神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

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ただいま


デュエカでは真月ルート攻略してさなぎちゃんルート攻略中です!
カイトまで倒したけど、噂のさなぎバンドってあんな風にメンバー集めてたんだ……
というかさなぎちゃんの言葉がめっちゃ心に来る……さなぎちゃんのファンになります(真顔)
え?ブラック・ミストルートはどうしたのだって?
……(目反らし)


38/神代凌牙と慌しい文化祭

魔の試着部屋

そう書かれた看板は俺達のクラスにかけられており、そこには何人かの人が列をなしていた

出口側から出て来た男女のお客さん、一人はアロマージ—ベルガモット、一人はアロマージ—ジャスミンの衣装を着ていた

ハートランド学園の文化祭の日である今日、俺達のクラスは貸衣装屋さんをしておりましたとさ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりコスプレしたいわ!コスプレ喫茶にするべきよ!」

 

「それじゃ他の奴らと被るだろ!」

 

「休憩時間が多いほうがいい、むしろ何もやらないで皆で出店巡ろうぜ!」

 

「えー!俺達もなんか出そうぜ!こう、皆が楽しめる奴さー!」

 

「何か作りたーい」

 

文化祭での出し物を決める話し合いは混沌を極めていた

皆が皆自分のやりたい事を押し付け合いで中々話し合いは進まない

この話し合いのまとめ役である璃緒も興司もあまりの混沌さに片方はため息を付き、片方は眉間にしわを寄せていた……お疲れーっす

若干疲れたような声色で璃緒は俺に意見を求めて来た

 

「凌牙は何かある?」

 

「ん?んー……貸衣装屋さんとか?」

 

「貸衣装屋さんって……」

 

興司が呆れながらも黒板に貸衣装屋さんの文字を書く

うん、お前のそういう真面目なところ好感が持てるYO!

 

「貸衣装と言っても他のクラスと衣装を被らせなければよくない?

 店員である俺らもコスプレすれば宣伝にもなるし、貸衣装屋なんてきっと誰もやらないから被らないだろ?

 休憩時間も衣装貸出とか衣装を着る補助とかだったら、あんまり人を使わないだろうから必然的に休憩時間は多くなると思うよ?

 それにハートランドの生徒も外部から来た人もコスプレ出来れば両方楽しいと思うし、衣装も手作りになるだろうし……一応さっきでた意見は全部クリアできてるで?」

 

「……他のクラスと衣装を被せないと言いましたけど、全てのクラスに何のコスプレをするか聞くつもりですの?」

 

「んー」

 

皆から見えないように前世カードを取り出し、5枚ぐらいそのモンスターの衣装を書いて渡す

ちなみに書いたモンスターの衣装はKozmo-グリンドル、ヒュプノシスター、幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ、十二獅子サラブレード、EM(エンタメイト)バラード

俺の前世カードからだったら他の奴と絶対被ることはないし

 

「……」

 

「あれ?皆どうしたん?」

 

いきなり皆黙りこくってこっちを見ている

なんだこの新手のホラー、本当に大丈夫かこいつら

 

 

 

 

 

 

 

そしてなぜか俺の案が採用されてこうして貸衣装屋さんの魔の試着室部屋が完成したというわけさ!

 

「それにしてもすごい人だよね……やっぱり皆文化祭だしコスプレしたかったんだね」

 

相克の魔術師の衣装を身にまとった興司が俺と璃緒の元にやってきた

あー、もう交代の時間か……璃緒と二人で飲んでいた飲み物を片付けて接客の準備に移る

 

「兄さん!」

 

パタパタと興司そっくりの少年が入ってきた

その少年は刻剣の魔術師のコスプレをしており、手には出店で買った綿あめが添えられている……いいなー

 

「優司!すぐにそっちに行くから教室の外で待ってろって言っただろ?」

 

「あ、ごめん…」

 

「もう…紹介するよ、僕の弟の八雲優司だよ」

 

「八雲優司です」

 

そう言ってペコリとお辞儀する優司君

興司と同じで白髪に緑色の髪がアクセントとして添えられている

……うん、やっぱりツートンカラーの髪は遊戯王の伝統だよなー……6代目遊戯王の遊作君は脅威のスリーカラーだけど

 

「初めまして優司君、俺は興司の友達の神代凌牙だ」

 

「私は神代璃緒と言いますの

 こちらの凌牙の双子の妹ですわ、よろしくお願いね」

 

「う、うん、よろしく……」

 

そういって優司君は若干顔を赤くしながら目を反らす

うちの妹は宇宙1可愛いからね、しょうがないね

 

「……それにしても璃緒も凌牙も本当にその衣装でいいの?」

 

「えー、だって俺達双子だし?この衣装がそれっぽいかなーって

 確かに俺は包帯グルグルだから見た目悪いけどさー」

 

「確かに露出度は高いと思いますけど、私は気に入ってますし問題ありませんわ」

 

俺と璃緒はお互いの衣装を見てそんな感想を漏らす

漫画版ARC-Vの遊矢が使用しているアイドルカードのEMユニとEMコンだ

あー璃緒が可愛くて心がぴょんぴょんするんじゃ~……

大きく胸元が開いており、首には蝶ネクタイと襟だけが付いている

下はバニーガールみたいになっていて少しだけ寒いけどしょうがないね、あとは上着だったりと多少の違いはあれど大体の服の構造は同じだ

 

「あ、いくら興司でも璃緒に色目使ったら優司君の目の前だろうが何だろうがぶち転がすからそのつもりで☆」

 

「そうですわ、先に言っておきますが凌牙に不埒な事を働いたら凍らすから」

 

「……なんというか、うん、凌牙と璃緒がいつも通りで何よりだよ」

 

「「?」」

 

俺も璃緒もいつも通りだよ?

よくわからず俺も璃緒も小首を傾げていると興司にため息を付かれたのであった、解せぬ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

興司と優司を送り出し、途中で生徒会長と瑠那ちゃん先輩がやってきたので生徒会長に霊魂鳥神(エスプリット・ロード)-彦孔雀、瑠那ちゃん先輩に霊魂鳥神(エスプリット・ロード)-姫孔雀の衣装を貸し出したりと色々あったが滞りなく営業出来ている

……滞りなく営業出来てるけどなんか人多くない?

最初は並んでいても3人4人だけだったけど今は常に6人は並んでいる状態だ

とりあえずもうすぐ俺達の仕事は終わりだし、あとは任せたぜ皆!(丸投げ)

 

「うーん、並んでんねー」

 

「ええ、まさかこんなになるなんて私も思いもしませんでしたわ」

 

衣装を貸し出しつつ璃緒とそうぼやく

俺が提案したことだったけど、こんなに繁盛するとは思わなんだ

 

「ねぇ凌牙、璃緒、貴方達にお客さんが来ているわよ?」

 

クラスメイトの1人がそう言いながら6人の人間が控室に入ってきた

……おいアークライト一家と天城兄弟何してんだYO!というかトーマスは帽子被ってごまかしてるだろうけどいつバレるかどうかひやひやするよ

 

「やっほー、遊びに来たよ!」

 

「ういーっすバイロンさん、通常運転で何よりっすわ」

 

「あら、皆さんお久しぶりですわ」

 

「璃緒、凌牙も久しぶりだな

 今日はトーマスがこの学園で交流会デュエルをするからな、私たちはその付き添いだ」

 

「ねぇねぇ!僕たちもこれ着て良い?」

 

「これお前の持ってる前世カードの奴だろう?いいのかよ」

 

「……まぁ、大丈夫ではないか?」

 

「トーマス兄様もカイトも細かい事は気にしちゃダメですよ?」

 

どやどやと休憩室に入ってくるアークライト一家と天城兄弟

いつもの高貴な服とナンバーズハンターの正装(?)とは違い普通の服を着ている

……普通の服だけど中身がいいからどこぞのブランドの服と言われても納得しそう

 

「兄さん!僕これがいい!」

 

「父様に兄様達!僕たちも何かコスプレしましょうよ!」

 

「ハルト!わかった、わかったから引っ張るな!」

 

「わーい!僕コスプレだぁーいすき!」

 

『おい、いい大人がそんな事言って恥ずかしくないのか?』

 

「ブラック・ミスト、お前居たのか……」

 

「というかマジレスすんじゃねぇよ……」

 

そう言いながらさっき来たのにも関わらずさっさと退室してコスプレ衣装を選ぶ

和気あいあいとコスプレ衣装を選んでるけど……いや、もう何も言うまい

途中でトーマスがⅣとバレて大騒ぎになったりカイトがWDCに出て来たとあのカイトとわかり大騒ぎになったりとハプニングがあったが何とか衣装貸出に成功する

アークライト一家と天城兄弟は十二獣で統一させておりバイロンさんが十二獣モルモラット、クリスの兄様が十二獣タイグリス、トーマスが十二獣ヴァイパー、ミハエルが十二獣クックル

天城兄弟がカイトが十二獣サラブレード、ハルトは十二獣ラムのラインナップ

お揃いとかお前ら仲いいな

 

「うーん、遊馬達のクラスに行きたかったけど時間が……」

 

ミハエルが時間を確認するとトーマスが交流デュエルの時間になったらしく、俺達はそのまま第2グラウンドにいどうする

最初はトーマスとの交流デュエルで、その次は羽原夫妻の交流タッグデュエルだ

トーマスの交流デュエルは順調に進んで各段大きな問題は起きなかった

最後の閉めとしてトーマス&カイトVS俺&璃緒のタッグデュエルは大いに盛り上がりましたとも!

ん?結果?負けたに決まってんだろ!(半ギレ)

終わった後はデュエルアイドルのさなぎちゃんのバンドの手伝いに行ったりと有意義な時間を過ごした

そして休憩時間が終わりクラスに戻るといつの間にか10人以上が列をなしていた……なんでや!

璃緒と2人でぎょっとしていると列をなしているとクラスメイトの一人が俺達を見つけると、あわててこっちにやってくる

 

「よかった!2人とも戻ってきてくれたんだ!」

 

「お願い手伝って!」

 

思いのほかトーマスとの交流デュエルでしたコスプレが大好評だったらしく、あの衣装はどうした!あのクラスの衣装だ!さなぎちゃんバンドのギターの子のあの衣装はなんだー!

……みたいな感じで話題が話題を呼び、この惨状が出来上がったというわけだ

それからは戦場だった

何度も何度も衣装を貸し出しを行い列を捌くが、なかなか列が減らないしむしろ増えてる

うん、これは地獄ですな(白目)

それにあのタッグデュエルを見た人も何人かいてその人達の対応もありめっちゃ大変ですわ……

 

『凌牙!璃緒!カオスだ!バリアンの気配がグラウンドの方からする!』

 

「「!!」」

 

ブラック・ミストがそう張り上げる

幸い実体化していないのでその声を聞き届けられたのは俺と璃緒だけだった

 

「ねぇ興司、今俺と璃緒って抜けられる?」

 

「冗談言わないでよ!この人だかりだよ?」

 

いまだに列は途切れることはなく、確かに璃緒と俺が抜けたら大変そうだ

……ブラック・ミスト、悪いけどトーマス達と遊馬達を見つけてそこに向かってくれない?

 

『お前らはいいのかよ』

 

この状況で俺ら抜けたら不自然だろ?

それにアークライト一家に天城兄弟に遊馬がいたら何かあっても対処できるだろ?

こっちにバリアンが来ないとも限らないし、そん時の為に多少は戦力を残しておかないといけないし

 

『……わかった、でもなんかあったらすぐに呼べよ』

 

うぃっす

そのままブラック・ミストは教室から抜け出していくのを見てさりげなく璃緒の傍に寄る

 

「璃緒、ブラック・ミストに皆を回収させてグラウンドに向かわせた」

 

「……大丈夫ですの?」

 

「あいつらいりゃ大丈夫だろ

 それにいざって時に校舎に残ってた方が都合がいいし」

 

「……確かに、こちらで何かあった時に誰もいなくて対処できませんでした、では話になりませんからね」

 

そう言って璃緒接客に戻るが何度も何度もグラウンドに目を向ける

……璃緒だけでもグラウンドに行かせた方がいいかな?

何かあったとしても最低限皆が来るまでの時間稼ぎにはなるし

 

「ねぇ璃緒、あのさ」

 

「あー!シャークちゃん!ここにいたんだ!」

 

璃緒に話しかけようとした時、教室の外からそんな元気な声が聞こえた

見ると綺麗な桃色の髪をお団子にして、全体的にハートの装飾がされている衣装を身にまとっているさなぎちゃんがいた

いきなりのさなぎちゃん登場で教室中は野太い悲鳴やらが響き渡り混沌としている

 

「おいーっす、どうしたんさなぎちゃん?こんなとこまで来て」

 

「ほら、スカウトの続き?」

 

「……スカウト?凌牙、なんの話ですの?」

 

さなぎちゃん曰く、さなぎアンテナとやらにビビッと来たらしく何かと一緒にバンドやろうと誘ってくる

わりぃなさなぎちゃん、こっちはバリアンの事でいっぱいいっぱいなんや……

 

「うーん、シャークちゃんには是非一緒にデュエルバンドやってもらいたかったんだけどなー……」

 

しょんぼりしながらさなぎちゃんは視線を逸らす

なんというかすまないね……さなぎちゃんの頭をよしよしと撫でてやる

 

「シャークちゃんのおかげで元気が出て来たよ!

 今日は諦めるけど、絶対にさなぎのバンドに入れるんだから!とりあえずこれ、さなぎからシャークちゃんへプレゼント!」

 

そう言ってさなぎちゃんは俺にマドルチェの絵柄が掛かれた封筒を渡す

受け取ってみると少しだけ厚みがあり、多分中にはカードが入っているのだろう

 

「シャークちゃんはこれからいっぱいいっぱい悩むと思うの、だけどシャークちゃんだったらきっと乗り越えられるとさなぎは思うの」

 

そう言いながらさなぎちゃんは俺達が止める間もなく教室を出て行く

なんというか、さなぎちゃんって割と自由人だよね……

嵐が去った後しばしの静寂が訪れたが、すぐに騒めきがやってきた

 

「あ、あれ?」

 

何気なくさなぎちゃんのいた場所を見ると衣装が1着足りない

なんというか、来たかったんだねコスプレ衣装

さなぎちゃんが来たからかさっきまで以上に教室が繁盛してしまい、結局グラウンドの方には行けなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

文化祭が終わり、グラウンドで起こったことを自宅でブラック・ミストに聞きながら皆でご飯を食べる

まさかプロのデュエリストまで洗脳するとか……それだけバリアン側も時間が無いってことだよな

 

『そういやお前蝶野さなぎから何かもらったんだろ?何貰ったんだ?』

 

ブラック・ミストの言葉で部屋まで取りに行き開封する

さなぎちゃんからもらった封筒の中身は黒のフレーズだけで、カードテキストもイラストも無いカードが数枚入ってるだけだった




さなぎちゃんから渡された謎のカード、そのカードとは一体!?
そしてやっと次くらいからサルガッソに入れるはず!

後前に話してたリンク召喚ですが、多分この小説ではやりません
ペンデュラムはともかくリンクはルールが大幅に変わっちゃうので……
でも遊作世代から出てくるカードは登場するかもしれません

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