「これは…朱乃の過去なのか…?」
ツナが目を閉じると何かの風景が映し出される
『母さま、父さまいつ帰ってくるの?』
『あら朱乃、父さまとどこかいくの?』
『早く帰ってくたら、一緒にバスに乗って町へ買い物にいくの!!』
小さい頃の朱乃が自分の母、朱璃と話している
〈寂しかった〉
「(これは朱乃の声…これが朱乃の本音…)」
ツナは今の声が朱乃の本音だと理解する
『父さまの羽、嫌いじゃない、つやつやで朱乃の髪の毛と一緒だもの!!』
『そうか、ありがとう朱乃』
〈いつも父さまがいてくれたら良かったのに、たまにしか父さまに会えなかったから〉
そして場面は急展開し
『その子を渡してもらおう、忌々しき邪悪な黒き天使の子なのだな』
『この子は渡しません!!この子は大切な私の娘です!!絶対に渡しません!!』
術者たちが朱乃の家に押し入り、朱璃は朱乃を護ろうとしていた
『貴様も黒き天使に心を怪我されてしまったようだ、致し方あるまい』
術者が刀を抜き斬りかかる
『母さまぁああ!!』
次に映し出されたのはバラキエルが術者を倒し、倒れている朱璃を見ていた
『朱璃…』
『触らないで!!どうして母さまのところにいてくれなかったの!!今日だって早く帰ってくるって言ってたのに!!父さまがいたら、母さまは死ななかったのに!!』
『…』
『あの人たちが言ってた!!父さまが堕天使だから悪いんだって!!父さまと私に黒い翼がなかったら、母さまは死ななかったのに!!こんな黒い翼大嫌い!!あなたも嫌い!!皆嫌い!!大っ嫌い!!』
〈父さまが悪くないことぐらいわかってた、けどそう思わなければ精神が保たなかった…私は弱い…弱いから…寂しくて…ただ三人で暮したくて…〉
すると意識の中で声が聞えてくる
『朱乃、何があっても父さまを信じてあげて、父さまは他者をたくさん傷つけてきたかもしれない…でもねあの人が私と朱乃を愛してくれてるのは本当だから、だから朱乃もあの人を愛してあげてね』
それは朱璃の優しい声であった
そして意識が戻り
「母さま…私は…父さまともっと会いたかった!!父さまに頭を撫でてもらいたかった!!父さまともっと遊びたかった!!父さまと…母さまと三人で暮したかった!!」
朱乃は涙を流しながら本音をバラキエルに告げる
「朱璃のこと…お前のことを…一日たりとも忘れたことなどないよ」
「父さま…」
そしてその時ツナの体に異変が起きる
「こ、これは!?」
ツナの体中が輝き始めたのだ
『沢田綱吉、聞えますか』
再び死ぬ気神に仕える精霊からツナにテレパシーが届く
『あなたはこの巫女を救ったのです、今回はちゃ
んと死ぬ気神さまの加護をあなたへ』
「凄い力を感じる…これが死ぬ気神の加護…」
『いいですか沢田綱吉、死ぬ気神さまからの力の付与は一度だけです』
「ああ、ありがとう」
ツナが死ぬ気神に仕える精霊にお礼を言うと
「ツナ君…」
「朱乃安心しろ、約束したはずだお前を死ぬ気で護るって、俺がロキを倒す、そしてみんなで一緒に帰ろう、そしたらまたバラキエルと一緒に笑って暮せるようになるさ」
「はい!!」
ツナがそう言うととびきりの笑顔で返事をする朱乃
「ロキ、覚悟はいいか?」
「知らない神格の波動を感じるな…いやそんな事よりも…沢田綱吉は神の力を得たというのか…」
「はぁ!?ツナが神の力!?何で!?」
「どうなっているんだ…」
「綱吉君…」
「…ツナ君、神になった…?」
「ツナは一体どこに行こうとしているんだ…?」
ツナの覚醒にイッセー、ヴァーリ、木場、小猫、ゼノヴィアが驚くが
「さすが十代目!!」
「すげぇなツナ」
獄寺、山本はあっさり受け入れていた
「ツナ君シモンリングを使って!!」
炎真がシモンリングをツナに向けて投げると、ツナのボンゴレリングと合体する
「死ぬ気の到達点!!」
するとツナ全身から死ぬ気の炎が溢れ出す、そしてロキとの最終決戦が始まる
死ぬ気の到達点+死ぬ気神の力+大地の力…超チートな気がする。