どうもどうも。皆様、樫早龍二でございます。さて、私は今、どこにいるでしょ~か。
答えはこちら。何と私、あの魔術の名門、アインツベルンのお城(正式名称は知らない)へ向かう山道を歩いております。
……………なして?
さかのぼる事2時間前。布団の中で惰眠を貪っていた所に一本の電話が入ってきた。
『今から私の城に来なさい、1時間以内にね』
「いや、いきなりそんな事言われても…」
『もし来なかったら、アナタの家に仕掛けた爆破魔術を作動させて跡形も無く吹き飛ばしちゃうから』
「場所は…」
『そんなの自分で調べなさいよ!仮にも魔術師ならそんな事ぐらいできるでしょ!』
「…あい」(なんで俺の電話番号知ってるんだろこの子)
と、いう訳であります。ここまでくるのは本当に苦労しましたよ。グーグルで調べても出てこないから結局あの胡散臭い神父に聞く羽目になったし。
森の中を歩く事数十分、ようやく城に到着しました。いやー、でかい、綺麗!
「では…ノックしてもしも~~「遅い‼‼‼」…ひゃい」
扉を開けたらさっそく登場、麗しの令嬢イリヤスフィールちゃんandギリシャの大英雄ヘラクレス殿でございます。
「1時時間以内って言ったのにどうして倍の時間も遅れてくるの⁉大体遅れてきてその態度は何⁉今すぐここで殺されたいのかしら!」
おっかしいな~、俺に記憶ではもうちょいお淑やかなイメージあったんだけどな~。これじゃ昼ドラに出てくる口煩い姑みたいじゃん。
「……今なんか失礼な事考えてなかった?」
「いえ何も。ところで何の用?時間は午前9時、明日は日曜日で学校は休みだし、俺的には何か行動を起こすにはベストのコンディションだ。可能な限り何でも聞くぜ。あ、でもできれば昼までに用事は終わらせたいな。昼から吉〇あるからそれ見なきゃだし、スーパーのタイムセールもあるからできるだけ早く帰宅したい。スーパーといえば、今日もパンチとロン毛の人達くるかな?タイムセールの情報教えてもらおっと。あ、しまった。今日生ごみの日だったのに出し忘れてるじゃん。ごめんイリヤちゃん、ごみ出してくるからちょっと帰っていい?」
「長いよ!それにしれっと帰ろうとしないで!」
チッ、感づかれたか。仕方ない、ここはおとなしくしておこう。
「で、一体何の用だよ。面倒な事だったら、悪いけどマジで帰らせてもらうぞ」
「―――――サーヴァントを召喚しなさい」
そう言うと、彼女の後ろに黒い巨体が現れる。
「…と、いうのは?」
「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。私は一人のマスターとして、この場でアナタに決闘を申し込むわ」
………
「この前は正直、アナタの事見くびってたわ。だってアナタ、魔術師としてもマスターとしても、三流がいいとこなんだもの。…でも、その結果があれだった。たまたま運がよかっただけとも思ったけど、それも違う。きっとアナタは、『ピンチの時にこそ、救いの手が差し伸べられる』。そんな運命にあるんだと思う」
……………
「だから決めたの。アナタだけは、正々堂々、真正面から潰してあげる。小細工なんか必要ない。私とバーサーカー、二人の力で‼」
――――――――――なんつー展開だよ。
朝一に呼び出されたかと思ったら、最強のマスターから決闘の申し込み?冗談いうのもいい加減にしろよ。
しかも…おい、イリヤスフィール。お前何笑ってんだよ。自信と闘志に満ち溢れたその顔。何なんだよお前。
あーヤバイ。こういう、ザ・王道みたいな展開?体の奥から熱いモンが溢れ出てきて、忘れかけてた中二心を擽りやがる。いいねぇ、最高に…
―――――――――滾るじゃねぇか‼
令呪を起動、足下に召喚の為の魔法陣を描き出す。
「いいぜイリヤスフィール。その申し出、是非とも受けさせて貰おう。だが気を付けろ。今日の俺は、前回の3倍は強いぞ!」
「いいわ。どんなサーヴァントだろうと、徹底的に捻じ伏せてあげるわ。だって、私とバーサーカーは最強なんだから!」
とことん心を躍らせてくれる。どうやら今日は、今までの人生で最高に刺激的な一日になりそうだ。
魔法陣から溢れる光が城内を照らす。そして、
「演劇はそこまでだ。雑種共」
黄金の剣の雨が、俺達に降り注いだ。
*
二次創作、その中でも転生というジャンルの物においては、主人公が様々なキャラクターの能力を特典として授かり、転生先の世界で無双するというのがお約束の展開だ。
その中でも定番なのが、Fateシリーズに登場するギルガメッシュの『王の財宝』。破格の威力を持つ宝具の数々を、まるで自分の手を振るかのような感覚で放つその能力は、作品を問わず凄まじい力を発揮する。
Q.ではその力を実際に体験してみてどうでしたか?
A.死ぬとこだったよバカヤロウ。
いやほんっっっとギリギリだった。苦し紛れで纏ったワン・フォー・オールが功を奏した。ミラーシールドで防いでたら武器自体はともかく衝撃波でどうなってたか分かんねぇや。
ついでにイリヤちゃんも無事救出(気絶してるけど)。さて、ちなみにバーサーカーは…
「■■■ッ…………………‼」
マジか…初っ端から『天の鎖』かよ。こりゃあ本格的にまずいぞ。とりあえず、ここは一旦身をを隠して――
「フン、どうやら逃げ足だけは一人前のようだな。せっかくこの我が自ら幕を引いてやろうとしたというのに」
ハイ当然のごとくバレてます。これで俺の気配遮断スキルがDであることが証明されました。Q.E.D!
「さて、次はどうする?異界からの漂流者よ。今日の我は気分がいい。貴様が選択をするまで、10秒間の猶予をやろう。ゆっくり悩むがいい」
ああいやだなぁもう‼どこまで知ってンだよこの人⁉
「10…9…」
落ち着け、一旦冷静になれ俺!今はこの状況をどう乗り越えるかだけを考えろ。
「8…7…」
オールマイトの力で全力で逃走するか?だが今日はすでに一度使っている。逃げてる途中に動けなく可能性がなくもない。
「6…5…」
ならやっぱり召喚か?しかしあのドチートに対抗できる戦士をうまく引き当てられるか?
「4…3…」
だったらここは平和的の交渉を持ち掛け……いや無理だな、うん無理(確信)。
「2…1…」
「ああもう!こうなったらやるしかねぇだろ畜生が‼」
魔術回路起動、陣形展開。頼む、誰でもいいからこの性悪鬼畜の英雄王に…!
「ブチかましてくれッ‼‼‼」
光が爆ぜる。その中に俺が召喚した英雄の姿が映し出された。そしてそれが何者か理解した時――――
「…………なあ、英雄王」
俺の言葉に、ギルガメッシュは眉をピクリと動かせ反応した。
「……見逃してくれないか」
沈黙が場を包み込む。そして数秒後、ギルガメッシュの高笑いが、城内に響き渡った。
「フハハハハハ!見逃してくれ、とな?どうやら余程のはずれくじを引かされたらしいな。――――阿呆め、誰がそんな事を赦すものか」
俺に向けられる侮蔑を込めた赤い瞳。その背後には黄金の波紋が弧を描き始めていた。
「貴様への既に興味は失せた。最期に、この我の威光に触れて逝くがよい」
波紋から剣が放たれる。ああ、そうだな。アンタなら絶対そうすると思ったよ。なら、
「―――――――精々、後悔しないようにな」
―――何が起こった?
剣は放った。だが、それは龍二に届くより前に、何者かによって遮られた。その正体は九割九分、龍二が召喚した英雄だろう。だが、ギルガメッシュが眉をひそめた理由はそこではない。
放たれた剣は、何かによって掴み取られた。だが舞い上がる土煙の影響もあって、掴み取った物の正体が見えなかった。
煙の中に細い鞭のような物が映る。あれで掴み取ったのかと理解すると同時に、ギルガメッシュの中に沸々と湧き上がる感情が。それは怒り。如何なる者であろうと、王の所有物に許可なく触れるなど言語道断。その罪は万死に値する。
土煙が晴れる。そしてそれと同時に、英雄王の思考は停止した。
2メートルはある長身、鍛え上げられた筋骨隆々の体。その男の周りには黒い何かが漂っていた。ギルガメッシュはその何かの姿を辿り、そしてその正体を目に入れた
それは―――――――――鼻毛だった。
「――行くぞ英雄王。
史上最悪の戦いが、今幕を開ける。
閲覧ありがとうございます!
およそ5ヶ月ぶりの更新…大変遅くなり申し訳ありません…!
遅くなった理由ですが、1つはリアルが忙しくて小説を書く時間がないという事、そしてもう1つ。…FGO版のネタが浮かび過ぎてこっちに集中できない!いっその事この作品と並行してFGO版も進めていこうか迷っている所です。
さて、今回召喚したサーヴァンとですが、真名は書いてませんがおそらくほとんどの方は分かるかと思います。鼻毛と言えばあの人しかいないはず。
グダグダな展開が見えていますが、それでも楽しんで頂ければ光栄です。それでは次k「待て」
セイバーオルタ「貴様、これはどういう了見だ?何故私が登場しない?何故私が活躍しない?弁解があるならば申してみよ」
い、いや、単純にまだ出番じゃないから。というか、何か黒くなってまs「黙れ」
セイバーオルタ「メインヒロインである私を使わない作者になど最早用はない。『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め…!エクスカリバー・モルガァァァァン‼」
あ、ちょっと待ってシャレになってなぁぁぁぁ………
セイバーオルタ「何だ、まだいたのか読者共。ならば良い事を教えてやろう。次回よりこの作品に変わり、私が主人公の『セイバーオルタは聖杯戦争を余裕で勝ち抜くそうです』が連載開始だ。この騎士王の活躍、とくとその眼に焼き付けるといい!」
ps.当然次回もセイバーの出番はありません。やはり凌辱は心地良いww by大江山のかわいい首魁