」

 

「知ってますよ~有名ですもん」

 

「えぇ!?俺が?いやぁ~照れるな~」

 

「遅刻、居眠り等で有名ですもんね?」

 

カレンは笑顔で言う。確かにあそこまで遅刻が多いのはハルトぐらいだろう、それを聞いたハルトは腰が下がり手を下に下げる様にフラフラさせてガッカリする。

 

「結局偶然みたいなもんか~付き合ってもらってゴメンね、あっいい情報あったら共有して欲しいな~お礼は弾むからさ!」

 

カレンはハルトに得た情報を回して欲しいと頼まれた、一応「了解」と了承するハルト、だが内心「あまり知らない方がいいかもな…」と思っていた。

知った方がいいのか……だとしてもリベリオン以外にクリーチャーは対処できない…ある意味孤独な戦いなのかもしれない……ハルトはそう感じた。

 

翌日が過ぎた……6月2日、午後12時丁度、学校も昼休みの時間、昼食を食べ終えたハルトは伊織のいる1年2組へ向かった。

 

「スイマセーン、三日月伊織いますか~?」

 

ハルトが1年2組に来た瞬間、すぐ様伊織が待ち構えていた。

 

「何だ?お前に話すことはもうないが」

 

「そうじゃなくて…まぁ来てくれ」

 

周りを気にしたハルトは伊織を連れ何時もの様に屋上へ連れ出した。そしてハルトは伊織にある事を聞く。

 

「お前さ…もし俺達が戦ってる事が世間に知られたらどうするよ?」

 

その問いに伊織は……

 

「そんな事関係ない、俺は目的を果たすだけだ…用件はそれだけか?だったら帰らせてもらう」

 

伊織が屋上から出るとハルトがそれを追いかける、その所をポッチャリ体型の白髪のオールバックの教師飯田光彦(いいだみつひこ)が目撃し2人に声を掛ける。

 

「珍しいな~お前ら2人がつるむとは、感心だ!ところで暇なら手伝ってもらいたい事があるんだが職員室まで来てくれないか?」

 

2人(ハルトと伊織)は光彦先生に言われるままに職員室まで連いてく。職員室に辿り着いた。入って右から3番目の机に2つのダンボールが置いてあった、光彦先生はそのダンボールを指さし「コレ、生徒会室に運んできて」と2人に頼む、断る理由もなく、2人はダンボールを受け取る、手に持った瞬間、ハルトはあまりの重さに手を放しかける程の重さだ、しかし伊織は微動だにてず難なく持ち上げる、光彦先生は2人に「じゃっ任せたよ~鍵は多分生徒会長が中にいると思うから開いてるはずだよ~」と軽い感じで言い左から6番目の机に座りセンベイを齧る。

 

生徒会室は2F、職員室は1F、そこまで遠くはない、生徒会室へ向かう中、ハルトと伊織は互いを嫌そうな目で睨む。

 

「何で俺がこんな目に……お前のせいだこのバカ!」

 

「あ~はいはい悪ぅございました」

 

伊織の言葉にハルトはスネる様に言い返す、そんな会話をしているとあっという間に生徒会室に到着する。

 

「ここか、失礼しま~す、会長さんいますか~」

 

ダンボールを手に持っているため両手が塞がってるハルトは足で生徒会室のドアをノックする。すると生徒会室のドアが開く、ドアが開くと長身で短髪で右側金髪、左側黒髪と変わった色合いをしており紅色の瞳を持つ少年が2人を向かい入れた、彼が生徒会長の神ヶ崎界斗(かみがさきかいと)である、成績優秀、才色兼備で周囲からも人望が厚い、ある意味伊織と正反対と言える。

 

「もしかして資料持ってきてくれたのかい?助かるよ~、そこの机に置いといていいから」

 

界斗の手の方向は入り口からすぐ右隣りの大きな机を指していた、2人はすぐ様その机にダンボールを置いて一息つく。

 

「ありがとうね、この資料は先週の件の事でね、会議で話し合った対策の案なんだ、上手くまとめないとならなくてね、大変だよ」

 

その表情は文句を言う感じはなくむしろ大変喜んでいる様な笑顔だった、ハルトはその表情を見て「凄い人だなぁ」と感じながら伊織と見比べた、その行動に伊織は少し怒ったからかハルトの足を踏む。

 

「少しでも生徒達を安心させる為にも迅速ですませないと……2人共ありがとうね」

 

2人に感謝を述べてダンボールに入っていた資料を取り出し、見始める、邪魔しないと2人は静かにドアを閉める。

 

時は過ぎ午後15時50分―――学校が終わり、家に帰ろうとするハルトと伊織、校門を出るとそこには……要人が待ち構えていた。

 

「やぁ~やぁお久しぶり」

 

「テっメ!!一体何の用だ!!」

 

余裕そうな表情を浮かべる要人、その態度にハルトは怒りを隠しきれない、しかし伊織はそれを素通りしようとするが……

 

「いいのかなぁ~?そんな逃げ越しで?」

 

素通りする伊織を挑発的な態度で止める要人、その憎たらしい顔を伊織は鋭い目で睨む。

 

「おぉ~怖い怖い、まぁ逃げるならいいけど、まっ大事な大事な妹ちゃんに何かあっても知らないけど」

 

その言葉を聞き伊織は強い勢いで要人の胸ぐらを掴む。周囲がその光景を見てざわつき始めたからか、掴んでいる手を放す。

 

「ふぅ…もしここで逃げるって言うなら、コイツを見れば分かるよね?」

 

要人が手に取り出したのはマークインのメモリーだった、それを見た伊織は背筋が凍る様にゾッとする。

 

「お前…まさか…」

 

昨日葵が落としたハンカチを拾って渡したと同時にマークインのメモリーを仕込んだのか!?彼ならやりかねない……ひょっとするとまだ鞄の中に……だとすると一大事だ、葵まで巻き込もうとする要人の行動に伊織は両手の拳を強く握る。

 

「さぁ~どうだろうね~今じゃ妹ちゃんはお家に帰る途中かもね~もしそうなら……」

 

要人の非道なやり方にとうとうハルトが限界を向かえる。

 

「黙って聞いてりゃ…好き放題言いやがって!!今日と言う今日はぶん殴って―――」

 

ハルトは左手の拳を握りしめて要人に目掛けて振りかざすが、伊織がそれを右腕止める、ハルトの左手を強く握り彼の要人に対する怒りを感じた。

 

「…葵を…頼んだ」

 

伊織のその表情は怒り混じり悔し気な感じだった、心の底から要人を殴りたいがリベリオンバトルのルールの1つ「リベリオン同士の戦い以外での脱落させることはペナルティと見做す」事もある為、一思いにその場で殴る事が出来ない……要人はそれを考えての行動だろう。

 

「素直でいいねぇ~でも僕はアンタらと違って甘くないよ、簡単に止め刺せるしここじゃ何だから場所を変えようか」

 

要人は伊織をある場所へ案内した、葵を任されたハルトはの彼女の所へ向かうためスマートフォンを手に取り彼女に電話を掛ける。

携帯電話(シャインS)が鳴ってる事に気付いた葵はすぐ様取り出し電話に出る。

 

「モシモシ、ハルトさん?どうかしました?」

 

「葵ちゃん!?今どこにいる?」

 

「えっと…商店街で買い物してますが…」

 

葵は通学用の鞄と別に買い物用のエコバッグを持っていた、そのバッグは昨日も使っていた愛らしいクマさんのプリントされている白いエコバッグだった、ひょっとするとまだメモリーがまだ中に……それを心配しすぐに駆け付けようとするハルト、その時、葵の名前を呼ぶ男の声が聞こえた―――凜の声だった。

 

「アレ?今日も買い物?」

 

「あっ凜さん、今丁度ハルトさんが電話してきて」

 

凜の声が聞こえたハルトは葵にすぐ様凜に変わって欲しいと頼んだ。言われるままに凜にシャインSを渡して凜が電話に出る。

 

「凜か?丁度よかった!あのガキ…要人の奴が葵ちゃんに何か仕込んだみたいなんだ!調べてくれないか?」

 

「何だと?分かった、任せてくれ!」

 

「あぁ頼んだ!俺は2人を追う、悪いけど葵ちゃんを守ってくれ!!」

 

ハルトは近くにいた凜に葵に何か仕込まれてないか探って欲しいと頼む、それを引き受けた凜は葵にエコバッグを見せてほしいと頼む。

 

「ちょっとそのバッグの中見せてもらえないかな?」

 

「あっ…はい、どうぞ」

 

葵はエコバッグを凜に渡す、エコバッグを探るがまだ買い物を済ませてないのか昨洗濯し忘れたハンカチのみだった、もしやハンカチの中に仕込まれているのか!?凜は急いでハンカチを取り出す、しかしハンカチのふくらみはなく何も入っていなかった。

 

「ないか……葵ちゃん、鞄に見慣れない物とか入ってないよね?」

 

「えぇっと……大丈夫です怪しい物とかはいってないです」

 

葵は通学用の鞄を見てみるが怪しい物は何もない、つまり全ては要人のハッタリだった、ハンカチの膨らみも偶然だろう、伊織を挑発させる為に一芝居入れていたのだろう。

凜がハルトに電話を掛け直し全てがハッタリだった事を伝える。

 

「マジかよ!?……あのヤロー!本気でとっちめてやる!!」

 

その事を知ったハルトは電話を切り、すぐ様伊織の向かった方へ走る。事態を知った凜も加勢しようとリベリオンを纏える場所がないか見回す。

 

「とりあえず、ここは危ないかもしれない、すぐに家に帰った方がいい」

 

「えっ…あっ…ハイ」

 

凜に背中を優しく押され葵は商店街を抜ける、凜は商店街近くの角の裏の自販機にデバイスを翳し「セットオン!」の叫びと共にデバイスを左二の腕に付けられたアタッチメントに取り付けスターリベリオンを装着すし自販機の中に入り込む、その光景を葵は後ろから見つめていた。

 

「やっぱり…義兄さん……」

 

葵は胸を抑え瞳から少し涙が流れていた、また伊織が戦ってるのではないかと思うと胸を傷めていた。

 

(どうして義兄さんが戦わなきゃならないの…ハルトさんも凜さんも…どうして…)

 

涙が抑えきれず手で顔を隠す葵、みんなが戦う事に何もできない自分が悔しくて仕方がない…

 

◇◆◇

 

一方伊織と要人は既にある場所へと到着していた、その場所は今は休館中のトー・テム・ポールの様な柱が無数にある美術館だった。

 

「ここなら気楽に殺れるでしょ♪」

 

戦いをエンターテインメントの様に楽しもうとする要人、そんな彼を睨みながら伊織はデバイスを取り要人が用意したパソコンに翳す、刀を構えるポーズを取り「セットオン!」の叫びと共に右二の腕に付けてあるアタッチメントにデバイスを取り付け、ルナリベリオンを装着する。

 

「殺る気満々で何よりだよ、セットオン―――――!」

 

要人もデバイスを振り下ろす様な構えを取り、右二の腕に付けてるアタッチメントにデバイスを取り付け、フォーチュンリベリオンを装着する。ルナリベリオンとフォーチュンリベリオンはパソコンの中に入り込みサイバーゲートでゲートブースターを取り付け「GO」のサインと共に発射されサイバープログラムへ向かう。お互いゲートブースターを取り外し、ルナリベリオンは真月を、フォーチュンリベリオンはファイティングポーズを構える。

 

「ハァァァァァっ!!」

 

先制攻撃を仕掛けたのはルナリベリオンの方だった、振り下ろした真月の一撃はフォーチュンリベリオンの左肩に直撃するが、その一撃は強固な装甲にはビクともしない。

 

「そんな生ヌルい攻撃…喰らわないよ!!」

 

真月を左手で掴み、フォーチュンリベリオンはルナリベリオンの腹部を蹴り飛ばす、約2mの方向へ吹き飛ばされたルナリベリオンは左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し新月の鍔に取り付けられていたデバイスにメモリーを装填し「ソードイン」の電子音声と共にブルームーンファルコンが上空から牙王天羽々斬を落としそれを両手で持ち構える。

 

「そうかい…ならコレならどうかな!!」

 

牙王天羽々斬を大きく振り上げフォーチュンリベリオンの方へ突撃する―――

 

◇◆◇

 

同時刻、国枝半蔵は何時もの様に喫茶店(トゥンクティ)にて新作の小説の執筆をしていた、下書きの鉛筆が折れ鉛筆削りを取り出そうとしたその時、彼の座る机の上に足を「ドンっ!」と乗っける男が現れた―――黒崎我怨だ。

 

「よぉ…探したぜ…中々見つからなくて苦労したんだ・・・・・」

 

半ギレ気味で半蔵に顔を近づける我怨、とはいえ半蔵にとって我怨が何を言ってるのかさっぱり分からない、足を退けろと説教染みた事を言う半蔵に我怨はアルカナ・デバイス彼に突きつける。

 

「コレを見れ分かると思うんだがな~」

 

「成程…そういう事か、何処で嗅ぎ付けたかは知らないけど、邪魔されて気が落ち着かなくなってね、いいよ相手してあげるよ」

 

我怨の誘いに乗った半蔵は律儀にコーヒー代290円を机に置き、近くの駐車場に向かう。そこにあった駐車券の販売機に我怨はデバイスを翳し右手を後ろに構え左手で首を掻っ切るポーズを取り「セットオン!」の叫びと共に左二の腕に付けてあるアタッチメントにデバイスを取り付けフールリベリオンを纏い柔軟させる様に右腕を回し、一足先に販売機の中に入り込む。

 

「全く…主催者も何でこんな恐ろしい奴選ぶのかね・・・・まぁそれ程簡単じゃないと言う訳だろうけど・・・セットオン!」

 

どうやら半蔵は我怨の事を少しは知っているらしい、主催者への文句を垂らしながらデバイスを持つ左腕を右手で持ちガッツポーズの様な構えをし、右二の腕に付けてあるアタッチメントにデバイスを取り付けチャリオットリベリオンを装着し販売機の中に入り込む。互いがサイバーゲートでゲートブースターを取り付け「GO」のサインと共にサイバープログラムへ向かう。ゲートブースターを取り外し、チャリオットリベリオンはギミックガンソードをガンモードにして構え、フールリベリオンは左二の腕に付いてあるダイルデンジャーを右手に取り付け、下顎を開き左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出しダイルデンジャーの口の中に差し込み下顎を閉じると「ソードイン」の電子音声が鳴り、後ろからダイルブレードが飛び出し、それを左手に持ち突きつける様に構える。

 

「ハァっ―――!!」

 

「ウラァ―――!!」

 

先手でチャリオットリベリオンのギミックガンソードの弾丸が放たれるが、それをフールリベリオンはダイルブレードで全て弾き返す。ダイルブレードが振り下ろされる瞬間、ギミックガンソードをソードモードに変えその一撃を受け止めるつばぜり合いが続く中、フールリベリオンがダイルブレードの下部分の紐を引っ張ると刀身がチェーンソーの様に振動を始め、ギミックガンソードの刀身が削れていく。

 

「成程……これはかなり厄介だね」

 

削れていく刃を見てチャリオットリベリオンは刃を瞬時にしまい込み、受け止め所の無くなったダイルブレードは地面に突き刺さる、その隙を突きギミックガンソードをガンモードに変形させ、フールリベリオンの腹部に目掛け銃弾を撃ち込む、その弾数、1秒で約120発。

 

「イテぇ……だが悪くねぇ痛みだぜ…」

 

撃たれた腹部を右手で抑える、しかしその痛みさえも快感に感じている。その姿を見たチャリオットリベリオンは2m程後ろに下がる。

 

「そうかい、なら、もっと痛いのをお見舞いさせてあげるよ」

 

チャリオットリベリオンは左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出しギミックガンソードの上部分に取り付けてあるデバイスに装填し「ショットイン」の電子音声と共に背後からキャプチャースナイプライフルが召喚され、それを背中に連結させる。

 

「直撃でいいよね―――!!」

 

スコープをフールリベリオンの胸部に集中させる、ターゲットをロック完了し、チャリオットリベリオンはトリガーの引き金を引き、膨大なエネルギーを誇る粒子ビームが発射される、その瞬間、フールリベリオンは横1m30cm程度に走り出し、粒子ビームを回避する。走り続けるフールリベリオンに今度はキャプチャースナイプライフルの弾を砲弾に切り替え追いかける様に連続でフールリベリオン目掛けて発射する。ギリギリの距離で回避し、背後は爆風に塗れる。

 

「ハハハハハ!!いいね!もっと来いよ―――!!」

 

砲弾の攻撃を諸共せず、誘い出す様に走り出すフールリベリオン、表情は仮面を覆ってるため分からないが、戦いを楽しみ狂気を浮かべる様だ、間合いの距離を取る為已むお得ず、チャリオットリベリオンはフールリベリオンを追いかける―――。

 

◇◆◇

 

時刻は16時丁度、伊織と要人を追いかけるハルト、しかし当然の如く見失う。「サイバープログラム内で合流すればいいか」と思い、近くの電気ショップで20インチテレビにデバイスを翳す、右腕を前に出し拳を握り締め「セットオン!」の叫びと共に右二の腕に付けてあるアタッチメントにデバイスを取り付けソルリベリオンを装着、左腕を口元に近づけ拳を「ギュっ!」と握り締めテレビの中に入り込む。幸い他の客には見られていない様だ。

 

サイバープログラムへ辿り着いたソルリベリオンは電気ショップを抜け、辺りを見回し、ルナリベリオンとフォーチュンリベリオンを探す、デバイスの裏側を見ると、レーダーには2機のリベリオンが戦ってる反応が2つあった、その内の左上の方にもう1機が駆け付ける反応がある、それを見たソルリベリオンは3機が集合する方の中央通りから右の方向へ走り出す。

 

「まさかもう戦ってるのか…これじゃまた…」

 

ソルリベリオンが心配してる事…それは以前デッドリベリオンが死んだ時の様にまた誰かが死ぬのではないかと……いくらフォーチュンリベリオンが嫌な奴でも命がある事に変わりはない、まだリベリオン同士の戦いに疑問を抱く、3機のリベリオンが集まる場所まで後90m、時間を短縮させるため、ビルの上に飛び上がり、飛び乗る様にビルの上を進む、そこへ無数のナイフがソルリベリオンに襲い掛かる、ナイフを避けようとしたソルリベリオンはバランスを崩してしまい30mあるビルから落下する。

ビルから落ちたソルリベリオンは腰を抑えながら立ち上がる。上空を見上げると、1機の茶色の戦士が信号機に飛び乗り、逆さ吊るされる様にになってソルリベリオンを見つめる。その姿は猿の顔を逆さにしたような顔をしており、両目(ツインアイ)が黄色に光り、肩と腕や太ももや足のアーマーも全て逆さではないかと思うくらいアンバランスな見た目をしている…逆さに吊るす去れるような姿からHANGED MAN(ハングドマン)の暗示を持つ戦士(ハングドリベリオン)と思われる―――。

 

「また新しいリベリオンかよ……こっちは急いでるのによ!!」

 

ソルリベリオンはハングドリベリオンに「退いてくれ!」と手を振り下ろすが、その言葉に聞く耳を持たず、ハングドリベリオンは両手の指先に3本づつ挟んでいるナイフ形の武器(ハングドナイフ)を突きつける様に構えソルリベリオンの方に突き進んでゆく―――

 

◇◆◇

 

一方その頃、舞台は変わり美術館の駐車場内ではルナリベリオンはフォーチュンリベリオンの拳の打撃攻撃に若干押されていた、防御態勢を取ろうと左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し真月の鍔に取り付けてあるデバイスに装填し「シールドイン」の電子音声と共にブルームーンファルコンの翼を模した盾(ルナ―ズイージス)を右腕に装備しようとした、その時瞬時にフォーチュンリベリオンは左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し左胸をスライドし、そこに収納されていたデバイスに装填し「ローブイン」の電子音声と共にルナリベリオンが装備しようとしたルナ―ズイージスをフォーチュンリベリオンに引き寄せられ、フォーチュンリベリオンの左腕に装備される。

 

「こういったメモリーもあるの、面白いよね~」

 

奪ったルナ―ズイージスを見せびらかす様に前に出し、ルナリベリオンを煽る。そこへスターリベリオンも合流する。

 

「2対1って訳ね~まぁアンタらは何人束になろうと余裕だっつーの!!」

 

余裕の態度を取りルナリベリオンとスターリベリオンを奪ったルナ―ズイージスで6m程の真っ直ぐな方向に吹き飛ばす。

 

「っく…コイツ…前より強く…」

 

「いやぁ~戦い方が違うって奴かな?こっちはマジで殺りに掛かってるからねっ!!」

 

容赦のフォーチュンリベリオンがルナ―ズイージスを投げ捨て、左腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し左胸をスライドし、そこに収納されていたデバイスに装填し「ナックルイン」の電子音声と共にホイールパンチャーが召喚され両腕に装備し、2体(ルナリベリオンとスターリベリオン)の方向に走り出し正拳突きをお見舞いさせる。

 

「あぁっ!!やるしかないか……」

 

スターリベリオンは右腰のホルダーからシステムメモリーを取り出しスターシールドの裏側に取り付けていたデバイスに装填し「フィニッシュイン」の電子音声と共にスターウェイブが召喚され、その上にスターリベリオンが乗りフォーチュンリベリオンの上空にスターダートを落とし、そのまま突撃する、その時フォーチュンリベリオンが左腰のホルダーからマークインのシステムメモリーを取り出し斜め横の方に投げる、それに引き寄せられる様にスターウェイブがそっちの方向に突撃し壁に激突した衝撃でスターリベリオンは振り下ろされてしまう。

 

「契約クリーチャーにも効果あるんだよね~」

 

マークインは元から使用制限がなく、クリーチャーを引き寄せる、そして使用者の経験によっては相手の契約クリーチャーにもその効果が適用される、ある意味を持って最強クラスの力を持つ、そして相手の武器を奪う「ローブイン」を持つフォーチュンリベリオン……敵に回したら厄介な相手だ…

 

「しかし遅いな~!まだギャラリーが少ないっての…まぁコッチはコッチで楽しませて―――」

 

どうやらフォーチュンリベリオンはそれぞれバラバラに戦ってるリベリオン達をここ1ヶ所に集め壮大なバトルを繰り広げようと企てていた、そのため極力すぐに2人を倒さない様にしていた、もう少しダメージを与えようとフォーチュンリベリオンは飛び上がり拳を振り上げる、その時、ソルリベリオンが壁をぶち抜き転がり込みながら現れる。

 

「やっとだよ、遅いよ~まったく……アレ?ふぅ~ん、これは僕も驚いたを」

 

転がり込んだソルリベリオンの前にハングドリベリオンが現れる、この展開はフォーチュン自身も予想しておらず驚いていた。

そしてハングドリベリオンの姿を見てルナリベリオンは驚く姿勢を見せる。

 

「あっ…アイツはあの時の…何故ここに!?」

 

「知り合いなのか?」

 

それはかつてルナリベリオンはハングドリベリオンと戦いかつて契約していたクリーチャー、「グレイヴォルフ」を失っている(0話参照)驚くルナリベリオンを見てハングドリベリオンは声を掛ける。

 

「誰かと思えば…月の暗示を持ったリベリオンですか、しかし満月は三日月に欠けてしまったと…」

 

その声はややの太くそして丁寧な口調だ。

かつてグレイヴォルフと契約していた頃はムーンリベリオンと名乗っており、文字通り満月(ムーン)からルナ(三日月)に欠けたと言う訳だ。真月を強く握り締めルナリベリオンは勢いよく「ウオオオオ―――!!」と叫びハングドリベリオンに斬り掛かる、しかしそれをハングドナイフで受け止める。

 

「多少は腕が上がった…と言う訳ですか!!」

 

攻撃を防いだハングドリベリオンは真月を弾き、ルナリベリオンをハングドナイフで斬り付け、4m程弾き飛ばす。

 

「それにしても…残り21人と聞き驚きましたよ、私が倒したから少なくとも19人のはずだったのに…手間が増えましたね」

 

かつてハングドリベリオンはソルリベリオンの前任者…サンリベリオン(姫宮灯)を倒しており、フールが追加されなければ残り19人のはずであった、しかしフールの追加、サンリベリオンの後継者、ソルリベリオンの登場により残り人数は21人となった。手間が増えた事に右手で頭を抑えながらソルリベリオンの方向を見つめる。そこへフォーチュンリベリオンが飛び掛かる。

 

「予想外なゲストが来てくれ嬉しい所だけどさ…悪いけど倒されてもらうよ!!」

 

「成程…大人数での戦いがお好みでしたか!!」

 

フォーチュンリベリオンの両手のストレートを難なく受け止めたハングドリベリオンは左腕に持つハングドナイフでフォーチュンリベリオンを刺す様に突く、だがこの程度の攻撃ではビクともしないが少し怯んでしまう。

 

「やっぱ勝つのは簡単じゃないね~でも積極的なのはうれしいねぇ」

 

戦いに積極的な相手が現れ喜ぶフォーチュンリベリオン。それと同時にチャリオットリベリオンと交戦していたフールリベリオンも現れる、背後からチャリオットリベリオンの姿が見える、これで総勢7人のリベリオン使用者が揃った。

 

「やっと来たね…それじゃぁ最高のショーの始まりだ!!」

 

7人のリベリオン使用者が揃い喜びを挙げたフォーチュンリベリオンは左腰のホルダーから「マークイン」のシステムメモリーを4本取り出し2本づつ左右の指に挟み、それを一斉に投げ出す、メモリーがピンクに光出すと同時に……その光に群がる様に大量のクリーチャーが出現した、その中にはかつて現れたビーワスプ、そしてその同族のスズメバチ型のクリーチャー(ビーアーミー)やシャープスネイクやブラッドコブラ、ライノトラスト等……これまで現れたクリーチャーが総勢200体はいる。

 

「んなっ!?こんなに大量のクリーチャーを……」

 

「とんた悪趣味だな…」

 

「ホゥ…面白そうじゃねぇか…これは楽しめそうだなぁ!!」

 

ソルリベリオンとルナリベリオンとスターリベリオンは現れた大量のクリーチャーを目の前にして驚いていた、その中フールリベリオンは大量のクリーチャーを前に感激しながらクリーチャー達に攻撃を開始する、チャリオットリベリオンはその状況を少し様子見している。

 

「さぁ…クリーチャーに食い殺されるか…リベリオンに倒されるか…面白くなりそうだ…」

 

大量のクリーチャーの出現…そして7人のリベリオン…今ここで壮大な戦いが始まる!!次回…第1部最終回!!

 

 

現在リベリオン使用者22人中残り21人

 

 

ToBe Continued……




【今回のリベリオン&クリーチャー】


ハングドリベリオン

【全長】197㎝

【体重】98キロ

【総合ランク】B+

【常設武器】無し

【使用メモリー】
    ↓

【ソードイン】
ハングドナイフ ランクC+
持ち手が逆さの小型ナイフ、1本1本は威力は低いが複数持つ事で力を発揮する。

現在使用者は不明
タロットカードの「THE HANGED MAN」の暗示を意味する。
猿の顔を逆さにしたようなヘッドをしており手足のアーマーも逆さまのデザインをしている。身軽な動きを得意としたスピード戦を得意としており、周囲に吊るされる様にぶら下がる事で相手を翻弄する。


ビーアーミー
ビーワスプの同族でスズメバチ型のクリーチャー ランクD
全体的にビーワスプより鋭い姿をしている。
針を思わせるライフルの様な武器腕が特徴的。


【今回新たに使用されてシステムメモリー】

ルナリベリオン
【シールドイン】
ルナ―ズイージス ランクC-
ブルームーンファルコンの翼を模したシールド、羽根部分が剣の様に鋭く格闘武器としても扱える。

フォーチュンリベリオン
【ローブイン】
ローブトラッシュ ランクE
相手の武器を奪う能力、初期状態から使用回数が多い。

ついに7人のリベリオンがそろい大規模な決戦となりました
それぞれ戦う理由の異なる者同士の戦い…果たしてどんな結末が待っているのか!
そして次は誰が脱落するのであろうか?そして0話で先行登場したハングドリベリオンが遂に本編で登場!果たしてその正体はいかに…
いよいよ次回で第1部最終回…果たしてどうなるのか……乞うご期待!!

感想、指摘あればお構いなくどうぞ~

メインキャラの中で誰が1番好きか?

  • 獅子堂ハルト
  • 三日月伊織
  • 国枝半蔵
  • 黒崎我怨

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