バスはほとんど人気のないに山奥に入っていく。あたりには霧がたちこめている。
人気のない山の中をバスが走っていくこと30分。ようやく梵圄檸寺に着く。だが周りには寺らしきものはなく、鳥居と長い階段があるだけだった。
生徒たちはバスを降りると、班ごとに整列しリボーンの説を聞いていた。
「えーここが梵圄檸寺です。梵圄檸寺は目の前にある階段を登った先にあります。梵圄檸寺は死ぬ気神という神様を祀っている神社です。」
「(死ぬ気神って異世界の神じゃん!ここ京都だぞ!)」
「死ぬ気神はあらゆる御利益を与えてくださり、特にマフィアの方には特に御利益あると言われています。」
「(どんだけマフィアにこだわってるんだよ!マフィアに御利益がある神社なんてあるわけないだろ!)」
いつものように心の中でリボーンにつっこむツナ。このあとも梵圄檸寺のことについてリボーンが説明していく。そして最後にリボーンが注意事項を生徒たちに話す。
「次に諸注意です。今日の天気によると、この辺りは霧が濃くなっているので、自分勝手な行動を取りようなことはせず、班ごとに固まって移動してください。もし霧で迷ってしまった時の為に、このバッチを生徒のみなさんに後で渡しておきます。」
するとリボーンはボンゴレのマークの入った黄色いバッチをポケットから取りだし、生徒たちに見せながらリボーンはバッチの説明を始める。
「このバッチには発信器がついており、みなさんの居場所がわかるようになっています。バッチの後ろにスイッチがついております。もし迷った場合にはバッチの後ろにあるスイッチを押していただきますと、我々スタッフの携帯にSOSの合図が送らるようになっています。このスイッチを押した場合には我々スタッフが迎えにいきますのでその場から動かず待機しておいてください。あとこのスイッチを遊び半分で押さないください。もしなんらかの拍子でスイッチが入ってしまった場合は、このスイッチを5秒ほど長押ししていただければ、SOS信号は解除されます。長々となってしまいましたが、以上で諸注意を終わります。では楽しんできてください。」
リボーンの話が終わると、生徒たちは発信器つきのバッチをもらい、それぞれの班は自分たちのペースで梵圄檸寺を目指していく。生徒たちがバッチを貰っていくなか、ツナは今回ついてきたスパナと正一がいないことに気づき、あたりをキョロキョロ見渡していると…
「何やってんだツナ?」
「リボーン、ちょうど良かった。スパナと正一君がいないんだけど知らない?」
「あいつらならグリゴリにいるぞ。」
「グリゴリ!?何で!?」
「聞いてねぇのか。あいつら前からこの世界の技術に興味があるって言ってたから、俺がアザゼルにそのことを言ったら、アザゼルは承諾してくれててな。だから今日はガイドの仕事を京都に詳しい悪魔の奴らと変わってもらったんだ。」
「あー…なるほどねー」
リボーンの説明を聞いて思わず納得してしまうツナ。今頃二人はグリゴリの施設内を目を輝かせながら見ていることであろう。
そんなことを思っていると。
「おーいツナ。行こうぜ」
「あ、はい!今行きますイッセー先輩!」
イッセーに呼ばれ、ツナはイッセーたちの班のところに向かっていく。
しかしツナたちは知らなかった。この梵圄檸寺にもリボーンの魔の手がひそんでいることを。
スパナと正一のことを忘れていた方もいっらしゃるでしょうが、この二人はグリゴリにいるということにしました。
余談
スパナは案外、アザゼルとうまくやっていけそう。アザゼルはモスカとか好きだと思うから。
正一はグリゴリよりもアジュカとうまくいけそうなイメージ。案外チョイスがアジュカに評価されて、誘われそうな気がする。