「……かつて、世界に4つの希望が現れた――。
『グリフィンドール』『ハッフルパフ』『レイブンクロー』『スリザリン』。
偉大なる四人の魔女と魔法使いは詮索大好きマグルな奴らからこの城を隠した。
四人は言った。『ここに学校を建てよう』と。
しばらく和気藹々と、魔法力を示した若者をスカウトし教育していたが……ある日、スリザリンとグリフィンドールが喧嘩した。
『やっぱオレ入学者を選別するわー』
とか言い出した。ので杖とか剣とかヤクとか鍋とか色々持ち出して殴り合った結果、何があったのかよく分からんがスリザリンが学校を去ることになった。だが。彼は転んで只で起きる奴じゃなかった。ムカついたから嫌がらせにみんなで仲良く作った友情の証であるお城に『秘密の部屋』ブチ開けて、その中にロクでもないもん詰めて.
『こんなとこ二度と来るかボケ! テメーらとは絶交だーー! のたうちまわって死ね! 子々孫々まで呪われるがいい! ホグワーツ滅べーーーー!』
と捨て台詞を吐いて消えましたトサ。
そして恐らくその凶悪な呪詛は今も尚、生き続け、多分先日解禁されたことでしょう。
メデタシメデタシ」
「素晴らしい説明ですノットさん!」
「お話ありがとうございましたセオドールさん!」
「……この位余裕」
「と、いう訳でーー! 始まりましたよ! 決闘☆クラブ!!さあ、私の声が聞こえますか? 私の姿が見えますか? 結構結構! 最近は継承者も怖いですが勝手に皆さん殺し合いを始めるのでね! だったら堂々とやらせましょうというホグワーツ始まって以来最高の偉大なる校長先生からの提案です!
講師はこの私! マーリン勲章勲三等、闇の力に対する防衛術連盟名誉会員、大英帝国勲章、そしてチャーミングスマイル賞五回連続受賞なギルデローイー……」
「「「「ロックハート様ぁああああああああああ!!」」」」
「HAHAHAHAHA! と、スネイプ先生です」
「……」
おもぐるしい沈黙が周囲を包む。
「……別に期待していたわけではない……うん……」
スネイプはすっかり上唇がめくれ上がっていた。どんな顔だ。
「ではーまずーー杖を構えて! そして優雅に~~気高く~~
お辞儀します!!」
「「「「きゃぁああああああっ! お辞儀したぁあああああああああああっっ!!」」」」
「HAHAHAHAHAHA! お辞儀します!!」
「「「「きゃあああああああああああああああっ!!」」」」
「お辞儀です!!」
「「「「ロックハート先生のお辞儀ーーーーーーーーーー!!」」」」
「HAHAHAHAHAHA!」
「アバd-」
「おぉっと! スネイプ教授、それ以上はシレンシオですよ」
「……ジョークだ」
「茶番ばっかで進まねえ」
血を裏切るロン・ウィーズリーが比較的まともな発言をした。
実質彼は心の中で「相打ちで両方死なねーかなー」と思っていた。
微妙に腹黒い男だった。
「3つ数えて呪文をかけます! いきますよ~~! ワン☆ ツー♪ スリィ~ フォイッ!」
「エクスペリアームズ!!」
目もくらむような紅の閃光が奔る。それは風よりも早く直線上のロックハート目がけて飛ぶ。
光がロックハートに直撃――。
するハズだった。
「……なっ!?」
「あれは――!」
ロックハートの上半身が――――折れる。
マグル出身者はまるで映画を見ているような錯覚に陥った。
ロックハートが――ハリウッドスターもかくや、という絶世の美男子が。
ブロンドをそよがせ、ローブをはためかせ。
体を大きく反らせてあたかも銃弾を回避するかのようなポーズで武装解除呪文を――避けた!
「マ●リックス避け――!?」
「この目で見る日が来るとは――!」
「HAHAHAHAHA! 皆さん!こんな感じです! 昔のエライ人は言いました!『当たらなければ、どうということはない!』――さぁ皆さんもやってみてください! まぁ、この技は大技ですからね! 私が習得までの課程を書いてあるのは著作のニッポンのトーキョーを舞台に私が大活躍した『グールお化けとのクールな散策』をお読みください! HAHAHAHAHAHA!」
「もうお前突っ込むのも飽きたわ。模範演技をやってくれそうな奴を選びます。ノット! 出て来い!!」
「「「「ノットォオオオオオオオ!!」」」」
スリザリン側から緑色の煙が吹き上がる!
軽快な音楽と共にライトが点滅。もちろんやってるのはピクシー妖精。
ローブを纏ったスリザリンの秀才、セオドール・ノットが壇上に現れ――――頭からすっぽりとかぶっていた黒いローブを脱ぎ捨てた。
そこには。
『光る魔法の棒』を頭の横で突き刺し、鉢巻、ハッピを着こんだ完全武装のノットの姿があった。
もちろん背中には『ロックハート命!』の文字。
よく見るとそれは鉢巻にもハッピ全体にちりばめられており、消えたり、点滅したりして非常に目障りだ。
アイツはマトモだと思っていたのに――と数少ない会話できる学友の変わり果てた姿を目の当たりにしたマルフォイが、叫ぶ。
「ノットォオオオオオオオオ!?」
「ロックハート様命!! この決闘! あなたに捧げます!!!!」
「目を覚ませノット! お前はイベントに目がくらんでいるだけだ!! 後々黒歴史になるフォイ! やめておけよ!!」
「後悔はない!!」
「ああああああああああ!」
ダメだコイツ……と、マルフォイは諦めた。
「ではグリフィンドールからも指名しましょう! 確かノット君は秀才でしたね!結構結構! ではこちらも――ミス! ハーマイオニー・グレンジャー!!」
ロックハートが指名すると、真っ赤な顔で紅潮しつつも、紅い煙と共に。ハーマイオニーが現れた。
もちろん、ハッピ姿で鉢巻を締め、腰には『ロックハートこそ我が人生』と書いてあるウチワを吊るしていた。
「何だフォイ!? これ何だフォイ!?」
「直視するなマルフォイ……! あいつらキ×ガイを見るな! 精神汚染されるぞ! 水や鏡を通して間接的に見るのだ!」
マルフォイとスネイプは必死に鏡越しに見ていた。
「グレンジャー……君とは一度戦ってみたかった」
「それは光栄ね。自慢の『光る棒』が木っ端みじんになるかもしれないけど許して頂戴」
「同じファンクラブのメンバーだが手加減をする気はない……グレンジャー、君をここでぶっ潰す」
「同じセリフをあなたに返すわ――――ノット、懺悔は済ませたかしら!?」
二人で向かい合ってお辞儀。
ロックハート命ハッピが、ふわりと広がる。
そして、今、ピクシー小妖精による――殺し合いのゴングが――響く。
「ピギュイ~~!」(オラ、殺し合えガキ共)
「「エクスペリア―ムズ!」」
武装解除、互角。
光と光がぶつかり合い、火花が散り、そして弾けた。
いち早く杖をぶった切ったノットがすぐに別の振り方を開始。
『双方!最初はエクスペリアームズです! 武装解除呪文!! 相手の杖をぶっ飛ばす呪文ですよ皆さん! 対人戦闘においてコレは汎用性が高いのでまずまずな滑り出しと言えましょう! これはいいチョイスです!』
いつの間にか司会者席に避難したロックハートがマイク越しに解説をはじめていた。
「ルーモス・マキシマ!」
ノットの杖から眩し過ぎる閃光が飛ぶ。
いわゆる目くらましだ。ハーマイオニーが袖で顔を覆う。
『次はルーモスの上級互換です! ルーモスには系統がありまして、ルーモス光よ、を基本とし、ルーモス・マキシマ、ルーモス・ソレム。ちなみにルーモスは長時間ランプのように照らすことも出来るんですよ――! 消すときにはノックスです! ここテストに出ますよ覚えておきましょー!!』
「ボンバーダ!!」
「インペディメンタ!!」
『ボンバーダ! 素晴らしいですミスター・ノット! 爆発呪文ですね! えぇ! それに対してミス・グレンジャーは妨害呪文で阻止しました! ノット君の動きが一時停止。ここはチャンスですよーー!』
「ディフィンド!」
『切り裂きの呪文です! これは当たったら痛いー!』
だが、呪文はノットの法被の袖を引き裂いただけだった。
ノットの袖が、脇までバックリと逝く。
もし狙いが数センチずれていたら、ノットの胴体がそうなっていただろう。
引き裂いた袖から。
コロコロ……と、ゴブレットが落っこちた。
「すみません水分補給用のゴブレットです。落ちてしまいました大変です」
「そうですか、それはすみません」
「大丈夫です。決闘を続けます」
「よろしくお願いします」
ノットがゴブレットを拾い上げ。
ハーマイオニーに思いっきり投げつけた。
彼女にぶつかる直前で、杖をかまえて呪文を叫ぶ。
「フィニート!!」
ゴブレットに呪文が命中。
ゴブレットがフィニートを受けて――その、真の姿を現す。
それは十数センチほどに成長した――殻なしロブスターに似たキメェ生物。
知る人ぞ知る『尻尾爆発スクリュート』だった。
『おおーーーっと! ノット君! 何ということでしょう! コレは『変身術』ですね!! 変身術の『フェラベルト』と使ってゴブレットに変えていた魔法生物を持ち出してきましたぁーーー! セコイです! 狡猾です! 勝つ為なら手段を択ばないッ! 流石スリザリンの模範生でしょう! 彼が継承者かもしれない可能性が見えてきましたよ皆さんーーーー!』
「な、んだと……!?」
「あのスコッチ野郎に分けてもらったんだよ! 本当単純だなぁ! スコッチ野郎はな!!」
以下ノットな回想。
『こんにちわハグリッドさん。僕セオドール・ノットですスリザリンですどうも』
『帰れ』
『いいお天気ですね』
『失せろ』
『実は僕スコットランド独立に興味があるんです』
『お?』
『イングランドのクソ共にスコットランドの偉大さを思い知らせてやりたいんです。スコットランドは独立すべきだと思います。インカス共に鉄槌を下す為にちょっとそこの尻尾爆発スクリュートを分けて下さいお辞儀します』
『いやはや、感心な小僧だ。よし、分けてやろう。独立運動の敵を殺せ。根絶やしにしろ、手段は問うな。奴らは人間ではない。自由の為に戦うのだ。戦士よ』
『やったーー! お辞儀しますぺこり』
「恨むんならハグリッドを恨むんだなぁああああ! 死ね! グレンジャァアアアアアアアア!!」
「う、うぉおおおおおおおおお!! プロテゴーーーーーっ!!」
ハーマイオニーはスクリュートを脳天から杖で力まかせに串刺し、突き出た杖の先から自分に向かってプロテゴをかける。
数秒後、小規模とはいえ、人を殺すには十分な爆炎。
スクリュートは死にました。
「はーっ……はーっ……死ぬかと思ったわ……もう容赦しないわ!! 殺す!」
「言ってろグレンジャー……おっと手が滑った」
ノットがにやり、と何処か妖艶な笑みを浮かべる。
彼の法被の袖先からゴロゴロとゴブレットが滑り落ちた。
その数。どう見ても、1個や2個ではない。
「ウィンガ―ディアムレビオーサ!」
20近い数の『ゴブレット』が、宙に浮く。
負けじとハーマイオニーも手をハッピの中に滑り込ませる。
中から出てきたのは、ワインボトル一本。
ハーマイオニーは空中に投げ、レダクトと叫び、中身をぶちまける。
「あ、手が滑りました。
ガソリンです」
「ガソリンですか、それは仕方ありません」
「すみません、決闘をつづけます」
「いえいえwお気になさらずw決闘に戻ります」
「ラカーナムぅううう! インフラ!! マァアアアアアレェエエエイ!!!!」
「うわあああああ! ロコモータぁあああああ! フィニート!! フィニート! フィニートおおおお!」
『発火呪文です! ミス・グレンジャー! ガソリンの上に発火呪文をかけました! 全員退避! そこから離れて下さい! ミスター・ノットは床を爆発で砕くことで延焼を防ごうとします! うまく行くでしょうか!』
スネイプがアグアメンティアップを始めた。
「無駄よ! ペトリフィカストタルス!!」
ハーマイオニーが素早く杖を振り、ノットに金縛りをかける!(下半身のみ)
ノットは動けない!
炎の中に、取り残されるノット。
「あああああくそがあああああ!」
「あっははははは! そのまま焼け死になさぁああああああい!」
「あ゙゙ああああああああああ! あづいぃいいいいいいい!」
余熱に炙られたノットの絶叫。このままだと生きながら焼かれて死ぬことになるだろう。
爆発スクリュートたちが高温にまかれて混乱し、次々と尻尾を爆発させ死んでいく。
集団爆死。スクリュート×20が死にました。
敗北を悟るノット。
煙と熱で目がかすみ、喉の奥が痛む。クラクラする頭の中ノットはもう、ただひとつの可能性に賭けることにした。煙にむせながら呪文を叫ぶ。
それは、血をはくような絶叫だった。
「アッセンディオオオオオオオオオオオオ!!」
上昇呪文。
ノットの身体は――――舞い上がった。
高く。どこまでも。高く。
高く飛翔したノットがホグワーツの岩天井に突き刺さる!
セオドール・ノットは死にました。
「勝者! ハーマイオニー・グレンジャーです! HAHAHAHAHA! 皆さん! 拍手を!」
「「「「キャーーーーッ! ハーマイオニー! そこかわれーーーーーー!」」」」
「嫌よ! 勝ったわーーーーっ! ホグワーツの放火魔の座は渡すものですか!! 去年からスネイプのローブを燃やしてきたのは―――私よーーーー!」
「「ハーマイオニーすごいやーー!」」
「……吾輩、あのローブお気に入りだったのに……」(涙目)
「スネイプ先生! ノットを降ろしてあげてください!! ノットー!! しっかりするフォイ! ノットー!」
「おはよ。今起きた産業。……ん? なにあれ? 何か天井に男の下半身生えてるんだけどキモっ」
「ら、ラドフォード! 今まで何していたんだ君は! あぁ!もうこの際何でもいい! アレはノットだフォイ! はやく助けてくれよ! 君ならできるだろう!?」
マルフォイは、一応優等生なベスに助けを求めた。
べスは端正な顔をうーん、と傾げ、どこか悩んでいるような顔で少しだけ思案した。
そして、結論を出す。
少女は杖を振り上げた。
「シャンデリアにします」
「あああああああああああああ! ノットォオオオオオオオオオオオオオオ!」
何かその後ハリーが蛇言葉とか喋ってた。
数日後。
「イートン校に行くはずだったジャスティン」さんは無残な姿で発見されました。
「ほとんど首なしニック」さんは無残な姿で発見されました。
今気づきました。
mkmkさん! 推薦ありがとうございました!
こんなもん推薦とかマジか、とか他にも推薦すべき名作があるよ!とかどうせだったらピクニックの方も推薦してほしいとか思う所も邪念も沢山ありますがとりあえず一言。
紹介文より注意事項の方が長くてワロタwww
だが何も間違ってないと思います。
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