オッス、オラ龍二。Fateの世界に転生して聖杯戦争っちゅうのに参加する事になったんだ。つえぇ奴らがいっぱいいてオラわくわくすっぞ。
―――ハイ妄想限界。うん早かった。自分でも思ってたよりネタ切れ早かった。
はてさて、恒例のクイズの時間です。俺は一体どこで何をしてるでしょ~か。ちなみに答えはこちら、
全ッッッッ力で息を殺して隠れてます。
場所は学校の敷地内の林。人一人分くらいの大きさの茂みの下に身を潜めています。ええ、数日前に士郎とライダーがこんにちはした所です。
どうやら物語は話数で言う8話目に突入したらしい。トイレに行って教室に戻ったらクラスメイトが全員ぶっ倒れててマジビビった。
士郎と遠坂はすでに行動を起こしているようだ。校舎の方から時折戦闘音が聞こえるのがいい証拠だ。俺?トイレに行ってたおかげで思いっきり乗り遅れましたよ?トイレに魔物が住んでいるという話は本当だったぜ。もうおかげで腹が下るくd――
汚い話はここまでにしよう。では次は、俺はなぜこんな所で隠れているかだ。
道理を通すなら俺は士郎たちに加勢しに行くべきだろう。だが思い返してみよう。ここまで原作崩壊は何度起きているかを。
たまには原作通り物語を進めた方がいいだろう。これは俺のささやかな心遣いなのだ。間違っても、士郎達と一緒にいて誰かさんの首がぐるんと1周回るのを見たくないからという訳ではない
あ、そうそう。イリヤちゃんとは取り合えずしばらく互いに手を出さないという形で話を付けました。口いっぱいにお肉を頬張りながらはふはふするイリヤちゃんはマジ天使でした(すまし顔)。あの後聞いた事だけど、戦いの後バーサーカーの命は9つも削られていたらしい。やっぱダンチだぜオールマイトは。
あ、そうそう。昨日初めてセイバー見たけどやっぱすげぇ美人だったね。羨ましいぜ士郎。あんな美人と一つ屋根の下なんて―――
「それで隠れているつもりですか」
What?
不意に寒気を感じ、魔力による身体強化を全開にして茂みの中から飛び出る。直後、俺のいた茂みが真っ二つに切り裂かれた。
「なるほど、魔術師でしたか。まあ、関係ありませんが」
目に入ったのは薄いピンク色の髪の奇抜な格好をした女性。あ、知ってる。この人、
「…? 何ですか?」
首がぐるんってなる人だ。
*
ライダー が 現れた!
龍二 は どうする?
「全・力・疾・走ォォォ‼‼」
足に集める魔力を最大限まで高め、駆ける。やる事は決まってる。逃走――
「逃げられるとでも思っているのですか」
しかし 回り込まれた!
だがそんな事は想定内。
「ドラァァァァ‼」
地面を叩き、土煙を巻き上げる。一瞬、それだけでいい。そうすれば誰かを召喚できる。そうすれば何とかなる。
そう思った俺の肩を、鋭い刃が切り裂いた。
(…!失敗フラグかよ!)
悪態をつきながら、土煙の中から抜けて後退する。だが、すでにライダーの魔の手は眼前にまで迫っていた。
(クソ!どうする⁉)
そのまま後退?それとも迎撃?しかし浮かんだ案の先に見えるのはどれもバッドエンドだ。魔術をかじった程度の人間が、サーヴァントに敵うはずがない。なら一体どうすれ―――
『前を向け』
‼‼‼⁇⁇
何者かの声が響いた。そしてその瞬間、狭まっていた視界が、広がった。
ライダーに向かって右下の部分、そこにわずかな隙を見つける。そして地面を蹴ろうと足に力を入れ、蹴る。
その直後、俺は自分でも気づかない間にライダーを抜き去っていた。
「⁉‼⁇」
明らかに動揺しながらライダーは振り返る。7つのクラスの中で随一の機動性を持つ彼女の目にも見えなかったようだ。
………一体何が起きた?
魔力で強化していたとはいえ、あれほどの速さで動けた事はこれまで一度もなかった。なら火事場の馬鹿力という奴だろうか。そう考えていると、携帯のバイブが鳴っているのに気が付く。こんな時に一体誰が…と思いながらも携帯を取り出すと、
『私が投影された‼』
ぶっっふぉ!オールマイト⁉
『やあやあ樫早少年、こんな時にすまないね。でも、どうしても君に伝えなくちゃならない事があってね。特別に携帯越しに話をしてるのさ』
マジかよ、一体どうなってんのよこの世界観。普通に次元超越しちゃってるよね。
「あの、一体何を「ごめんちょっと黙っててくれる?」……」
悪いね、君の相手はもうちょっと後だ。
『君、結構お構いなくズバッと言うタイプなんだね…。まあいい。私が伝えたい事というのは、今まさに君の体に起きた変化の事さ』
ああ、確かに。それは気になる。
『君が持つ能力、召喚は、運任せではあるが実に強力な力だ。だが、強い力にデメリットというのは付き物。君もそれは分かっているだろう?』
ああ、それね。確かに気付いてましたよ。割と最初から。
俺の弱点。それは、常に行動を共にするサーヴァントがいないという事だ。
サーヴァントを召喚できるのは戦闘時のみ。それ以外の時間は完全に無防備な状態になるのだ。つまり、奇襲に極端に弱い。
『だが私もエンターテイナー!そんな君に嬉しいお知らせだ!』
え、何?雄英合格とか?だとしたら急いで転校の準備しなきゃ。
『戦闘時以外でも君が自分を守れるように、私達の個性をプレゼントしよう!』
………おう⁉
『例えば、君がライダーの攻撃を迷う事無く見切れたのは、リンク青年の『勇気』そして『判断力』。そしてその攻撃を躱したのは、私の『瞬発力』だ。このように、君が召喚した英雄の力が、君自身の力となるのさ!』
何それ何てチート?
つまり召喚をすればするほど俺個人の能力も上昇するのか。って事はとにかく召喚しまくったらいつか無敵になるんじゃね?サーヴァントいなくても聖杯戦争余裕でしたとかツイッターで上げれるんじゃね?
『だが慢心はするなよ。なぜなら、君に譲歩されるのは私達の力のほんの一部だけだからさ。余裕ぶっこいて調子に乗っていたらあっという間にBAD END!間違っても、慢心だけはしないようにね』
前言撤回。超気を付けます。慢心、ダメ、ゼッタイ。ですもんね、飛龍さん。
『てなわけでそろそろお別れの時間だ!遥か遠い世界で君の勝利と活躍を祈ってるぞ。Plus Ultra‼』
プツリと音を立てて画面がブラックアウトする。ありがとう、オールマイト。そしてリンク。あんた達の力、ありがたく使わせてもらうぜ!
「待たせたなライダー!さあ、勝負再開と行こうか!」
―――――と、勢いよく振り向いたはいいが。あれー、何かライダーさん呆れちゃってる?露骨に溜息はいちゃったりしてるんですけど…。
「……張り切っている所すみませんが、アナタとの戦いはここまでです。マスターから呼び出しがかかりましたので、私は失礼させて頂きます」
あー、なるほどそういう感じね。理解しました。そういう事なら仕方ないよね。
「なら最後に言っておきたい事がある」
「何でしょうか。アナタと話す事など何もありませんが…」
「誰が相手だろうと絶対に油断するな」
ピクリ、とライダーの眉が動く。
「…どういう意味ですか?」
分かりやすく怒ってらっしゃるね。まあそりゃそうか。百戦錬磨の英雄に、ポッとでの魔術師見習いがこの発言。そりゃ腹も立つわ。だが、
「言葉通りの意味だ。どんなに人間でも、必ず武器を隠し持ってるもんだ。相手がただの人間だとふんぎってると、いつか足下掬われるぞ。さっきみたいにな」
「……分かりました。今の言葉、心に刻んでおきましょう。そして次に会った時には、油断も慢心も無く、確実に息の根を止めて差し上げます」
そう言葉を残してライダーは霊体となり空に消えていった。
…取り敢えずこれで危機は脱したか。流れが原作通りなら、これでライダーは脱落だ。俺はここで引き続き、結界が消えるまで身を隠そう。そうすれば、俺の目的は達成できる。
「――――ってやるつもりだったのに、何であんな事言っちゃったのかねぇ、俺」
そして俺は林を抜け出し、校舎に向かって駆けだした。
*
(―――――あの少年が言っていたのは、こういう事でしたか…)
血液が逆流し、床に赤い水溜りを作り出す。
ライダーは数分前に自分があの少年に言った言葉を思い出しながら、目の前に立つスーツ姿の男に目を向ける。
マスターとの会話中、完全に不意を突かれたとはいえ、相手はただの人間。サーヴァントである自分に大したダメージを与えられる訳がない。その甘い考えが原因だった。実際はその一撃を喰らった事で内蔵の6割が損傷、アバラも数本持っていかれ、立っているのがやっとの状況だ。
(油断も慢心も無く、ですか。どの口が言ってるんでしょうね)
自身のマスターは教室の隅で震えながら縮こまっている。何とも情けない姿だった。だがそれが今の自分とどちらの方が情けないかと考えると、思わず笑みが零れた。
そして視界の先で、男がゆっくりと拳を構える。
(――――――――――くる‼)
次の瞬間には拳が眼前まで迫っていた。確実に自分に死を与える拳、もはやどうする事もできなかった。
だが、そんな時、
「DELAWARE……」
パリン、と窓ガラスが割れる音と共に、どこかで聞いた声が聞こえ、
「SMASH‼‼‼‼」
自分と拳の間を、凄まじい衝撃波が突き抜けた。
*
やっべぇしくじった!DELAWARE SMASHはデコピンだった!衝撃波の場合はTEXASだった!しかし、それはともかく、さすがオールマイトのパワーだ。ぎりぎりとはいえ、なんとか間に合った。
「ドーモ、クズキ・センセイ。カシバヤ・リュウジです」
俺がそう言うと葛木も「ドーモ」とお辞儀をしながら言葉を返す。さすが先生分かってる。いかなる状況でも挨拶は大事なのだ。古事記にもそう書いてある。
「……何の真似ですか」
そう声をかけられて振り返る。声の主はライダ――ってうぉいうぉい、予想以上にひどい有様だよ。口から血ドバドバ出てんじゃん。
「…喋る余裕あるんなら、そこのワカメさん連れてどっか行ってくれませんかねぇ。こちとらアンタら気にかけながら戦う余裕ないんで」
と、俺が言葉を終えたその時だった。葛木の姿が、視界から消える。
瞬時に魔術回路を起動させ全身に強化の魔術を巡らせる。そして同時に、頭の中に緑の剣士をイメージ、彼の判断力―『見切りの力』をこの身に宿らせる。だが、少し遅かった。瞳が目前にまで接近した葛木の姿を捉える。サーヴァントをも屠る拳、それが自分に向かって放たれる。避けるか?いや、今からじゃ間に合わない。ならばと俺は迫りくる葛木に向かって拳を振り被る。
(オールマイトの力なら悪くても相殺、もしくはそれ以上も持っていけるはず!)
そして『ワン・フォー・オール』を纏った拳は―――空を切った。
完全にしくじった。一発目は囮、本命は二発目かよ。もう迎撃もできない。回避ももちろんできない。
なら、次の手だ。
「『限定展開』」
何もない空間に退魔の聖剣とその対となる盾の姿を映し出し、掴み取る。
(俺ってば、プリズマ☆イリヤの方は結構しっかり見てたりするのよね)
葛木の顔にわずかに動揺が生まれる。どんな人間であれ、想定外の出来事が起これば体の動きは鈍る。そしてそこにできた隙を―――斬る!
「デヤァァァァァァ‼」
しかし、叫び声と共に放った斬撃は、葛木の左腕を掠める程度で終わった。
だが、これでいい。
「これは……」
退魔の聖剣――マスターソードは、その名の通りすべての魔を祓う。例え神性の物だろうと、それが魔術の類であるならば何であろうと無力化する。
「という訳で葛木先生、これでアンタはただの人間だ。掠り傷程度で済んでる内に、とっとと帰った方がいいんじゃないですか」
『あら、随分と威勢のいい坊やがいたものね』
あ、やばい、調子にのっちった。急いでミラーシールドを頭を覆うように構える。次の瞬間、魔力で構成された弾丸が滝のように降り注いだ。
…マジで危なかった。少しでもタイミングが遅かったら完全にミンチだったわ。
「防ぎ切りましたか。魔力を完全に断つ剣と盾…そんな礼装を持つ者が、こんな時代にいたとはね」
「…別に、ただの借り物ですよ。気前のいい勇者さんがいましてね」
お初にお目にかかり光栄です、キャスター殿。何て言ってみたけど、正直かなりやばいな。
『限定展開』。試しにやって成功したのはいいが、やはり俺に力量不足があるのか、武装の維持がそろそろ限界だ。ちょっとでも気を抜けば消えちまう。
加えて、『ワン・フォー・オール』の反動か、体中が無茶苦茶痛ぇ。骨は折れない分、筋肉に負担が回ったってか。
さてどうする。召喚は当然させてくれないだろうし、後ろにはライダーもいる。下手すりゃ二対一になる可能性だってある。そうなったら完全に詰みだ。
「…やはり、この聖杯戦争における最大の異物はアナタですね」
「だったらどうします。今の内に俺を潰しときますか?それともいったん様子見で退いときますか?俺としては後者を進めますがね。アンタの結界も、この件の前じゃただの紙同然だぜ?」
是非とも後者でお願いします是非とも後者でお願いします是非とも後者でお願いします。
「フフフ、本当に威勢がいい事。でも残念ね、私は前者を選ぶわ。じゃなきゃ、こうしてアナタの前に現れてなんかないわ。それに何より――――アナタは、私のマスターを傷つけた」
やっば人妻の執念舐めてたわ。
キャスターが魔法陣を展開する。こうなったらやるっきゃねぇ。腕を捥がれようと腹を裂かれようと戦うしかない。俺の二度目の人生は、こんな所で終わらせない!
魔法陣の中心に魔力が集中していく。まずはアレを防ぐ。そう考えた時だった。
背後から、紫電が駆け抜けたのは。
「――ッ‼」
ギィィィィン‼と、まるで鋼がぶつかったかのような音が響き渡った。
何が起こったのか。キャスターが魔力弾を放つ直前、彼女に斬りかかった者がいたのだ。じゃあそれは一体誰か。答えは一人しかいない。
「驚いたわ。アナタまだ動けたのね、ライダー」
「…」
直後、キャスターの魔法陣から八つの光が走り、ライダーを襲う。通過点にある物体を破壊しながら迫りくる光弾を、ライダーは持ち前の機動力で全て躱していく。
チッ、とキャスターは舌打ち、重ねて魔法弾を放つ。ライダーはそれを再度躱したところで、手に持った鎖を一度大きく手繰り寄せる。するとキャスターの足もとから鎖が現れ、彼女の体を縛りあげた。
……俺こんな奴らと戦おうとしてたのか⁉英雄の力を持ったところで入り込める空間じゃなかったぞこれ⁉
「あまり深く考えないで下さい」
俺に背を向けて立つライダーが声をかけてくる。
「借りた物は返す、ただそれだけですので」
あー、はいそういう事ね。ではありがたく受け取らせて頂きます。いつの間にか『限定展開』も終わってたし、ほんと助かりました。
「まさか、アナタが彼の側につくとはね」
鎖に縛られたままキャスターが口を開く。しかし、こんな状況にあるにもかかわらず、キャスターの顔には笑みが浮かべられていた。
「いいでしょう。坊や、アナタの言う通りこの場は退く事にするわ。さすがに私も、4対1では少々辛い物があるかもしれませんし。構いませんか、マスター」
4対1?何言ってんだこいつ。
「お前がそういうのならば、私は何も言わん」
「ありがとうございます。それでは坊や、またいつか。私のマスターを傷付けた罪はいずれ償ってもらうわ」
それだけ言うと、キャスターと葛木の姿は消えていった。
…最後にとんでもない置き土産していきやがったよあの人妻。どうしよう、もう関わりたくない。
「まあ、それはそれとして。ありがとう、ライダー。おかげで助かったよ」
「礼を言われる筋合いはありません。さっきも言った通り、私は借りを返しただけです」
へいへい、そういう事なら俺は何も言いませんよ、っと。さて、そんじゃあ帰るか。学校はどうせ明日には元通りになるだろうし。帰って今日は寝よう。体中が筋肉痛で痛いし。
「――――ざけるなよ」
ん?今誰かなんか言った?
「ふざけるなよお前!勝手にそんな奴と協力しやがって!僕はそんな指示出してないぞ!大体なんだよ!サーヴァントのくせに生身の人間に負けて、その上敵のサーヴァントまで取り逃がすなんて!ほんっとうに無能だなお前は!クッソ!言峰のやつ、こんな使えないサーヴァントよこしやがって!」
あー、いたのねワカメ君。てっきりさっさとトンズラこいたもんだと思ってたわ。
「申し訳ありません、マスター。しかし状況が状況でしたので、あの時は彼に協力するのが最善策だと判断しました」
「その結果がこれか。笑わせるな!そんな事を言って、結局は自分の身が可愛かっただけだろうが!」
うーん見事なブーメラン発言。ある意味清々しささえ感じます。
「……もういいよ、お前なんかいらない。―――令呪を持って命ずる。自害しろ!ライ――」
「はいはいそこまでっと」
ワカメ君のお腹にSMASH!彼はカエルのような呻き声を上げて吹っ飛んで行きました。
俺の目の前でそんな悪質行為はさせないよ。というわけでワカメ君、お話ししましょうか。
「間桐慎二、令呪を使ってライダーに命じろ。魔力の供給相手をお前から俺に切り替えろ」
「は、ハァ⁉何で僕がそんな事ブガァ!」
「質問は一切受け付けない。お前が無駄口を叩けばそれごとに一発殴る」
「そ、そもそもあいつの魔力は桜がやってるんだ。僕には関係ない!」
あ、そうなの。それは初めて知ったわ。というわけで一発。
「ボゴァ!」
「でも本来サーヴァントの魔力供給はマスターがやる物なんだろ?それを別の人間に切り替えたって事は、当然俺に対してもそれができるって事だよな」
「そ、それはそうだけど何でお前にオゴッ!」
「質問は一切受け付けないって言ったよな?慎二、これは命令だ。見返りの無い一方的なな。逆らうなら――」
「わ、分かった!やるよ、やればいいんだろ!」
「その通りだ。あと、令呪は残りの分すべてを使い切れ。じゃないと――」
「ヒィ!分かった、分かったから!」
うんうん、聞き分けのいい子で助かった。確かこいつ禄でもない奴だったはずだし、これでよかったよね、きっと。
「…意味が分かりません」
…何となく、そう言うと思ってましたよライダーさん。
「そうまでして、アナタの目的は一体何なのですか」
目的…ですか。あんまりそういうのは考えた事ないからなぁ。
「そうねぇ、強いて言うなら……ハッピーエンド、かな」
「…………は?」
止めてその視線、心が折れちゃう。俺の心はガラスより脆いのよ。
と、してる内に誰かがこちらへ来る足音が聞こえてくる。多分士郎達だな、遅いよ全く。あとキャスターが言ってた4対1ってそういう事ね。
「ま、あんまり深く考える必要はないぞ。ただの気まぐれと思ってくれ」
「……本当に、色々な意味で興味深い人ですね。アナタは」
そう言うとライダーは霊体となって消えていった。
俺の目的はハッピーエンド。それは事実だ。しかし、彼女を助けたのにはまだ別の理由がある。それは…
「ぶっちゃけ、すげぇ好みなんだよなぁ、あの人」
転生歴16年。転生前を含めれば、この世に生まれて34年。そろそろ春が来ても、いいんじゃないでしょうか。
閲覧ありがとうございます!
半年ぶりの更新、新たな設定もぶち込んで心機一転意気揚々と「エクスカリバァァァァァァァ‼‼」ぎゃああああああああ!
セイバー「どういう事ですか!なぜメインヒロインである私が、3話たっても登場しないとは!半年以上待たせといてその見返りがこれですか!」
い、いや名前はちゃんと出て「そうやって誤魔化そうとするんじゃないカリバーー!」あああああ……
セイバー「という訳で閲覧者の皆様、次回はメインヒロインであるこの私、アルトリア・ペンドラゴンが活躍する事に期待を膨らませつつ、このブラウザをお閉じ下さい。あと評価や感想も待ってますので、是非ともよろしくお願いします。それではまた次回!」
ps.次回もセイバーの出番はありません。是非もないよね!