それにしてもおかしいな、導入をサクッと終わらせて本編もサクッと終わらせるはずだったのに、どうしてこうなった
そういえば初めてデッキ組みました!BF!
まぁ、一緒にやる友達いないんですけどね!
「うーん……」
ベンチに座り、両手をぐいーってして体をほぐす
ここはハートランド学園内にある中庭のベンチ
明日からいよいよ学園に……なんだろ、復学でいいのかな?復学するにあたっての必要書類を提出しに来たのだ
って言ってももう提出し終わった後だけどな!
この学園での用はもう終わった後だけど、もうちょっとで放課後だしせっかくだから璃緒やナンバーズクラブの面々に会ってから帰ろうかと思いました☆
時間つぶしでDゲイザーでネトサフなう
「あのー、少しよろしいですか?」
ネトサフしてたら急に声をかけられた
……あー、制服じゃなくて私服で来てるから怪しまれて声をかけられたのか?
「もしかして、神代凌牙さんですか?」
制服の色を見る限り……三年生か
でもなんで俺を知ってるんだ?いくら璃緒がWDCとかで有名だからといっても、その双子の姉である俺に関しての情報なんて皆無に等しい
璃緒が自分から俺の事を話すなんてしないと思うしな、仲の良かったナンバーズクラブの面々だってシャーク=神代凌牙ってのは知ってたみたいだけど、俺の顔とか知らんかったみたいだしなー
「そうですけど、貴方は?」
「失礼しました、私は漫画研究部の部長です
お噂はかねがね聞いてますよ、それでぜひあなたにお願いがあるのですよ」
「………内容によります」
会っていきなりお願いってなんやねん
俺は警戒をMAXまで上げる、そもそも噂ってなんだよ、噂って
病院を脱走したりとかしてないのになー、あ、もしかしてシャークの噂の事かな?
「実はですねぇ、貴女をモデルにした漫画を描きたいのですよ
九十九遊馬君が主人公であなたはその前に立ちふさがる悪の手先!どうですか?」
「いやいや、俺よりももっといい素材がいるだろ
そもそも噂で俺を知ってるって言ってもあったこともない初対面の人間にそーゆーのを頼むのはどうかと思いますけど…」
「まぁまぁ、そんな固いこと言わずに」
「……いやです」
「いやだなんてひどいですね
大丈夫です、ほら、貴方は漫画のモデルになることを了承するだけでいいんですから」
「噂だけで勝手に漫画のモデルにして、その上問答無用でYESと言えだなんて……」
なんだこいつ、一気に雰囲気が変わった
それにこの禍々しい気配……
神代凌牙を知っている、神代璃緒、九十九遊馬、そしてこの禍々しい気配
……まさか
「…バリアン?」
漫研の部長の顔が一気に強張ったのが分かった
あーこれはあかんパターンですわーやばいパターンですわー
「くくくく……はははっは!素晴らし洞察力だ!それこそ悪役にふさわしい!
さぁ!私と共にもう一人の悪役である神代璃緒を打ち倒すのだ!」
そう言った瞬間、漫研の部長は一枚のカードをかざした
RUMバリアンズ・フォース……?え、RUMってなんぞ?そんなカテゴリーのカードあったかな?
ランクアップマジックって直訳するとランクを上げるマジックカード
んー?エクシーズモンスター専用のカードなんかな?バリアン世界専用のカードかな?
ってなんか発光してるんだけど!これやばいやつやんけ!
……?あれ
「なんともない?」
なんだ、ただの見掛け倒しか(安堵)
漫研の部長が「嘘だ…」とか「バリアン世界の力が…」とか言ってるけどそんなの関係ねぇ!
逃げるが勝ち、古事記にも書いてある(嘘)
「!!待て!」
うえええええええ気づかれたあああああああ!
いや、まて、俺は人間の皮を被ったゴリラだ、運動神経もいいほうだし俺の足に追いつける奴なんてそうそう……
「ってはえええええええええ!」
なんでや!あの見た目完全インドア派の漫研の部長早すぎるだろ!
てかあの額にある十字架っぽいのなんだよ!おしゃれか!
ていうかマジやばい!俺デッキないしデュエルしないし!
これは援軍を呼ぶしかない!
Dゲイザーから璃緒の番号出して……
……
「出ないいいいいいいいいいいい!」
せやんな今ぎりぎり授業中だもんな!
他!他は……
ダメもとでトーマスに連絡しよう!ワンチャンワンチャン!
<……なんのようだ、俺今眠いんだよ……>
「今どこにいるん!?助けて!ヘルプヘルプ!」
<うっせー……助けてって何がだよ>
「バリアンに操られてるっぽい奴に追われてるんだYO!」
<……はぁ!?>
遅いよ!事の事態を理解するのが遅いよ!
マジでこれあかんて!体力がもう持たんて!ガチでやばいて!
<今どこだよ!>
「あれ!俺が寝てた病院付近!」
<そっちに付くの一時間ぐらいかかる!>
「オーマイガッ!」
<今から行くから頑張れ!>
そう言って切れるDゲイザー
すまんトーマス、一時間は無理だわ
誰!他に誰かいないのか!Dゲイザーで他の人に連絡できないか見てみる
後はあいつしかいない!璃緒に繋がらなかったけどもう藁にもすがる思いだ!
<はい、どうしましたかシャーク先輩?>
で、出たあああああああ!時間的に今ホームルーム中なのになんで電話出れるのか疑問だけど出たああああああああ!
「助けて!今バリアンに操られてるやつらに追われてるなう!」
<は、え、はぁ!?どういうことですか!?>
「こっちだってわかんないよおおおおおおおおおおおおお!マジで助け」
「やっと追いついた!」
「ふぁ!?」
嘘だろ!もう追いついたの!?
電話に夢中だったせいかいつにの間にか背後を取られていたことに気が付かなかった
\(^o^)/オワタ
「洗脳ができないなら人質になってもらうだけだ!私の漫画の世界に入ってもらおうか!?」
そしてスケッチブックが輝いたかと思うと、一瞬にして俺の視界を奪った
璃緒、なんかまたこんなんなってすまぬ
トーマス、やっぱり一時間はムリゲーだよ……
遊馬にアストラル、バリアンの奴らってマジで手段を選ばなかったな、正直疑ってたわ
零、助けを呼んでくれたら嬉しいな
そこで俺の思考は途切れた
カシャン
光に包まれた後、神代凌牙の姿は消えていた
「くくくく、これで神代璃緒と闘うことができる!
私のキングアーサーで神代璃緒を倒し、No.を手に入れるのだ!すべてはバリアン世界の為に!ははははは!」
そして彼はその場を離れた、ふさわしい舞台で彼女らと闘うために
だから気が付かなかった、神代凌牙のDゲイザーがまだ通話中だったということに
バリアン七皇の一番の問題児に、繋がっていたということに
「❝すべてはバリアン世界の為に❞ねぇ……」
あれきりなんの返答もないDゲイザーの通話を落とし、そっと屋上を後にする
屋上でサボっていた時に神代凌牙からの通知が来た
不信に思い通話に出るとまさかのSOSの電話だったのだ
神代凌牙はデュエルをしない
だから俺に連絡を入れたのだろう、助けを求めるために
時間的にはまだホームルームの時間だ、神代璃緒や九十九遊馬達はくそ真面目だから(まぁ九十九遊馬は遅刻居眠りを頻繁にしているから真面目とは言い難いかもしれないが)Dゲイザーで連絡を取ることができなかったのだろう
俺があいつを助ける義理はない……むしろ九十九遊馬とアストラルに復讐するという俺の目的を考えればむしろこのまま捕まっていてくれた方が好都合だ
なのに、俺の意思とは裏腹に俺の足は早足に二年生の教室を目指していた
神代凌牙が××××と重なるように×××と重なる神代璃緒
放っておけばいいのに、伝えるなら九十九遊馬達ナンバーズクラブの面々の方がいいだろう
だけど俺の足は止まることはない
(まぁ、いい)
いずれ俺は世界の王になるのだから
その時にじっくりとこいつらを調べて、この違和感の正体を探り当てる
そのためにはまず
「神代先輩、大変です!シャーク先輩が!」
バリアン七皇ベクターとしての顔を隠し、真月零の仮面を被り勢いよく教室の扉を開けはなった
目が覚めて一瞬で面倒ごとに巻き込まれる凌牙ちゃん哀れなりぃ……
次回は本編のメンバー+Ⅳのメンバーで凌牙ちゃんを救出しにいけたらいいな(願望)
後どうでもいい補足ですが璃緒もギラクとベクターにあった時に言いようのない違和感を感じています、逆もまたしかり
……しかし凌牙ちゃんと七皇メンバーの対面って全部ベクターと凌牙ちゃんが出会った時の話みたいに書いた方がいいのかなぁ……