頑張って伏線回収できるといいなぁ(願望)
オービタルとドルべをクリアしてゴーシュをプレイ中です!
病院ベットの上で凌牙は綺麗な土下座を披露している
周りには璃緒、Ⅳ、ブラック・ミストが腕を組み額に青筋を浮かべていた
「あの、神代先輩もⅣさんもブラック・ミストもその辺に……シャーク先輩も反省してるみたいですし……」
そういいながら庇うように凌牙の前に出る
真月零ならこうするだろうし、何よりこいつらのせいで話が全く進まない
「甘いですわ零君、凌牙は反省はしていますが絶対にまた同じことを繰り返しますわ」
やばい、否定できない自分がいる
『そうだよお前馬鹿じゃないのか!?バリアンに戦いを挑んだ挙句にバリアンのRUMを使うなんて!』
そう、今回の問題は凌牙がバリアンに戦いを挑んだ挙句RUMを使った事だ
あれにはアリトだけじゃなくてこっちサイドもしばらく放心してたぞ?
俺もギラグもあのRUMを使ってるからわかる、あれは人間が使っていいもんじゃない
確かに洗脳された人間は普通にRUMを使ってるけどあれは俺らバリアン七皇のカオスの力で問題ない様に制御してるからであってなんの対策も無い人間が使ったら激しい痛みに襲われるはずだ
遊馬だってアストラルと皇の鍵(?)の守護があるからカオス化に耐えられるだけだ、遊馬に渡したあのRUMだってRUM-バリアンズ・フォースのデットコピー
ランク4以下のモンスターしかカオス化できず、バリアンズ・フォースの相手のエクシーズモンスターのORUをカオス化したエクシーズモンスターに与える効果もない
これだけ弱体化してるにも関わらずリミテッド・バリアンズ・フォースを使えるのは遊馬や俺が紋章の力を授けたトロン達にカイトやかろうじて璃緒ぐらいだろう
「貴様が持っている前世カードのRUMとはわけが違うんだ、何の対策もなしにRUMを使うとは貴様は馬鹿か?」
「いやだってあん時のドローカード全部魔法カードだしあれが最善だったというか……
それに確かに痛かったけどああいう痛みには慣れてるし、あのRUM使ってなかったら俺負けてたからね、仕方ないね」
「つまりお前は必要に迫られたらまたあの戦法でRUMを使うと」
「……てへりーん☆」
『「「そこに正座しろ』」」
「今土下座の体勢なんですがそれは」
あの戦い後ギラグを退け、無事に遊馬にRUMを渡し終え急いで凌牙の元へ行った
ブラック・ミストが必死に凌牙の名前を呼び体を揺すっているのが見え、止めたのは記憶に新しい
本当だったらあのギラグとの戦いが終わった後で俺がバリアン警察(笑)であるとあかし、遊馬との親密度を上げる予定だったがそれどころじゃなかったしな
急いで病院へ凌牙を戻し、改めてアストラルがいない隙に色々と遊馬に吹き込んでおいた
今までのこともあり遊馬は完全に俺を信頼している
凌牙も遊馬も危機感が死んでる、この世界の人間は大丈夫か?
「とりあえず凌牙は病院で検査した後はフェイカーの元に行ってもらうよ
紋章の力があるわけでも無く、バリアンの補助なしにカオス化させたんだ、何か体に変化があってもおかしくないからね」
「そう言うわけだ、明日にはこちらに移ってもらうぞ」
「うぃっす」
ビシッと敬礼する
その様子に璃緒、Ⅳ、ブラック・ミスト……面倒だからセコムでいいか、セコムが怒りを通り越して呆れていた
「所でアストラルはどうしたん?」
きょろきょろと遊馬の周りを凌牙は見やる
あいつ自分のデュエルに集中しすぎてこっち全然見てなかったしな
「……アストラルはね、今皇の鍵の中にいるみたいなの、その、バリアンズ・スフィア・フィールドの影響があったみたいで……」
ちらりと小鳥が遊馬の皇の鍵を見る
あの後アストラルがデュエルの途中で退場してから一回も姿を見ていない、よほどバリアンズ・スフィア・フィールドでのデュエルが体に響いたみたいだ
「そうだ!シャークがカイト達のとこ行くなら俺もついていっていいか!アストラルを見てほしいんだよ」
そう言いながら皇の鍵をずいっと突き出す
かなりのダメージを受けてたみたいだし、回復にはそれなりに時間がかかるだろう
ブラック・ミストが皇の鍵に視線を移すと目を大きく見開き、舌打ちをして遊馬の腕をつかむ
『来い、遊馬!』
「え?何、がぁ!?」
皇の鍵が光輝き病室を照らす
そして光が皇の鍵に収束したころには遊馬とブラック・ミストの姿は無く、あるのは床に転がった皇の鍵だけ
「……つまりはどういうことだってばよ!」
凌牙のその叫び声でやっと病室内の時間は動き始めたのだった
入った瞬間に戦いに巻き込まれるという凌牙風に言うなら"遊戯王特有の超展開"に巻き込まれた……遊馬も一緒にここに引きずり込んで正解だったな
皇の鍵の中での戦いは俺達が勝利し、改めてアストラルがNo.の保持者に認められた
そこでようやくアストラルは己の使命を思い出した
ヌメロンコードを使い、バリアン世界を滅ぼす
それがアストラル世界の使者たるアストラルとその記憶である俺達No.がこの世界に来た理由だ
「……なぁ、アストラル
本当にバリアン世界って滅ぼさないとダメなのか?本当に、それが正解なのかな?」
『バリアン世界を滅ぼすのが私の使命だからな
だが、私はもう少しこの問題についてシャークの意見を聞きたいんだ、彼女の意見は実に興味深いからな』
バリアン達の戦う理由、あいつらがどうしてアストラル世界を滅ぼすのか
それを凌牙がアストラルに聞いた時のあいつの反応は面白かったな
だって今まで誰もそんなこと考えたことなかったし、考えようとも思わなかったからな
『No.96』
今だそこに存在している黒の巨人が俺に対して声をかけて来た
本来敗者である黒の巨人が消えずにそこにたたずんでいたのはそう言う事か
『あんだよ、もしかして俺もアストラルみてぇにデュエルしろって言うのか?』
黒の巨人はフルフルと横に首を振る
『No.96の担い手にNo.を使わせるな』
『……はぁ?』
いきなり凌牙にNo.を使わせるなってどういうことだ?
仮になんの力を持ってない一般人だから、っていう理由だと璃緒が入ってないのがおかしい
あいつも一般人にも関わらずNo.を何体も従えてるのに璃緒が出てこないのは凌牙だけに何か、特別な何かがあるからだろうな
そして凌牙だけが持ってる特別な何かって言ったら
『凌牙の前世と何か関係があるのか?』
黒の巨人は小さくうなずく
『担い手の魂はこの次元の物ではなく、魂はこの次元に固定されていない
故にこの次元の力を担い手が使いすぎると、担い手の魂はこの次元の力を内包しているが故に元の次元に転生することは出来ず、魂はこの次元の物でない為この次元の転生には出来ないず、魂は次元の狭間で彷徨い続けるだろう』
『はぁ!?』
こいつのいうことが本当だとしたら、凌牙は前世の世界にも、この世界にも転生できず…
独りぼっちで、誰とも触れ合えず、ずっとずっと永遠に彷徨い続ける
それはきっと死ぬよりも恐ろしい、一人でいるのは何よりもつらいのは俺自身がよくわかってる
『元々この次元の魂ではないのに幾度とない魂の移動により魂と器はもう限界を迎えている』
……幾度とない魂の移動?
凌牙の話だと前世→今って感じだから魂の移動と言っても1回しかしていないはずだ
なのに幾度となく、という発言だと何回か転生を繰り返しているということになる
ただ単に凌牙が覚えてないだけで移動を何回か繰り返してるって事か?いや、そもそも魂の移動ってなんだ?
転生するんだったら転生と言えばいい、なのに移動ってなんだ?それに
『なんでお前がそれを知ってるんだ?』
どうして黒の巨人は凌牙が前世の記憶があるのを知っており、凌牙の魂が限界という事を知ってるんだ?
いくらNo.の保持者を試す守護神、ヌメロンコードの使者だとしてもどうして違う次元の事を知ってるんだ?
『彼の者との契約だ
"武藤マナミ、××××、神代凌牙が使役するカードの精霊にこの事実を伝える"という契約がな』
……なんだ、今、ノイズが掛かったみたいに言葉がかき消されたような
いや、それよりも彼の者っていったい何者なんだ?どうしてそんなことを知ってるんだ?
『いずれ彼の者はお前達の前に現れるだろう
……あらゆる次元のあらゆる運命を収束する者……武藤コナミに』
そのまま黒の巨人は消え去った
いきなりたくさんの情報にこめかみを抑える
No.…いや、この次元の力と言っていたからバリアンのRUMもそれに含まれるのだろう
それを使いすぎると凌牙の魂が永遠に次元を彷徨い続ける
そしてなぜかそれを知る謎の武藤コナミという存在、武藤ということは凌牙の前世の肉親か?
……違うな、凌牙赤ん坊の頃に孤児院に拾われたと言ってたし、孤児院皆が家族という話は聞いたが凌牙自身に血の繋がった肉親がいると聞いたことがない
一体武藤コナミは凌牙のなんなんだ?
「おーいブラック・ミストー!」
遊馬が大声で俺を呼ぶ
そちらを見ると遊馬がぶんぶんと手を振り俺の事を呼んでいた
アストラルも俺の方を見て手招きをしており、俺は誘われるままにそちらに向かった
『あんだよ』
「いや、もうすぐ帰ろうと思って声をかけたんだよ!」
『君は黒の巨人と話していたようだけど……なんの話をしていたのだ?』
小首を傾げながらアストラルは俺に問いかける
……幸いにもあの会話はこいつらには聞こえていなかったようだ
こんな事あいつらに知られたら、何をしでかすかわかったもんじゃない
俺の判断であいつらに話す前にまず凌牙に言って判断を仰がないと、当事者である凌牙を置いてけぼりに出来ないからな
『別になんでもないさ、早く行くぞ』
皇の鍵から俺、遊馬、アストラルが出てくるとそこは俺らの見知った病室だった
……見知った病室って単語が出てくるあたりこいつがどんだけの頻度で入院してるかを物語ってるよな
なんだよ第二の実家が病院って……
「おお、マジで鍵から出て来た……三人ともおかえりー」
「もー!いきなりブラック・ミストも遊馬もいなくなって私たち心配したんだからね!」
凌牙と小鳥の声に少しだけ安堵する
さっきの黒の巨人との会話は結構精神に負担がかかったみたいだ
『ちょっと皇の鍵の中でデュエルしてただけだ、そこまで心配するようなことは起きてないっての』
「いやいやそんだけでもだいぶクレイジーだからな!なんだよペンダントの中でデュエルって!まるで意味が分からんぞ!?」
混乱するように凌牙が突っ込みをする
……確かにペンダントの中でデュエルって字面がやばいけど凌牙が話してくれた質量を持ったソリッドヴィジョンってのとかモンスターと人が合体したりとかの方もだいぶクレイジーだと思うんだけどな…
さて、凌牙になんてさっきの出来事を説明するかだな
No.とRUMを使わないように言って……
使わないように?
「ん?どうしたん?」
もし言って、本当に使わなくなったら俺はもう用済みって事なのか?
アストラルに回収されて、もう凌牙の傍にいることは出来ないのか?
……いや、凌牙もアストラルもそんな事はしないだろう、でもこのことを話して凌牙はどんな選択をするのか
No.を使わないのか、使うのか
幸い凌牙は効果を無効にさせるクリアウィング・ファスト・ドラゴンやカードを手札に戻せる大刃禍是がいるしNo.が無くても十分に戦えるはずだ
でもあいつは素直にいうことを聞くだろうか
この事をどこまで話すべきか
『別になんでもないさ』
きっとあいつは必要になったらNo.を使うだろうしこの次元のRUMも使うだろう
もしもそうなったら、その時は強制的にでもデュエルを変わろう
あいつが使う前に変わればきっと大丈夫、だからこのことはまだ凌牙には言わないでおこう
これからの戦いで余計な心配事を増やすのは得策じゃないし、必要に応じて俺が話せばいい
「ふーん?そうだよ皇の鍵の中で何があったのさ!俺めっちゃ気になるんだけど!」
『ん?ああ、それはな』
こいつの笑顔を守るために頑張らないと、大丈夫、きっとこの戦いもすぐ終わる
だからそれまでにNo.を使わせないようにしないと
俺を使ってくれないのは寂しいど、あいつには代えられないからな
願わくば凌牙にこの事実を伝える前にこの戦いが終わるのを願うしかないな
この選択が、近い将来凌牙を苦しめる結果になるなんて思いもよらなかったけど
箱で買ってブラック・ローズ・ドラゴンやらダーク・ダイブ・ボンバーやカステルやらゴヨウ・ガーディアンやトリシューラやら出てきました!
段々凌牙ちゃんの本命デッキがシンクロに特化していく気がするが気のせいだな(すっとぼけ)
というかドン・サウザンドの契約なるものを当てたんだがこれは物語に組み込んだ方がいいのだろうか
それとブラック・ミストは気が付かなかったけどこの次元の力というのはカードの創造も含まれる
そして凌牙はシグナー竜を持っていない、そして作者は現在シグナー竜を二枚持ってる
……この意味がわかるな(ゲス顔)