実家に録画をお願いしておいたので、今度帰った時にダビングします、さらさです、さらさです、さらさです……
それにしても10年前の真実があんな事になってたとは…
草薙さんの弟も被害者だったなんてなー
遊作「お前との間に友情などない」
↑こ れ は 酷 い
「すみませんドロワさん、こんな夜中に……」
「構わないさ」
全員を叩き起こし、ドロワさんの車で遺跡へ向かう道中の会話である
このタイミングでの遺跡の異変は、十中八九バリアンが関わってるとみていいだろう
それが分かっているからか、ドロワさんは不安定な森をどんどん加速させながら遺跡へ向かう
「全く……ゴーシュは一体にどこに行ったんだ」
カイトはそう言いながら窓の外を見ているけど……ゴーシュさんが心配なんだろうなぁ
このタイミングでゴーシュさんが行方不明とか、そりゃなんかあるって思うわ
車をすっ飛ばしてきたせいか、はたまたあんな大ごとになっているのに野次馬が1人もいないせいか、遺跡には驚くほど簡単に着いた
遺跡に降りると、そこには座り込んだゴーシュさんと黒いマントを着たアリトがいた
……でも、なんだかアリトの様子がおかしい
なんか言いようのない違和感というか、雰囲気が変わったというか
「お前、アリト!」
遊馬はそんなことお構いなしに嬉しそうに話しかける
俺は微妙な顔をしてそれを見守ることにした……ぶっちゃけ3回しか会ってないから気のせいかもしれんが……
やっぱ俺と最後にデュエルした時と感じが違うんだよなぁ……
「俺心配したんだぜ!」
「俺も心配したぜ……遊馬と凌牙が俺以外の誰かに倒されやしねぇかってなぁ!」
そう言ってアリトは挑発的な顔をこちらに向ける
そしてアリトは持っているカードに視線をやり、今度はゴーシュさんに視線をやるってあのカードって!?
「おい遊馬、そいつはお前らの知り合いか?」
ゴーシュさんが不思議そうな顔を俺達、というか遊馬に問いかける
そらバリアン云々は言ったけど外見的特徴までは話さんかったしなぁ……
話したとしてもバリアン形態のだったし
「ゴーシュとか言ったな?しばらくこれを貸してやる!」
アリトがゴーシュさんに向かい持っていたカードを投げつける
ってあれってまさか!
「ダメだ、ゴーシュさん!受け取っちゃダメだ!」
『それは遺跡のNo.だ!』
俺の声とブラック・ミストの声がほぼ重なる
……でも、俺達が声を上げた時にはすでにカードがゴーシュの手に渡った後だった
そしてアリトは1枚のカードをゴーシュさんに向ける……RUM-バリアンズ・フォースを
「さぁ!俺と一緒に九十九遊馬と神代凌牙を倒すんだ!」
「うあああああああああああああ!」
ゴーシュさんの絶叫があたりに響き渡る
バチバチと電流がゴーシュさんの体を包み、額にはバリアンに操られている人が例外なく身に着けていた、青い十字に赤い宝石の付いた装飾が付いていた
「ゴーシュさん!」
「アリト!なんで……!」
璃緒と小鳥ちゃんが信じられないものを見るような目でアリトを見つめる
あのアリトがこんなことするなんて、俺よりもアリトと一緒にいた2人はその衝撃の確たるや
「アリト!お前どうしてゴーシュを洗脳なんて……!」
「洗脳、だと……?貴様、何者だ!」
「俺か?俺はバリアン七皇の1人、アリトだ!」
その言葉を聞くとドロワさんはピクリと反応する
フェイカーさんのあれやそれや、バイロンさんのあれやそれを裏で糸を引いていたのがバリアン……ベクターだ
同じバリアンであるアリトが目の前に現れて、動揺が隠し切れないみたいだ
「それじゃぁタッグデュエルとしゃれこもうじゃねぇか?さぁ来い、遊馬!凌牙!」
「待て、そのタッグデュエル私を参加させてくれ」
ドロワさんが1歩前に出てデュエルディスクを構える
……ここは俺がドロワさんに譲った方がいいな
遊馬とドロワさんが代わったところで、俺とドロワさんは今日初めて会ったばっかだし、ドロワさんがどんなデッキを使っているのかもわからない
「ん、指名させてもらってありがたいけど、タッグデュエルは遊馬とドロワさんでやってくれや」
「……いいのか?」
「恋人を洗脳されたんですよね?だったら自分の手で取り戻したいと思うのは当たり前じゃないですか、俺は気にしないんで」
「あいつは私の恋人ではない!」
「なん……だと……」
まじか……まじかぁ……うん、勘違いして許してヒヤシンス!
こっちは遊馬&ドロワさんペアでタッグデュエルをすることになったが、それに納得しなかったのはアリトだ
「ふざけんじゃねぇ!俺が倒したいのは遊馬と凌牙だ!お前はお呼びじゃねぇんだぞ!」
アリトは激昂した様子で声を上げる
でも、アリトには悪いけど俺はドロワさんの意思を尊重したいのでその意見は却下です☆
俺が意地でも観客席から動かないでいると、アリトは俺がデュエルをしないという鉄の意思と鋼の強さを感じたのか舌打ちをして遊馬とドロワさんに向き直る
「なぁ遊馬、お前も俺と戦いたがってたんだろう?だったらもっと嬉しそうな顔をしろよ!」
「俺だってお前と戦いと思ってたさ、またあの時と同じようにデュエルしたいと思ってた!
でもなんでゴーシュを巻き込むんだよ!俺とデュエルしたいんなら、俺とサシで勝負しろよ!」
「お前とのサシの勝負はまた後でな!何より……こいつの使い道は考えてあるんでな」
……使い道?やっぱりアリトがおかしい
少なくとも俺の知ってるアリトはこんなマネはしない
ベクター見たいにこれが元々の性格なのか……それとも、何か別の原因があるのか
それにしてもゴーシュさんの使い道ってなんだ?
十中八九あの遺跡のNo.が関係してると思うけど、何かしかのデメリットがあると見て間違いないかな
「御託はここまでだ!さぁ、デュエルしようぜ遊馬ぁ!」
「……くっそぉ!Dディスク、セット!Dゲイザー、セット!デュエルターゲットロックオン!」
<ARヴィジョン、リンク完了>
「「「「デュエル!」」」」
……ちゃんとDゲイザーをつけてデュエルしてるのが遊馬だけっていう
いや、ドロワさんとゴーシュさんはカイトと一緒にナンバーズハンターやってたから納得できるし、アリトもバリアンの力でつけなくても見えるってのはわかるけど、なんか釈然としないわ
タッグデュエルってその場その場で微妙にルール違うからそんな好きじゃないんだよなー
俺もDゲイザーを装着して観戦の準備を始める
うーん、このタッグデュエルは共通じゃなくて個人個人でライフ4000持ってるって事ね
デュエルが始まりゴーシュさんのターンはモンスターを出すだけで終わった……手札事故かな?
続いて遊馬は1ターンでホープを呼び出し、アリトとドロワさんもモンスターをセット&伏せカードだけでターンエンドした
……怖い!なんか静かすぎて怖いよ!
「アリト、変わってしまいましたね」
少しだけ、寂し気な璃緒の声が響く
その声に小鳥ちゃんが璃緒をちらりと見、顔を俯かせてしまう
なーんか、バリアン側の様子が最近おかしいんよねぇ……
「そしてアンブッシュ・ソルジャーの効果発動!1ターン以上自分のフィールドにとどまってからリリースすることで、手札からH・C2体をレベル1にして特殊召喚できる!来い、ダブル・ランス!夜襲のカンテラ!」
そしてレベル1のモンスターが3体並ぶ
それにしてもランク1のエクシーズモンスターってベビードラゴンかLLくらいしか知らないからな、何を召喚するのやら
というかアンブッシュ・ソルジャーの効果がエキセントリックすぎる、俺絶対使いこなせないわ
「俺はクラス・プナイフ、ダブル・ランス、夜襲のカンテラでオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
現れろ、No.54!熱き闘志の雄たけびが、眠れる魂すらも震わせる!反骨の闘志ライオンハート!」
この遺跡の伝説である拳闘士を模しているのか、身軽な恰好をしているが、それゆえにその鍛えられた筋肉(?)がこれでもかと象徴してくる
見た感じ凶悪そうな感じではないが(むしろ頼れる兄貴って感じだけど)一体、どんな効果があるのか
アリトが自分で使わず、ゴーシュさんを通して使わせるのだから相応のデメリットがあるはず
「これが遺跡のNo.!?」
「攻撃力はわずか100……気を付けろ、何かある」
遊馬とアストラルは遺跡のNo.に驚き、ドロワさんはその低い攻撃力に警戒する
うん、古今東西攻撃力が驚嘆に低い効果モンスターって厄介な効果を持ってることが多いみたいだからね、ドロワさんの警戒は正解だろう
「攻撃表示のライオンハートは戦闘では破壊されない!ライオンハートで希望皇ホープを攻撃!」
「え!ライオンハートの方が攻撃力が低いのに……!?」
小鳥ちゃんが驚きの声を上げる
あー、小鳥ちゃんデュエルはわかるけど、デュエリストじゃないからライオンハートを中々警戒出来ないんか
「確かにこのままだったらゴーシュは2400のダメージを受ける」
『でもライオンハートはNo.だ、何か厄介な効果があるに違いないだろうさ』
カイトとブラック・ミストの言葉に俺と璃緒はうなずく
うーん、どんな効果があるのやら……
「ライオンハートのモンスター効果発動!このモンスターで発生した俺へのダメージを相手にも与える!バーニング・クロスカウンター!」
LLかな?
遊馬とゴーシュさんが吹っ飛び、2400の大ダメージを受ける
『自滅狙いか……!』
アストラルがそう驚きの声を上げるとアリトは肯定する
完全にゴーシュさんを道具扱いだな……
そして遊馬は必死にアリトに語り掛けているが、アリトは全く聞き入れない
本当、なんであんなにもアリトは変わってしまったのか
「それに」
あのNo.が異様に気になる
「凌牙、何か気になる事が?」
俺の声が漏れたのか、カイトがこっち意識を向ける
別にそんなお前が気になる事でも何でもないと思うんだけどなぁ
けど視線が「話せ」と言ってる、こえーよ!
「確かにダメージ反射は怖いけど、違うなーって」
「?何がですの?」
「だってアリトが自分で使わないでわざわざゴーシュさんに使わせてるんだよ?何かあるって
それにダメージ反射はあるけど、元々の効果でORUを効果じゃない
あのモンスターの真価って、ORUを使った時じゃないんかなーって」
俺がそう言うと小鳥ちゃん以外のデュエリスト連中が難しい顔をして考え込む
ただの疑問でそこまで考え込まないでよ俺そこまで考えてしゃべってないから!
―――……わあああああああああああ!!!
いきなり青い光がコロッセウムに広がる
大きな歓声があたりに響き渡り、あたかも4人の戦いを観戦している観客のような……
「これは……遥か昔、このコロッセウムを埋め尽くした人々の思い……!」
ような、じゃなくてマジの観客でしたか
あいつらの熱い戦い(?)に惹かれて出て来た……のかな?
「俺はアリトの裏守備モンスターにホープで攻撃だ!ホープ剣・スラッシュ!」
ホープが裏守備モンスターに向かうとセットされた裏守備モンスターが反転し、その姿が現れる
「リベージ・ガードナーの効果発動!裏守備表示のこいつが攻撃対象になった時その攻撃対象を別のモンスターに変更する!」
『まずいぞ遊馬!』
「お察しの通り、俺はホープの攻撃対象をライオンハートに変更する!そしてそれがモンスターエクシーズだった場合、ORUを全て墓地へ送る!」
リベージ・ガードナーとライオンハートの位置が入れ替わる
そしてホープが纏っているORUが墓地へボッシュートされてしまった
これでORUが無くなったので攻撃中止できない、ゴーシュさんと遊馬のライフは1600
何も対策が無いとダブルノックアウトだ
遊馬とアストラルの反応を見る限り、あの攻撃を防ぐ手立てはないだろう
……でも、これはタッグデュエルだ
「罠発動!幻蝶の守り!味方プレイヤーの戦闘ダメージを半分にする!」
「ドロワ!?」
遊馬の周りに蝶々のバリアが出来、ダメージを軽減させる
罠のおかげで遊馬のライフは400残ったが、ゴーシュさんは今の攻撃でライフは0
「ゴーシュには悪いが、これでドロワと遊馬はかなり有利になった」
「んー……」
『どうした凌牙?』
うーん、なんかやな予感がするんだよなー……
俺が不安げにフィールドを見つめていると、アリトが動いた
「まだだ!ライオンハートのもう一つの効果発動!」
『馬鹿な!ゴーシュのライフはもう0だ!』
アストラルが驚愕の声を上げる
このタッグデュエルってパートナーが負けたら、そのパートナーのモンスターを使うことが出来るんか
でもゴーシュさんが倒された今効果発動してもなんの意味が?
「プレイヤーのライフがこのカードの戦闘ダメージで0になった時、ORUを1つ使い0になったライフを100にする!レスキューショック!」
「はぁ!?」
ライオンハートから電気のようなものがゴーシュさんに流れる
そして、ゴーシュさんがビクリと体を震わせ体を起こす
「……あああああああああああああ!ライオンハートの自爆効果って!そういう意味かああああああああ!」
思わず叫ぶ
「え?それってどういう?」
「ライオンハートは攻撃力が100しかない、だから相手モンスターとの戦闘で必ず自分と相手がダメージを受ける
それを続ければ必ず両者のライフはゼロになる、でもライオンハートの効果で自分はライフを100回復できるから最終的には自分が勝つって言う……大丈夫?この説明でわかる?」
「わかりますから大丈夫ですわ」
流石我が妹だ……
でもこれでなんでアリトがゴーシュさんにライオンハートを渡したのか
確かに自爆戦法で行けば勝てるには勝てるが、リスクが大きすぎる
No.を使役している以上、戦闘ダメージや効果ダメージはリアルな痛みとなって襲う
ORUがある限り蘇るとはいえライフが何度も0になったら、バリアンであるアリトにも相当な負担になるだろう
ライフが0になっても使い手を蘇生させて戦い続ける、それがこのカードの真価……!
「そういうこった!こいつは戦闘破壊されねぇ!ボロボロになるのはそのデカブツだけだ!」
「アリト……てめぇ!」
「だが、戦闘破壊耐性はあくまで攻撃表示の時だけだ!
私は幻聴の守りのもう一つの効果発動!バトルが終わった時、相手モンスターを守備表示にする!」
蝶々がライオンハートを包み込むと、戦闘態勢から防御体勢に変える
守備表示なら戦闘破壊耐性がない
勿論No.だからNo.耐性があるけど、遊馬はホープを始めとした多種様々なNo.を持ってるしほぼ無意味だろう
そして遊馬はカードを1枚伏せてターンエンドした
ライオンハートを破壊できるようになったとはいえ、アリトはゴーシュさん……というかライオンハートを守ろうとするだろうし、洗脳されてるゴーシュさんもライオンハートを守るだろう
……この戦い、いかに早くライオンハートを処理するかで決まるなぁ
俺はゴーシュさんの体を心配しながら、このデュエルを見守るしか出来なかった
ジャッジ・バスター「俺だけ召喚されてない……( ;∀;)」
スカイ・ペガサス「まぁ、彼のデッキには悪魔族はいないからな……」
ライオンハート「……LLってなんだ?」