比企谷八幡のボーダー活動   作:アラベスク

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八幡の過去②

父との会話を終えた八幡は今までのプレッシャーから解放され気を緩め楽な姿勢を取った。もうすぐ助けが来る。そう思い八幡はその場で力尽き眠ってしまった。

 

 

 

暗い、視界が黒一色に包まれた何もない空間に八幡はいた。これは夢の中であるとこの時八幡は理解していた。いつの間にか眠ってしまったのか。でも親父が言うには一段落ついたと言うから安心して気が緩んだのかもしれない。早く起きないと、そう意識するとともに八幡は覚醒する。

 

 

しかし、この時起きなければ見なくて済んだかもしれない。恐怖が再び八幡と小町を襲うことになる。

 

 

 

八幡は起きて再び辺りを見渡す。見渡す限りの瓦礫の山と腕の中で未だに目を覚まさない小町。あれから何時間時間が経ったのだろう。でももう大丈夫なはず。親父が助けに来ると言ったから。あれ、でも親父はこんな瓦礫だかけの道無き道をどう進んでここまで来るんだろう。それに何処から来るにしても足場の悪い悪路を徒歩だと何時間かかるかわからない。近くにいたのか?

 

八幡が考え込んでいるとき、ふと瓦礫の山の一角が崩れだした。土煙が立ち込めて視界が悪くなる。小町はまだ起きないし、父親が来るまでここが安全と言う保証もない。八幡は小町をおぶりもう少し安全な場所へ向かおうと移動を開始ししようとした。

 

 

そんな矢先に、先程崩れた一画から音がする。また崩れたのかと八幡は崩れた先に視線寄せる。

 

 

 

 

そこにいたのは見たこともない巨大な化け物だった。

 

「ひぃっ!?」

 

八幡が見たそれはこの町を壊滅にまで及ぼした存在その物だ。化け物は一つ目をギラリと光らせ八幡の方を向いていた。

 

 

 

その射抜くような視線に圧倒され恐怖した八幡の足は震えて動くことが出来ない。化け物は八幡に気づきこちらに近づいてくる。見る限り化け物の表面はひび割れていて手負いで弱っているようだが、それでも力のさは歴然。

 

巨大な足で地面を揺らし、獲物を狙い定めて着実に仕留めようと前進してくる。

 

 

 

もはや絶体絶命、八幡はこの時死を悟った。だが、せめて小町だけでもと庇うように身を呈して守ろうと最後の勇気を振り絞り立ち向かった。

 

だが、生身の肉体では化け物に届くはずがない。それでも妹を救うには自分が犠牲になるしかない。

 

化け物は大きな口を開け八幡を飲み込もうとした。

 

「くぅっ!?」

 

 

 

 

 

 

だが、いくら待たれど痛みはない、数秒間の沈黙が続いた。八幡は閉じていた瞳を恐る恐る開けると目の前の光景に見えたものは、

 

「よう………無事か?」

 

「あぁぁ……親父?」

 

目の前には自分を庇い、右腕を化け物に噛まれた父の姿が存在していた。

 

「親父、なんで?」

 

「バカ野郎、息子を守るなんて当たり前だろ?それより、早く小町連れて逃げろ。いくら俺でも……生身じゃこいつ相手に数秒が限度だ」

 

「でも、親父は?」

 

「心配すんな、時期仲間が…………」

 

親父は何かを最後に言う前に力尽きて右腕を食い千切られ、血の海に倒れ動かなくなった。

 

八幡は父のもとへ駆け寄り体を揺するが何の反応もない。動かない父を見て八幡の心はついに砕かれてしまった。

 

 

 

薄れ行く意識の中最後に見たのは化け物が真っ二つになった姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

「おい、しっかりしろ」

 

「どうだ?生きてるのか?」

 

「息はある、まだ間に合うぞ!すぐに医療班のもとに向かわせろ。男の子と女の子二人だ」

 

「迅、比企谷さんは?」

 

「比企谷さんは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後のことは何も覚えていない。次に目が覚めたときには知らない天井が目に映っていた。

 




なんか勢いで書いたから文が適当かも(--;)


最後の会話は迅さんと忍田さんです。
ちなみに迅さんはそのあとに三輪君のもとに行ったら……と言う感じです。

化け物は生き残って瓦礫の山で機能停止してたバムスター。


果たして、八幡の父ちゃんは果たして生きてるのか?


次回、八幡ボーダーに入る。


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