神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

7 / 71
デュエルカーニバルはアストラル・Ⅳ・ベクター・ゼアルがクリア
今は璃緒ちゃんでプレイしてますー
璃緒ちゃんのデッキうまく回せない……(´・ω・`)


1、神代凌牙と異世界の侵略者達
7/神代凌牙あるいは××××と真月零あるいはベクターの××


空は雲一つない晴天で、風も吹いて髪をたなびかせる

……あ、あそこにあった雑貨屋さんが無くなっとるわ

本当に一年たってんだなー、一年で街並みって結構変わってるもんなんだなー

久しぶりに見るハートランドの景色に懐かしいやら、ちょっぴり変わった街並みにセンチメンタルになったり

あの事件から数日、無事に(?)退院して我が生家に帰ってきた(余談だが病院に帰った時看護師さんにしこたま怒られた、解せぬ)

俺の部屋はあの日のままで、それは璃緒がずっと掃除してて、俺の帰りをずっと待っていたことを何よりも証明していた

……本当に璃緒にはさみしい思いをさせちゃったなー

うん、そうだな、あとでたくさんお話しよう

この一年間で璃緒が体験したこと、アストラル世界だのなんだのはトロン達に教えてもらったけど、それは本当に客観的な説明だったからなー

結構璃緒はこの戦いの中心にいたみたいだし、その辺も聞かせてもらおっと

 

小さい頃遊んだ公園

 

トーマスと璃緒と一緒に行った喫茶店

 

あの事故のあった裏路地

 

多少の街並みが変わったとはいえ、それでもやっぱり変わらないものもあるんだな……

そんなこんな考えながら歩いていたら、一つの大きな建物にたどり着いた

ハートランド学園、璃緒やナンバーズクラブの面々が通い、俺も明後日から通うことになっている学園

……前世の記憶っていうアドバンテージがあるとはいえ、中学一年生の勉強丸々すっ飛ばすのは結構つらいかなぁ

ふと、視界に一人の男子生徒が目についた

なんだろ、ここに来る道のりで結構ハートランドの学生とすれ違ったりしたけど、あの男の子が異様に気になる

制服が赤、ってことは一年生だよな

オレンジ色の逆立った髪にアメジストの瞳

……?

なんだ?なんであの男の子は今俺の前にいるのに瞳の色なんてわかったんだ?

んん?なんだこのよくわからんこう、なんというか、こう、なんというか、なんというか……だめだ、この違和感をことーばにーーできなあーいー

 

「あの、さっきからうんうん唸っていて大丈夫ですか?

 良かれと思って僕と一緒に病院へ行きますか?」

 

一人でうんうん唸っていると誰かに話しかけられた

おっと天下の往来でお恥ずかしい姿を見せちゃったなぁ……

うつむいていた顔を上げてだれが話しかけて来たのか確認する

 

「「……え?」」

 

オレンジ色の逆立った髪にアメジストの瞳

先ほどのまでの男の子が立っていた

目と目が合い、一瞬、男の子が一瞬誰かとダブって見えた、でも一瞬だけでそれが誰だったかわからなかった

男の子も俺を見てほおけている

きっと男の子も俺と同じように、この言葉では表せない違和感を感じてるのかな

初めて会ったはずなのに、まるでずっと前から知っていたような、そんな感覚

 

「えっと、あ……あの、どこかでお会いしましたか?」

 

そう言うと男の子ははっとしたように目を見開き、急いで俺から距離を取った

そうだよな、こんなナンパみたいな事言われたら警戒して距離をとるよなー

 

「す、すみません!良かれと思って声をかけたのですが、えっと……」

 

「違和感?が、あるって?」

 

「は、はい!すみません、初対面なのに、僕、おかしいですよね……」

 

「俺も違和感あるから安心しな」

 

そう言って男の子の頭を撫でる

頭を撫でると大きく目を見開き、そして

 

——ダァン!

 

いきなり目の前の男の子に組み伏せられた

……アイエエエエエエエエエ!ナンデ!組み伏せるナンデ!

 

「イタイイタイって!ど、どうしたの!?」

 

「ご、ごめんなさい!

 なんか、えっと……ごめんなさい」

 

そう謝ってから男の子は俺を開放する

この違和感といい、男の子の行動といい、まじでなんなんだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前の女は俺が組み伏せを開放したら、スッと立ち上がってぽんぽんと服の埃を払う

あの深海のような青い目

それを見た時言いようの知れない、得体のしれない違和感が俺の中でてきた

神代凌牙

WDCで俺の計画を台無しにした九十九遊馬とアストラルの仲間である神代璃緒の双子の姉

俺はこいつと初めて会ったはずなのに、なんだ、この感覚は

 

 

『ベクター』

 

 

なんで、あいつの顔が浮かぶんだ

あいつは、あいつらは、俺が、俺があいつを

 

「おーい、どうした?」

 

神代凌牙は突然固まった俺にそう問いかける

ダメだ、早く真月零に戻らないと

 

「す、すみません!」

 

こいつといると調子が狂う

なんでだ、なんでこいつはこんなにも俺をかき乱す?

 

「じゃあ、俺もう行くな、突然でごめんなーそれじゃ」

 

俺が神代凌牙に会ってから俺の様子がおかしいと悟ったのか、その場を去ろうとする

後ろを向き遠ざかっていく背中

 

待って

 

待って

 

俺を置いて逝くな

 

「んあ?」

 

気が付けば俺は神代凌牙の服の袖を掴んでいた

完全に無意識に体が動いていた

……こいつは神代璃緒の双子の姉、つまりこれから否が応でも九十九遊馬と関わりをもつだろう

今のうち神代凌牙と親密になっていれば後々楽になるだろう

神代凌牙は神代璃緒の弱点になりうる存在だ

そしてなぜ神代凌牙が、なぜ俺をこんなにもかき乱すのか、調べよう

だからだ、無意識に体がこいつを引き留めたのは

 

「あの、ここであったのも何かの縁だと思いますしお名前を教えてもらえませんか?僕は真月零と申します!」

 

そう言って敬礼しながら笑う

設定上、俺はシャークって名前は知っていても神代凌牙の名前は知らないからな

……一応神代璃緒とは顔見知りだからそういうていで言ってもよかったな

 

「うーん、そうだね、これから後輩になるわけだしなー

 改めまして神代凌牙です!明後日からハートランド学園に通う二年生だよーよろしくね」

 

『ほーん君がベクターかぁ

 俺は××××!バリアンの女王様なんて面倒な役職についてるけどよろしくね』

 

そう言って手を差し伸べた神代凌牙の顔が、どうしようもなくあいつと被って見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ!じゃあシャーク先輩ってあのWDCベスト4の神代先輩のお姉さんなんですか!?」

 

「せやで、てかそんなに驚くことかな?」

 

あれから零と一緒にその辺のベンチに座って談笑していた

話を聞く限りは零君は遊馬のファンらしい

遊馬の一番のファン……なんだ俺と同類か、類は友を呼ぶって言うしなー

 

「そりゃそうですよ!なんてったってあの極東エリアのデュエルチャンピオンであるⅣにも勝ったって話ですよ!?」

 

「うーん、俺としてはトーマ……Ⅳと璃緒がデュエルしてるって聞いてもさよかって感じなんだよなー

 よく二人がデュエルしてるの見てるし、俺は俺でデュエル(物理)してるから、そこまで驚かないというか」

 

「よくデュエルしてるっていうのもあれですけどデュエル(物理)ってなんですか!?」

 

「リアルファイト」

 

「何やってるんですか!」

 

こやつ、なかなかいい突っ込みすんなー

話を聞く限り良かれと思ってやったことが裏目になっちゃうんですよねーって……

その裏目になったとこを見てないからだけど、俺の印象的にはしっかりした子って感じがするんだけどな

 

「あの、良かれと思って僕とデュエルしませんか?

 あの神代先輩のお姉さんですから、きっとお強いんでしょう!」

 

……あー

 

「零、残念なお知らせがあります」

 

「はい?なんですか?」

 

すっげーキラキラした目でみてくるよーすっげー言いずらいよー

……まぁ?確かに璃緒はデュエル強いし?WDCとやらにも出たし?その身内である俺がデュエルするって勘違いするのもわかるよ……

なんだ、あれだ、無駄に期待させてごめんね

 

「零、俺、デュエルしないんだ」

 

「……え?」




タイトルは意図的にぼかしいてるけど絶対みなさんなんて文字が入るかわかりますよねwww
次回から満を持して原作に入ります
後どうでもいいですけどアクファでは沢渡さんが一番好きです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。