あとがきに小ネタを入れました。たまにはラブコメも必要だよね?
大規模侵攻から数週間後、界境防衛機関『ボーダー』が活動を公にし、世間に認知され三門市での防衛開始が政府との間で締結された。
それと同時に人員を募集も口コミや、現隊員からの推薦などを含め着々と増えていった。また大規模侵攻で壊滅的に被害に遇い、復旧が困難となり放棄された区画に新たにボーダーの本部を設立し、組織として起動に乗ろうとしていた。
比企谷八幡は今父親に連れられてボーダーが活動をしている仮の事務所として扱われている場所に来ている。本部着工も始まり突貫工事(安全第一)で進められているが、まだ出来上がるのも当分先の事だ。
「お前以外にも数十名ボーダーに志願した奴等も来ている。仲良くしろよ」
しかし、八幡は極度の人見知り+コミュ症だ。入院中もたまにお見舞いに来る迅や忍田とのやり取りもぎこちなく、おどおどするほどだ。それが数十名単位となるとどうなることか。だが、八幡は影が薄い方で逆に埋没されて認識されないまであるかもしれない。正直不安だ。
「大丈夫か?」
「なっ何ぎゃっ?」
「安心しろ、迅や忍田だっているし。お前は弄られて可愛がられるだろうからな」
親父のどや顔にムカっと来ていると、どうやら事務所のところまでついたようだ。
「よう、来たぞ」
ドアを開け威勢よく親父が入っていく背中に隠れて八幡も部屋に入る。見知った顔以上に知らない顔が多くて緊張していた。
「比企谷さんお疲れー」
出迎えたのはサングラスを首にかけた茶髪の青年迅悠一だ。迅は笑顔で七曜と八幡を向かい入れる。司令室ぽいところの備え付けの二人掛けの椅子に案内され八幡はおどおどしながらそこに腰を下ろす。
「何こいつ?これが比企谷さんの息子なわけ?」
「そうだ小南。八幡って言うんだ、よろしく頼むぞ」
小南と呼ばれる対面に座る鳥のようなアホ毛が飛び出た明るい茶髪と、緑色の目の少女に品定めされるように上から下までなめ回すように見られた。
「なんかパッとしないわね。弱そうだし、目が濁ってるし」
「あんまりキツく言うな小南。悪いなこいつ言いたいことは口にしないと気がすまないタイプだから。俺は木崎レイジだ」
小南の隣に座る厳つくてでも優しそうな筋肉こと木崎レイジが小南を嗜める。
「あれ、林道まだ来てないのか?」
「ボスなら陽太郎を迎えに行ってるわよ」
「ほーん。あとそっちの少年がレイジが連れてきたって言う子か」
「はい、こいつは本牧牧人。うちの近所に住んでてトリオン能力が高そうだったから連れてきました」
レイジの隣には八幡と同年代と思われる少年が座っていた。
「本牧牧人です。レイジさんに憧れてボーダーに入ることにしました」
しっかりした挨拶にお前も見習って自己紹介くらいしろと七曜は八幡の背中を叩く。
「ひっ比企谷八幡です」
か細い声で自己紹介する八幡にまぁ仕方ないかと七曜はため息をつく。
それから30分後、小さな子供を抱き抱えた髭眼鏡の男が現れた。
「おー皆もう集まってたか。悪いねぇ待たせちまって」
「ボスーおかえりー。陽太郎は…寝ちゃってるわね」
ボスと呼ばれた髭眼鏡の男の名は林藤匠。ボーダー最初期メンバーの一人でこの事務所の所有者である。林道の腕には彼の息子陽太郎が抱き抱えられていた。まだ幼いがトリオン能力が高く、迅と同じくサイドエフェクトを持つものと思われている。
「あともう一人来ている」
「もう一人?」
林藤が言うもう一人とは誰なのか皆がその言葉に注目していると、のっそりと毛むくじゃらの物体が部屋に入ってくる。
「何こいつ、カピバラ?」
「そう、我々の新たな仲間カピバラの雷神丸だ」
「「「はぁ~!?」」」
こうして新たにボーダーに一匹の戦士が加わった。
本牧くんはレイジさんの家の近所に住んでいて、大規模侵攻の際にはレイジさんに助け出され、筋肉の洗礼を受けました。
あと加筆して雷神丸もこうしてボーダー入りしてもらいました。
-小ネタ-
『緊急脱出後の設定~親方!空から女の子が落ちてきた!!~』
宇佐美「ベイルアウトした後ってさぁ、作戦室のベッドに落下する設定だよね」
仲町「そうだね」
宇佐美「あれ弄らない」
仲町「はぁ?」
そしてランク戦、宇佐美により緊急脱出後の転送位置をずらされているとも知らずに八幡達はランク戦に挑むのだが、
『トリオン供給機関破損、緊急脱出』
現在、A級ランク戦にて太刀川隊と三輪隊、そして我らが比企谷隊の三つ巴の試合が繰り広げられていたが、真っ先に隊長である八幡が出水の合成弾の餌食に遇い泣く泣く緊急脱出してしまう。
「うぐっ!?っくしょー出水の弾バカが、あんなんどうやって避けろってんだよ」
折本と合流したはいいが、出水の力業に咄嗟に折本庇って落とされた。折本もかなり被弾したからもうすぐ緊急脱出しそうだな。すると、弱ったに追い討ちをかけたのは三輪隊の奈良坂だった。トリオン漏出過多によるトリオン切れで折本が落ちた。
「はぁ、本牧一人で大丈夫かな?」
呑気にベッドの上で最後の一人の心配をしていたら緊急脱出した折本が帰ってきた。
八幡の上に
「は?」
「うぇぇっ!?」
何故か頭上より折本が降ってきた。
「うぐぅぅぅ、何故に折本が」
「きゃあっちょっ比企谷どこ触ってんのよ!!」
「ぐへぇぇっ!?」
宇佐美『やったぜハッチ~♪ラブコメゲットだぜ』
仲町『って宇佐美は思ってるんだろな。はぁ何やってんだか』
本牧「これ無理ゲーだろ?」
その頃、八幡とかおりがくんずほずれずラブコメってる所など知らず、一人孤独に戦場を逃げ回る本牧の姿が見られたとか。
今日も比企谷隊は平和です。