神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

51 / 71
今回前回引っ張った意味は!?と思うほどあっさりデュエルが終わります
そして段々ベクターが強キャラ化してるんだがこれはどういうことだ(驚愕)

結局の所10年前何があったのか、ハノイが遊作に何をしたのかまだ謎に包まれてるんだよなぁ……
というかGo鬼塚めっきり出てこなくなったけど、また出てくるよね……?
後天気モンスターぐうかわ


51/神代離緒VSベクター~天城カイトはお兄さん~

神代璃緒LP:1300 手札:0

【モンスター】

No.32海咬龍シャーク・ドレイク/攻1400 ORU:3

白闘気海豚(ホワイト・オーラ・ドルフィン)/攻2400

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン/攻2500 ORU:2

【魔法・罠】

無し

 

ベクターLP:3100 手札:1

【モンスター】

RR-ライズ・ファルコン/攻2900 ORU:1

ABF-涙雨のチドリ/攻3800

【魔法・罠】

黒い旋風

RR-ネスト

伏せ×1

 

 

「ダーク・リベリオン!?カードの創造、しかも覇王龍の眷属だと!?」

 

私のフィールドに降臨した黒い龍を見たベクターは驚きの声を上げた

驚くのも無理はないだろう

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン、クリアウィング・シンクロ・ドラゴン、スターヴ・ヴェノム・フージョン・ドラゴン、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンという4つの召喚法の名を冠する特別な龍達は凌牙は所持していない(でもなぜか派生のカードは持っていますわ)

これは文字道理私が創造した凌牙の前世カードでもない、エクシーズ次元の榊遊矢であるユートの物でもない

正真正銘”私の”ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

 

「……さぁベクター、お楽しみはこれからですわ!

 私はダーク・リベリオンの効果発動!ORUを2つ使い相手モンスターの攻撃力を半分にし、その数値分攻撃力をアップさせます!私が選択するのはチドリですわ!トリーズン・ディスチャージ!」

 

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン/攻2500→4400 ORU:2→0

 

ABF-涙雨のチドリ/攻3800→1900

 

 

「さらに白闘気海豚(ホワイト・オーラ・ドルフィン)の効果を発動!モンスター1体の攻撃力を元々の攻撃力の半分にします!」

 

 

RR-ライズ・ファルコン/攻2900→50

 

 

ダーク・リベリオンの創造に、モンスター効果による攻撃力の減少を前にやっとベクターの表情を崩すことが出来ましたわ

伏せカードもありますが、流れは確実にこちらに来ている!

 

「行きなさい!私はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンでライズ・ファルコンを攻撃!反逆のライトニング・ディスオベイ!」

 

ダーク・リベリオンが大きく飛び上がり、その黒い巨体を翻しライズ・ファルコンに向かっていく

翼が羽ばたく度に遺跡が揺れる……もうこの遺跡は持ちそうにありませんわ

でもこれで私の勝ちです、RRのRUMも破壊をトリガーに発動するものだからどちらにしろ私の

 

「罠カードフェイク・フェザーを発動!

 手札のBFを墓地に送り、相手墓地の通常罠1枚を選択し発動する!このカードは選択したカードと同じになる、俺は和睦の使者を選択するぜ!」

 

「っ!……私はこれでターンエンドです」

 

 

神代璃緒LP:1300 手札:0

【モンスター】

No.32海咬龍シャーク・ドレイク/攻1400 ORU:3

白闘気海豚(ホワイト・オーラ・ドルフィン)/攻2400

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン/攻4400 ORU:0

【魔法・罠】

無し

 

RR-ライズ・ファルコン/攻50→100

 

 

攻撃力が高いダーク・リベリオンや白闘気海豚(ホワイト・オーラ・ドルフィン)が居ますが、ライズ・ファルコンの前ではそれは逆効果にしかなりません

私の手札は0、墓地で発動するカードも無く、伏せカードもない

私は静かに手を下す

 

「璃緒さん!?」

 

小鳥さんが驚きの声を上げる

遊馬も、アストラルも、ブラック・ミストも、大声を張り上げるが結果は変わらないだろう

私は覚悟を決めて真っすぐ前を見据える

せっかくダーク・リベリオンが私の元に来てくれたというのに、こんな結果になってしまってごめんなさい

あれだけ啖呵切ったのに、かっこ悪いなぁ

 

「……俺のターン、ドロー!

 俺はライズ・ファルコンの効果発動!ORUを1つ使い特殊召喚された相手モンスターの攻撃力をこのモンスターに加算する!」

 

 

RR-ライズ・ファルコン/攻100→4500 ORU:1→0

 

 

「行け!俺はライズ・ファルコンで海咬龍シャーク・ドレイクを」

 

―――……ゴゴゴゴゴゴゴ

 

ベクターが攻撃宣言をしようとし、ライズファルコンが大きく飛び上がった

……それが原因だったのだろう、遺跡が大きな音を立てて崩落を始めた

 

「なっ!……ちぃ、この勝負はまた後でな!」

 

ベクターの後ろにワープホールが現れ、そこに吸い込まれる

私……助かったの?いや、それよりも凌牙を!

 

「凌牙!」

 

凌牙の元に駆け寄ろうとするが、私の立っている舞台も崩落を始め、凌牙のいる玉座までの道が閉ざされてしまった

助走をつければ飛び越えられそう……いや、飛び越えて見せる

 

『何やってるんだ!』

 

走りだそうとした瞬間にブラック・ミストに腕を取られる

 

「離しなさい!私は凌牙を!」

 

『あいつのことは心配すんな!』

 

「何を根拠に……!」

 

 

 

 

 

「何をしている!さっさと逃げろ!」

 

 

 

 

 

頭上に何かが横切ったかと思うと、それはカイトとオービタルだった

 

『カイト!?なぜ君がここに!』

 

「説明は後だ!脱出するぞ!」

 

カイトはそのまま飛び、凌牙の元まで行くと抱きかかえる

その様子を見届けた私はブラック・ミストに引きずられるように遺跡から脱出した

息も絶え絶えになり、遺跡の入り口でへ垂れ込んでいると凌牙を抱えたカイトが文字道理転がるように現れた

 

「カイト様!大丈夫でありますか!?」

 

「シャーク!大丈夫か!」

 

「凌牙!」

 

3人の声がほぼ同時に重なる

オービタルは飛行モードを解除し、カイトの安否を確認する

私と遊馬は地面に寝かされた凌牙のところへ一目散にかけていく

凌牙の容態を確認すると、ただ気絶しているらしくどこにも異常がない

……ベクターはどうやら凌牙に不埒を働いたわけではありませんのね

 

『……?』

 

ブラック・ミストが凌牙に駆け寄った時、何やら不思議そうな顔をして小首を傾げる

 

「ブラック・ミスト?どうしましたの?」

 

『あ、いや……気のせいだ』

 

そう言いながらもブラック・ミストは何度も凌牙の心臓に手を当て、小首を傾げるという動作を繰り返す

……やはり、ベクターは凌牙に不埒なことをしたようですね

 

「璃、璃緒さん、顔怖いです」

 

「あら、ごめんなさいね小鳥さん」

 

そうは言うが、凌牙が不埒を働かれたと思うとどうしても顔を戻すことなんてできない

そんな私の思いを知ってか知らず、凌牙は静かに息をするだけだ

遺跡の内部が崩落した以上、外とはいえここにいるのは危険です

アストラルの提案で一旦飛行船に乗り込み、凌牙を寝かせる

 

「……で?説明してもらおうか?」

 

カイトはにっこりと笑いながら(ただし額に青筋を受けべている)私たちに問いかける

これは……どこから話した方がいいのかしら?

 

「えーっと……いもシャがベクターがデュエルしてたぜ!」

 

「遊馬、多分カイトが聞きたい事ってそういう事じゃないと思うんだけど……」

 

「……もういい、なんでこんな事態になっているのか、最初から、順を追って、説明しろ」

 

『『「「「アッハイ』』」」」

 

そして私たちは話し始めた

学校で妙な力を感じた事

飛行船で遊馬の父親である一馬さんのメッセージを聞いた事

そこからすぐ遺跡のNo.を探し始めた事

最初の遺跡でNo.の精霊と戦った事、ドルべと共闘(?)した事

そして……ここでの出来事

私たちが覚えている限りの全ての事を話終えるとカイトはこめかみを抑えながらため息を付く

 

「とりあえず、色々と言いたいことがあるが……お前達は何をしているんだ!」

 

突然のカイトの大音量の声に全員がびくつきます

今まできつい言動が多かったカイトですが、ここまでの声を聴いたのはWDCの時以来ですわ

 

「どうして俺達に相談しないんだ!確かにお前達のデュエルは一流だがそれでもやれることに限界がある!

 スカイ・ペガサスの遺跡でもそうだ!話を聞く限り凌牙は死んでもおかしくなかったんだぞ!

 璃緒だって遺跡が崩落しなければ負けていた!お前達は自分の力を過信しすぎだ!

 確かにバリアンの力を研究したりこちらもやることがたくさんある、それでもお前たちだけが無茶をする理由にはならない!行くにしてもせめて一声かけてからにしろ!」

 

カイトの声を聴いて、彼の思いを聞いて、私たちの行動がどれだけ浅はかだったのかわかりました

私たちは誰にも告げず、半場衝動的に飛行船で遺跡へ向かいました

それは何かのアクシデントで身動きが取れなかったり、連絡が取れなかったりした場合、カイト達は私たちがどうして行方知らずになったかしらずに心配をかけることになります

それどころかその動揺を付いて、私たちの不在でバリアンが攻撃を仕掛けてくるかもしれません

今はバリアン側も遺跡のNo.を追っているようですが、何人かハートランドに来てもおかしくありませんわ

 

「今回だってブラック・ミストが連絡を入れてくれなかったらこっちはなぜお前たちが居なくなったかわからなかったんぞ!

 お前達のDゲイザーの反応がハートランドから消失していてこっちは大騒ぎだった!

 ナンバーズクラブはお前たちが居なくなったと押しかけてくるし、ⅣとⅢも凌牙はどこだ、遊馬はどこだと騒ぎを起こす!」

 

『それは私たちの配慮が足りていなかった……すまなかった』

 

「わりぃカイト、父ちゃんのメッセージを聞いたらいてもたってもいられなくてよぉ……」

 

「ごめんなさい、私カイト達の気持ち考えてなかった……」

 

「年長である私がしっかりしないといけませんでしたのに……

 ……ちょっとおまちなさい、ブラック・ミスト、貴方いつの間にカイトと連絡を取りましたの?」

 

『あの呪われたの遺跡で”凌牙のDゲイザーの反応を探せ”って

 まぁ結局わかんなかったけどな』

 

「それだけの情報では何もわからん!」

 

貴方そんなことしてましたの……

でもそのおかげでカイトは何とかここにたどり着いて、凌牙を助けてくれました

もしも、カイトが間に合わなかったら……そう考えるとゾッとします

私は、凌牙を失うところでした

 

「んー……」

 

カイトの説教を聞き続けてると、凌牙の声が聞こえてきました

 

「凌牙!気が付きましたの!?」

 

『おい、目ぇ開けろ!』

 

一目散に凌牙の元に駆け出し、様子を確認する

もぞもぞと動き、目をうっすらと開ける

 

「んぁ?……璃緒?」

 

体を起こそうと動き出すが、力が入らないのかもぞもぞと動くばかりだ

ブラック・ミストが触手を使い支え、体を起こすのを手伝ってやる

まだ状況を把握できていないのか、仕切りに辺りを見回す

 

「え、ここ何処なん?

 ってアイエエエ!カイト!カイトナンデ!?どういうことだ!まるで意味が分からんぞ!?」

 

『凌牙うっせぇ』

 

「アッハイ」

 

「さぁ凌牙、そこに正座しろ」

 

「え?……え!?」

 

「二度も言わせるな」

 

「アッハイ」

 

カイトのあまりの剣幕に思わず正座する

そして私たちにもしたような説教を凌牙にもします

凌牙もカイトの説教を聞いて、自分の行動がどれだけ浅はかだったのか理解したみたいです

 

「ごめんねー、年長者の俺がしっかりしないといけないのにねー……」

 

「……今の一言でお前と璃緒の血の繋がりを再確認した」

 

「何を言ってるんだお前は」

 

「まぁいい、ところでお前の事も教えてもらおうか?」

 

その一言で私は凌牙が途中ではぐれてしまった事実を思い出します

ベクターとのデュエルやらカイトの説教やらですっかり忘れていましたわ

凌牙もカイトに言われて思い出したのか、そうだそうだと言いながら口を開く

 

「えっと、5つの階段があったやん?皆と一緒に降りようとしたら……したら?」

 

そこで凌牙は口を紡ぎ、ことりと首をかしげる

何度も口を開こうとするが、そのたびに口を閉じ考え込んでいる

 

「シャーク?どうしたの?」

 

小鳥さんが心配そうに凌牙を見ている

そんな小鳥さんの声に反応したのか、凌牙は腑に落ちないという顔をしながら口を開く

 

「いや、なんか……覚えてないんだよねぇ?」

 

「それはどういう意味だ」

 

「そのまんまの意味だって、なんかそっからの記憶が全然思い出せないんだよね」

 

「……」

 

『だから璃緒、お前顔怖いっつーの』

 

思わず顔が強張る

あのゲス野郎やはり凌牙に不埒を働きましたのね……!

 

「あー、璃緒?もしもーし?大丈夫?」

 

『私の目から見れば大丈夫じゃなさそうだが』

 

2人の声で思考が現実へと戻っていく

いけない、すっかりベクターへの憎悪で周りが見えていませんでしたわ

 

「覚えてないって、ベクターになんかされたのか!?」

 

「それもさっぱがわかんね」

 

「……^^」

 

「え、あの、マイスイートシスター?そんな笑顔で近づかれるとお姉ちゃん、ちょーっと怖いなーって……」

 

「凌牙^^」

 

「……誠に申し訳ございませんでしたあああああああ!(土下座)」

 

このあと滅茶苦茶説教しましたわ




ジャッジ・バスター「あれ、俺の出番……( ;∀;)」

最終的にはカイト、ブラック・ミスト、璃緒に囲まれての説教になります

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。