聖杯戦争に召喚士として参戦するようです   作:鉢巻

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第五話 毛魂と書いて、運命と読ませたい

前回のあらすじ

絶体絶命のピンチ。龍二が最後の希望を託して召喚したのは、謎の男だった!この男の正体は一体…⁉

 

…いや伏せてもバレバレだからね?

だが今回ばかりは運がよかった。まさかこの男を引き当てる事ができるとは…!

 

「…リュウジ、あれは一体何なの?」

 

あ、起きたのイリヤちゃん――って痛い痛い何で叩くの?あ、降ろせって?そういやずっと抱えたままでしたね。

 

「あの人か?真名はボボボーボ・ボーボボ。間違いなく、最凶クラスの狂戦士(バーサーカー)さ」

 

狂戦士(バーサーカー)?あれが…?」

 

イリヤが訝しむのも無理はない。感じられるボーボボの魔力は狂戦士とは思えないほど低い。だがそう思っていては確実の足元を掬われる。彼はそういう属性の人間だ。

 

「さあボーボボさん。アンタの力、このクソッタレ英雄王に見せつけてやってくれ!」

 

 

 

「――――――――――ダメだ」

 

 

 

なん……だと……⁉

 

「『ふわり!どんぱっち』の連載が終わり、ジャンププラスで復刻連載していた本編も終了した。俺の時代は終わった。だから俺は鼻毛真拳を封印したのだ。鼻毛真拳を封印した俺に戦う資格はない。俺はもう……戦わないんだ」

 

オイオイ嘘だろ、こんな事があんのかよ⁉

 

「ちょっと、こんな時にふざけた事言わないでよ!バーサーカーはあの鎖のせいで霊体化もできないし、戦えるのはアナタだけなのよ⁉アンタのその、鼻毛…真拳?そいつで何とかしなさいよ!」

 

「俺の鼻毛真拳は、毛狩り隊にのみ使うのを許された秘拳だ。例えどんな理由があろうと、毛狩り隊以外の者に鼻毛真拳を使う事は許されない。どんな理由があろうと、だ」

 

あれ、そんな設定だったけ?じゃなくてヤバいぞ!過去最高クラスにヤバイ!ボーボボなら、この場を引っ搔き回しまくって、ギャグの力やなんやらであいつを撃退できると踏んでたが、とんだ見当違いだった。どうする…一体⁉

 

「―――フ」

 

ふと聞こえた呟き。その主はギルガメッシュ。

 

「フハハハハ……、まさか…このような英霊が、異界に存在していたとはな…この我を驚愕させるとは…いやはや大した奴よ…」

 

あ、ヤバイ、マジで切れる5秒前って奴だこれ。

 

「まさか―――そのような汚物でこの我の財宝に触れる賊がいようとはな‼この不敬、一度や二度死んだ程度では赦されぬぞ‼貴様らのその体、千に刻んで冥界の死霊共の餌としてくれるわ‼」

 

激おこぷんぷん丸どころの騒ぎじゃないよこれ!どうする⁉どうする⁉

 

「…ッ、ボーボボ!」

 

「――ダメだ」

 

再び放たれる黄金の剣。雨のように放たれたそれは、瞬く間に俺達の視界を埋め尽くす。

 

「俺は…もう…」

 

迫る、迫る。破壊の礫が、見る見るうちに。

 

「誰も傷つけない」

 

もうダメだ。そう確信し、イリヤを庇いながら瞳を瞑る。

 

 

 

「ただし英雄王」

 

 

 

迫る黄金の雨を一つ残らず鼻毛で掴み取り―――

 

 

 

「テメーは………別だぁぁぁぁぁ‼‼‼‼」

 

「ゴバァ⁉」

 

強烈なジャーマンスープレックスを、ギルガメッシュに喰らわせた。

 

…キタキタキタキタキタァァァァ‼

 

「え、何今の⁉さっき言ってた事と全然違うんですけど⁉」

 

「安心しなイリヤちゃん、これがあの男の平常運転だ!」

 

「鼻毛真拳の掟なんぞ関係ねぇ!ふわり!どんぱっちでハジケれなかった鬱憤を、ここで存分に晴らさせて貰うぜ―――‼」

 

更にボーボボは掴み取った剣を一つに束ね、ギルガメッシュにめがけて振り下ろす。

 

「鼻毛真拳奥義!冬のマグロ一本釣り‼」

 

「調子に乗るな雑種風情がぁッ!」

 

ボーボボの技とギルガメッシュの宝剣が衝突する。激しい衝撃波の中をすり抜け、数本の剣がボーボボに向かっていく。

 

「死ね!雑種‼」

 

「こんな所で死ぬわけにはいかねぇ!」

 

そう言ってボーボボはどこからともなく、赤いコンペイトウのような何かを取り出す。

 

「鼻毛真拳奥義!バカガード‼」

 

「初っ端からこの扱い―――⁉」

 

首・領・パ・ッ・チ、キタ――(゚∀゚)――!!これはぁ、これは勝つる!

 

「ねぇ何さっきの⁉赤いコンペイトウが喋ってたよ⁉しかもあの人それを盾にしたよ⁉」

 

「安心しなイリヤちゃん、これがあの男の平常運転だ!」

 

「これもなの⁉」

 

「全く血も涙もないよなぁ。同じ人間としてどうかと思うぜ」

 

声の方へ振り向くと、そこには人型をした青いぷるぷるとした物が立っていた。こいつは…!

 

「何この生物⁉明らかに人間じゃないよね⁉」

 

「あ、お嬢ちゃん。お近づきの印にこれあげるよ」

 

『ところてん推進グッズ一式』

 

「いらね―――⁉」

 

天の助、お前もか⁉

 

「おっと、俺がここにいるのは言わないでくれよ。あいつらに関わったら、どんなとばっちりを喰らうk」

 

天の助が言葉を言い終わる前に、彼の体を鼻毛が掴み、空を飛んで行く。そして天の助は拳を振り被ったボーボボの前へ―――

 

「鼻毛真拳奥義!復活のところてんマグナム‼」

 

「ボブァッ⁉」

 

天の助の顔面が打ち抜かれ、ギルガメッシュに激突する。この出来事を天の助は後にこう語る。

 

『あっという間でしたね。逃げる暇もありませんでした。でもこの時感じたんですよね。この甘えの無い感じ、俺は帰ってきた…ってね』

 

「話が長げぇ――――‼」

 

「ぎゃあぁぁぁぁ!ところてん万歳―――!」

 

「ええ―――⁉そんなに長くなかったよ⁉――ハッ、リュウジ、まさかこれも…!」

 

「ああ当然、平常運転だ!」

 

「ですよねー」

 

ついに三馬鹿が揃った。ここから先はずっと俺達のターンだぜ!

 

「さあ行くぜ首領パッチ!天の助!俺達3人の友情パワーを見せつけてやろうぜ‼」

 

「さっきまで仲間(?)を盾にしてた人が何言ってんの⁉」

 

完全にツッコミ役に回っているイリヤをよそに、首領パッチと天の助はボーボボの両隣へ並ぶ。そして二人はボーボボの腕を掴み――

 

「「テメーが一人で行けやァァ‼‼」

 

「何ィ――――――⁉」

 

思いっっっ切りブン投げた。

 

「友情の欠片もねぇ――――⁉」

 

「フハハハ!仲間にまで見捨てられると見下げた奴よ。来い!先の宣告通り現実の物としてやろう!」

 

対するギルガメッシュは背後を埋め尽くす程の砲門を展開。突っ込んでくるボーボボをこのまま迎え撃つつもりだ。

 

「うわああああ‼止まらないよー!止まらないよー!」

 

カーリングのストーンの如く滑っていくボーボボは、勢いに成されるがまま加速、加速、加速!

 

「――鼻毛真拳奥義!突撃☆僕らの夏休み‼」

 

「何だとおおおぉぉぉ⁉」

 

N700系と化したボーボボがギルガメッシュに激突した。

 

「この機を逃すな!無人在来線爆弾爆弾、全車投入!」

 

さらに、防護服を着こんだ首領パッチの指示で次々と車両がなだれ込み、大爆発を起こす。

 

「えげつない!余りにもえげつなすぎるよこの攻撃!」

 

「ああ、だがこれで確実にダメージは―――」

 

煙の中から一つの影が飛び出さす。その正体はギルガメッシュ、無事である。

 

「―――ハアッ、ハアッ……おのれ雑種が……!」

 

まさかあの攻撃を凌ぐとは…!待てよ?ボーボボは⁉まさかあの爆発に巻き込まれて…⁉

煙が晴れて姿が見えてくる。

 

「ふう、危ない所だったぜ」

 

現れたのは紙袋を被った細身の男、絶望君だ。

 

「誰だコイツ⁉」

 

「何ィ⁉ならば、あの雑種はどこへ…⁉」

 

すると地鳴りのような音が響き建物を揺らす。その直後、天井が崩壊し、

 

「鼻毛真拳超奥義!銀河機動騎士ボンダム爆誕‼」

 

「超巨大ロボになって降ってきた―――⁉」

 

ボンダムのコックピット、そこには操縦機を握る天の助の姿が。

 

「さあ行くぞボンダム!まずはこのところてんレーザー砲をお見舞いしてやるぜ!クハハハハ!泣いて助けを乞え英雄王!」

 

そして天の助が赤いボタンを押すとコックピットが開き、そのまま外へと放り出された。

 

「…………てへっ☆」

 

「死ね」

 

「ぎゃあぁぁぁぁ‼‼‼」

 

―――流れはいい状況だ。だがこれ以上戦いが長引くと、痺れを切らしたギルガメッシュがあの宝具を使いかねない。

 

「ボーボボ!長期戦はまずい!この流れで一気に決着をつけるんだ!」

 

「分かったぜ龍二!鼻毛真拳㊙奥義―――――聖鼻毛領域(ボーボボワールド)‼」

 

世界が歪み、塗り替えられる。瓦礫の散らばった城内から、青空が浮かぶ野原へと。

そして始まる、不条理超絶バトル。

 

「固有結界だと⁉」

 

「ここは『聖鼻毛空間』!この世界に入った者は魂を解放させる事ができる。だが逆に魂を解放できない奴は精神崩壊して死ぬ。そのがこの『聖鼻毛領域』だ‼」

 

「魂の解放⁉今度は一体何が起きるっていうの⁉」

 

「説明するより見た方が早い。イリヤ、あれを見ろ!」

 

指をさした方向を見ると、そこには、

 

「バナナンナバ~ババナナンナ~バ♪」

 

バナナを手にしていやらしい笑みを浮かべる首領パッチ。そして次の瞬間、バナナを頭から自分の鼻に捻じ込み始めた。

 

「はいナマスコ――‼‼ナマスコナマスコ――‼‼‼」

 

「ええ――⁉いきなりどうしたの⁉」

 

「ナマスコ―――‼」

 

「ちょ、やめなよ!鼻血出てるよ⁉」

 

「ナマスコナマスコ―――‼‼‼」

 

「ちょ、やめ」

 

「ナマスコ―――‼‼‼」

 

(こ、これが魂の解放…⁉)

 

驚愕するイリヤに、密かに危機が迫っていた。

 

(こうなれば、先に聖杯を…!)

 

静かに剣が放たれる。イリヤはそれに気づかぬまま貫かれ――

 

「危ない‼」

 

なかった。

 

「何ィ⁉」

 

まさに疾風迅雷、何者かがイリヤを抱え、剣の射線上から飛び退いた。

 

「――――っ、ありがとう。助かっ……………」

 

イリヤの言葉はそこで止まる。彼女の目の前にいたのは―――

 

「――御無事で何よりです。お嬢様」

 

タキシードに身を包んだギリシャの大英雄、ヘラクレスだった。

 

「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉」

 

(あ、これ、タイガーコロシアムのヤツや!) 

 

「ボーボボさんのおかげで、あの鎖の呪縛から解き放たれる事ができました。さあ、共にあの邪悪の化身を打ち倒しましょう!」

 

「何これ⁉何なのこれ⁉全然頭の整理が追いつかないよ⁉」

 

「よし、ならば行くぜヘラクレス!」

 

「ジェントルメンに参りましょうぞ」

 

紳士服に身を包んだ四人がクラシックカーに乗ってギルガメッシュに向かっていく。

 

「協力奥義!ジェントル・コマンド・クライシス‼‼‼‼」

 

「ぐああああぁぁぁぁぁ‼‼‼⁇」

 

そして取り出した銃火器でギルガメッシュに集中砲火を浴びせた。

 

「その攻撃のどこが紳士的なの――⁉」

 

「おのれ雑種共が…!纏めて我が宝物の錆にしてくれる‼」

 

砲門を展開し、剣を放とうとするギルガメッシュ。だがその直後、ベチャリ、と自身の後頭部に嫌な感触が。

額に青筋を浮かべながら振り返る。そして目にしたのは、自分が展開した門から飛び出す、とぐろを巻いた『何カ』だった。

 

「何だこの汚物は―――――――――‼‼⁇⁇」

 

「汚物ではない。この一つ一つが神聖なる力を秘めたバビロン。それが答えだ」

 

ギルガメッシュの言葉に答える者がいた。ソフトクリームの絵が描かれたスカジャンを羽織り、そしてその者の頭は―――バビロンであった。

 

「バビロン真拳奥義、絶対魔糞戦線バビロニア‼」

 

「ぬおおおおぉぉぉぉぉぉ⁉」

 

「大量のう○こが雨の如く⁉最低だ!最低の奥義だこれ‼」

 

「いや―――‼こんなのもう見たくないよ―――‼」

 

「ふざけ過ぎだ雑種共ォ――――‼‼」

 

『お~ふ~ざ~け~は~』

 

ハッ⁉地獄から響いてくるようなこの声は…!

 

「許さない―――――‼‼‼」

 

「ごはぁぁぁ――――⁉」

 

地中から全員を吹き飛ばして登場、神出鬼没の魚雷ガールだ!

 

「お…おのれ……こんな雑種共に…‼」

 

「パパ!今日はヨコセヨデパートにお買い物に行く約束だよ♪」

 

「あ〝‼‼⁇」

 

そして仲良し親子三人組は、歌を歌いながらヨコセヨデパートへと向かいます。

 

「パーパ♪」→ギルガメッシュ

 

「マーマ♪」→ボーボボ

 

「ボーク♪」→首領パッチ

 

「みーんなハッピィ♪みーんなハッピィ♪ヨコヨコヨコヨコヨコセ――ヨデパート♪」

 

『営業不振によりヨコセヨデパート、解体』

 

「お前の仕業か―――‼」

 

「なぜそうなるのだ愚か者‼我の訳がないだろう‼」

 

「じゃあ一体誰の…!」

 

ここで首領パッチが近くに看板が立っているのに気付く。そこに書かれていたのは、

 

『次回建設予定、わくわくざぶ~ん。オーナー:子ギル』

 

「やっぱりお前の仕業じゃねぇか―――――‼」

 

「ぐおおぉぉぉぉ‼おのれ幼き頃の我ぇ―――‼」

 

「珍しく正論が決まった――――⁉」

 

ボーボボ達の猛攻は止まらない。

 

「さあここでお待ちかねのアフロオープンタイムだ‼今回は満を持して、あのお方が登場するぜ―――‼‼」

 

あのお方⁉そう言えば、ボーボボは以前アフロから武藤遊戯が登場した事がある。一体誰が、誰が出てくるんだ⁉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時よ止まれ‼『ザ・ワールド』‼‼‼」

 

CV.子○武人――――――――――――⁉

 

「フンッ、『王の財宝』だとォ?そんな物、我が『ザ・ワールド』の静止した時の中ではッ‼無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ無駄ァッ‼‼‼」

 

静止した時間の中、DIOは一度姿を消す。そして時間停止から8秒が経過した時、

 

「ロードローラーだッ‼‼‼」

 

9秒経過、時は動き出す。

 

「なッ…⁉」

 

「ぶっつぶれよぉッ‼」

 

「俺も加勢するぜ―――‼」

 

ボーボボはどこからかブルドーザーを引っ張り出し、それでギルガメッシュをサンドイッチにする。これぞ合体奥義!ヤマサキ春の重機祭‼

 

「いや、かっこつけてるけど全然意味分からないからね⁉」

 

「ゴ…ハ…ッ…」

 

ギルガメッシュに深刻なダメージ。これはかなり効いているようだ。

 

「フッ、ではさらばだ。子○武人」

 

「ありがとう、子○武人」

 

「ああ待って!僕と一緒にジョジョ立ちを…!」

 

首領パッチと天の助が二人の元へ向かうが一歩遅く、DIOはアフロの中へと帰って行った。

 

直後、世界が割れる。

 

青空が消え、代わりに破壊の暴風が辺りを埋め尽くす。

英雄王が、ついに自分の剣を抜いた。

 

「これを貴様ら等に使うのは心底不本意だが、仕方あるまい。さあ、『エア』よ。この有象無象共を一掃せよ‼」

 

突きつけられる死の宣告。だが不思議な事に、恐怖は全く感じなかった。

なぜ?現実を受け止め切れていないからか?何とか生き残れると思い込んでいるからか?

答えはどれも違う。そもそも答えなど無いのだろう。強いて言うならば彼らが―――

 

「アラいい風ね。洗濯物がよく乾くわ」

 

「今日の洗剤はジャスミンの香りザマスよ」

 

底無しの、バカだからだろう。

 

「エヌマ―――ッ⁉」

 

宝具を放とうとしたギルガメッシュ顔に何かがぶつかる。煩わしそうにそれを掴み取り、手に取った物を見る。

それは純白の布(パンツ)だった。

 

「このスケベ‼」

 

「ブベラッ⁉」

 

首領パッチの平手打ちが炸裂。暴風に一瞬切れ目が生まれる。

 

「隙を見せたなギルガメッシュ‼これが貴様の最期だ‼」

 

「体張ってまーす‼体張ってまーす‼」

 

天の助をサーフボードのように巧みに操りながら接近する。それに気付いたギルガメッシュが再度宝具を放とうとするが、すでに遅い。

 

「鼻毛真拳最終奥義!鼻毛横丁‼‼‼」

 

無数の鼻毛がギルガメッシュを容赦なく打ちのめす。新たに展開した砲門も、次々に迫りくる鼻毛に破壊されていく。

 

「おのれ雑種共があぁぁぁぁぁァァァァ‼‼‼‼」

 

その雄叫びを最後に、ギルガメッシュはとうとう力尽き、地に倒れ伏した。

 

「勝った……の…?」

 

「ああ、あのギルガメッシュに………勝ったぞぉ――――――‼」

 

歓声が巻き起こる。まさか、本当に勝てるとは。今回ばかりは本当に運がよかった。そう実感した。

 

そしてすぐに別れの時間はやってくる。

 

「あれ⁉なんか体透けてきてるんだけど⁉」

 

「ホントだ⁉俺の体も青く透き通ってまるでゼリーみたいに…‼」

 

いや、それは元々ですよ天の助をさん。

 

「龍二よ」

 

ボーボボが俺に近付き、話しかけてきた。何かな?いきなり筋肉バスターとかされないよね。

 

「お前に渡す力の事だが、残念だが俺の鼻毛真拳はお前では操れないだろう」

 

「あー、確かにそうッスね」

 

「代わりと言っては何だが、お前にこれをやろう」

 

そう言ってボーボボが俺に手渡してきたのは、グ○コのおまけで付いてくるあの謎の人形だった。(ちなみに片腕が欠けている)

 

「これを肌身離さず持っておくといい。そうすれば、きっと田中のおばちゃんの親戚のおじいちゃんが、お前を守ってくれるだろう」

 

「……ああ、ありがとう(後で捨てよ)」

 

「では、さらばだ」

 

それだけ言うと、ボーボボ達はあっさりのこの世界から去って行った。

静かになった城の中に残ったのは、俺とイリヤとヘラクレスの三人。

 

「……で、どうする?続きやります?」

 

「…いや、やめておくわ。アナタとは戦わない事が最善策って事が、今のでよくわかったもの」

 

どこか遠い目をしながらイリヤはそう言った。まあ仕方ないわな。アレが当たるのがギルガメッシュでよかったと思うよホントに。ホント、ギルガメッシュで……

 

「―――――てあれ⁉ギルガメッシュがいねぇ⁉」

 

すぐ近くで倒れていたはずのギルガメッシュの姿が、いつの間にか消えていた。霊体化して逃げたのか…⁉まだそんな力が残ってたとは……

 

「別に放っておいたら?どうせ恨まれるのはアナタなんだし」

 

「いや勘弁して下さいってマジで。俺ほんとに田中のおばちゃんのじいちゃんに助け求めなきゃならなくなるから」

 

俺の言葉にイリヤは「知らないわよ」と顔をプイッと逸らす。何だよコイツ可愛いな。

 

「んじゃ俺帰るわ。またなんかあったら呼んでくれ」

 

「そうさせてもらうわ。…と言っても、そうそう呼ぶ機会なんてないだろうけどね」

 

「――だな」

 

そうして俺は帰路に着く。いやはや、何とか無事に切り抜けられてよかった。さて、後は帰って昼飯食って買い物に―――

 

 

 

 

「―――投影(トレース)開始(オン)

 

声に気付いた時にはすでに遅かった。矢の形状へと作り替えられた剣が、俺の左肩を貫いた。

 

「がッ……⁉」

 

どういう事だ?何でこのタイミングで奴がここに?なぜ俺を攻撃してきた?

俺が問いかけるより早く、目の前の赤い弓兵は俺にこう問いかけた。

 

 

「答えろ。貴様は一体――――――――――誰だ」

 




閲覧ありがとうございます!

何とか今回は1週間と少しで投稿する事ができました。うまくボーボボ達のハジケ具合を再現できてましたでしょうか。
さて今回は早めに切り上げるとしましょう。それでは次k「待て」
セイバーオルタ「懲りんのだな、本当に懲りんのだな貴様は。何故相も変わらず私を登場させない?一度宝具を喰らった程度では足りんという事だな?」
ちくしょう!間に合わなかったか!
セイバーオルタ「その腐り切った精神の欠片も残す事無く消え散るがいい。エクスカバー・モルg「オラオラどけどけどけぇ――――‼」な…⁉貴様らは…‼」
ボーボボ「俺達の活躍がこれっぽっちだと⁉ふざけんじゃねぇ!俺達の時間はまだまだ終わらないぜぇ‼」
首領パッチ「次回もそのまた次も俺達がメインだぜ‼誰にも文句は言わせねェ―――‼」
セイバーオルタ「貴様らは本編で十分活躍しただろう‼あれで何の不満があるというのだ⁉」
ボーボボ・首領パッチ「「俺が主人公じゃなかった‼‼‼‼」
セイバーオルタ「欲深い⁉」
あー本編でさっさと帰ったと思ったらこんなところに。収拾つかなくなりそうなんでもう終わります。それではまた次回!

ps.例の如く次回も彼らの出番はありません。どこからかセイバーの気配が… byセイバー絶対殺すウーマン

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