神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

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どこ探しても遊作君のストラクチャーデッキが売ってないんですが

デュエカではハルト君無事クリア!
そしてとうとうTFSPを買ってしまいました……
ちなみに凌牙から攻略を始めました!


40/神代凌牙VSドルべ~サルガッソの戦い~

異次元の狭間

人間はもちろんの事、バリアンもアストラル人もここに来ることを嫌う

正しい道順を通らなければすぐに己のいる場所が分からなくなる迷路のような空間

その異次元の狭間にあるサルガッソに俺達はいた

 

「まっさかドルべはともかくミザちゃんもこの作戦に乗って来るとは思わなかったわ」

 

「確かにな、ミザエルはこういうのは嫌いだろう?」

 

「ふん、カイトと闘うのに来ただけだ、貴様の作戦なんぞ知らん」

 

そう言いながらミザエルは真っすぐと前を見据える

……大きな力がここに来るのを感じる、きっと遊馬達がこっちに来ているのだろう

俺達3人はあいつらが来るのを、ただただ待ち続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異次元トンネルはなんとも不思議な空間になっており、あちこちで光の渦が渦巻いている

 

「もうすぐ、だね」

 

『ああ』

 

ベクター、零を攫いこの罠を仕掛けた張本人

絶対に倒す、そんな感情が俺の中に渦巻いて、こんな感情が俺の中にあったのかと少しだけびっくりしている

……カオスって確か負の感情だよね?今の俺は多分カオスで大変な事になってんだろうなぁ

 

『なぁ凌牙』

 

「ん?なんぞや?」

 

思考を中断してブラック・ミストの方に目を向ける

見て見るとブラック・ミストが1枚のカードを俺に見せていた

No.96ブラック・ミスト、ブラック・ミストの核たるカード

 

『これは俺が回収するぜ』

 

「ほーい、わかったよ」

 

『……』

 

「……」

 

『……』

 

「……え、マジで?本気で言ってるん?」

 

いきなりの事にちょっとへんな間があったけど、こいつはいきなり何を言ってるんだ(驚愕)

 

「あのさぁ、これからバリアンと闘うんやぞ?それわかってて言ってる?」

 

『わかってるっつーの、俺は俺の分身以外にNo.を持ってないんだ

 俺とお前が分断されたら俺はどう戦えばいい?俺のデッキはレベル2軸だ、ランク2のNo.が現状無い時点でもし俺が戦うことになったら俺の分身が無いと正直かなりきつい

 お前の前世カードを今から借りるってのも手だがどう考えても時間が足りないだろ?』

 

「あー……」

 

そこまで考えてなかったわ

そうだよなーよくよく考えるならNo.96ブラック・ミストは元々ブラック・ミストの分身なんだし俺じゃなくてブラック・ミストが持ってる方が自然なんだよなぁ……

ランク2のエクシーズモンスターももちろん居るし能力も良い奴はいるけど如何せん打点が足りない

……そう考えるとNo.96ブラック・ミストはブラック・ミストに返却しておいた方がいいよな

 

「うーん、とりあえず今からでもアストラルと遊馬に相談して何枚かNo.を借りるとしますか」

 

『やめろ』

 

「……ん?」

 

遊馬とアストラルの方に向かおうとした時、ブラック・ミストに手を掴まれ止められる

その顔はいつにもまして必死で、その気迫に少しだけ気おくれしてしまう

 

『お前が俺の分身を使っても平気だったのは俺が使われることを了承していたからだ

 他のNo.を使ってお前が無事であるという保証はどこにもない、だからNo.無しで戦うべきだ』

 

「ブラック・ミスト……?」

 

何だかいつもとブラック・ミストの様子が違くて戸惑う

確かにあのカードはブラック・ミスト自身だったからカードの闇(笑)とやらに憑りつかれずに済んだかもしれない

他のNo.では憑りつかれる可能性も無きにしも非ずだけど、いつものブラック・ミストだったらもっと冗談交じりに言うし……

カードに憑りつかれる、以外に俺にNo.を使わせてはいけない理由でもあるのか?

幸い俺はカード効果を無効にするカードはそれなりにデッキに入れてあるから、No.無しでも戦えないわけでも無い

……ブラック・ミストがそこまで俺にNo.を使わせないようにする理由ってなんだ?

 

「なぁ、あの」

 

ガコン

飛行船が揺れる

普通それだけだったらただ単に風で煽られてるだけだと思うが、ここは異次元トンネルだ

船内にオービタル君の声が響き渡る

 

「カイト様、大変であります!

 飛行船前方にブラックホールが出現、引きずり込まれるであります!」

 

飛行船が大きく揺れる

近くの窓から前を見ると大きな黒い渦が飛行船の進路上に現れていた

 

「きゃあああああ!」

 

「オービタル!何とかならないのか!?」

 

「引力が強すぎて操縦が効かないであります!」

 

「このままじゃ吸い込まれてしまいます!」

 

必死に操作して進行方向を変えようとしてるけど全然いうことを聞かない

……まさか、これ自体が罠?

とかなんとか考えてももう遅い、どうあがいても絶望である

 

『全員何かに掴まるんだ!』

 

アストラルの声に思考の海から意識を浮上させる

必死に何かに掴まろうと手を伸ばすが、何も掴まるところが無い

……半ば諦めつつ窓ガラスをぶち破り、外に放り出されるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ……」

 

地面が硬い、体中が痛い

痛みを堪え目を開けると、そこは俺が見たこともない奇妙な空間だった

コンクリートの地面があちらこちらに浮かんでいて、遠くの方で戦艦のようなものが宙を漂ってる

飛行船は……うん、無事みたいだな

他の空中浮遊してる地面に目を向けると何人かが俺と同じで外に放り出されたみたいで、俺と同じようにこの場所に混乱している

 

「おい、皆無事か!?」

 

遊馬の声があたりに響き渡る

 

「いるよー!」

 

「問題は無い」

 

「俺も璃緒さんも無事だぜ!」

 

<遊馬、私たちも大丈夫よ>

 

各々から生存報告が来る

良かった、皆無事だったか

 

『……ここはバリアン世界ではない、この場所は』

 

「ようこそサルガッソへ」

 

アストラルの声を遮るように誰かが俺たちに声をかける

見ると黒に紫色のラインが入った服に金色の輪っかが頭についてる紫色のフードを被っている

顔は全体的に灰色でアメジストの瞳を持つバリアン

 

「待ってたぜ、九十九遊馬にアストラル

 長い旅路をごくろうさん、まさかブラックホールに飲み込まれるとは思わなかったがな」

 

「お前はベクター!おい、ここは何処だ!」

 

「はいはいベクターですよーっと

 ここはどこだって質問に答えてやるよ、異世界の墓場サルガッソ……ここがお前らの最後の場所になる」

 

サルガッソ……それがここの名称か

俺はベクターの挙動を注意深く観察し、何が起こってもある程度対処できるように構える

 

「ここがどこかとかそんなことはどうでもいいの、零君はどこですの?」

 

睨み付けるように璃緒がベクターに問いかける

周りを見渡すが零の姿が見えない……どこかに隔離してるのか?

 

「零?……ああ、こいつの事か」

 

パチン、とベクターが指を鳴らすと光が人の形に収束していく

その光が解けた時、それが零であると遠目でも分かった

 

「零!」

 

ぐったりと倒れている零だけど、とても無事には見えなかった

 

「真月!おいベクター!真月を返せ!」

 

「それではいそうですって渡すわけないだろぉ?

 ここに来た以上、どうやったらこいつを取り戻せるか……やることは一つ、だろ?」

 

デュエルディスクを出現させてベクターは構える

……やっぱ、こうなるのか

青色の髪が顔にかかりそれを振り払う、この距離からあそこまで遠いし俺達の立っている場所は一つ一つ宙に浮かんでいる状態なので別の場所への移動もままならないだろう

ブラック・ミストに頼んで……ダメだ、そしたら誰が飛行船の中に取り残されているナンバーズクラブの皆を守るんだ?

意地でもあそこに行く方法は……

 

「行かせないぞ、神代凌牙」

 

聞いたこともない声

そちらを見るとベクターと同じ服とローブを着た、でも紫の部分が白になってる服を着た新たなバリアン

 

「……」

 

「なっ……!」

 

白いバリアンが声を漏らす

きっと彼(?)も感じているのだろう、この言いようのない違和感を

ストン、と胸に落ちる不思議な感覚

欠けていたものがそろったような、空っぽだった魂が……満たされぬ魂が満たされるような

 

「お前が新しいバリアンか?」

 

「……!ああそうだ、私の名はドルべ、お前を倒す者だ」

 

「ドルべか、悪いけどこっちとしても大人しく倒される気はないんでね!」

 

カイトの方を見て見るとミザエルがすでにカイトをロックオンして、すぐにでもデュエルを始めそうだ

遊馬もアストラルも戦闘準備は万全みたいだし……こっちもこっちで始めようか

 

<凌牙!今そっちに行くから待ってろ!>

 

飛行船の方からブラック・ミストの声が聞こえる

 

「来るんじゃねぇ!」

 

<だけど!>

 

「お前までこっちに来たら誰があいつらを守るんだよ!」

 

<でも!>

 

<行って、ブラック・ミスト!>

 

俺達の会話に被せるように小鳥ちゃんの声が入ってくる

って、え!?

 

「何言ってるん小鳥ちゃん!」

 

もしも新たなバリアンが飛行船に奇襲攻撃をかけたらNo.を持っていないナンバーズクラブの皆の勝ち目は薄い

ある程度対抗手段はあるとはいえ(効果無効とか効果破壊とか)あまりにも危険すぎる

まぁ俺も人の事言えないけどね!

 

<私たちは大丈夫、自分の身ぐらい自分で守れるわ!

 いつまでも私たちは遊馬やシャーク達に守ってもらうほど弱くはないのよ!>

 

「小鳥ちゃん……」

 

……そうだよねー、なんだかんだ言って皆バリアンの戦いに身を投じてるんだし、ある程度の覚悟はできてるはずだよねー

ふっと顔を緩め飛行船の方に顔を向けた

 

「だが断る!」

 

<えっ!>

 

心配な物は心配なのよね

幸い今の俺はNo.を持ってないし、負けた所で失う物なんてない

 

「さぁ、行くぜドルべ!」

 

「バリアン七皇が1人、ドルべが相手をしよう!」

 

「Dディスク、セット!Dゲイザー、セット!デュエルターゲット、ロックオン!」

 

<ARヴィジョン、リンク完了>

 

「「デュエル!」」

 

 

 

神代凌牙LP:4000 手札:5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し

 

ドルべLP:4000 手札:5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

ピッとカードをドローする

辺りを見渡すと遊馬&アストラルはベクターと、カイトはミザエルとデュエルを開始していた

手札を見てどうしたもんかと思案するがすぐに首を振るう

だってもう考えるの面倒だし!人それを思考停止という

 

「俺は手札から永続魔法守護神の宝札を発動!カードを5枚捨てカードを2枚ドローする!そしてこのカードが存在する限り、俺の通常ドローは2枚になる

 さらに墓地に送られた代償の宝札の効果、このカードが墓地に送られた時2枚ドローできる、よって俺は4枚ドロー!」

 

新たにドローした4枚の手札を確認し、ドルべを見据える

まだドルべがどういうカードを使うかわからないから、とりあえずは

 

「永続魔法修験の妖社発動!このカードは俺が妖仙獣を召喚・特殊召喚するたびに妖仙カウンターが1つ点灯する

 俺は手札から妖仙獣鎌壱太刀を召喚、効果でこのカード以外の妖仙獣を召喚できる、俺はさらに鎌弐太刀を召喚!さーらーにー妖仙獣が召喚・特殊召喚されたので妖仙カウンターが2つ点灯!」

 

 

妖仙獣鎌壱太刀

星4/風属性/獣戦士族/攻1600

 

妖仙獣鎌弐太刀

星4/風属性/獣戦士族/攻1800

 

修験の妖社 妖仙カウンター:0→2

 

 

「俺は壱太刀と弐太刀でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!ランク4、ガガガガンマン!」

 

 

ガガガガンマン

ランク4/地属性/戦士族/守2400 ORU:2

 

 

視界が白く光る

そう認識した瞬間、空から雷が降ってきて俺に直撃した

 

「きゃああああああ!」

 

「ぐっ、なんだこれは!」

 

「うわああああああ!」

 

『う、あぁ……!』

 

辺りから悲鳴が聞こえる

見るとカイトも遊馬(とアストラル)もあの雷を食らったのか片膝をついていた

なんだ、今のダメージは?フィールドとドルべを見ているがドルべや他のバリアンがカードを発動した感じはしない

手札も減ってないし、墓地にも何もないはず

Dディスクを確認して確かにドルべは何もカードを発動していな……

 

「はぁ!?」

 

 

神代凌牙LP:4000→3500

 

 

ライフが減ってる!?

慌ててカイトと遊馬達に確認を取ると、あっちも500ポイントのダメージがあった

 

「おーっと言い忘れてたな、ここサルガッソは常にフィールド魔法が発動していてな

 エクシーズモンスターが特殊召喚される度にプレイヤーは500のダメージを受け、さらにエクシーズモンスターのコントローラーは自分のエンドフェイズごとに500のダメージを受ける!」

 

それ先に言ってよ!

ナンバーズクラブの皆もそう思ってるらしく飛行船からブーイングが聞こえる

……にしてもそれが本当なら戦う内の1人が俺で本当によかったわ

幸いにもエクシーズ召喚に頼らなくても大丈夫なデッキの構成だし、他の皆はエクシーズ主体だからなぁ

それに常日頃からリアルファイトに興じているから

 

「この程度の痛みどうってことない!ガガガガンマンの効果発動!ORUを一つ使い、守備表示の時は相手に800ポイントのダメージを与える!」

 

 

ガガガガンマン ORU:2→1

 

ドルべLP4000→3200

 

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

「この瞬間、異次元の古戦場-サルガッソの効果で凌牙に500のダメージだ!」

 

 

神代凌牙LP3500→3000

 

 

エクシーズ召喚するたびに500、エンドフェイズごとに500

……ドルべも条件は同じだけど、この罠を仕掛けた張本人だし何かしらの対抗手段はあってもおかしくない

厳しい戦いになるな……それでも、それでも俺は零助けたい、取り戻したい

その為に、俺はここまで来たのだから

 

 

神代凌牙LP:3000 手札:0

【モンスター】

ガガガガンマン/守2400 ORU:1

【魔法・罠】

守護神の宝札(永続魔法)

修験の妖社(永続魔法) 妖仙カウンター:2

伏せ×1

 

ドルべLP:4000 手札:5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し




No.なしでバリアンとの戦いに挑む凌牙ちゃん
ドルべのオーバーハンドレットナンバーズにサルガッソの効果
そして今明かされる衝撃の真実!凌牙ちゃんの(心の)ライフはどうなるのか!?
次回、この次回予告の内容が次の話に反映されるとは限りません
デュエルスタンバイ!

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