君とボクと   作:律@ひきにーと

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ホワイトデー話書き忘れてしまったお詫びに二本立てです!!
全部……全部PS4ってやつの仕業なんだ


【無意識のゼロセンチ】【眠る前にはキスをして】

【 無意識のゼロセンチ 】

今日は日曜日

世間一般では休みの日

それは便利屋であるセリカたちには関係ない話なのだが、今日はたまたま仕事が無く丸一日休みになっていた

 

なので、お互いに思い思いの時間を過ごしていた

 

セリカは趣味のコーヒーのブレンドを、雪那は愛刀の手入れを

 

それをお互いに隣り合わせに座りながら行っていた

 

「雪那」

 

おもむろにセリカが口を開く

 

「なんだ、どうした?」

 

雪那が聞き返すとセリカはくすくすと笑い

 

「僕達って本当に仲いいなと思いまして」

 

「今更だな」

 

セリカはくすくす笑いながら自分たちの間の空間を指差して

 

「ずっとぴったりくっついてるんですもん」

 

と、嬉しそうに笑っていた

 

「気付かなかったな」

 

「そうなんですよ、気が付かない間にぴったりと」

 

雪那は少し恥ずかしそうに頬を指で掻くと

 

「全く気が付かんな もう、お前が隣にいるのが私にとっては当り前だったから」

 

「それはボクもですよ」

 

と、セリカ

 

「雪那が隣にいて、ボクは安心できるんです」

 

「それは私だって同じだ」

 

雪那はふっと笑い、セリカの頭を撫でた

 

「お前の隣が今の私の居場所なんだ」

 

「そんな口説き文句どこで覚えてきたんです?」

 

「間近にそういう人間がいれば歯の浮くような台詞だって浮かぶようになる」

 

「言ってくれますねぇ」

 

セリカは頭を撫でる雪那の手に手を重ねてやわらかく微笑み

 

「でもその気持ちはとても嬉しいんですよ ありがとう雪那」

 

それを聞いた雪那の顔がかぁっと熱くなる

胸が高鳴るのも雪那は感じていた

 

いつもである

いつもこの笑顔に自分は勝てないのだと

 

「雪那、顔赤い」

 

「うるさい調子に乗るな」

 

「さっきまではデレデレだったのに今度はツンツンですかー?忙しいですねぇ」

 

「うるさい」

 

End

 

【 眠る前にはキスをして 】

「おやすみ前はー」

 

「キスしろだろ、知ってる」

 

「冷たいですよ雪那……」

 

すんなり受け流してくる雪那に寂しさを感じるセリカ

雪那はそれを我関せずという感じに突き放してくる

 

そんな雪那にすがるようにセリカは抱きつくとうーと唸り

 

「そんなに冷たくするとボクだって愛想尽かしちゃうんですからね」

 

と、言うと雪那ははっと真顔になり

 

「それは……本当か……?」

 

「どう思います?」

 

「……その、だな」

 

「なんです?」

 

少しだけツンとした態度で返すセリカ

雪那にはそれだけでも結構効いたようで

 

「それだけは許してくれ……頼む」

 

と、真剣な顔で謝られてしまった

 

雪那はまっすぐこっちを見つめると真剣な眼差しで

 

「お前に嫌われたら私は……私は……」

 

と、思いつめたような表情をしたのでセリカは慌てて言ったことを撤回した

 

「嘘ですよ嘘!そんな雪那を嫌うわけないじゃないですか!考えればわかるでしょう!」

 

「だって普段そんなことを言わないから……」

 

「だからって耐性無さすぎですって……」

 

普段あんなに素直じゃない雪那がここまでするのは相当こたえたからで、それはつまり

 

「相当ボクのことが大事ってことですよねぇ」

 

「そんなこと当たり前だろう 何を今更」

 

「ですよねぇ」

 

うんうんと頷くセリカ

 

「私にとってはお前が生きる意味だからな……」

 

「だったらもっと素直になってくださいよー 逐一これだと僕も結構凹みますよ?」

 

「それは……」

 

雪那は恥ずかしそうにうつむくと

 

「素直になれないんだ、恥ずかしくて……」

 

と、雪那が消え入りそうな声で言うとセリカは雪那のことをぎゅっと抱きしめた

 

「セリカ……?」

 

「そういう貴女がたまらなく魅力的に見えるんですよ」

 

雪那はセリカをぎゅっと抱き返すとその頬にそっと口付けた

 

「素直になれるようには極力努力する……だから」

 

「もういいんですよ、さ……明日も早いですしもう寝ましょう?」

 

「ああ」

 

ふたりしてベッドに潜り込むと、もう一度だけキスを交わしてから眠りについたのだった

 

End


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