ハイスクール・フリート 旭日のマーメイド   作:破壊神クルル

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7話 参考人

 

海上安全整備局本部へ先日のアメリカ海軍新鋭艦強奪事件の参考人として事情聴取へと向かったもえかと真霜はひょんなことから収監したテロリストの脱獄騒動に巻き込まれた。

留置場から脱獄したテロリストは外部にも協力者が居り、海上安全整備局本部ビルの一部を爆破し、もえかと真霜はあわやそのテロリストに殺されそうになった時、櫛名田の乗員達は謹慎命令が出ていたにもかかわらず、もえかを助けにやって来た。

テロリスト達には逃げられてしまったが、もえかも真霜も無傷で無事だった。

しかし、上からの命令を無視し、自分達の命を危険にさらしてまで自分を助けに来た櫛名田の皆に向かってもえかは、

 

「艦長に心配させるなんて‥‥皆‥‥皆‥‥大っ嫌いだ‥‥」

 

と、まるで癇癪を起したかのように泣きわめき、助けに来た幸子達を困惑させた。

 

事情聴取は会場である海上安全整備局本部ビルが脱獄騒ぎで爆弾が使用された事でとても今日、これから事情聴取を出来る状況ではなくなったことから後日、場所を変えて行われる事になり、今日の日は事情聴取が行われる事無く解散となった。

泣きわめく艦長の姿を流石に他の乗員に見せる訳にはいかないので、もえかには幸子が付き添い、櫛名田のもえかの部屋である艦長室でもえかが落ち着くのを待った。

幸子はもえかの為に自前のコーヒーサイフォンを艦長室に持ち込み、それでコーヒーを淹れ、砂糖とミルクを多めにしたカフェオレを作りもえかに手渡した。

 

「艦長、どうぞ。カフェオレです。まずは気分を落ち着けましょう?ねっ?」

 

「‥‥うん‥納沙さんありがとう‥‥」

 

「いえいえ」

 

もえかは幸子から手渡されたカフェオレを一口飲み、幸子も自分が淹れたコーヒーを飲む。

 

(コーヒーサイフォンとコーヒーはお姉ちゃんを思い出す味と匂いだ‥‥)

 

「‥‥その‥さっきはゴメンね‥‥みっともない姿を見せちゃって‥‥」

 

コーヒーの香りと幸子の淹れたカフェオレを飲んで少し落ち着きを取り戻したもえか。

 

「そんな事ありませんよ。命の危険にさらされたんですからパニックや混乱するのは当たり前ですよ」

 

幸子はもえかが取り乱した理由がテロリストに殺されそうになったためかと思った。

しかし、本当の理由は自分の母親や葉月の様に目の前で失うのが怖かったのだ。

 

「‥‥ねぇ、納沙さん」

 

「はい?何ですか?」

 

「‥‥納沙さんはお姉ちゃ‥‥いえ、先任を探していたみたいだけど、それはどうしてかな?」

 

「‥‥あの‥その‥‥」

 

もえかが幸子に葉月に会いたい理由を訊ねる。

すると、幸子は体をもじもじさせ始めた。

 

「の、納沙さん?」

 

「あの‥‥艦長には申し訳ないんですけど‥‥その‥‥」

 

「うん」

 

「私、実は先任と関係を持ったことが有るんです!」

 

「えっ?」

 

「それで‥‥また先任と会えたら、その‥‥抱いてもらいたくて‥‥それにコーヒーの淹れ方も教えてもらいたくて‥‥」

 

「‥‥」

 

もえかとしては幸子が葉月と関係を持ったことが信じられなかった。

あの実習中にもえかは葉月と何度か関係を持ったがまさか幸子とも関係を持っていたのは寝耳に水だった。

 

「‥‥納沙さんは‥その‥‥どういう経緯で先任と‥‥?」

 

「‥その‥‥大変申しにくいんですが‥その‥‥艦長と先任が‥やっている所を偶然に目撃して‥‥先任に抱かれている艦長を見て‥‥わ、私も先任に抱かれたくて‥‥」

 

「‥‥」

 

もえかとしては思い当たる節は幾つもある。

そのどれかを幸子に見られたのだ。

 

「あっ、でも決して先任からではなく、私から先任を誘ったんです。ですから、先任は悪くないんですよ」

 

「そ、そう‥‥」

 

もえかはマグカップに視線を移す。

先任‥葉月はもうこの世にはいない‥‥

葉月はその事を黙っておいてくれと遺書に残していた。

その秘密は今日まで守られており、葉月の死を知っているのは一部の人間に留まっている。

このまま幸子には葉月の死を黙っていた方が良いのかもしれない。

でも、自分と同じ、葉月を慕う者として、葉月の死を知った方が良いのかもしれない。

そんな葛藤がもえかの心の中でグルグルと思考を巡らせる。

しかし、あの時と違い自分達はもう学生ではなく社会人となっている。

葉月の事を教えてもいいのではないだろうか?

幸子はあの実習以降ずっと葉月の行方を探している。

ならば、真実を教えてあげてもいいのではないだろうか?

 

「‥‥納沙さん」

 

「はい?なんですか?」

 

「‥‥納沙さんには辛い話になるかもしれないけど‥‥」

 

「えっ?あっ、ま、まさか『おのれぇ、ワシの女に手を出すとはいい度胸だな』的な美人局を‥‥」

 

「違うの!!」

 

もえかの大声で思わずビクッと体を震わせる幸子。

 

「艦長?」

 

「違う‥‥違うの‥‥納沙さん‥‥先任は‥‥お姉ちゃんは‥‥もう‥‥死んでいるの‥‥」

 

「えっ?」

 

もえかの言い放った葉月は死んでいるという発言に幸子は固まる。

 

「い、いやだなぁ~艦長、変な冗談はやめてくださいよぉ~」

 

幸子はぎこちない笑みを浮かべながら、やや震える声で言う。

 

「本当なの‥‥お姉ちゃんは武蔵との戦いで、艦橋の被弾時に私を庇って‥‥」

 

「‥‥」

 

「私が今日、あんなに取り乱したのはお母さんやお姉ちゃんの時の様な経験を‥‥私のせいで目の前で大事な人が傷ついたり、死んじゃったりするのを見たくないからの‥‥あの男が拳銃を突きつけた時も私が殺されることよりも納沙さん達が殺される方が怖かった‥‥」

 

「か、艦長‥先任が亡くなったって本当なんですか?」

 

「‥‥」

 

もえかは頷いた後、マグカップをテーブルに置いて、デスクの引き出しから一通の古びた封筒を取り出し幸子に差し出す。

それは葉月が残した遺書だった。

もえかは葉月の遺書を形見として受け取っていた。

震える手で葉月の遺書を受け取り、中身を読む幸子。

 

「‥‥」

 

手紙の内容を読んでいる幸子の手が心なしか震えている。

 

「納沙さんがブルーマーメイドになってからお姉ちゃんと出会っていない理由はそう言う事なの‥‥」

 

「先任‥‥」

 

葉月の遺書を読み、目にジワッと涙を浮かべる幸子。

 

「これまで、お姉ちゃんの死を納沙さん達に隠していた事については本当に悪いとおもっているけど、私はお姉ちゃんの最後のお願いを守りたかった‥それに高校生だったあの時、お姉ちゃんの死を知ったら、皆がきっと心に深い傷を負ったと思うの‥‥それはきっとお姉ちゃんは望んでいない筈だった‥だから、お姉ちゃんは自分の死を隠せるだけ隠してほしいって遺書に書いたんだと思う」

 

「‥‥」

 

「でも、私達はもう、学生じゃない‥‥社会人として、ブルーマーメイドとして働いている‥皆、あの頃と比べて強くなった‥今日、あんなことがあったから、納沙さんに知ってもらいたかったの‥‥」

 

「艦長‥‥」

 

「お姉ちゃんの死を黙っていたことがどうしても許せないって言うなら、納沙さんが満足いくまで私を殴ってもいい‥罵倒してもいい‥‥私は何年も納沙さん達を裏切ってきたんだから‥‥」

 

「いえ‥いえ、艦長は先任との約束を守っただけに過ぎません‥‥艦長は何も悪くはありません」

 

幸子はもえかをギュッと抱きしめる。

 

「納沙さん‥‥」

 

「艦長‥辛かったですよね?目の前で先任が亡くなって‥‥先任との約束を守って、これまでずっと黙って来たんですから‥でも、艦長の仰る通り、私達はもう学生ではありませんし、あのころと比べて強くなりましたから大丈夫です」

 

「納沙さん‥‥ありがとう‥‥」

 

もえかも幸子をギュッと抱きしめ返した。

 

「納沙さん‥‥」

 

「はい?」

 

「納沙さんにお姉ちゃんの死を教えたように櫛名田に居る元天照のクラスの皆にもお姉ちゃんの死を教えようと思う‥‥」

 

「そう‥ですか‥‥そうですね‥私の様に先任の事を気にしていた方もいましたから‥‥」

 

「納沙さん‥‥」

 

「はい?」

 

「ありがとう‥納沙さんのおかげで少し元気になれたよ」

 

「‥艦長の補佐をするのが副長としての役目ですから」

 

 

その後、もえか櫛名田にある会議室にて、元天照のクラスメイトだった乗員を集め、葉月の死を皆に教えた。

幸子同様、葉月の死を最初に知った元クラスメイト達は信じられなかったり、動揺する者が居た。

しかし、どんなに否定しようが、葉月が死んだ事には変わりないし、葉月は生き返らない。

やがて暫しの時間が経ち、皆は落ち着きを取り戻した。

もえかと幸子の言う通り、皆はもう高校生ではなく、社会人‥ブルーマーメイドなのだ。

広瀬葉月と言う人物が確かにあの実習の時に居て、自分達に様々な経験をさせてくれた。

皆が忘れない限り、葉月は皆の心に生き続けている。

皆は葉月の死を受け入れた。

 

 

後日、海上安全整備局から通達があり、改めて今回の事件の事情聴取を執り行う旨の通達が届いた。

会場は場所を変えてブルーマーメイド本部のビルとなり、先日起こったテロ事件により警備も厳重となっていた。

そして、今回の事件の事前報告と現時点で判明している所までの報告がなされた。

 

「調査は依然継続中でありますが、今後の調査委員会の対応を決定するためにも現時点における事故の詳細の纏めは急務となっております」

 

(事故!?)

 

もえかは報告を行っている海上安全整備局の幕僚の報告の中にあった『事故』と言う単語に引っかかるものを感じた。

 

「本日は参考人として事故当時、近海におりました。ブルーマーメイド所属、巡洋艦 櫛名田の知名もえか艦長に出頭を願いました」

 

もえかは呼ばれて傍聴席から証人席へと移動する。

 

「さて、知名艦長。事故の経緯から‥‥」

 

「その前に一つ質問をよろしいですか?」

 

「ん?なんだね?」

 

「私が召喚されたのは、軍所属艦への攻撃と言う敵対行為とも捉えかねない行動に関する処罰‥と言う事で間違いないのでしょうか?」

 

「知名艦長、参考人は勝手なはつげんを‥‥」

 

進行役の幕僚が注意しようとしたら、

 

「敵対行為?それはどういう事かな?」

 

「参考人の発言の意味が不明なのだが?」

 

「今回わざわざ知名艦長に出頭を願ったのは、事故により航行不能となったアメリカ海軍の第一発見者としての意見を述べてもらいたいと言う事だ」

 

(バカなっ!?あの戦闘が無かったとでもいうの!?)

 

「お言葉ですが、先日、アメリカ海軍の最新鋭艦がテロリストによって強奪されたと言う報告を受けたばかりなのですが?今回、私が艦長を務める櫛名田が攻撃したのはその最新鋭艦だったと記憶しているのですが?」

 

「最新鋭艦がテロリストに強奪?何を言っているのかね?そんな事実はない」

 

「そんな筈は‥‥」

 

「アメリカ海軍からの通達と何か別の情報が混同してその様な報告になったのではないかね?」

 

(何年経ってもこの組織はやはり変わらないわね)

 

傍聴席に海上安全整備局の幕僚達の言葉を聞いていた真霜は葉月が‥天照がこの世界に転移してきた時からの隠蔽体質が変わっていない事に呆れた。

 

「君の言う、軍所属艦に対する攻撃‥及び対艦噴進弾への使用に関する報告を我々は受けてはいない」

 

海上安全整備局の幕僚らはアメリカ海軍と取引でもしたのか、あの最新鋭艦の強奪自体無かったと言い、あの艦は低気圧の中を航行中にエンジントラブルを起こしたことになっていた。

 

「待ってください!!」

 

「ん?どうしました?参考人」

 

「私は納得できません」

 

「はぁ?」

 

「私は今回の事件の全てを証言する為に今、この場に立って居ます。ですが、これまでの説明では、証言どころか‥‥」

 

「知名艦長には、あくまで参考人として立ち会ってもらっている。発言は求められた時だけにしてもらいたい」

 

「その通り、君が納得する必要などないのだよ」

 

「あまりキャンキャン吠えるとまるでヒステリーを起こしているようにも見えるぞ」

 

「くっ‥‥」

 

海上安全整備局の男性幕僚らの言葉にもえかは思わず下唇を噛む。

 

「大体、先日における櫛名田乗員らの整備局敷地内への不法侵入‥あれこそかなりの問題行動だと思うのだが?」

 

「それに葉山法務官への暴行及び監禁問題もあるのだが?どうなのかね?」

 

「法務部では、櫛名田乗員全員の配置転換、引いては海上警備資格の剝奪も検討されていると聞くぞ」

 

「もし、そうなればもう二度と艦には乗れなくなると言う事だ」

 

「まぁ、ブルーマーメイドとは言え、役職は様々だ。陸上勤務もすぐに慣れるさ」

 

「それが組織内での規律と言うモノだ」

 

「我々が行っている事は遊びではない。一つ対応を間違えれば国際上重大な問題に発展しかねないと言う事を君程の秀才ならば理解できると思うが?」

 

口元を僅かに上げ、ニヤついた笑みを浮かべながら言い放つ男性幕僚達。

更に、そこへ援護射撃をするかのように、

 

「恐れながら、その件についてこの私、ブルーマーメイド法務部所属、葉山隼人が補足させていただきます」

 

葉山が手を上げ、傍聴席から意見を述べる。

 

「彼女らに対するこれまでの規定違反について、我々ブルーマーメイドも重く受け止めておりまして、この私の判断と指示で櫛名田全員の懲戒免職処分が決定されつつあります。これは私が今回のテロ事件に対する実直な対応と組織の規律を守る為の‥‥」

 

葉山が海上安全整備局の幕僚らに媚を売っていると、もえかは葉山の発言の中に突破口を見つけた。

 

「そう、テロ‥‥」

 

「ん?」

 

「先程、葉山法務官が仰ったようにそのテロの実行犯は何故海上安全整備局本部ビルでのテロ活動が可能だったのですか?」

 

「なんだと!?」

 

「あのテロの実行犯は最新鋭艦の事故の際、私達の協力の下、救助された乗員だった筈です。アメリカ海軍の最新鋭艦が事故で航行不能となったのであれば、当然乗組員はアメリカ海軍の軍人‥ならば、何故、アメリカ海軍の軍人が海上安全整備局の本部ビルを爆破する必要があるのです?」

 

「‥‥」

 

もえかの問いに答えられる者はおらず、もえかは発言を続ける。

 

「あの艦の乗員は救助後、海上安全整備局本部の留置場へと留置された筈‥だからこそ、本部でのテロ行為が可能だった筈‥‥ここで問題なのは彼らが乗っていたのがアメリカ海軍の最新鋭艦だったと言う事‥‥まさか、アメリカ海軍が正規の軍人ではなく、テロリストを代わりに乗せて試験航海をしていた‥‥そんな筈がありませんよね?」

 

「だ、黙り給え!!」

 

「君の発言を許可した覚えはないぞ!!」

 

「そもそもそんな記録は存在しない!!」

 

「そちら(海上安全整備局)の記録には残っていないのでしょう。ですが、私達は救助した後、その乗組員を取り調べ、詳細を入国管理局へ報告しております」

 

「つまり、入国管理局にはアメリカ海軍の最新鋭艦に乗っていたのは国籍不明のテロリストであるという記録が残っていると言う訳だな?」

 

「はい。勿論、報告をする際、報告書を作成した櫛名田のコンピューターにもその記録と履歴が残っています。そして、葉山法務官への暴行、監禁についても艦橋内に設置されているブラックボックスにあるボイスレコーダーがその経緯を記録してあります」

 

「なるほど、君達の規定違反を処分するためにはテロの詳細を明らかにしなければならず、それは単なる事故である筈の最新鋭艦の事例に致命的な疑問点を生み出す‥‥そう言う事だな?」

 

「それに葉山法務官への暴行及び監禁については音声記録があり、何故そうなったのかの経緯が判明する‥と‥‥」

 

「その通りです」

 

「我々やアメリカ海軍と取引でもするつもりか?」

 

「‥‥」

 

もえかとしては自分一人の処分は覚悟していた。

しかし、櫛名田全員の処分を免れる為には彼らが行おうとしていた今回の事件の隠蔽‥それを黙って受け入れるしかなかった。

 

「‥‥櫛名田乗員の施設内への侵入に関しては、何ら確証はなく、アメリカ海軍への最新鋭艦事故への質疑もこれ以上は不要とする。本日の聴取はこれまでとする。参考人の協力に感謝する‥‥以上」

 

海上安全整備局の幕僚はもえかと視線を交わし、もえか達櫛名田乗員の処分を見送る見返りとして今回の事件を単なる事故として処理し、葉山に対する暴行及び監禁についても無かった事になった。

 

「そ、そんな~私の立場は‥‥?」

 

葉山をオロオロしながら呟いた。

 

会場を後にしたもえかは真霜の運転する車に乗り、車窓から外の景色を見ていた。

 

「どうしたの?処分が免れたのに不服そうな顔ね」

 

車窓を見ていたもえかは明らかに不機嫌そうな顔をしていた。

 

「‥‥私は皆を守るためとは言え、あの人達に加担した‥‥今回の事件を単なる事故として処理する事に目をつむってしまいました。これではあの時、必死で戦った皆になんか申し訳なくて‥‥」

 

皆の頑張りを無碍にする様な今回の行為に対してもえかは自己嫌悪さえ覚えていた。

 

「でも、結果的に貴女は櫛名田の皆を守る事が出来た。それにあの男にも墓穴を掘らせることが出来た‥‥隠蔽体質っていうのは見ていてムカつくけど、時にはほんの少しだけ役立つ時もあるのよ」

 

「えっ?」

 

「公然と墓穴を掘ったあの男を、海上安全整備局のお偉いさん達が黙って見ていると思う?」

 

「?」

 

真霜の言葉に首を傾げるもえかだった。

それからすぐに櫛名田の謹慎命令は解除された。

そして法務官の葉山であるが、彼は突如異動を命じられた。

しかも場所は、出世コースから大きく外れた離れ小島の小さな港町‥‥

詳しい理由は話されなかったが、事実上の左遷と事で当然、真白との婚約も解消された。


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