ポケモントレーナー ハチマン   作:八橋夏目

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今のインフルエンザってタミフルとか点滴とかしなくていいんですね。
粉吸い込むだけでいいとか、科学の力ってすげぇー。


60話

 ユイガハマが主導でミウラを落ち着かせている間、俺はミウラからボールを拝借し、何故かイッシキと一緒に回復マシンに持って行った(何故かって? そりゃ、マフォクシーがゲッコウガに肩を貸しているかららしいぞ)

 

「せんぱい、やっぱり強いですねー。あのミウラ先輩のポケモンを六体とも倒しちゃうなんて」

「まあ、そうだな。切り札を切り札らしく出してきてたけどな」

「でもあっさり倒しちゃってましたよね」

「そりゃ、来ると分かってたからな。最初から勝算はあった。ただあのバトンタッチは意外だったけど」

「ほえー、先輩でもあれは予想してなかったんですねー」

「お前は俺をなんだと思っていやがる」

「聞きたいですか?」

「いや、やめておく。聞きたくない」

 

 聞いたら絶対立ち直れなくなりそうだもん。ま、そこまではないだろうけど。

 

「んもぅ、でもそういうところ。嫌いじゃないですよ?」

「………言ってろ」

「………先輩、さっきの話って本当なんですか」

 

 急に声のトーンが変わったな。

 ついてきた理由はこっちか。

 

「ああ……」

「………先輩は………、私たちの味方ですよね?」

「どうだろうな………」

 

 あのハヤマが敵に落ちてたくらいだ。相手は相当のやり手。いつどうなるか俺も分からない身。

 あるいはイッシキたちが洗脳されるって可能性もあるか。

 どちらにせよ、油断は禁物である。

 

「嫌ですよ? 先輩と戦わないといけないとか」

「まあ、多分そういうことにはならんだろうな。なったら、そりゃ俺がフレア団に操られている時だ」

 

 そうだな、お前らは絶対にフラダリの手なんかに落としてやるもんか。

 ハヤマではないが、落とされるなら俺一人でいい。

 

「縁起でもないこと言わないでくださいよ!」

「………別に事実だろ。現にハヤマは操られていた。それに気がついたのも昨日のこと。それまでただの違和感にしか思ってなかったんだ。案外、洗脳ってのはそういうもんなのかもしれんぞ」

「………だったら、教えて下さい」

「ん? 俺が? 何を?」

「決まってるでしょ! 先輩が敵になった時に倒せるように私にじわれを教えてください!」

 

 あれー? この子、俺が敵になった場合真っ先に倒しにくるつもりだぞ?

 やべぇ、これはマジで俺まで罠に落ちるわけにはいかねぇわ。

 

「ばっかばか。俺がコマチを置いていくわけがないだろう。仮定の話なんだし、そう熱くなんなって」

「冗談に聞こえないからじゃないですか! 先輩はいちいち回りくどいですから、この際何でもいいのでじわれを教えてください!」

「はあ………、全く………」

「ふぇっ!?」

 

 なんだよ、「ふぇっ!?」って。あざといじゃねぇか。

 ただ頭撫でてるだけだろうが。こういう時はよく頭撫でろとか言ってくるし、たまには先に動いてもバチは当たらんだろ。むしろ褒め称えろ。

 

「………最近のイッシキの成長は著しい。刺激がいい方向へと向かっていってる証拠だ。ただ、それが止まった時、お前は恐らく意気消沈する。そのキッカケが何になるのかは俺にも分からん。だがそれ以上に、フレア団と鉢合わせしたとしてもユキノシタの背中を守れる存在になると俺は思っている。だから俺はお前にかけることにした」

「………なんで、そこに先輩がいないんですか……………? 先輩、やっぱり………算段があるって、そういうことなんですか!?」

「あくまでも仮定の話だって。ただ、俺はフレア団に目をつけられている。いつ排除しに来てもおかしくはない。俺だけならなんとかなるが、俺の知らないところでお前らを人質に取られたら、俺には従わざるを得ない状況になってしまう。だが、まだユキノシタがいる。ユキノシタがいるから大丈夫だとは思うが………、お前も知っての通りあいつは『背中』が弱点だ。俺がいない時にあいつの背中を守れるのはお前しかいない」

「………せんぱい、まだ何か隠してますよね。言ってください。私は………まだまだ先輩と一緒にいたいです」

「………今日の夕食と明日の会議。取り敢えずこの二つが終わってみないことには俺の算段も変わってくる。だから今はまだ言えん」

 

 隠してるわけじゃないのよ。

 まだ何も決まってないのよ。

 

「………だったら明日の夜、聞かせてください!」

 

 明日の夜か。

 まあ、それで打つとするか。どうせ決まってないで済ませばいいだろ。

 …………本当に決まらなかったらどうしようか。

 

「そうだな。明日な」

「絶対ですよ! あと、じわれもよろしくです!」

 

 なんだこいつ、かわいいじゃねぇか。

 涙目で精一杯の笑顔とかどんだけあざといんだよ。一瞬落とされそうになったわ。さすがいろはす。あざとかわいいは伊達ではないな。

 

 

 

   ✳︎   ✳︎   ✳︎

 

 

 

 夜。

 受け取ったメールに書かれていたレストランに行くとすでにカツラさんがいた。

 

「来たか」

「………もう少し早めに来た方が良かったですかね」

「なに、構わんよ。時間ぴったりなのだ。遅れたわけじゃない。私が少し早めに来てしまっただけのこと」

 

 というか個室で取れたんだな。

 ここどんだけ高い店なんだ?

 

「さあ、まずは好きなものを頼むがいい」

「はあ………んじゃ、そうさせてもらいます」

 

 カツラさんの向かい側に座り込み、メニューを眺める。

 

「それにしても君は相変わらず事件に巻き込まれてるようだな」

「そうっすね。行くとこ行くとこ面倒ごとが増えてく一方で、正直外に出るのが億劫ですらありますよ」

「そこも変わっとらんな」

 

 取り敢えずベルで店員を呼ぶ。なんだよ、今時ベルって………。

 静かにやってきた店員に適当に注文し、一息吐くとカツラさんが口を開いた。

 

「君に頼まれていた薬、一応完成はしているぞ。ただ、まだ試験段階でな。一般普及の目処も立ってなければ実際に使ってすらいない。どうなるかは私でも保証しかねる」

 

 すっと出された小さな箱をパカッと開いた。

 中には結婚指輪、ではなくカプセル式の薬が一錠入っていた。

 

「それでもありがたいですよ。今後どうなるか分からないし、あいつの覚醒した力が必要になってくるかもしれませんから」

「ふむ………、それにしてもポケモンとの意識の共有か………。まだまだ私の知らない事例があるのだな」

「そりゃ、ポケモンには謎が多いですからね。今解明できているのもほんの一部にしか過ぎませんし」

「進化にタマゴ、特性にフォルムチェンジ、その上をいくメガシンカ、それとZ技なんてのもあったりする。こうしてみるとポケモンには様々な姿があるのだな」

 

 ん? Z技?

 聞いたことないな、それは。

 

「………今回のはあくまでも『特性』らしいですよ。俺もよく分かってないですけど、かつてのカロス地方で一度確認されたんだとか」

「ふむ……、それでなんだったかな。そのポケモンの名は」

「ゲッコウガですよ」

「というと………ゼニガメやワニノコたちと同じ特性、げきりゅうを持つポケモンだったな。………そうか、確かにそれは少し謎であるな」

 

 俺の疑問にもすぐに気づいてくれるとか、この人やっぱすげぇわ。

 さすが元ロケット団の研究者。

 ミュウツーの生みの親は伊達ではないな。

 

「俺の知る限り、げきりゅうを持つポケモンは特性を二種類しか持っていないはずなんですよね。けど、コンコンブルっていうメガシンカを継承している博士が言うには、ゲッコウガにはさらにもう一つの特性があるのかもしれないって話なんです」

「かつて起きたゲッコウガの現象、か。まずは君のゲッコウガについて詳しく教えてくれないか?」

「はあ………いいですけど、プラターヌ博士によると俺の前に一度トレーナーのポケモンになってたらしいんですよ。ただ性格が難しくて、しかも特性がげきりゅうじゃなくてへんげんじざい、使う技のタイプに変化していく変わった特性を持っていて扱いきれなかったらしいですよ。ポケモンもトレーナーもお互いを見限ったみたいです」

 

 思い返せば、出会いからして酷いものだったよな。

 気づいたら人の頭を寝床にするわ、技なんて三つしか使う気なかったりだとか、育てやすいポケモンであるはずなのに扱いの難しい珍しい特性、へんげんじざいの持ち主だったり。

 あと、ボールに入るのもあまり好きではないみたいだし。シスコンもか。

 

「なんというか………、よくもまあ君はそんなポケモンの能力を最大限まで引き出してるのだな………。さすがというかなんというか………」

「一度見た技は自分にあっていればどんな技でも使えたりと癖は強いですけど、強いことに変わりはないですから。それに周りの奴らは似た者同士だって言ってますよ」

 

 いつの間にか新しく技を覚えてたりもしたな。

 さっきもとんぼがえりを覚えてやがったし。

 どういう脳細胞をしてるんだか…………。

 で、そんなポケモンが俺と似ているんだとか。全く似てないと思うんだがな。あいつは出来すぎている。

 

「ふむ………それが一番分かりやすい評価であるな。それで、その意識を共有する現象というのはどういったものなのだ?」

「意識、というか視界がゲッコウガになるんですよ。それに攻撃を受けると痛みを感じますし、感覚も共有してるってことでしょうね。後は体感的にメガシンカに近い感じですかね。姿は見れないのでどうなってるのか分かりませんけど、取り敢えず水のベールに包まれています。ただ、これが本来の姿ではないですね。この水のベールが取れた時こそ、本来の姿になる。俺はそう考えてます」

 

 しかも挙げ句の果てには謎の現象まで起こし始めるし。感覚的には進化を超える進化、メガシンカって感じなんだけど。あれも一種のフォルムチェンジみたいなもんだし、コンコンブル博士が言うには特性による変化だって言うし。何なんだろうな、いやマジで。

 

「視界・感覚の共有。メガシンカに近い現象………。水のベールで覆われているのはまだ未覚醒の状態…………」

 

 うんうん唸るカツラさん。研究者のスイッチでも入ったのだろう。

 しばらく考え込んだかと思うと再び口を開いた。

 

「………一つ、今の話を聞いて立てられた仮説がある」

「というと?」

「君のゲッコウガはメガシンカのシステムを特性で行おうとしているのではないだろうか」

 

 特性でメガシンカ?

 んなの聞いたことがないぞ。

 

「メガシンカを特性で? それはさすがに無理があるんじゃ…………。メガシンカにはキーストーンとメガストーンが………あれ? そういや前にプラターヌ博士と話をした時にメガシンカに必要な二つの石はあくまでも絆を一定に保つためのものであって、必須なのはお互いの絆じゃないかって話にもなったな…………」

 

 いや、でもあの変人博士が提唱したメガシンカのシステムに必要なのはポケモンとトレーナーの絆だって言ってたし。俺も博士もメガシンカに必要な二つの石はただの安定剤だっていう可能性も視野に入れてるし……………。

 やはりメガシンカはポケモンとの絆が必須であり、他はただの装飾にすぎなのかもしれない。

 

「それを踏まえて考え直しても辻褄は合うと思わんか?」

「まあ、そうですね。大事なのは絆であって石ではない。けど、ならどうして特性からそんなことが?」

「恐らくへんげんじざいが鍵なのかもしれん。あの特性は君の言うように使う技のタイプに自らを変えるもの。だが、そこに君との絆が絡むことにより自らの姿と能力を変える作用が働くようになったのではないだろうか。名付けるならば『きずなへんげ』と言ったところか」

 

 きずなへんげ、か………。

 実感沸かねぇな。俺とゲッコウガに絆とか………。

 まあ、確かに? 俺の考えてることは大体伝わってるみたいだし? 以心伝心とまではいかないにしても、それなりの信頼? はどちらも置いていると思うぞ。けどやっぱりな………。

 

「いくつか確認させてもらってもいいですか?」

「うむ、なんでも聞けい」

「水のベールをカツラさんならどう説明します?」

「今の仮説を踏まえて考えるのなら、進化の光といったところだな」

 

 進化の光、というかメガシンカのあの白い光と見た方がいいのか?

 どちらにせよ、進化の途中で戦えるとかすげぇな。

 

「なら、視界と感覚の共有は?」

「恐らく現在のメガシンカに使う二つの石を使わない代償、といった感じか」

 

 確かに、あの代替物がなかった場合はそうなるのかもしれん。だが、二つの石無しでメガシンカなんてしたことがないからよく分からんな。

 

「嫌な代償だな。んじゃ最後、カツラさんが作り出した薬がない時代、どうやってそこにたどり着いたと思います?」

「そこなのだよ………、私もそこだけはどうにも分からない。ただ、進化の過程で特性が変化したって可能性もある。元々はげきりゅうでゲッコウガに進化した時に何らかの作用が働き、特性が『きずなへんげ』に変わった、なんてこともあるのかもしれない。あるいは私が仮説の通りへんげんじざいの形の果てか」

「………げきりゅうの理論でいくとへんげんじざいが鍵だってのはおかしくないですか?」

 

 訝しむようにカツラさんを見るとニヒッと不敵な笑みを浮かべてきた。グラサンスキンヘッドでその不敵な笑みは恐怖しか覚えないので是非やめていただきたい。

 

「研究なんてのはそんなものだ。まあ、なんにせよ、君とゲッコウガは出会うべくして出会ったのだろう。私の作った薬が上手く働けばいいが、逆にげきりゅうに戻る可能性もある。そこだけは頭に入れといてくれ」

「はいはい、そこは承知の上ですって。あ、そうだ、お礼と言っちゃなんですけど、これ………」

 

 そう言って俺はゴージャスボールを取り出すとカツラさんの前に置いた。

 

「これは………」

「俺が連れてるよりもカツラさんが連れてた方がいいでしょ。元々はカツラさんのポケモンなんですし」

 

 中には暴君様が入っている。

 元々連れてくる予定のなかったポケモンだ。それを奴自らが連れて行けと言ってボールに収めていただけの関係。こっちに来てからフレア団に絡まれるようになり何度が使ったがやはり俺ではこいつの最大限の力は引き出せそうにない。

 

『………いいのか?』

「なんだ、起きたのか? いいも何も元々お前はカツラさんのポケモンだろうが。俺といるよりもカツラさんといる方がお前のためだ」

『………そうか、死ぬなよ』

「はっ、誰に言ってる。俺はお前がテレパスを送る数少ない人間だろうが。そんな奴がそう簡単に死ぬとは思わないで欲しいな」

『それもそうだな』

「………ハチマン、君は本当によく分からない男だ。私やレッド、それにイエローくんにしか送らないテレパスを受け取ることを許されていたとは」

「でもカツラさんほどこいつを上手く使ってやるのは無理みたいですよ」

「ふっ、これも何かの縁だな。メガシンカを知ってからというもの、兄弟にもできないか密かに研究していた。それで完成したのがついこの前のこと。そしてこちらに来て早々に我が兄弟に出会えるとは………。私も戦う運命にあるということなのだな」

 

 まさかのミュウツーにもメガシンカかよ。驚きを通り越して草生えそう。

 

「メガシンカ、できるんですか?」

「ああ、その過程で君に渡した特性カプセルも完成したのだ」

 

 やべぇ、パネェ。

 この人、マジで何者なんだよ。ただの研究者にしておくのはもったいなくないか?

 や、ミュウツーを造り出したような人だけどさ。ある意味伝説だわ。

 

「だから二つ返事で了承してくれたんすね…………。はあ………、ほんとカツラさんはすごいっすね」

「研究に夢中になるあまり、ロケット団に入り、イーブイやギャラドスの実験を経て兄弟を造り出してしまったが、今ではそれで良かったのかもしれぬ。あのままロケット団にいては碌な人生を歩んでいないだろう。いいキッカケになった」

「そうっすね………。ロケット団と関わると碌な人生歩みませんからね」

 

 サカキと出会わなければ俺ももっと表の世界にいれたのかもしれない。だが、まあそれは仮定の話であって現実には過ぎた話。今更とやかく言ったところで何も変わらない。

 

「サカキも…………巨大隕石の件で改心してくれるといいんだが」

「そりゃ、無理な話じゃないですかね。今のロケット団は昔と違って誰かさんの息子と決着をつけるためだけにあるようなもんですから」

「………ある意味、あの男も丸くなったということか」

「どうでしょうね。性根から腐った人間ですし」

 

 はあ………、どうしてこう人の悪口というのは会話が弾むのだろうか。

 人間のよく分からない部分だよな。

 

「失礼します」

 

 ようやく俺が注文した品物がきたようだ。

 それからは昔話やカツラさんの研究の話で盛り上がった。

 

 

 

   ✳︎   ✳︎   ✳︎

 

 

 

 そんな時期が俺にもありました。

 現在、俺はカツラさんに連れられ、16番道路のはずれ、南の雑木林に来ている。もう夜も深まってきており、辺りは月明かりが少しあるくらいの真っ暗である。

 俺たちがここにきた理由は一つ。暴君様とのバトルの相手をして欲しいんだとか。まあ、野生のポケモン相手に暴れる暴君様でもないし、自ずとトレーナーの方がバトル相手としてはいいんだろうけど。

 

「すまんな。私も久々なもので上手く使ってやれるか心配でな」

「いいっすけど、勝てたことないからなー」

「ふっ、我が兄弟は強いからな。いくぞ、ミュウツー!」

 

 俺の渡したゴージャスボールから出てきたのは久々に俺も姿を見る暴君様。

 リザードンをメガシンカさせる時にバトルしてたけど、勝てなかったからな。素で勝てないとかさすが暴君様である。

 

「リザードン、最後に一発暴れてやれ!」

「シャアッ!!」

 

 いやー、気合たっぷりですね。

 

「リザードンか。懐かしいな」

「そりゃ、あれからだいぶ経ってますからね。今のこいつはカツラさんの知っているリザードンじゃないですよ」

「だろうな。君たちが成長していないはずがない」

「んじゃ、行きますよ。リザードン、えんまく」

「早速か。ミュウツー、サイコウェーブ」

 

 真っ先に黒煙を吐くとすぐに対処してきた。

 サイコウェーブによる竜巻を作り出し、黒煙を一掃。ほんの一瞬でやり遂げるとはさすがは暴君。

 

「りゅうのまい」

 

 まあ、その間に竜の気を作らせていただきましたけど。

 

「突っ込め」

 

 サイコパワーで作り出したスプーンを片手に一気にリザードンの元まで距離を詰めてきた。

 

「ドラゴンクロー」

 

 振り降ろされたスプーンを左の竜の爪で弾き、懐に潜り込む。

 

「シャドークロー」

 

 今度は右の影から伸び出る爪で反撃。

 だが、それもスプーンの先で受け止められた。

 

「そのまま掴んでバランスを奪え!」

「ぬぅ、ミュウツー、サイコキネシス!」

「くっ…………」

 

 さすがにミュウツーのサイコキネシスを破るのは無茶だよな。

 となるとどうするべきか。

 

「はあ………ちょっと早いが、リザードン。メガシンカ!」

 

 メガシンカの光で破り、反撃をするしかあるまい。

 

「バリアー!」

 

 バリアーとは言っているがあれは確かバリアボールだったか?

 バリアーを球体にして身を包むことで、ぶつかったものを全て弾きかえす。

 メガシンカのエネルギーもその類を出ないようだ。おかげで超念力からは解放されたけど。

 

「シャドークロー」

 

 白い光に包まれ姿を変えたリザードンは地面に黒い爪を突き刺して、ミュウツーの背後にいくつもの影の爪を作り出す。

 

「後ろだ! なぎ払え!」

 

 スプーンで爪を薙ぎ払っていく。

 地味に長さが伸び縮みしてるんだよな、あのスプーン。

 

「ドラゴンクロー!」

「ミュウツナイトYの光よ、我がキーストーンの光と結び合え!!」

 

 カツラさんがミュウツーに何か(口ぶりからしてメガストーンだろう)を投げつけ、途端に光を発し始めた。エネルギーの放出により切り込んでいったリザードンが弾き返されてくる。

 

「リザードン!」

「シャア!」

 

 今攻め込んでも仕方がないことをリザードンも悟ったようだ。様子を見るように奴から距離をとっていく。

 

「さあ、ミュウツーよ。それが新しい姿の一つだ。ハチマン相手に試してみるぞ。サイコブレイク!」

 

 これが、ミュウツーのメガシンカか。

 身体が小さくなり、その分………。

 

「くそ早ぇ………」

 

 シュンシュンシュンと上空へ移動したかと思うと急にサイコパワーでりゅうせいぐんに近いものを作り始めた。

 あれはっ!?

 

「前に一度使ってたやつ………。あれがサイコブレイクだったのかよ」

 

 俺の知らない技だとは思っていたが、たぶんこいつように作られた技なのだろうな。現にカツラさんは知ってるわけだし。

 

「くっ、リザードン! 躱せ!!」

 

 躱せと言ってそう簡単に躱せるものとも思えない。だが、あれはメガシンカを使いだした頃の話。自分で言ったんだからこいつの成長を信じなければな。

 

「ソニックブースト!」

 

 ゼロからトップにキアをシフト。

 降り注ぐりゅうせいぐん擬きから身を躱し、隙間を抜けていく。

 

「包囲!」

 

 あっ、くそっ、マジかよ!

 軌道を変えられるとか聞いてねぇぞ!

 

「トルネードドラゴンクロー!」

 

 竜の爪を前に突き出すと回転を始めドリルのように突き抜けていく。これで攻撃されてもいくらかは安心だ。

 

「サイコーーーぬぉっ!?」

 

 よし、捕らえた!

 

「スイシーダ!」

 

 弾き飛ばされてきたりゅうせいぐん擬きに驚き、命令が滞ったところを一気に攻めると、難なく捕まえることに成功。

 そしてそのまま地面に突き落とした。

 まあ、ダメージなんて大して受けてなさそうだけど。

 

「リザードン、じわれ!」

「ふぅ……、ぬぉっ!? ミュウツー、サイコウェーブで抑え付けるんだ!」

 

 立ち直ったカツラさんが再度命令。

 空から滑空してそのまま地面を叩き割り、できた穴に落とそうとしていたところを竜巻に襲われ、宙へと舞い戻ってしまった。

 

「そのままサイコキネシスで捕まえておけ!」

 

 ぐっ、まさかの反撃か。

 しかもあの竜巻でここまで出来てしまうとかどんだけパワーが上がってんだよ。

 

「サイコブレイク!」

 

 そしてまたしてもりゅうせいぐん擬きか。

 今度は逃げられそうにないし…………。

 できるか分からんし、どうなるかも分からんが、一つ試してみるか。

 

「リザードン、げきりん!」

 

 竜の気を暴走させると、サイコキネシスが内側から割れ始めた。

 ガラスの割れるような音がするけど、大丈夫なのだろうか。

 

「ミュウツー!」

 

 降り注ぐりゅうせいぐん擬きを竜の気で燃やしていく。

 これはあれだな。技を出し切るまでリザードンが耐えられるかがポイントだな。

 

「けど、少しは動くぜ。リザードン、ローヨーヨー!」

 

 自由を取り戻した身体を急下降させ、力を高めていく。

 追尾機能、というより操られているためミュウツーの技が後を追ってくるのは当然か。

 

「ミュウツー、サイコウェーブ!」

 

 再度竜巻を起こしてくるのを、地面を蹴って急上昇を図ることで一男を切り抜ける。

 

「サイコブレイク!」

「リザードン、全てを出し尽くせ。フルパワーだ!!」

 

 リザードンは竜の気を爪にも持って行き、長く伸ばした。

 そして、回転し始め、降り注ぐサイコブレイクを躱しながら、時には弾きながらミュウツーに突っ込んでいく。

 

「……………」

「……………」

 

 爆風で何も見えない。見えないがたぶん…………。

 

「はっ、やっぱ強ぇ………」

 

 メガシンカの解かれたリザードンがフラフラと地面に落ちてきた。

 無理があるよな、さすがに。

 暴君相手だもん。ビハインドを取ってる状態でも勝てなかったんだから同格になったら普通に負けるか。

 

「お疲れさん」

 

 リザードンをボールに戻してやるとカツラさんが口を開いた。

 

「時にハチマン。ゲッコウガの不思議な現象というものを見せてはもらえないだろうか」

「………だって。どうする?」

 

 今日はどこにいるのか知らないが、声をかけてみると木の上から音がした。上で寝てたか。進化してから……というかかげうちを覚えてから影に入ったりするから、もうどこにいるのか俺でもつかめない。ただ、いつも俺の側にはいるってことぐらいしか確かなことが言えないのだ。なんだこの関係。

 

「……コウガ」

「いいみたいっすよ」

「よかろう。ミュウツー、じこさいせい」

 

 あ、ひどっ!?

 リザードンがせっかく与えたダメージを!

 一瞬にして回復しやがったぞ!

 

「何気にゲッコウガは初めてだったよな…………。まあ、とにかく強い相手だって言っておくわ」

「コウガ!」

「あ、それと危険だと思ったらこれ使え。賭けにはなるがお前の求める力を手に入れられるかもしれん。ただ特性は一つだ。自ずと今のようにタイプを変えることはできなくなる。それでもいいなら好きなタイミングで使ってくれて構わない」

 

 コクっと頷くと俺が渡した特性カプセルの入ったケースを舌にしまった。そこしまえるんだな。

 

「つじぎり」

 

 黒い手刀を片手にミュウツーに突っ込んでいく。

 相手がエスパータイプだからって乗り気だな。

 

「はどうだん」

 

 追尾機能………。

 斬り刻むしかないか…………いや?

 

「ゲッコウガ、そのまま突っ込め!」

「コウガ!」

 

 どうすべきか悟ったゲッコウガもリズムを合わせてきた。踏み込むタイミングも躱すタイミングも弾くタイミングも、上手く俺の描くようなテンポでできている。

 

「サイコウェーブ!」

 

 目の前にまで近づいたことに警戒し、竜巻を発生させてくる。後ろからは弾いたはどうだんが追尾機能を発動させて追いかけてきている。

 

「かげうち!」

 

 さあ、逃げよう。さっさと逃げよう。

 影の中に隠れてしまえばこっちものもんだ。はどうだんはかくとうタイプの技。ゴーストタイプになっているゲッコウガなら効果がない。

 

「影に逃げたか………」

 

 影の中では今頃かげぶんしんで増えていることだろう。

 

「つじぎり!」

 

 ミュウツーの四方からゲッコウガが飛び出した。

 

「ぬぅっ!? ミュウツー!!」

 

 カツラさんが咄嗟に何かを交換した?

 

「ミュウツナイトXの光よ、我がキーストーンの光と、結び合え!」

 

 はっ?!

 え、ちょ、メガシンカ?!

 また?!

 一個のキーストーンでできるのは一体だけなんじゃなかったのか?

 

「ゲッコウガ!」

 

 メガシンカの光で飛ばされ帰ってくるゲッコウガ。

 姿を変えたミュウツーは格闘家のような風格になっていた。

 

「どうにも私たちの肉体は繋がったままらしい。悪影響を及ぼし合うことはなくなったが、一度繋がったものは中々切れないものらしくてな。そこを逆手に取ってメガシンカの交換ができるようになった」

「………ということはそれはミュウツーとカツラさんだからこその、いわばミュウツーの特別仕様ってことですか」

「うむ、そういうことになる」

「だってよ、ゲッコウガ。どうする? あれ、マジもんだぞ。下手したら俺ら死ぬぞ?」

「コウガ!」

「ですよねー、やっぱお前もそう思うか」

 

 なりふりなんて構ってられん。

 結果がどうなるとか失敗するかもだとか、もうそんなのは考えてる場合じゃない。こいつに勝ちたいのなら全てを賭けるしかない。賭けたところで勝てる保証もないが、それでも賭けなければその先がまず始まらない。

 

「ゲッコウガ!」

「コウガ!」

 

 ひょい、ぱくっ、て感じに軽く特性カプセル飲んじゃったよ。ケースはポイ捨てだし。

 が、途端にゲッコウガが水のベールに包まれていく。

 …………あれ? 俺の視界は変わらないぞ? もう必要なくなったってことなのか?

 

「コウガ……」

 

 水のベールが段々と集まっていき、背中の一点で球体に変わった。そしてそこから二枚の手裏剣が出来上がり、八枚刃になった。ところどころにある模様も全て手裏剣は八枚刃。何なら目がちょっとアレである。言いたくない。でもたぶんあいつらに言わせたら似てるとか言われそう。

 

「………ゲッコウガ、つじぎり」

 

 シュタッと一瞬でミュウツーの背後に潜り込んだ。

 そして、十字に斬りつけていく。

 ………見えてないはずなのに何故か分かるんだけど、何なのこの感覚。

 

「ミュウツー!」

 

 振り向きざまにスプーンで受け止められてしまった。

 むぅ、さすがは暴君。

 

「ハイドロカノン!」

 

 だが近距離からの究極技ならどうだろうか。

 

『ぐっ!?』

 

 あ、効いたみたい。

 なんか俺にまでテレパスが流れてきてるし。

 

「……なんというパワーだ。メガシンカと遜色ない………。やはり…………」

「みずしゅりけん!」

 

 背中にある八枚刃のみずしゅりけんをミュウツーへと投げた。

 

「打ち返すのだ!」

 

 だがミュウツーはすぐに体勢を起こすとスプーンで弾き返してきた。

 

「かげぶんしん!」

 

 今度は影を増やすことで錯乱。

 

「10まんボルト!」

 

 しかし、そこは熟練者たち。

 放電してすぐに影を消し始める。

 

「みずしゅりけん!」

 

 今のうちに無数の手裏剣を飛ばしておこう。どうせ消されるのも時間の問題なのだし。

 ま、それも届けばの話だけど。電撃によって分解されちゃってってるし。

 

「あーあ、水素いっぱいじゃん」

 

 そこも狙い目なんだけどね。

 

「ゲッコウガ、めざめるパワー!」

 

 ミュウツーの周りにはみずしゅりけんを電気で分解したことで水素が発生している。ならば燃やすっきゃないでしょ。この前まではこれ酸素が爆発してるんだとばかり思ってたからな。トツカには感謝である。化学とかしらねぇよ。

 

「ぬおっ!?」

 

 変な声を上げて驚いているカツラさん。

 まあ、いきなり眩しくなって爆発したんじゃ、ねぇ。

 

「ゲッコウガ、ハイドロカノン!」

 

 一旦影に潜ってミュウツーの背後に回ったゲッコウガは長い舌を解いて口を大きく開き、究極技を放った。

 本日二度目のハイドロカノンはまたしても命中した。

 

「ミュウツー!」

 

 カツラさんが呼びかけると真上から何かが降ってきた。

 ーーーああ、思い出した。前にもこれやられたな。

 

「はどうだん、か。ゲッコウガ! 躱せ!」

 

 メガシンカというべきかフォルムチェンジというべきか。

 まあ、どっちでもいい気はするが、パワーアップしたゲッコウガならこの追尾もいけたりしないかね。

 

「サイコウェーブ!」

 

 舌を背後にある木に巻きつけ一気に後退し距離をとると、待っていたかのように竜巻を起こしてきた。

 

「つじぎり!」

 

 十字切りで竜巻を斬りつけ、できた隙間に身を投げ入れる。そうして無風状態の目にたどり着いた。

 

「ゲッコウガ、こっちに来い!」

 

 果たして、こんな命令であいつはどう動くのだろうか。

 穴掘ってくるか影からくるか、はたまた何か違う策でくるのか。

 

「はどうだん!」

 

 ミュウツーは竜巻の中に四方からはどうだんを打ち込み始めた。

 

「コウ、ガッ!」

 

 竜巻の中からはゲッコウガが飛び出してきた。

 あれまあ、あんな天高くまで飛び跳ねちゃって………、あ、消えた。今度はほごしょくか何かか?

 

「かげぶんしん」

 

 もうね、俺も見えないからあいつの好きにさせようと思うんだけど、誰も反論ないよね。

 

「どこへ消えた?!」

 

 カツラさんも一瞬のことだったため目が追いついていないようだ。

 一瞬でも目を離せば、途端に見失うような奴だからな。仕方ない。

 

「みずしゅりけん!」

 

 おい、ちょっと待て。

 なんでそんなでかくなるんだよ。聞いてねぇよ。

 いくら暴君様でもこれは無理があるだろ。

 姿を見せたゲッコウガたちは天に巨大なみずしゅりけんを掲げていた。

 

『なんと!?』

「メガシンカを自ら行うだけでここまでパワーを肥大化させられるのか…………? いや、それだけではない。これはもしや………」

「ゴー」

 

 まあ、容赦なく行くけどね。

 ここまできたら最後に一矢報いたいじゃん? これで勝てればいいけど。

 

「ミュウツー!」

『ぬぅん!』

 

 はどうだんを無数に作り出して応戦してきた。

 チッ、やっぱ対応されるか。

 発射された八枚刃の巨大みずしゅりけんはミュウツーの放ったはどうだんと交錯し、爆風を生み出した。

 こんなに爆発させてて見つからないのかね。

 

「……………」

「……………」

 

 どうなったんだ?

 前みたいに視界が繋がることはなくなったからよく分からんのだが。あ、でもなんか見えたぞ。

 ん? んん?

 

「………相打ち……、いや、暴君様の方がまだいけるか」

 

 やっぱ敵わねぇか。

 でもまあ、いいものを見せてもらった。これがあいつのさらなる力か。カツラさんの言うようにメガシンカを自ら行ったと説明してもなんら遜色のない能力っぷり。案外、メガシンカよりも強いかもしれん。

 

「………強く育てられておる」

「元々強かったんですよ、こいつは。まあ、俺についてきたことで自分よりも強い相手を見つけられるようになって、それで刺激されてこんなもんまで手に入れちまったようですけど」

 

 最初はどうなるかと思ったが、こいつがいたことで助かる場面は多々あった。

 

「こっからだな、お前の真の力。ものしていくぞ、相棒」

 

 地面に倒れ伏す我が相棒その2をボールへ戻す。

 バトルが終わればフォルムチェンジも解除されるらしい。つくづくメガシンカと似ている。

 

「ハチマン………、最後の技。あれはもしかするとアローラに伝わるZ技かもしれんぞ」

「はっ? なんすか、それ。さっきも言ってたような気もしますけど」

「全力で出す技だ。既存の技をパワーアップさせると言われている。中にはポケモン固有のZ技もあるとも聞くが………、大事なのはこれもポケモンとトレーナーの絆が必要だということだ」

「そっちもか………。ん? メガシンカもそのZ技とやらも絆が必要?」

 

 まさかな。そんなことあるわけねぇ。

 

「あ、あの、カツラさん。一つ、俺も仮説を立ててみたんですけど」

「奇遇だな。私も今立てていたところだ。聞かせてくれ」

「うす、ゲッコウガはまずリザードンのメガシンカに刺激を受けたとしておきましょう。本当の動機なんて奴にしか分かりませんからね。で、自分もメガシンカしようとしたが、メガストーンがなかった。そこで自分にあるものでメガシンカを行おうとした。そもそもにおいてゲッコウガは以前にも今のような現象を起こしている。そこに残っている内容としては特性を使って行われたようで、俺のゲッコウガもそれを知っていたのかもしれない。いや、本能的に、を付け加えるべきか。まあ、そんな感じで特性をいじることした。幸いこいつはタイプを変更させるへんげんじざいの持ち主だった。だから『変化』に関してのシステムはすでにそろっていた。だが実際に使ってみると不安定になり、俺と視覚や感覚を共有することでバランスを保った」

「それが意識の共有というわけだな………」

「ええ、そしてしばらく続けていくのち、さっきの特性カプセルに巡り合った。あれを飲んだことで不安定だった変化は完全に切り離され、完成した。けど、ようやく手に入れたメガシンカ擬きの力は思いの外、高かった。そのため技までもを強化した」

「うむ、それがZ技擬きというわけか」

「カツラさんの話が本当ならどっちも絆に反応するものですからね。システム的には変わらない。だからそんなことまで出来てしまったんでしょう」

 

 メガシンカを手に入れるついでにZ技とやらにまで手を出してくるとは。さすがゲッコウガだわ。

 たぶん、知らなかっただろうけど。

 

「見事だ。私と同じも同じ。そっくりそのままだ」

「そうですか、そりゃ良かった」

「君はやはりこっち側の「それ、前にも誰かに言われましたよ」そ、そうか………」

「あと、カツラさんが言うと危険な匂いがするんで控えてください」

「ぜ、善処する………」

「さて、なんか遅くなってしまいましたし、帰りますか」

「ああ、私はこれから向かうところがあるのでな。そっちに行ってから帰ることにする。我が兄弟を休ませたいことだしな」

「そうですか。なら、また明日」

「うむ」

 

 カツラさんに背を向けてミアレの方へと歩き始める。

 煌々と明かりのついたミアレは北半分が真っ暗だった。

 ああ、そういえばまだ停電してるんだっけ?

 博士の研究所が南側でマジで良かったわ。

 

 

 ああ、誰も起きてませんように。

 起きてたら何を言われるやら…………。




取り敢えず、ここで一旦区切ります。
どこかで切っておかないと結局終わりまでいい区切りがなさそうなので。
そうでなくても結構溜まってますし………。


追記:すいません。もうちょっとで仕上がりますので。

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