神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

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年末年始は実家に帰省する予定です
皆さんよいお年を


30/九十九遊馬とアリトの熱き戦い

デュエルが始まりアリトの先行からスタートする

アリトが着々とフィールドを整えていく中、遊馬は顔を歪めていた

……まだ、アリトがバリアンであるという事実を受け入れられていないのか、それだったらアリトに失礼なんじゃないかな

確かに今まで仲良くやっていたアリトが敵だったなんて、遊馬の精神ダメージは計り知れない

だけど自分が消えるリスクを背負ってまでアリトは遊馬に勝負を仕掛けて来た

その思いを、無駄にしたらダメなんじゃないかな?

アリトがエクシーズ召喚をし、BK(バーニング・ナックラー)拘束番兵リードブローって奴を出してきた

 

「わかっているよな?このリードブローはORUを一つ使うことで破壊されず、ORUが一つ減るごとに攻撃力が800ポイントアップする!」

 

ああー、ORUが拘束具で、それが無くなるから強くなるって事か、なかなか面白いモンスターだな

そしてアリトは脅威の三枚伏せでターンエンドする

 

「あの伏せカード!」

 

『まさか、最初の時のデュエルを再現しようというのか!?』

 

ん?最初の時を再現ってどういうことなん?

訳が分からず隣の三人に助けを求める視線を送ると、小鳥ちゃんが苦笑しながら説明してくれた

 

「遊馬とアリトが最初にデュエルした時に、アリトがああいう風にリードブローを召喚して、三枚カードを伏せてターンエンドしたの

 もし遊馬もアストラルも最初のデュエルを再現しようとするのなら……」

 

「遊馬君が勝ちますよね、でも、きっとそれで終わるはずがありません、このデュエルは」

 

多分最初のデュエルはあくまで遊馬とアストラルの実力を見るための物だっただろうし、言うほど本気は出してないと思う

デュエルに目を向けると遊馬もフィールドを着々と整えており、遊馬達のエースである希望皇ホープが現れた

アリト同様にカード三枚伏せ、皆の言動を聞く限りあれも最初のデュエルの再現なんだろう

そして遊馬がエンド宣言をしようとした時、アリトが動いた

 

「俺はエンドフェイズ時に速攻魔法オーバーレイ・フラッシュを発動!」

 

「何!?」

 

『このタイミングで速攻魔法だと!?』

 

オーバーレイ・フラッシュは自分のエクシーズ・モンスターのORUを一つ使い相手のモンスターの効果を無効にする

その効果でホープは攻撃無効の効果を使うこともできずNo.耐性もなくなった、さらにORUが無くなったことによりリードブローの攻撃力も800アップするというおまけつき

リードブローが拘束具の一つを無理やりに引きちぎる、なんつーか、うん、ARヴィジョンってすごいよなこういう細かいとこまで再現できるとか

 

「遊馬!俺はこのデュエルに全てを捧げる!だからお前も全力で来い!」

 

アリトのターンになりリードブローで攻撃を仕掛ける

それに対して遊馬は罠カードを使うがアリトもカウンター罠で対抗し、さらに遊馬がカウンター罠を発動させる

……だめだ、もう頭がこんがらがってきた……それでも罠合戦はまだ終わらず、さらに遊馬のカウンター罠にアリトがカウンター罠を発動させる

最初のデュエルの再現だったらしいが、さらにアリトがチェーンしてくるとは思ってなかったらしい皆は驚愕の顔を浮かべる、ってことは最初のデュエルでは遊馬のカウンター罠に対してアリトがカウンター罠を発動させなかったらしい

1234……4個のチェーンってやばいな

そしてアリトのカウンター罠には戦闘ダメージ2倍の効果があるみたいで一気に1000のダメージが遊馬に入ってしまった

ホープも破壊されたし、これ流れは完全にアリトだよな

 

「すげぇ、すげぇよアリト!やっぱりお前とのデュエルは否応なく必死なっちまう!燃えて来たぜ、熱くなってきたぜ!」

 

「そうだ遊馬、楽しもうぜ!全力でぶつかり合って、全力でこのデュエル楽しもうぜ!」

 

『デュエルを、楽しむ?』

 

そのアストラルのつぶやきがこちらにも聞こえてくる

ブラック・ミストは腕を組みながら何も言わず、このデュエルを見届けていた

きっと曲がりにもアストラルの半身であるブラック・ミストだから何も言わずに見守っていてくれるのかな?

このデュエルは敗者が消滅という遊戯王特有の闇のゲームで、それを楽しんでいるアリトと遊馬

このデュエル、アストラルはアストラルで思うことがあるのかな?

 

『……』

 

ちらりとブラック・ミストを見るが、やっぱりなんの反応も見せなかった

デュエルの方に意識を集中させると、遊馬が魔法カードを駆使してホープを復活させリードブローのORUを奪う

ORUが無くなったことによりまたリードブローの攻撃力がアップするが、その攻撃力アップを逆手に取り燃える闘志を発動させる

この効果によりホープの攻撃力は2倍になり5000になった

さしもアリトも攻撃力5000に動揺しているのか一歩後ずさる、いやカイザー先輩とかよりましだと思うよ?

そしてホープがリードブローを破壊し、アリトに大ダメージを与えることに成功しました

 

「いいわよー遊馬ー!このまま押し切っちゃえ!」

 

「んー?それはどうだろーなー」

 

「アリトも遊馬も一流の腕を持つデュエリストですわ

 このままで終わるとは思えませんし、次のターンアリトも何かしら仕掛けてくると思いますの」

 

多分ここからが本番、だろうなー

今までは最初のデュエルの模範みたいだったけどここからは正真正銘、誰もわからない未知なる戦い

そんな観客サイドの思いを知ってか知らずか、アリトと遊馬の戦いは激化していく

 

「二人とも、すごい気迫ですね」

 

「はい、遊馬君も、アリト君も、自分の全部を出し切ってデュエルしています」

 

璃緒と零は比較的冷静にデュエルを見ていられるけど、小鳥ちゃんは心配なのか両手を組んで祈るようにこのデュエルを見守っている

 

「大丈夫だよ、小鳥ちゃん」

 

「シャーク……?」

 

「遊馬とアストラルなら絶対勝つって!まぁ根拠はないけどな!」

 

どや顔で小鳥ちゃんにそう宣言する

一瞬ぽかんとした後にやわらかい笑みを浮かべる、うんうん、肩の力が抜けたみたいだね!

このデュエルはそんな難しい顔をするより皆でうおおおお!って盛り上がる方が楽しいからな!

……だからこそ残念だなぁ、これが敗者は消える闇のゲームじゃなかったらもっと楽しめただろうに

デュエルの方はアリトのターンに移り、同じレベル4のモンスターがフィールドにそろっていた

 

「俺は二体分となったレベル4のBKスイッチヒッターとBKヘッドギアでオーバーレイ!三体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ、No.105!BK流星のセスタス!」

 

召喚されたのは青を基調とし、黄色の装飾がされた、百超えのNo.だった

やっぱりミザエルの銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)と同じで今までのNo.とは比べられないほどの存在感を放っている

……っといっても遊馬のホープとか璃緒のNo.にブラック・ミストぐらいしか知らんけど

そしてアリトはセスタスでホープに攻撃を仕掛ける、遊馬は攻撃力が5000のホープに攻撃力2500のセスタスで攻撃されることに驚いてるけど

 

「んー、どんな効果かな」

 

『普通に考えて何の策も無しに攻撃は仕掛けねぇしな

 攻撃力アップ系かそれとも問答無用でモンスターを破壊する系か』

 

「自分は戦闘ダメージを受けず、相手がダメージを受ける系か、ですね」

 

「それとも表示形式変更系かもしれませんわよ?」

 

遊馬もアストラルも俺らと同じくあのモンスターを警戒し、ホープの効果で攻撃を無効にする

 

「俺はセスタスの効果発動!この効果はセスタスよりも攻撃力の高いモンスターとバトルする時発動できる!

 ORUを一つ使い、セスタスはこのバトルでは破壊されず、バトルを無効にできない!しかも俺が受けるダメージはお前が受ける!」

 

『まずいぞ遊馬!ホープとセスタスの攻撃力の差は2500!』

 

「じ、じゃぁ2500のダメージを俺達が受けちまうって事かよ!」

 

攻撃反射系か、零の方を見るとどや顔していて隣の小鳥ちゃんが苦笑している

ホープがセスタスに破壊されて遊馬のライフが残り500になる、はい、鉄壁入りましたー

もうライフが500って時点で遊馬に勝利フラグ立ったな(確信)

んー、それにしても危なかったなー、これが柚子ちゃんが使うブルーム・ディーヴァだったら負けてたよ

 

 

幻想の華歌聖ブルーム・ディーヴァ

融合・効果モンスター

星6/光属性/天使族/攻1000/守2000

「幻奏の音姫」モンスター+「幻奏」モンスター

(1):このカードは戦闘・効果では破壊されず、

このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(2):このカードが特殊召喚されたモンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に発動できる。

その相手モンスターとこのカードの、元々の攻撃力の差分のダメージを相手に与え、

その相手モンスターを破壊する。

 

 

『素材指定があって面倒だな、指定が無い分セスタスの方が使い勝手はよさそうだけどな』

 

「せやな」

 

遊馬とアストラルが吹っ飛ばされてから体制を整えるまで待ってくれるアリトマジ紳士

アリトは依然として挑発するような笑みを受かべている

 

「どうした遊馬、これで俺達の楽しいデュエルはしまいか?」

 

「まだまだ!もっと楽しんでやるぜ!」

 

『……だが、我々のライフは残り500このままでは楽しむ以前に私たちが敗北してしまうぞ』

 

ライフが1000以下は我々の業界では鉄壁と言われていてむしろ勝利フラグなんで大丈夫だとおもうよアストラル

そんなアストラルの言葉に遊馬は吠えるように言った

 

「わかってる!俺もアストラルも絶対に負けられないデュエルだ、でも!それでも俺はこのデュエルを特別の物にしてぇんだ!

 俺達は今まで色んな奴と闘ってきた、No.を集める為、奪われない為、必死になって戦ってきた!でもあいつと、アリトと闘ってると!どうしようもなく熱くなっちまうんだよ!燃えてきちまうんだよ!」

 

『遊馬……君の燃える思いを消すことなど出来ないのだろう

 だったら私も、行くしかないようだな』

 

そういうアストラルの眼には微かな呆れと……絶対にアリトに勝ちたいという闘志と、このデュエルが楽しくて仕方がないとでも言うように輝いていた

そのアストラルの様子を見たブラック・ミストは安心したように息を吐く、お前らめっちゃ仲良しだな!

ガン見してたらその視線にブラック・ミストが気づき、罰が悪そうに顔を反らした、うん、ごめん

 

「行くぜアストラル!かっとビングだ!俺と!」

 

『私で!』

 

『「オーバーレイ!』」

 

「……え?」

 

いきなりアストラルと遊馬がそう叫んだかと思うとアストラルが青色、遊馬が赤色の光になりバリアンズ・スフィア・フィールド内を駆け回る

二つの光が交わり爆風が巻き起こる、バリアンズ・スフィア・フィールドの外にも漏れ出し突風が俺達を襲う

 

『尊き二つの魂が交わる時、語り継がれし姿が現れる!エクシーズチェンジ!』

 

『「ゼアル!』」

 

金色の逆立った髪に赤いラインの髪、白い全身タイツに所々赤いプロテクターをつけた遊馬がそこに立っていた

頬には合体したアストラルの影響か、緑色のラインが入っている

 

「まるで意味が分からんぞ!」

 

「これが、ゼアルなんですね……初めて見ました」

 

どういうことなん!?え!変身!?変身したの!?っていうかお前ら変身できたの!?リアル遊矢か!あれだろ!?今こそ一つになるんだろ!?

久々の急展開で訳が分からないよ!どうしてこうなった!

……まぁこれで一つはっきりしたことがあるな

ゼアル……いや、ZEXALって単語が出た以上ここは四代目遊戯王にして遊戯王ARC-Vのエクシーズ次元の元ネタである遊戯王ZEXALで間違いなさそうだな

まさかガチの遊戯王次元とは恐れ入ったぜ……!つーかこれ俺ってどんな立ち位置なんだよ

元々いたキャラに成り代わったのか、それとも新しく神代凌牙って人間が誕生したのか

 

『凌牙、お前の頭の中万年お花畑なんだからあんまり深く考えるんじゃねーよ』

 

「……そうだね」

 

ブラック・ミストに言われ思考を打ち切る

仮に成り代わりだとしても俺は神代凌牙でありそれ以上でもそれ以下でもない

 

「遊馬、アストラル、それがお前らのフルパワーってかよ!かっけー!かっけーぜ!」

 

アリトが子供のようにはしゃぐ、というかお前だってバリアンだったら変身できるやろ!ずるい!

俺もブラック・ミストとならできるかなー?ちらりとブラック・ミストの方を見ると首を横に振られた、無理ですか、そうですか

 

「まだ遊馬もアストラルも諦めていないようですわね

 まぁ、この程度で諦めていたら私直々に凍らせてあげた所ですわ」

 

何それ怖い

 

「そうよ!遊馬もアストラルも諦めるなんて事絶対にしない!行けー!ゼアルー!」

 

そう言いながら遊馬とアストラル……いや、ゼアルを応援する

まだまだこの戦いは、終わりそうになかった




知ってるか?これアニメで約8分の内容なんだぜ?
可笑しいな、ミザちゃんとの初戦闘の時は一話で収まったのに……まぁあのデュエルは途中中断だったけどさ
多分凌牙ちゃんが原作凌牙にあっても「成り代わりだったwwwwふぁーwwww」ですます程度にはオリハルコンメンタルです(ただし前世関係は除く)
ちなみに璃緒ちゃんがアリトに対して君付けが外れたのはアリトがバリアンとわかったからです

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