神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

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これにてサルガッソ編終了!
次からは遺跡編へと突入します


43/神代凌牙VSドルべ~失った”もの”~

神代凌牙LP:250 手札:5

【Pゾーン】

妖仙獣左鎌神柱/Pスケール3

妖仙獣右鎌神柱/Pスケール5

【モンスター】

バトルフェーダー/守 0

【魔法・罠】

修験の妖社(永続魔法) 妖仙カウンター:2

伏せ×2

【EXデッキ】

クリアウィング・ファスト・ドラゴン

 

ドルべLP:1900 手札:0

【モンスター】

No.102光天使グローリアス・ヘイロー/攻2500 ORU:0

セイクリッド・プレアデス/攻2500 ORU:1

【魔法・罠】

無し

 

 

「私のターン、ドロー

 リバースカードオープン、速攻魔法揺れる眼差しを発動、お互いのペンデュラムゾーンのカードを破壊し、その後この効果で破壊したカードの枚数によって効果を適用する

 破壊したカードは2枚、よって相手に500のダメージを与えデッキからペンデュラムモンスターを1体手札に加える、私はSRドミノバタフライを手札に加える」

 

 

ドルべLP:1900→1400

 

 

「自らペンデュラムカードを破壊した……?まさか!」

 

「私はスケール2の魔装戦士ドラゴディウスとスケール7の魔装戦士ドラゴノックでペンデュラムスケールをセッティング

 ……これによりレベル3から6のモンスターが同時に召喚可能となる」

 

光の柱に大きな振り子……ペンデュラムが現れ、揺れる

 

「揺れろ、魂のペンデュラム……生きるも地獄死ぬも地獄、同じ地獄にゃ行かなきゃ損損、ペンデュラム召喚

 手札から妖仙獣鎌弐太刀に鎌参太刀、そしてEXデッキから妖仙獣右鎌神柱に左鎌神柱

 さらに妖仙獣を特殊召喚したことにより妖仙カウンターが1つ点灯し、妖仙カウンターを3つ取り除き妖仙獣鎌壱太刀を手札に加える」

 

 

妖仙獣鎌弐太刀

星4/風属性/獣戦士族/攻1800

 

妖仙獣鎌参太刀

星4/風属性/獣戦士族/攻1500

 

妖仙獣右鎌神柱

星4/風属性/岩石族/守2100

 

妖仙獣左鎌神柱

星4/風属性/岩石族/守2100

 

修験の妖社(永続魔法) 妖仙カウンター:2→3→0

 

 

凌牙のフィールドに5体のモンスターが並ぶ

そして凌牙はさらに手札を引き抜く

 

「私は鎌弐太刀と鎌参太刀をリリースしてアドバンス召喚

 疾風纏いし妖の長よ、荒ぶるその衣を解き放ち、大河を巻き上げ大地を抉れ、アドバンス召喚、魔妖仙獣大刃禍是

 妖仙獣が特殊召喚されたことによりさらに妖仙カウンターが1つ点灯する」

 

 

魔妖仙獣大刃禍是

星10/風属性/獣族/攻3000

 

修験の妖社(永続魔法) 妖仙カウンター:0→1

 

 

「いくら上級モンスターを召喚しようが関係ない!私はプレアデスの効果を発動! ORUを一つ使い大刃禍是を手札に戻す!」

 

「妖仙獣左鎌神柱の効果発動、このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はこのカード以外の自分フィールドの妖仙獣を効果の対象にできない

 プレアデスの効果はフィールドのカード1枚を対象に取る、よってその効果は不発だ」

 

「なんだと!この為にわざわざペンデュラムカードを破壊したのか……!」

 

 

セイクリッド・プレアデス ORU:1→0

 

 

「大刃禍是の効果発動、このカードが召喚・特殊召喚された時フィールドのカード2枚を対象に発動できる、そのカードを手札に戻す」

 

「なっ!?」

 

暴風がドルべのフィールドを包み込み、グローリアス・ヘイローとプレアデスは元のカードに戻りEXデッキに戻っていく

手札は0伏せカードもないし、墓地で発動するカードも無い

……一時はどうなることかと思ったが、これで何とか勝ち、か

 

「私は手札から魔法カードシフトアップを発動、自分フィールドの最もレベルの高いモンスターを選択し、エンドフェイズまで他のモンスターは選択したカードと同じレベルになる、私は大刃禍是を選択する」

 

 

妖仙獣右鎌神柱/星4→10

 

妖仙獣左鎌神柱/星4→10

 

バトルフェーダー/星1→10

 

 

『凌牙、お前何やって』

 

凌牙のデッキにはグスタフマックスが入っているが、それを召喚しなくても勝てる

なのにわざわざレベルを10にする意味なんてどこにもない

 

「私はレベル10になったバトルフェーダーと左鎌神柱でオーバーレイ、2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、全てを食らいつくす暴食な糸よ、その貪欲な食欲で全てを食い散らかせ……エクシーズ召喚、No.35ラベノス・タランチュラ」

 

 

No.35ラベノス・タランチュラ

ランク10/闇属性/昆虫族/守 0 ORU:2

 

 

『No.だと!?』

 

「凌牙!?そのNo.はどうしたの!」

 

「なんだ、この邪悪な力は……!」

 

なんで、なんで凌牙がNo.を持っているんだ!

俺は曲がりなりにも100枚のNo.の1枚、それなのに凌牙がNo.を持っていることに気が付かなかったなんて!

いや、それよりもいつこのNo.を手にいてたんだ?こんな邪悪な力を持っているNo.を手に入れて正気でいられるなんて

 

「さらに私はEXデッキにいるモンスターの効果発動、このカードは自分フィールドのORUを2つ以上持ったランク8から10の闇属性エクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる

 ラベノス・タランチュラを素材にオーバーレイネットワークを再構築、ランクアップ・エクシーズ・チェンジ

 痛みを増幅せよ、痛みを与えよ、その圧倒的苦痛を私に歯向かう全ての敵に与えろ……No.84ペイン・ゲイナー」

 

 

No.84ペイン・ゲイナー

ランク11/闇属性/昆虫族/守 0

 

 

先ほどの未知のNo.が蜘蛛の糸に包まれた

そのNo.が全て蜘蛛の糸に包まれ、姿を現したのは先ほどのNo.と同じで蜘蛛を模したモンスターだった

3つの目がギョロリとこちらを見据え、その視線に肌が泡立つ

知らない、あんな邪悪なNo.は……アストラルの半身であり、No.のカオスを司る俺でもNo.の全てを把握してるわけなじゃい

でもあのNo.は明らかに異質だ

 

「なんだ、凌牙、お前は一体何を」

 

一体何をしようとしているのか、それは俺にも、きっと璃緒にもわからないだろう

凌牙の周りには莫大なカオスが渦巻いており、その心を見透かすことは出来なかった

ピキリと何かがひび割れる音が聞こえる

 

「私はさらにEXデッキからモンスター効果発動、このカードは自分フィールドのランク10・11の闇属性エクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる」

 

最早デュエルどころではなかった

この邪悪なNo.が一体どれほどまでに進化するのか……何が起きるのか

止めなければ、止めなければあいつが、あいつの魂が

 

「化天を司る糸よ」

 

No.がオーバーレイネットワークに吸い込まれていき、3つのORUがその後を追うように渦に飛び込んでいく

 

「儚き無幻となりて」

 

No.とORUが全てネットワーク内に入り、渦巻いて

そしてここからでもわかる、莫大なカオスと……圧倒的な存在感

それこそバリアンが持つオーバーハンドレットナンバーズぐらいの

 

「我が滅び行く魂を導け」

 

止めなければ取り返しのつかないとわかってるのに、出来ない

ただただ、見てるだけしか出来なかった

 

「現れろ、No.77---」

 

凌牙がEXデッキから1枚のカードを取り出し、それをNo.に重ねようとした時

 

「俺と!」

 

『私で!』

 

『「オーバーレイ!』」

 

赤と青の光が、サルガッソを駆け抜けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界に走る赤と青

くるくると回って、綺麗

 

『真の絆で結ばれし2人の心が重なった時、語り継ぐべき奇跡が現れる!』

 

2つの光が1つになって、そこにいたのは……奇跡

 

「『エクシーズ・チェンジ、ゼアル!」』

 

そこにいたのは、最初のゼアルとは違う、オレンジ色の髪色に少しだけホープを思わせるような装飾をしている新たなゼアル

ぼぅっとした頭が急に覚醒する

……なんだ?俺は何してたんだ?

訳もわからずフィールドとDディスクに目を落とす

いつの間にかドルべのフィールドはがら空きで、俺のフィールドには

 

「……え?」

 

DディスクにはNo.84ペイン・ゲイナーという未知のNo.がセットされていた

何、このカード?

俺はNo.はNo.96ブラック・ミスト以外にNo.を持っていないし、そのカードもブラック・ミストに返却してるので現在俺はNo.を保持していない

そして右手には新たなエクシーズモンスターが握られていた

 

「なっ、ひぃ……!」

 

なんだ、なんだこのカード!

リアリストよりのデュエリストの俺でもわかる、このカードから発せられる強大な力に脳が警報を鳴らす……これは危険だ

その恐ろしさのあまりカードを地面に叩きつける

 

『凌牙!お前正気に戻ったのか!?』

 

「おれは しょうきに もどった !

 じゃなくて、何、俺何してたのん?俺、何があって」

 

震える声で俺を支えてくれてるブラック・ミストに尋ねる

その言葉にブラック・ミストは何も言わない

……ああ、そうだ、俺は、零にベクターに裏切られて

 

 

—…さぁ、受け入れろ

  我を受け入れ、そのカオスを我に捧げるのだ…—

 

 

あの声が頭の中でリフレインする

一体あの声は何だったのか、でも、あの声が聞こえてから、俺の意識は、俺、俺は

 

「『重なった熱き思いが、世界を、希望の未来に再構築する!リ・コントラクト・ユニバース!」』

 

新たなゼアルがバリアンのカードであるRUM-リミテッド・バリアンズ・フォースが砕け、砕け散ったかけらがカードになり、再構成される

 

「何ぃ!カードを書き換えただと!」

 

……ああ、そうだ、確かに俺は裏切られたし、あの声に何かされて、俺の精神状態は普通じゃないかもしれない

でも遊馬もアストラルあんなに頑張ってる、俺達の後輩が、俺達の希望が

再構築された新たなRUM-ヌメロン・フォースを発動させ、希望皇ホープが、新たな姿を現す

 

『「現れろ、CNo.39!』」

 

『未来に輝く勝利を掴む!』

 

「重なる思い、繋がる心が世界を変える!」

 

『「希望皇ホープレイ・ヴィクトリー!』」

 

ホープに赤・青・黄の装飾が付き、まるで新たなゼアルのような見た目になった

その姿はまさに希望(ホープ)と呼ぶにふさわしい

 

「行け!アンブラルをぶった切ってベクターをぶっ飛ばせ!

 希望皇ホープレイ・ヴィクトリーでアンブラルを攻撃!」

 

『「ホープ剣・ダブルヴィクトリー・スラッシュ!』」

 

四つ手にそれぞれ剣を持ってアンブラルへ振り上げる

大きなVの字がアンブラルに刻まれ、その攻撃に耐えきれなくなったアンブラルは爆発する

 

「ぐおおおおおおおおおおおおお!」

 

2、3回バウンドしてベクターは倒れ伏す

そしてARが新たなゼアル……いや、ゼアルセカンドの勝利を告げた

 

「いやったあああああああああ!」

 

「……全く、気が気じゃありませんでしたわ」

 

よかった、なんとか勝てたか……

なんて安心してたのもつかの間、いきなりサルガッソ全体が揺れ動く

なんぞ!一体何があったんだ!?

 

「今の衝撃でサルガッソのバランスが崩れたか……」

 

ドルべは冷静にこの現状を理解したのか、そうつぶやきミザエルに声をかける

 

「ミザエル、引くぞ!」

 

「ふざけるな!まだカイトとの決着が!」

 

「異次元の狭間に飲み込まれたいのか!つべこべ言わずにさっさと行くぞ!」

 

「くぅっ……!」

 

苦々しく顔を歪めるが、結局ミザエルはカイトに再戦の約束をし光の渦の中へと消える

それを見届けたドルべはベクターの居る場所へ瞬時に移動する

 

「ベクター、行くぞ!」

 

「ちぃ……!いいか、アストラルの心のシミは消えることはない

 ……じわじわとお前達を蝕み、それがいずれ取り返しのつかないことになるだろうなぁ……!」

 

「捨て台詞はいいからさっさと帰れ!」

 

「ぐぶぅ!」

 

中々帰らない(?)ベクターにしびれを切らしたのか、光の渦にドルべがベクターを投げ入れる

 

「お前達も早くここから脱出するといい、サルガッソはもう持たない」

 

そしてドルべも光の渦の中へ消えて行こうとする

 

「待って!」

 

消えて行こうとするドルべを止める

俺の言葉に反応したのか、遊馬達から視線をそらし俺の方を見やる

 

「ねぇ、零は、ベクターは……」

 

そこまで言って口を紡ぐ

あの様子を見て、きっとベクターは最初から裏切るつもりで俺達に近づいたのだろう

ベクターは表替えると言ってたし、最初から俺達の事を敵としか認識していなかった、俺達に憎しみしかなかったなかったと思う

でも、それでも

 

「ベクターは、俺達の友達だったんだ

 ……それは、それだけは変えられない真実だったんだ」

 

そうだ、いくらベクターが俺達の絆を、時間を、友情を否定しても、それだけは何者にも変えられない、俺達だけの真実なんだ

 

「君は、本当に似ているな……」

 

ドルべは目を細め、何かを懐かしむような表情をして……光の渦の中に消える

サルガッソの揺れはどんどん大きくなり、俺達の立ってる大地が崩れ始めた

なんとかしないと思う前にフラッシュ・トランサーの光が俺達を飛行船内に導く

ああ、やっと終わった、そう思った瞬間視界が歪む

そこで意識が途絶える

 

 

―…使えない依り代め、魂と器が限界な使い捨ての癖に

  まぁいい、これで十分なカオスが得られた……依り代をこの世界に誘い込んだのは間違いじゃなかったか…―

 

 

最後にそんな声が聞こえた、そんな気がした




とうとうVRAINSが始まりますね!
どんな話になるのか楽しみです!

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