君とボクと   作:律@ひきにーと

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【きみの寝顔におはようを】

ふと、セリカは目が覚めた

時刻は朝の4時 まだ普通なら寝ている時間だ

寝直そう、そう思い瞼を閉じる

 

眠れない、確信した

完全に目が覚めてしまっている

 

これはもう起きるしかないか……ともそもそとベッドから這い出る

雪那が起きるのは5時

つまりあと一時間は暇を潰さなければならないということである

 

「……微妙な時間ですね」

 

1時間というのは短いようで長く長いようで短い

 

今日の仕事の確認でもしようか……と思った矢先にふと今日は自分が朝食当番なのを思い出す

 

雪那とセリカは日々の食事の用意を交代で行っている

昨日は雪那だったので今日はセリカの番だ

 

ならせっかく早起きしたのだ

久々に腕を振るおうではないか、とセリカはまず身支度を整えるために洗面所に向かった

 

髪を梳かして、顔を洗う

この時期の水は冷たく、身が引き締まる思いだな、とセリカは思った

 

髪も今日は機嫌がいいのかすんなりと櫛が通ってくれる

セリカの髪は意外と頑固で櫛で梳こうとすると所々で引っかかったりする

まぁ朝の弱いセリカは基本自分では梳かずに雪那にやってもらっているのだが、雪那がやると不思議と引っかからないのだ

なにかコツでもあるのだろうか 今度聞いてみようとセリカは思った

 

身支度が整ったのでキッチンへ

今日は何を作ろうか

 

「とりあえず、フレンチトーストとサラダですかね」

 

フレンチトーストは雪那が好きだった

セリカが作るとフワフワでじゅわっとしてて甘くて美味しい……とは雪那談

 

付け合せにコーンのコールスローサラダでも作ろう、と考え取り掛かる

雪那の喜ぶ顔を浮かべながら、である

 

 

朝食を作り終え、そろそろ時間かな、と思い雪那を起こしに行こうと思ったセリカはぱたぱたと寝室へと向かった

 

寝室に着くと、雪那は安らかに眠っていた

寝息も近付かないと気づかないほど静かで、ごく小さなものだ

仰向けで寝るその姿勢は寝てるときでさえしっかりしてるように見えて雪那らしいと思うセリカだった

 

とりあえず体を揺すって起こしにかかる

 

「雪那、起きてください 朝ですよ」

 

すると雪那はすぐに反応する

ゆっくりと体を起こし、セリカの方を向いた

 

「んん……セリカ……?」

 

「はい、おはようございます雪那」

 

と、セリカは雪那の額に軽くキスをした

 

雪那はキスされた部分を触ると少し照れくさそうにし、

 

「あぁ、おはよう」

 

と挨拶を返した

 

「今日の朝ごはんは雪那の好きなフレンチトーストですよー」

 

「おお、そうか 楽しみだな」

 

二人のなにげない一日はここから始まる

 

End

 


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