神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

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というわけで久々のデュエル回です!
タイトルからわかるように璃緒ちゃんとベクターの話になります
今回も今回で間違い指摘大会開催です(ただし間違いを修正するとは言ってない)

最近なぜかベクターがトリックスターデッキで戦っているところを想像してしまう
そして凌牙ちゃんはボコボコに負ける


49/神代璃緒VSベクター~鳥使い達の意地~

「凌牙!?ベクター!凌牙を返しなさい!」

 

「はぁ?こいつは大事な大事な人質なんだぜ?そう簡単に渡すわけないだろ?」

 

そう言いながらベクターは凌牙を抱き寄せる

思わず駆け出そうとするが、ブラック・ミストに止められてしまう

どうして!?思わず睨み付けるが、彼も唇をかみしめて必死に自分を抑えているような……

そうだ、冷静になれ

凌牙を助けるにはどうすればいい?考えるのよ、こういう時どうすれば……

 

「ああそうそう、ここのNo.はもう俺様がいただいたぜ?」

 

ひらりとベクターは1枚のカードを私たちに見せる

そこにはNo.65裁断魔人ジャッジ・バスターと書かれたエクシーズモンスターだった

一足遅かった……!この状況は最悪だ

遺跡のNo.は奪われ凌牙は人質、どうしよう、どうすればいい!?

頭を必死に回転させ、何とかこの状況を打破する方法を考えるけど……

 

「お前ら、俺とデュエルしろ」

 

いきなりのベクターからの提案に思わず彼を凝視する

どういうこと?凌牙を人質に私たちからNo.を奪うんじゃないの?

私たち皆が訝し気にベクターを見ていると、ベクターが笑い出した

 

「ははは!なんだその顔!大方なんで俺がデュエルの申し出をしたのか疑問に思ってるんだろぉ?

 ただの余興だよ、余興!デュエルでお前らをつぶしてNo.を奪う!ブラック・ミストと璃緒ならわかるだろ?ここはそういう”世界”なんだよ!」

 

アストラルや遊馬に小鳥さんはピンとこないのか不思議そうな顔をしているが、私たちには言葉の意味が理解できる

そう、ここで自分の意思を通すにはデュエルで勝つのが1番早い

私は中央の円形の舞台に降り立ち、デュエルディスクを構える

 

「そういう事ならばこのデュエル、受けて立ちます!」

 

「璃緒さん!?」

 

小鳥さんが声を上げるが、私は大丈夫よという意味を込めてニコリとほほ笑む

 

「このデュエルは私がやらねば意味がありません

 遊馬にアストラルにブラック・ミスト、手助けは不要です」

 

「危ないですよ!璃緒さん、ここは遊馬に代わって」

 

「心配してくださってありがとうございます

 ……でも、私の片割れを人質に取られて、私、これでもかなり怒ってますのよ?

 それにベクターは凌牙を、私たちを裏切ました……そのお礼をしてさしあげますわ」

 

『……どうせ何を言っても、お前が戦うんだろ?

 戦うんだったら、絶対に勝てよ』

 

「勿論ですわ」

 

ぎらりとベクターを睨み付けるけど、そんなのお構いなしに笑っている

あの余裕の表情を必ず崩して差し上げます

ベクターは意識がない凌牙を自分が座っていた玉座に座らせ、ゆっくりと部隊へ降りてくる

 

「んじゃ、始めるか

 俺が勝ったらお前らのNo.をいただくぜ!」

 

「私が勝ったら凌牙と遺跡のNo.を返していただきます!

 Dディスク、セット!Dゲイザー、セット!デュエルターゲット、ロックオン!」

 

<ARヴィジョン、リンク完了>

 

「「デュエル!」」

 

 

神代璃緒LP:4000 手札:5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し

 

ベクターLP:4000 手札:5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し

 

 

「私のターン、ドロー!

 私は魔法カード手札断殺を発動します、互いのプレイヤーは手札を2枚墓地に送り2枚ドローします

 モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

 

神代璃緒LP:4000 手札:4

【モンスター】

裏守備×1

【魔法・罠】

伏せ×1

 

 

まずは様子を見ましょう

ベクターの挙動を一つも見逃さないように神経を集中させる

 

「俺のターン、ドロー!

 俺は永続魔法黒い旋風を発動!自分フィールドにBFが召喚された時、そのモンスターより低い攻撃力のBFをデッキから手札に加える

 手札からBF-極北のブリザードを召喚、そしてブリザードと黒い旋風の効果発動するぜ

 黒い旋風の効果でBF-東雲のコチを手札に加え、ブリザードの効果で墓地のBF-精鋭のゼピュロスを特殊召喚する!」

 

ブリザードがベクターのデュエルディスクに留まり、コンコンと叩きゼピュロスのカードを墓地から取り出す

今はそんな事思ってる場合じゃないのはわかってるけど、やっぱり可愛い……!

 

 

BF-極北のブリザード

星2/闇属性/鳥獣族/攻1300

 

BF-精鋭のゼピュロス

星4/闇属性/鳥獣族/攻1600

 

 

「俺はレベル4の精鋭のゼピュロスにレベル2の極北のブリザードをチューニング!

 漆黒の力!大いなる翼に宿りて、神風を巻きおこせ!シンクロ召喚!吹き荒べ、BF-アームズ・ウィング!」

 

 

BF-アームズ・ウィング

星6/闇属性/鳥獣族/攻2300

 

 

『璃緒、あのカード達は……』

 

「ええ、わかっています」

 

星が重なり輪になって、新しいモンスターを召喚する

……さっきの黒い旋風やBFというカテゴリで確信しました、ベクターはいまだに凌牙から譲り受けた前世カードのデッキを使ってる

改めて気を引き締めなけば、油断をすれば、私は負ける

 

「俺はアームズ・ウィングで裏守備モンスターに攻撃!そして効果発動!

 このモンスターは守備表示モンスターを攻撃する場合、攻撃力を500ポイントアップする!さらに守備表示モンスターを攻撃した場合貫通ダメージを与える!」

 

 

BF-アームズ・ウィング/攻2300→2800

 

子型ペンギン

星1/水属性/水族/守 200

 

神代璃緒LP:4000→1400

 

 

2600のダメージが私を襲う

リアルダメージありのバリアンとの戦いは、かなりの苦痛を伴う

遊馬も凌牙も、この痛みの中戦っていたなんて……!

 

「っつ!私は子型ペンギンの効果発動!リバースしたこのカードが墓地に送られた場合、自分の墓地の子型ペンギン以外のペンギンモンスターを表側攻撃表示か裏側守備表示で特殊召喚する!私は大皇帝ペンギンを表側攻撃表示で特殊召喚します!」

 

 

大皇帝ペンギン

星5/水属性/水族/攻1800

 

 

「っち、そいつが出てきやがったか

 俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

 

ベクターLP:4000 手札:3

【モンスター】

BF-アームズ・ウィング/攻2300

【魔法・罠】

黒い旋風(永続魔法)

伏せ×2

 

 

「行きます、ドロー!

 私はフィールド魔法忘却の都レミューリアを発動します!このカードは”海”としても扱います、レミューリアははフィールドの水属性モンスターの攻守を200アップします

 さらに永続罠DNA改造手術を発動!種族を1つ宣言し、このカードがフィールドに存在する限り表側表示モンスターは全て宣言した種族になります、私は鳥獣族を選択します!

 そして大皇帝ペンギンの効果を発動します、このカードをリリースして大皇帝ペンギン以外のペンギンモンスターを2体まで特殊召喚します!現れなさい、2体のボルト・ペンギン!」

 

 

ボルト・ペンギン×2

星3/水属性/雷族→鳥獣族/攻1100→1300

 

 

「忘却の都レミューリアの更なる効果発動!自分フィールドの水属性モンスターの数と同じだけ、自分フィールドの水属性モンスターのレベルをエンドフェイズまであげます!私のフィールドに水属性モンスターは2体、よってレベルを2つあげます!」

 

 

ボルト・ペンギン×2/星3→5

 

 

「これでレベル5のモンスターが2体だ!」

 

遊馬が嬉しそうに声を上げる

きっとこの後私が召喚するモンスターも大体検討が付いてるのだろう

何度か遊馬とデュエルしてますが、結構な頻度でこの子にボロボロにされてますからね

 

「私はレベル5・鳥獣族となったボルト・ペンギン2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!氷の翼を持つ美しき姫、零鳥姫リオート・ハルピュイア!

 忘却の都レミューリアの効果で攻守を200ポイントアップします!」

 

 

零鳥姫リオート・ハルピュイア

ランク5/水属性/鳥獣族/攻2500→2700 ORU:2

 

 

文字通り、氷の翼を持つ鳥の姫が私の前に舞い降りる

レベル5の鳥獣族という少々厳しい素材だが、その分この子の能力は強力だ

 

「私はハルピュイアの効果発動!ORUを1つ使い相手フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、そのモンスターの攻撃力を0にします!私はアームズ・ウィングを選択します!」

 

 

零鳥姫リオート・ハルピュイア ORU:2→1

 

BF-アームズ・ウィング/攻2300→0

 

 

「行きます!私はハルピュイアでアームズ・ウィングを攻撃!」

 

ハルピュイアが氷の翼をはためかせ、アームズ・ウィングに特攻する

鳥たちが空を舞い、ぶつかり合いそのままアームズ・ウィングを破壊―――

 

「はっ、ただじゃやられねぇよ!

 罠カードゴッドバードアタック発動!自分フィールドの鳥獣族モンスターをリリースし、フィールドのカードを2枚を対象にし、そのカードを破壊する!俺はリオート・ハルピュイアと忘却の都レミューリアを破壊する!」

 

「!」

 

アームズ・ウィングが光に包まれて消えたかと思ったら、ハルピュイアが砕け散り、レミューリアもその美しい景色が一瞬で虚無へ帰る

……やはりそう簡単に勝たせてはくれないわよね

 

「ならば私はカードを1枚伏せてターンエンドです」

 

 

神代璃緒LP:1400 手札:3

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

DNA改造手術(永続罠)(宣言:鳥獣族)

伏せ×1

 

 

「俺のターン、ドロー!

 手札の永続魔法RR-ネスト発動!そしてRR-バニシング・レイニアスを召喚!

 このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンに、レベル4以下のRRモンスターを特殊召喚できる!

RR-ラダー・ストリクスを召喚する、そして効果発動!

 このカードが召喚に成功、またはRRのカード効果で手札から特殊召喚した場合相手に600のダメージを与える!

 さらに罠カードR・R・R(レイド・ラプターズ・レプリカ)を発動するぜ、自分フィールドのRRモンスターを対象に発動し、その同名モンスターを特殊召喚する!さぁ来い、RR-ラダー・ストリクス!」

 

ラダー・ストリクスが私の上に旋回し、私の頭上でおなかの部分を開けミサイルを投下する

私のライフは現在1400、600のダメージを受けたら800になり初期ライフの5分の1になってしまう

流石にそれはまずい

 

「私は手札のガード・ペンギンの効果発動!カード効果によってダメージを受ける時に発動できます

 このカードを手札から特殊召喚し、受けたダメージ分私のライフを回復します!」

 

 

RR-バニシング・レイニアス

星4/闇属性/鳥獣族/攻1300

 

RR-ラダー・ストリクス×2

星4/闇属性/鳥獣族/攻 0

 

神代璃緒LP1400→800→1400

 

ガード・ペンギン

星4/水属性/鳥獣族/守1200

 

 

『いくらライフは投げ捨てるもんだからって、こんな序盤でライフ1000以下はシャレになんねぇ』

 

「それに璃緒さんのライフはあんなに少ないのに、ベクターは無傷なんて……」

 

確かにベクターは無傷ですけど、まだデュエルが始まって3ターンしかたっていません

何があるかわからない、それがデュエルです

 

「首の皮1枚繋がったか……俺の場にRRモンスターが2体以上存在する場合、RR-ネストの効果でデッキ・墓地のRRモンスターを1体手札に加える!俺はデッキからRR-ファジー・レイニアスを手札に加える」

 

ベクターのフィールドを改めて見直すとレベル4のモンスターが3体

あのサルガッソで見たベクターのオーバーハンドレットナンバーズの召喚条件も、レベル4のモンスターが3体

 

「俺は2体のラダー・ストリクスとバニシング・レイニアスでオーバーレイ!さぁ、その眩き聖なる光で愚かな虫けら共を跪かせよ!No.104仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)シャイニング!」

 

 

No.104仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)シャイニング

ランク4/光属性/魔法使い族→鳥獣族/攻2700 ORU:3

 

 

「俺はシャイニングの効果発動!相手のデッキトップを墓地へ送る!」

 

シャイニングが光り輝き、それに呼応するように私のデッキトップも光る

その1枚がデッキから墓地へ送られた、送られたカードは……いや、これは逆に都合がいいかもしれませんね

それにしてもシャイニングですか……グリズリーマザーなどの効果が使えなくなりました……これは結構手痛いですわ

 

「行け!俺はシャイニングでガード・ペンギンを攻撃!」

 

シャイニングの持っているチャクラムが防御姿勢のガード・ペンギンを貫く

守備表示だからダメージは無いけど、破壊した時の爆風が私を襲う

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

ベクターLP:4000 手札:2

【モンスター】

No.104仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)シャイニング/攻2700 ORU:3

【魔法・罠】

黒い旋風(永続魔法)

RR-ネスト(永続魔法)

 

 

以前私が不利なことには変わりない

でもまだ私にはライフも手札もある、まだ私は戦える

 

「私のターン、ドロー!」

 

ドローしたカードを確認し、どう動くかしばし思考する

そしてどちらのモンスターを出すか……デュエルが長引くことを考えると、あの2枚の永続魔法は厄介だ

あれらを封じるとなると……

 

「私はオーロラ・ウィングを召喚!」

 

 

オーロラ・ウィング

星4/水属性/鳥獣族/攻1200

 

 

「さらに手札のサイレント・アングラーの効果発動!自分フィールドに水属性モンスターが存在する場合、このカードを特殊召喚できます!」

 

 

サイレント・アングラー

星4/水属性/魚族→鳥獣族/攻 800

 

 

「レベル4のモンスターが2体……いや、レベル4・鳥獣族のモンスターが2体、か?」

 

そこまでわかるということは、この後私がどの子を召喚するかバレているも同然ですね……

それでも私は止まるわけには行かない

 

「私はレベル4・鳥獣族のオーロラ・ウィングとサイレント・アングラーでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!舞い降りよ、零鳥獣シルフィーネ!」

 

 

零鳥獣シルフィーネ

ランク4/水属性/鳥獣族/攻2000 ORU:2

 

 

「シルフィーネの効果発動!ORUを1つ使い、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にし、このカードの攻撃力はこのカード以外の表側表示のカード×300アップします!表側表示のカードは4枚、よって攻撃力を1200アップします!行きなさい、シルフィーネ!パーフェクト・フリーズ!」

 

 

零鳥獣シルフィーネ/攻2000→3200 ORU:2→1

 

 

シルフィーネから強力な冷気の風がフィールドを駆け抜ける

ベクターのフィールドのカードが凍り付き、何の効果も発動できなくなっていることが目に見えてわかった

問題はあの伏せカードだけど……RRのRUMの可能性もあるが、ベクターのフィールドにはRRのエクシーズモンスターもいないし、私のシルフィーネもORUがあるのでRUMだとしても発動する可能性はないだろう

 

「さらに手札のマジック・プランターを発動、DNA改造手術を墓地に送り2枚ドローします

 さぁ行きなさい、シルフィーネ!仮面魔踏士シャイニングを攻撃!アイス・レイ!」

 

シャイニングがシルフィーネを破壊するが、ベクターは特に何の反応も見せずにその様子を見ている

 

 

ベクターLP:4000→3500

 

 

オーバーハンドレットナンバーズも倒したし、ごくわずかだかライフも削れた

……けど、これで終わるはずがない

必ずこのデュエルに勝利してNo.を回収し、凌牙を取り戻す

私はエンド宣言し、ベクターにターンが移った

 

 

神代璃緒LP:1400 手札:3

【モンスター】

零鳥獣シルフィーネ/攻3200 ORU:1

【魔法・罠】

伏せ×1

 

ベクターLP:3500 手札:2

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

黒い旋風(永続魔法)(効果無効)

RR-ネスト(永続魔法)(効果無効)




とりあえず一旦ここまで
今後どうなるのだろうか(適当)

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