The Last Stand   作:丸藤ケモニング

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気がついたら書いてた。

そして文章がグダグダだ。

泣きたい……。






8,幕間 恋愛後見人

 何がどうしてこうなった。

 僕が部屋でユリとお茶をしていると、茶釜さんを小脇に抱えたアルベドが『お話があります!拒否権はない!』と、本当にこっちを敬っているのはどうか分からないようなことをほざきつつ、僕のユリにお茶とお茶菓子を用意するように申し付けて、現在、テーブルを挟んで僕の前に座っている。

 しかし、話とはなんだろう?実務的な事はモモンガさんと茶釜さんに任せているし、リュウマと僕はどっちかと言うと何かあったときにすぐさま動けるようにリラックスして待機するのが仕事なんだけど。

 

「失礼いたします、お茶とお茶菓子をお持ちしました」

 

 ナイスタイミングだユリ。さっきから妙にぎすぎすした空気が充満してて、気が滅入っていたんだ。どうせだったら一緒にいてくれればいいんだけど。

 目の前に運ばれて来た紅茶を一口音もなく啜り、アルベドは数回虚空に目をやり、そして茶釜さん、ついで私を見て、大きく息を吸い込み、吐き出し、もう一回同じ動作を繰り返し、少し鋭い視線で私たちを見た。

 

「まずは、お二人に聞いていただきたいことがございます」

「うん?何々?神妙なお話?」

「茶釜さん、茶化さない。…アルベド、話してもらえる?」

 

 真剣な表情のアルベドを茶化そうとする茶釜さんをたしなめ、アルベドに話をするようにすすめる。

 

 一通り話を聞いて、この部屋は静寂に包まれていた。茶釜さんは驚きに、アルベドは死刑を待つ罪人の顔で、ユリは至高の方々に対する不敬を守護者統括が心に抱いていた事による驚愕からだろうな、と、思う。

 ちなみに僕は別に怒ってもいないし驚愕もしていない。むしろ呆れていると言ってもいい。

 

「至高の方々にこの様な感情を持つなど、守護者として失格。お二人が私の首を跳ねたいと申されるのでしたら、私はそれを拒むつもりはありません。如何様にもお好きなように」

「……では、アルベド、僕から質問があるんだけど、構わないかな?」

「?はい、何なりとお聞きください」

「うん、ありがとう。では、まずは一つ。なぜ、その話を僕や茶釜さんにしたのか。二つ、なぜそんなことでそこまで気に病んでいるのか…まぁ、今のところ気になるのはその辺りかな?」

 

 アルベドが、なぜか目を見開いた後、穏やかに微笑んだ。なんだろう、そんなに妙なことを言ったかな?あれ?ユリまでなんか妙な目で見てる。

 

「はい、では最初の質問にたいしてお答えしますね。この話、実はリュウマ様に先にいたしまして、お二人に胸襟割って話をするようにと、アドバイスをいただきました」

「なるほど。それで、ちゃんと想いの内を話せた?ああ先に僕の答えを言っておくと、それは、君が抱いている感情であるならば、しょうがない。許すも許さないもないよ。ただ、もう一つ言っておくなら、僕は君と仲良くしたい。これからは一緒にすごすんだ、ギスギスするのは避けたいからね」

 

 そう言って、お茶を一口。美味しいね。さすがユリ。いや、ユリがいれたかどうかは知らないけどね。

 

「リュウマ様にも同じような事を言われましたわ。二つ目の質問に対しては、私が貴女方に仕えるように創られたから、そうお答えしましょうか」

「それは、僕に対してだけじゃない?」

「全くもってその通りですね。だからやまいこ様、どうか罰をいただけませんか?」

「……」

 

 僕は考える。罰とは言っても、僕はそれ自体になんとも思ってない所がある。むしろ納得できるだけの話だし。

 実のところ、前もってリュウマが教えておいてくれたことだから、驚きなんて欠片もないし、彼女がどういう思いでいたかも分かってる。だから罰らしい罰なん思い付かないんだけど。

 

「やまいこ様?」

「よし、じゃぁアルベド。罰を申し伝えるよ」

「!はっ!何なりと!」

「この話を外へ公表しない事、これからは僕達にちゃんと仕えること。そして、僕とは友達になること、いいね」

「!?しかし、それは……!!」

「しかし、は無し。ついでにこう言う場なら敬語も要らないよ、アルベド」

「……分かりましたやまいこさん。公の場ではいつものように対応させてもらうわね」

「是非、そうして」

 

 ユリも分かった?そう問いかけると不承不承ユリが頷いてくれた。良かった良かった。

 さて、ここで問題になるのは、さっきから沈黙し続けている茶釜さんだね。

 

「ねぇ、アルベド」

「なんでございましょうか、ぶくぶく茶釜様?」

「アルベドは、その、モモンガさんの事、好きなの?」

「ええ、もちろんですわ!好き、そんな言葉で言い表すことができないほど、私はあのお方を愛し、敬愛し、尊敬しておりますの!ぶくぶく茶釜様、いいえ、茶釜さん、あなたはそうではないのですか?」

「……それは……」

 

 茶釜さんは言葉をつまらせる。普通に喋る分には大丈夫なのだけど、茶釜さんは一度そういう要素が絡むと、途端に中学生になってしまう部分がある。下手すれば、昨今の小学生にだって劣るんじゃない?

 アルベドの言葉は、パッと聞いただけでは茶釜さんを追い詰めているようにも聞こえる。だけど、実際は茶釜さんを発奮するために言ってるんだろうなぁって気がする。……当事者にすれば、追い詰められているように感じるだろうけど。

 

「……まぁ、答えを聞きたいわけではないの、茶釜さん。私は、正々堂々、あなたと正妻の座を争いたい、そう思ってるの。その上で仲良くできたら最高じゃないかしら?」

「うん、まぁ、そうねぇ……ねぇ、アルベド」

「一応、ライバルで友達って事だからさぁ」

「そうね」

「ちょっとコンプレックスの話になるけど、聞いてくれる?」

 

 僕は一つため息をつき、ユリに紅茶を頼もうと後ろへ向くと、そこに立っていたはずのユリがどこにもいなかった。はて?いったい、いつ出ていったのやら?

 疑問に思いながら、僕は立ち上がって紅茶のポットを手に取ると、自分のグラスに注ぎふと、思い付いた。こう言う話をするときは、やっぱりお酒じゃないだろうか。そう思いながら、僕はアイテムボックスからワインを複数本取り出すのだった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「いや、何を言ってるんだ、お前は」

 

 唐突に俺のもとに訪ねてきた、プレアデスのユリ·アルファがよく分からないことを言った。と、言うか、アウラと見回りの話をしている最中に話しかけられてどんな反応を返せと言うんだ。

 

「ですから、ぼ……失礼、私たちプレアデスや一般メイドに至るまで、格上の方々と恋愛は出来ますか?そう聞いておるのでございますリュウマ様」

「えーと、リュウマ様、私、席をはずした方がいい?」

「いや、別に席は外さなくても構わぬ」

 

 むしろ逃がさない。絶対にだ。

 

「一応聞いておこう、なんでそんなことを聞くんだ?」

「先程アルベド様から、リュウマ様に恋愛後見人になっていただいたとお聞きしましたので、その辺りの事を詳しくお聞きすると同時に、出来れば私の後見人にもなっていただきたいな、そう思いまして」

 

 いやいや、そう思いましてじゃないよ。なんでそんな話になってるんだよ意味わかんね。アルベドには、『なんかあったら相談してね?』位の気持ちで言ったのに、どんな脳内変換してるんだよ。まぁ、思春期のお嬢さんなんか、そんなもんかもな。

 煙管を取りだし刻み煙草を押し込み火をつける。芳しい煙を堪能して口から吐き出し、ユリ·アルファを見る。表情は真剣そのもの。

 

「恋愛後見人にはなれない、と言うかなった覚えすら無いんだが。とにかく、恋愛に関しては自由だ。そこに至高のお方とか守護者だとかメイドだとか、そう言う垣根は無いと思え」

「では、性別の壁はいかがいたしましょう?」

「性別の壁ね、性別は…はぁ?」

「私が愛しいと思っている方は女性なので、その辺りはどうなのかと」

 

 ……やまいこさんは、この子にどんな設定を生えさせたのやら。

 

「あーうーん……ちなみに聞くが、相手は誰だ?」

「えっ!?あ、いえ、答えなければならないのですか?」

 

 むっ、やまいこさん並みにクールなユリの表情が珍しく崩れた。つまり、それだけ知られたくないってことか。

 

「あ、いや、言いたくないなら言わなくていい」

「そうですか、安心しました。それで、同姓同士というのはどうなのでしょう?」

「いいんじゃないの?」

 

 もう、面倒くさいから適当に返す。なんかホッとしたような顔で礼を言われたが、なんだろうな、これ。

 

「リュウマ様ぁ、いくらなんでも適当に答えすぎじゃないですかぁ?」

「いいだろ、別に。とりあえず、明日からは、ここから十キロ圏内の調査に入るから」

「あ、はーい、了解です♪ところでリュウマ様?」

「なんじゃらほい」

「私がぁ、恋愛相談とかしたらぁ、相談に乗ってくれますぅ?」

「……時と場合による」

 

 こう言う話に乗ってくると言うことは、やっぱりアウラも女の子だなぁ。

 

「え~、そこはもっと親身になって聞いてくださいよぉ」

「分かった分かった。じゃぁ、その時がk「わっちも相談にのってほしいでありんす」誰だよ」

 

 シズシズと歩いてくるのはシャルティアだった。まぁ、第一階層で話してるんだからそりゃぁ現れるわな。

 てぇか、アウラ、隣で「げっ」とか呟くな、怖い。

 

「ご機嫌麗しゅう、我が主人様」

「挨拶なんかどうでもいいでしょう!?どうせさっきの話、立ち聞きしてたんでしょうが!」

「あらぁ、おちび、いたでありんすか?小さすぎてよう見いせんしたから、挨拶が遅れてもうしわけありんした」

「はぁ!?あんただって似たようなもんでしょうがこの偽乳!」

「うるさいでありんすよこの糞餓鬼!」

 

 なんでこいつら出会うなり喧嘩してるんだ?まぁ、喧嘩するほど仲がいいとは言うけどな。

 

「それでシャルティア、相談なんだろう?てか、相手はモモンガさんだろ?」

「さすが至高のお方、よく分かってらっしゃる。それで、わっちはどのように迫ればよろしいんでありんしょ?」

「……お前の能力を駆使して、このナザリックのために働けば、結果はついてくると思うけどな?」

「そこをもうちょっとなにかアドバイスが欲しいんでありんすが……」

 

 なんだろモモンガさん、ここに来てモテ期なんだろうか?あ、ティンと来た。

 

「……モモンガさんはああ見え押しに弱い。だから押して押して押しまくればいいと思うぞ。その際、茶釜さんとアルベドが壁になるから気を付けろ。時には引くことも重要だ。そして、何より茶釜さんに宣戦布告してからせまること。以上だ」

「なるほど、押しの1手でありんすね!分かりましたわ!」

 

 踊るようにくるりとその場でターンし、シャルティアは美しい顔になんとも言えない笑顔を浮かべて、

 

「これでモモンガ様の寵愛はわっちのもの、クフフ」

 

 と、言ってる。うん、もう好きにさせよう。

 

 生暖かく見守っていると、シャルティアは気合いの入った表情で礼を言いながらシャナリシャナリと歩いてこの階層から出ていったらしい。

 

「リュウマ様、とめなくていいんですか?」

「ああ、問題ない」

 

 たぶん、その時俺は満面の笑みだったと思う。

 

「リア充爆発しろって言うだろ?」

 

 たぶんモモンガがストレスで爆発すると思う。いい気味である。

 

 

 

 

 

 後日、俺はナザリック中のNPCから恋愛後見人に認定されることになる。

 

 なんでこうなった。

 

 




グダグダ過ぎる。

けど書いたから投稿しちゃう。

これが、俺の力量か……!

次回、今度こそカルネ村編。

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