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なんか紹介されてるんやけど
説明回成分多めや、ま、スルーして次ぃ進んでも全く問題あらへんがな
本日は夜の営業や。場所は鎮守府付近。居酒屋も兼ねた屋台や。この前天啓が来たからな、揚げたこ焼きに挑戦中や。
客はレ級とゴーヤ、あと青葉。皆、ちょっと今日は貸切なんや、すまんな。
「で、龍驤さん、どうしたんですか貸切にして」
まず口を開いたのは青葉。ヤツの情報網は鎮守府を超えて世界を掌握しているとかなんとか。
少なくともウチの情報と深海棲艦の情報を持ってる抜け目ないヤツや。
「まずはこの集まりを見てみぃ、なんか気づかへんか?」
「この中に深海棲艦がいるでち」
「……あぁ、それをなんとも思わんようになってもうた人の集まりや」
集めたのはウチなんやけどな。
オリョールの深海棲艦と飲み会をしているゴーヤ、そしてその情報を知っている青葉。深海棲艦に対する警戒心はあれど、深・即・斬する奴等やないと思って呼んだんや。
「レ級、ウチ聞きたいことがあるねん」
「ドシタ」
「あんたらは何のために艦娘、いや、人類と戦ってるんや?」
「ソレヲ説明スルニハ、深海棲艦ノ内部事情ヲ語ラナキャイケナイ。メンドクサイ」
頬杖をついて心底つまらなさそうにため息を吐くレ級。
「そか、ならええわ」
「マズ、穏健派ト過激派、中立派ガアッテ……」
「結局話すんかい!」
「それに共生派もいますねぇ。レ級さんはそれでしょう」
「あんたはどこまで知ってるねんアオバァ!」
「ゴーヤと飲み会してるチーちゃんとかは?」
「どっちかというと穏健派ですねぇ」
「いや、まずはどれがどうだか説明してくれへん? 大体はわかるんやけど、確信を得たいねん」
ウチの言葉に仕方ないですねぇとため息を吐く
焼いたたこ焼きを手早く揚げていく。初めてやからタイミングがわからへん。
「マズハヨク知ッテルダロウ過激派ダナ。問答無用デ敵意ヲ向ケテクルヤツガソウダ」
「それが普通なんやけどな」
現役のときにしょっちゅう相手にしていた奴等の事やな。よく言われる深海棲艦や。
「アァ、深海棲艦ノ大半ガコレダ。鎮守府ニ攻撃ヲ仕掛ケルノハコイツラダケダガ。ア、敵意ヲ持ッテルノハ過激派ダケジャナイ。中立派モアル」
「どういうことや?」
「誰でも家を荒らされたら起こりますよね?」
「……あぁ、分かったわ」
「縄張り意識っってやつでちか」
「そのとおりです。中立派は自ら攻撃は仕掛けませんが、近づくと攻撃してきます」
いつか発生した鬼やら姫やったか。まぁ、その中に攻めてくるやつもいたんやけど。
「なんでそこまで知ってるんや」
「ダッテアタイガ情報流シテルシ?」
「ただのスパイでち」
「別ニバレテモ問題ネーシ。考エナシノ能無シナ過激派トカ、迎エ撃ツダケノ中立派ナンテ滅ベバイイ」
「そういえばいつだかの南方遠征はどうなったでち?」
「轟沈ゼロで済みましたよ」
「チナミニアイツラハ穏健派ナ」
「穏健派!? なんで攻めてきたん!?」
「穏健派ハ基本的ニ何モシナイ。艦娘ガ来テモ逃ゲルダケ。気ノセイダッタ時ッテアルダロ? ソレダヨソレ」
「あぁ、なんか分かるでち」
「マ、コミケノ時ダケ過激派ニナルケドナ。普段ハ中立派ト違ッテ話通ジルカラナ、嫌イジャナイ」
話しながら揚げていたたこ焼きを手早く皿に盛っていく。あぁ、油の処理だるいわ。
一通り聞き終えたことやし今から飲むかと思い、ビールを用意しようとしたところで思い出す。
「そういえば共生派ってなんや?」
「簡単ニイウトアタイノ事ダナ。ナンカモウ飽キタカラ、イッソ人類ニ絡ムワッテヤツ」
「それでええんか深海棲艦」
「個人ノ自由ッテヤツヨ」
「……もうウチは考えるのやめるわ。ほれ、揚げたこ焼きや、感想も頼むで」
「待ってましたー!!」
「ちょっとすいません龍驤さんメモまだ書き終わってません出さないでください」
「そんなんほっといて食えや」
「後デ教エルカラ、ナ?」
「お前も少しは躊躇せえや」
★
ウチも混ざった飲み会が終わり、それぞれがそれぞれの帰路へつく。青葉は艦娘寮へ、ゴーヤはオリョクルへ。
オリョールが家でちと胸を張って言い切るゴーヤは社蓄の鑑やと思う。提督はやめさせようと必死になってたけどな。
レ級とは途中まで同じ道や。ウチが屋台を引っ張り、その屋根の上にレ級が座る。明石が勝手につけた謎技術運転アシストなかったら今頃倒れてるわボケ。おおきにそして勝手につけんなアホ。
「レ級、交代せや」
「イヤヨ」
鼻歌までしだすレ級。私は楽しいですオーラを存分に出している。とことん引っ張る気ないなこりゃ。仕方ない、無理やり降ろすか。
「そういえばなレ級」
「ドシタンヤリュッチ」
「明石が作った屋台に何が搭載されてるんか分かるか?」
「イロイロダロイロイロ」
「そん中に変形機構っちゅうやつがあるらしいで」
「ナニソレミタイ」
レ級が屋根から飛び降り、屋台のあたりをぐるぐる回りだす。
「そこの青いボタンみたいやで」
「ポチットナ」
「いや流石に躊躇せえよウチ危ないやろ」
嫌な予感を覚えたウチは屋台から手を離して少し離れる。レ級はいまだボタンを押した格好のまま。
「レ級あんたも離れーや!」
「コトワル」
その言葉を皮切りに、屋台がレ級を弾いて変形を始める。ちょっと展開に難ありや。
屋台から突如として展開される大量の木の板。それが複雑に組み合わさり、時には宙を飛ぶ。
なぁ、これどうやって動いてるんや? 説明しようがないんやけど。でも言葉にするには簡単やな。目の前には屋台だったゼロ戦が出現した。説明放棄や。
「ナンダコレ」
「それ言いたいんはこっちもや」
屋台ゼロ戦のサイズはとても小さい。屋台が少し横に広がったサイズやな。……飛べるんやろか、これ。
とりあえず今は夜だ。試すなら後だろう。操縦席の中にある茶色のボタンを押す。消去法的に屋台に戻るんはこれやな。
先ほどのレ級の例もある。すぐさまゼロ戦から離れると、屋台への変形を始めた。
「素晴ラシイナ」
「そか?」
「コノ解明デキナイ動キガナントモ」
「深海棲艦の目を持ってしてもわからへんのか」
恐るべし明石。アンタの技術力はどこまで成長するんや?
「ソウダ、リュッチ、明日ハ深海デ営業シテクレナイカ?」
「なんでや」
「潜水艦アルダロ? アノ海中用屋台ッテヤツ」
「潜水艦でええと思うわ」
まぁ別に予定があるわけではない。行くのは問題ない。
でも明日工廠に行かなければいけないのは嫌やなぁ。明石が次にウチのこの義手にも屋台を仕込みそうや。
適当に書いて推敲も見直しも添削も何も行わない。ストーリーも適当だし、話の脈絡もない。
それなのに、息抜きが本命より反響あるのがなんともつらいところや。