もしかしたら今後も文字数が足らない場合このような形で投稿するかもしれません
【 キスの日】
「きょーうは何の日だか知ってますぅー？」
「絡むな。なんだ」
セリカと雪那は珍しく酒を飲んでいた
普段はセリカが下戸なためあまり一緒に飲むことは無いのだが今日はセリカが旨い日本酒を仕入れてきたとの事で二人で飲むことにしたのだ
そして１合２合と開けて3合目でセリカがついに酔っ払った
２合目で止めさせておけばよかった……と反省する雪那にセリカが続けていう
「きょーはキスの日らしいですよぉー キスの日ー」
「どこからそういう情報を仕入れてくるんだ……」
「えすえぬえすとかだとじょーしきですよじょーしき」
セリカの呂律が回らなくなってきている
これは完全に酔いが回ったか
「だからー今日はぼくにちゅーしないとダメですよぉー」
楽しそうにケラケラと笑うセリカ
そんな姿を見ていたら少し雪那の心に黒いものが出てきた
これは
「そうか……なら」
セリカの顎をつかみ、半ば無理やり自分の方に向かせると、セリカと見つめ合う形になった
きょとんとした表情で見つめ返してくるセリカ
「せつな……？」
そうこれは、悪戯心だ
「たまには私からしてやる」
「せつ……んっ」
雪那はセリカの唇に口付けると、惚けているその唇を舌で開けさせ口内へと侵入する
先程まで飲んでいた酒の味がする
それと、セリカ特有の甘い唾液の味
それらが混じりあって、なんとも言い難い濃厚な味わいがした
「んっ……んふ……ちゅっ……んんっ」
前歯を舌でゆっくりとなぞり、そのまま舌が届く範囲で奥を目指す
そして舌を絡め合い、吸ったり、軽く噛んだり
様々な手段でアプローチをかける
「はぁ……んぁ……んんん……ちゅ」
その一挙動一挙動にセリカが反応して喘ぐ、がそれすらも許さないように責め手を緩めない雪那
どれほどそうしていただろうか
不意に雪那の方から唇を離した
「ふぁ……せつ、な？」
「少しは酔いが覚めたか馬鹿者」
雪那はそうぶっきらぼうに言うとセリカの頬にそっと触れ
「まだ酔いが覚めないなら、付き合ってやらんでもない」
そういうと、雪那は再びセリカに口付けるのだった
end
【 嫌いの反対は大好き？ 】
「なぁセリカ」
「なんです雪那」
「お前は私を嫌いだと思ったことはないのか？」
いきなりな質問だった
正直セリカは反応に困った
「いきなりそんな事を言われても……ボクが雪那を嫌いになることなんて過去未来現在全てにおいてありえませんよ」
「なるほどそうか……」
雪那は何故か少し満足げに頷いていた
一体何の意図があっての質問なのだろうか
「また何か変なものでも読みましたか？」
こういう場合雪那の情報源は大抵ゴシップ誌等だ
普段真面目で硬い性格なのに何故か新聞よりそういった雑誌の方をよく読むのだ彼女は
今回は一体どんなことを吹き込まれたのか、と確認のために聞いてみると
「いや、な。相手をずっと好きだと思い続けることはありえないんだそうだ」
「ふむふむ」
「どこかで一度や二度は相手を嫌いになってガス抜きをするそうだ」
とんだ話だ
「だからお前もそうなのかと思ったのだが……お前はどこでガス抜きをしているんだ？」
「ガス抜きなんか必要ないくら位に貴女を愛しているのに心外ですね」
「そういうことを素面で言える辺りが信用ならないんだ」
いつもの調子で答えるセリカに軽くため息を吐く雪那
いつもこんな調子で話をはぐらかされるのだ
「嫌いの逆って大好きなんですよ。負のメーターも吹っ切れれば正になりますし方向が180度変われば意味も変わります」
なるほど。的確な意見だ
だがそれとこれとは話が別だ、と雪那が言おうとすると
「あんまり意地悪すると、夜に意地悪し返しますよ？」
と、ニコニコと返され雪那は何も言えなくなってしまったのだった
end