神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

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ゼアル37まで見終わりましたー
やっぱりⅣ良いキャラしてますねぇ!
ちなみに今回もシリアスです


3/妹、神代璃緒はシスコンである

自分とは違う青い髪に青色の目

小さい頃から自分を守ってくれたもう一人の私

神代凌牙という片割れ

 

あの日、両親が亡くなり凌牙と二人ボッチになった時、私を、両親との暖かい思い出の家を守ってくれた

なんでまだ幼かった凌牙にそんな芸当ができたのかは謎だったが、それでも必死になって守ってくれた

今になって、あの親戚たちは私たちを引き取って、まぁ、そういうことをしようとして私たちを引き取りたいと申し出たのだろう

だから凌牙はあんなに必死になっていたのだろう

どれだけ周りからこんなに小さい子供が暮らしていくのは無理だとか、やっぱり大人と一緒と一緒の方がいいとか

そんなこと思っていもいないのに、私たちと私たちの家、遺産欲しさに私たちを引き取りたいと申し出る醜い怪物たち

そんな怪物から凌牙は守ってくれた

 

凌牙はこんなに私を守ってくれたのに、私は凌牙に何もしてあげられない

そんな思いに苛まれる中、私と凌牙はテレビを見ていた

 

「やっぱⅣさんはすごいよなー」

 

「すごいの?」

 

「なんつーか運命力がやばい

 手札事故起こしてもおかしくないのによく回せるよなーって

 それになんというかデュエルとかよくわかんないけどさ、繊細なんだよなー」

 

「……そういうものなの?デュエルって?」

 

「せやで

 ここが遊戯王の世界である以上、ある意味法律よりもデュエルの方が絶対的な正義だからなー」

 

「……遊戯王?」

 

「ごめん、忘れて

 まぁ、デュエルさえあれば、自分の道理を通すことだって可能だかね」

 

そんなことを言いながら凌牙はまたテレビへと視線を戻す

Ⅳとプロのデュエリスト試合は終盤に差し掛かっていて、凌牙は夢中になって見ているが私はそれどころではなかった

デュエル、それはこの世界で一番多くの人間に愛され、遊ばれている遊戯

ほとんどの人間がデュエルを楽しんでいる

たしかにここはプロの大会などもあり、なるほど、デュエルで道理を通すとはよく言ったものだ

デュエルが強ければ強いほどこの世界では生きやすくなる

これだ

何も持たない非力な私でもデュエルでなら、私は私の片割れを守れる

 

その日を境に私はデュエルを学び始めた

いきなりデュエルを学び始めた私を不信に思ったが、素直に私の気持ちを伝えたら「俺の妹が可愛すぎてつらい」とぼやいていたが私からしたら凌牙の方が可愛いと思う

凌牙はデュエルをしない

どちらかというとデュエルを見ている方が好んでいるらしく、私とパックを買っていると言ってもそれは日本人特有の収集癖のようなもので実際にデッキを組んだりはしていない

だけど、それでいい

こんな言い方はあれだけど私はデュエルで、凌牙は物理で、互いを守る

私たちはこの二人ボッチの世界で一緒に生きるために理不尽な現実と闘い続けるのだ

 

しかし、そんな二人ボッチの世界に乱入者が現れたのだ

Ⅳ、最近話題になっているデュエリスト

凌牙が偶然にもⅣを助けたらしく、そこから交流が始まったらしい

気に入らない、私と凌牙の世界に赤の他人が入り込むなんて

どこの馬の骨かわからないやつに私たちの箱庭を壊されるなんて

……しかし、私が予想していたよりも、Ⅳとの邂逅は楽しかった

凌牙と違い、二人ボッチの世界から出ようとしなかった私のある意味初めての他人との絆

気が付けばこの二人ボッチの世界にⅣがいるのを認めるぐらいに私はⅣに心を許していた

なのに

 

「きゃああああ!」

 

「なんだよこれ!こんなの聞いてなかった!こんな、こんな……!」

 

「なんでもいい!Ⅳ!璃緒!こっちにこい!」

 

 

なのに

 

 

「Ⅳ!璃緒!」

 

 

なのに!

 

 

「いやああああああ!凌牙!凌牙ぁ!」

 

「凌牙!どうしてだ!凌牙ああああああああ!」

 

 

 

私の目の前には体中に包帯を巻き、死んだように眠る凌牙がいた

あの地獄のような場所から私たちは死に物狂いで逃げた

あの後のことは、よく覚えていない

気が付いたら病院で、私の片割れは、いつ覚めるかわからない夢の世界へ行ってしまった

何度Ⅳに連絡を取ろうとしても反応がない

ただただ通帳に治療費だけが振り込まれるだけが、確かにⅣと私たちがつながっていること証明していた

許さない、許さない許さない許さない!

私たちの二人ボッチの世界に現れた侵略者のくせに、私たちの世界を壊していくなんて!

 

私はひたすらに牙を研ぐ

獰猛な鮫のごとく、デュエルという名の牙を

片割れが目覚めるその時まで、Ⅳに復讐するその時まで




璃緒はヤンデレではないです
どうしてこうなった^p^
次は目覚めた後の凌牙視点だと思います

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