神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

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遅れた原因:オリカ作成
      ポケモンムーン
Zクリスタルはいらないのでジムバッチください(真顔)


25/神代凌牙の第二の実家=病院

いつも顔の右側、首、右腕の肘まで巻いた包帯の他に足や背中にまで新たな包帯が追加された凌牙は病院のベットで眠っていた

遊馬は凌牙が庇ったおかげか軽症ですみ、数日の入院で退院できるそうだ

だけどその遊馬を庇った凌牙は重傷であれから丸一日経過したが目を覚まさない

 

『No.96……』

 

アストラルが俺を呼ぶが返事をする気にならない

凌牙の妹の璃緒やその二人とよく一緒にいるトーマスも悲痛な顔をしているが、それより酷い顔をしているのは遊馬だ

あの時自分が気を失っていなければ、崖から落ちることなく、凌牙もこんな大怪我をすることはなかっただろうと何度も自分を責めている

……遊馬が自分のせいだと言っているが、実際は俺のせいだ

アストラルと違い実体化できる俺はあの時崖から落ちていく遊馬と凌牙と助けることができたのに、出来なかった

ただただ、走りだしたあいつを呆然と見送ることしか出来なかった

 

「ブラック・ミストさん、その、あんまり自分を責めないでください……」

 

零がそう言いながら俺の頭を撫でてくる

そうは言っても、あの状況で一番俺が助けられる確率が高かったのに、なのに

 

「No.96、貴方が後悔することはありませんわ」

 

「そうだぜ」

 

璃緒とトーマスがそう言いながらこちらを向かず俯いたままつぶやくようにそう言った

この二人も凌牙を止められなかったことに責任を感じてるのだろう

でもなトーマス、お前あの場にいなかったから止めようもなかった気がするんだが

 

「なぁ、本当にそいつ大丈夫なのかよ」

 

確かこいつは……武田鉄男っていったか、あの時遊馬に憑りついた時に戦ったデュエリスト

 

「そうですよ!鉄男君から聞きましたけど、アストラルに憑りつこうとしたんですよね!?」

 

「そうウラ!信用できないウラ!」

 

……まぁ、その反応は正しいよな

普通に考えて警戒するのが正しいのに全くしなかった凌牙の方がおかしかったんだよな、なんだよ天の声さんて、あいつの危機感死にすぎだろ

 

『別にお前らがどう思おうが知ったこっちゃねぇよ

 あいつのとこにいる限り悪さなんてしねぇって言ってもどうせお前ら信用しようとしないだろ』

 

『確かに、以前の君のままだったら私は凌牙からNo.96を奪っていただろうな』

 

「アストラル!?」

 

『落ち着け遊馬、あくまで私が言ったのは以前のNo.96のままだったらの話だ』

 

そう言ってアストラルは俺の方を見やる……遊馬や凌牙とは違う、こちらを真っすぐと見据えるオッドアイの瞳

俺の心まで見透かされそうで、思わず顔を背ける

俺は……変わったのか?確かに凌牙と一緒にいるようになってから、あいつの居心地の良さから凌牙を守護するようになったが、それがアストラルの言う俺が変わったって事なのか?

 

『……まぁ、君自身はまだよくわかっていないようだがな』

 

そう言いながらこちらを見てほほ笑むアストラルにどう反応していいのかわからず、そっと顔を背けたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く!だからあんたって奴は!」

 

「あの……すみません、今姉が休んでる最中なので、出来ればもう少し静かに……」

 

耳に入ってきたのは知らないお姉さんの叱り声と妹の申し訳なさそうな声

なにこれ一体どういう状況なん?目を開けてみると真っ白な天井

首を動かしあたりを見回すとカーテンが囲まれていて、そして俺が寝ていたベットと棚の上に小さなTVがあるだけだ

んんー?まじでここ何処なん?

 

「いっ…」

 

体を持ち上げようとすると背中に凄まじいが走った

うめき声をあげ背中を庇うように丸まる

 

『凌牙!起きたのか!?』

 

そう言いながらカーテンを通り抜けてブラック・ミストが現れた

なんだか声を荒げてるけどどうしたんだ?

ブラック・ミストの声に反応するかのようにカーテンが開く、そこには璃緒とナンバーズクラブとミハエルとトーマスがおり、それに俺と同じ病院着を着て椅子に腰かけている遊馬がいた

 

「皆どうしたん?なんか勢ぞろいしてるけど」

 

「どうしたん?じゃありませんわ!」

 

「どうしたん?じゃねーよ!」

 

純粋な疑問をぶつけたら怒られたの巻

酷くない?訳が分からないまま起きていきなり怒られて訳が分からないよ状態だよ……

んーと小首を傾げるとブラック・ミストがため息をついた、え、酷くね?

 

『璃緒、トーマス、こいつ全然状況を理解できてないみたいだぜ?』

 

「えーっとシャーク、ここで起きる以前の記憶ってどう?覚えてる?」

 

ここで起きる前の?んー……

ミザエルと遊馬がデュエルしてるの見てたんだよな、ほいでカイトが来て遊馬のデュエルを引き継いで、スフィア・フィールドが壊れて遊馬が落ちて……あー

そうだよなー、俺デュエリストじゃなくてリアリストだしあの高さから落ちたらそら病院行きですわ

 

「あーごめんごめん、ちょっと記憶が混乱してて、今全部思い出したから安心しぃや

 ところで遊馬は怪我とか大丈夫なん?お前も病院着着てるし……結構やばげな感じ?」

 

そういうと遊馬は悲痛な顔で俯く

 

「悪い、シャーク!俺のせいで、お前すっごい大怪我して……!」

 

「別に気にしなくていいって、後輩を守るのも先輩の役目ですしおすし?

 それにこんぐらいの怪我よく不良共とデュエル(物理)で日常茶飯事だし、俺にとってはいつもの事だからさー」

 

実際これは本当である

なまじ璃緒が愛らしい容姿をしているためにナンパやらなんやらで無理やり連れて行こうとする輩も多かったし、それで頻繁にリアルファイトしてたからなー

それに姉妹喧嘩も俺がデュエルしないからリアルファイトだし、俺が入院する前も何度かトーマスとリアルファイトしたし

今だ俯いている遊馬の頭を撫でる、だけど遊馬の顔が晴れることはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ」

 

「あら、どうしましたの?ため息なんかついて」

 

病院で璃緒が持ってきてくれた本を読みながらそっとため息をつく

そんな俺に気付いたのか璃緒はリンゴを剥く手を止めてこちらを向いた

 

「遊馬がな、ちょっと精神的に危なげなんだよね」

 

俺と遊馬の病室が近いので暇なときとかお互いちょくちょく行き来している

その時遊馬は暇なせいかよく昼寝をしてるんだけど……結構な確率で魘されて飛び起きるんだよねぇ…

多分、あの時の戦いが糸を引いてるんだろーなー

よくアストラルとかシャークとか寝言言ってるから確実なんだろうけど……あ、半分は俺のせいだわ、すまん

別になー、本当に気にしてないのに……というか頑張ってる後輩を見殺し(?)に出来ないって!

 

「ああ、遊馬ですか」

 

そう言った瞬間、璃緒の眼がスッと細くなる

確かに璃緒が一緒にの時も飛び起きてたし、そのたびに璃緒がすごい顔になるからなー

たまにブラック・ミストもその場面に出くわすけど完全に璃緒に怯えてます本当にありがとうございます

後ブラック・ミストが俺の傍にいないのは遊馬の皇の鍵の中にいるからだ

あの戦いでアストラルは力を消耗してしまったため皇の鍵の中でNo.の力を借りて休んでいる、そこに自我があるブラック・ミストが加わることで回復を早めているみたいだ

 

「まったく、いつもでもうじうじとしててイラっとしますわ」

 

「いや、あんだけバイオレンスな事になったら心の一つや二つ折れてもおかしくないんですがそれは……

 遊馬だってまだ13なんだし仕方ないと思うよ?てか13なのにあいつ過酷な運命背負いすぎだろ……」

 

これが遊戯王次元に生まれたものの宿命なのだろうか……アニメとかだから未成年がこういう過酷な運命を背負わされるのが許されるのであって、現実だと大人が対処しろよって思うよな……

未成年に世界を救わせて自分は高みの見物とか汚い、流石大人汚い

 

「シャーク先輩ー!お見舞いに来ましたよ!

 あ、神代先輩もいらっしゃったんですか?」

 

両手にコンビニの袋を携えた零が病室にやってきた

結構量があるけどさー、それ、一体いくらしたん……?いや、気にしたら負けだ(笑顔)

 

「あら零君ごきげんよう、遊馬の元へ行かなくていいの?」

 

「いえ、丁度診察の時間だったみたいで遊馬君は病室にいなかったんですよ、ですから先にシャーク先輩のところへ来ました!」

 

そう言いながら零は璃緒の隣の椅子に腰かけ、袋からお菓子やらを取り出す

……お前ほんとどんだけ買ったの?

 

「……失礼、少しの間席を外しますわ」

 

そう言って璃緒は席を立ち退出する

なんだろ?トイレかな?

そしてしばらく零と談笑してたらブラック・ミストがいきなり病室に飛び込んできた……なんか焦ってるみたいだけどどうしたんやろか

 

『お前の妹と遊馬が皇の鍵をかけてデュエルしてるけどどういうことだ!』

 

「こっちが聞きたいわ!」

 

そう言って立ち上がり璃緒達がデュエルしてるという屋上に向かおうと急いでベットから降りようとするが、急に動いたせいかまだ直ってない背中に痛みが走る

くっそ人間の皮を被ったゴリラといえど苦痛は克服できないというのか、マジつらたん

いや大丈夫だ、俺は人間の限界を超えるぞジョジョー!

……やっぱ無理だわ\(^o^)/

 

「シャーク先輩、掴まっていてください!」

 

零は俺の足の裏と背中に手をやって持ち上げる、おっとこれは俗にいうお姫様抱っこって奴ではないか?

別に抵抗する理由もないのでそのままおとなしく運ばれる…おいちょっと待て、この状態で病院内を走るなってちゃうねん!看護師さんあらー彼氏にお姫様抱っこ?羨ましいわねーうふふとか言わんといて俺と零そんなんじゃないから!

ブラック・ミストは言葉の意味がわかっていないらしく仕切りに首をかしげている、これは後で質問攻めのパターンですわ

屋上のドアは零は俺を抱えている為開けることができずブラック・ミストに開けてもらう

 

 

九十九遊馬LP:400 手札:1

【モンスター】

No.39希望皇ホープ/攻2500 ORU:2

【魔法・罠】

ゼロゼロック(永続魔法)(効果無効)

炎の護封剣(永続魔法)(効果無効)

 

神代璃緒LP1100 手札:0

【モンスター】

零鳥獣シルフィーネ/攻2600 ORU:1

【魔法・罠】

無し

【フィールド魔法】

氷炎の世界(アイス・ファイヤー・ワールド)

 

 

「---さらにダブル・アップ・チャンスを発動!この効果によりホープの攻撃力を2倍にする!」

 

 

No.39希望皇ホープ/攻2500→5000

 

 

『行くぞ、遊馬!』

 

「ああ!」

 

『「希望皇ホープでシルフィーネに攻撃!ホープ剣・Wスラッシュ!』」

 

「きゃああああああ!」

 

 

神代璃緒LP:1100→—300

 

WIN 九十九遊馬

 

 

ドアを開けた瞬間璃緒が吹っ飛んできました、あやー丁度デュエルが終わったとこか

零に卸してもらってダイレクトアタックを受けた衝撃で倒れた璃緒を抱き起す

 

「お疲れ様ー、マジでどうしてこんなことしたん?」

 

「……だって、イラっとしたんですもの」

 

そう言いながらちょっとだけ遊馬に顔を向ける

あー、なるなる、ようは元気のない遊馬を元気づけようと無理矢理デュエルして元気づけようとしたってことか

我が妹ながら心優しい子に育ってお姉ちゃん嬉しいよ……!

 

「シャーク!真月!いつの間に来たんだ?」

 

「つい先ほどですよ、ブラック・ミストが神代先輩と遊馬君がここでデュエルしてるって聞いて飛んで来たんですよ!」

 

『いきなり璃緒がこんな暴挙に出たからな、止められるの凌牙しかいないだろ』

 

『シャークが来る前にデュエルは終わってしまったがな』

 

『呼びに行っただけましだろうが!』

 

なんだかアストラルとブラック・ミストが仲良さそうで何よりです

なんか話を聞いた限り険悪そうな雰囲気もないしよかったわ

 

「なーちょっといいか?」

 

色々と吹っ切れたのかいつもの元気な姿の遊馬が俺に話しかける

 

「俺、シャークと真月のデュエルが見たい」

 

おっといきなり血迷ってどうしたんだい?

というかなんで遊馬がそれ知ってるんだ

 

『君と遊馬が崖から落ちた時、君のカバンからデッキケースが落ちているのを見つけたんだ』

 

まじかー、でも遅かれ早かれ言うつもりだったし別に問題はないか

零の方を見るとこっちを向いてうなずく、零も新デッキのお披露目に異論は無いようだ

 

「私も興味がありますわ」

 

なんだかよくわかんないうちに俺と零のデュエルが決定しました

まぁ璃緒がそう言うんだったらやらないっていう選択肢はないんだけどね、璃緒の可愛さは世界一

二人でデュエルの定位置についてDゲイザーとDディスクを構える

 

「「Dディスク、セット!Dゲイザー、セット!デュエルターゲット、ロックオン!」」

 

<ARヴィジョン、リンク完了>

 

「「デュエル!」」

 

 

神代凌牙LP:4000 手札:5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し

 

真月零LP:4000 手札:5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し




ブラック・ミストがⅣの事をトーマスと呼ぶのは凌牙ちゃんがそう呼ぶからです

次回は凌牙ちゃんと零君がデュエルします
だって早めに二人のデュエル描写しないと零君の新デッキのお披露目が……
まぁ多分衝撃の真実の後も新デッキ使うかもしれませんが
というか零君の新デッキがなんだかわかる人いるのかなー
それにしてもこういうの考えていて本当に思う、これタイトル詐欺やないかーい!

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