漆黒の剣風と金色のせせらぎ   作:クリュネル

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今回も描ききれなかった....
描きたいことが多すぎるのだ〜って愚痴垂れてる暇があったら書いてくださいって話ですよね(笑)
それではどうぞ!


世界に報いる意思

キリト side

 

 

 

俺は振りかぶっている蒼いライトエフェクトを纏った

右手の愛剣を一瞥し思考を巡らせ始める。

 

(この攻撃でよっぽどのことがない限りヘイトは俺に向き続けるはず

その状態を維持し続ける、それが今俺が出来る最良の事のはずだ...)

 

それを最期に意識を剣と同化させるようなイメージで

右手の剣に集中する。

 

「......っラァッ!」

 

気合一閃。

水平に剣を振り抜く。その剣はいきなり跳ね返るように

再びボスの体へとその刃を迫らせ切り裂いてゆく。

 

同時に索敵スキルを併用し彼女達の動きを確認する

三人は俺がいる正面以外の三方向に散り突撃の準備をしている。

三撃めに入る時にはもう呼吸を整え、俺の挙動とボスの挙動

一つとして見落とさないように注視していることがわかる

 

ふと背筋に怖気を感じた気がした。

気のせいだと思いたいが、それが命を落とすという結果に変わることもある。

本能に従い視線を弾かれたように上げる

 

(槍!?...っ!マズイ!このままだと《武器破壊》が成立する...!)

 

ほぼ偶然の類だろうが、確実に敵が俺に突き立てんと

突き出してくる槍の軌道は俺の武器の軌道とぶつかってしまう

 

確証は無いが《武器破壊》が成立するという予感が

俺の胸から離れない

 

スキルを止める手立てもない、武器を俺は恐らく失う。

そんな丸腰では戦力になんかなれはしないだろう

 

かろうじてある片手剣武器も、予備という事もあって

威力も主武装のこの武器には及ばない

 

俺はしきりにスキルを止めようとするもシステムが介入する

スキルには抗えない。

 

「と...ま...れ...ッ止まれ!」

 

(マズイ、ダメだ、武器を失う...戦えない...)

 

しかし一向に俺の刃は無慈悲に槍との距離を詰め____

 

 

 

パキッ........パリン_____

 

 

俺は剣を、力を失った。

 

「キリト!」

 

ハッとなって砕け散り剣を握っていた手から目を離す

視線を上げるとボスが剣や斧を振り下ろそうとしている。

しかし技後硬直で動くことができない

 

(このままだと死ぬ____死ぬ?ああ死んでしまう。

死にたくなかったら避けないと_____どうやって?)

 

迫ってくる剣や斧の刃を見て思考はオーバーヒートし、上手くまとまらない

思考が渦巻いて俺を飲み込み押し潰そうとしてくる。

 

_____その時だった

 

 

俺の脳髄に直接雷が落ちて来たかのような錯覚を覚えた。

ズキンズキンと頭が痛み始め混乱している思考を妨げるかのように断続的に痛みは酷くなり

まるで思考の海から俺を無理やり引きずり出そうとするかのような感じ

 

 

『お........何で......じぶ......そんな........犠牲...に』

 

何処からか聞き覚えのあるそれでいて聞き覚えのあるはずのない声が響く

聴覚に届くのではなく脳に直接ボイスレコーダーを捻じ込まれたかのように

音声として頭に浮かんでくる。

 

途切れ途切れに聞こえて来てあまりよく聞き取れなかったが一つだけ

鮮明に聞こえてくる言葉がある。

 

『ねぇ、一緒にいてくれるよね?』

 

俺が聴いた覚えのない優しい声が頭の中に響くのだ

これだけははっきりと、確実に

 

それは次第に熱を持って俺を蹂躙する

その熱は俺の中を駆け巡り胸に激情となり襲い来る

 

「....っあぁ!」

 

脳に尋常ではない痛みが走る

それでも熱は俺の体を突き動かし

その熱に後押しされたように体が勝手に

ボスの攻撃を避けるでもなく一歩前に出る。

 

(誰だか知らないがそんな約束があるのならば、

守らないわけにはいかない...だから、

俺は最後まで前のめりで戦わないわけにはいかない!)

 

俺は拳を引き絞るスタンスを僅かに広げて全力で踏み切る。

 

体術スキル重撃技≪水天一碧≫

 

原型の型を知らないが古武術かなんかをアレンジしたものなのだろう

でもそんなことは関係ない、ただ相手を打ちのめすことが出来れば良い

だから俺は迷いを捨てて拳を振り抜く。

 

しかし、所詮は武器を失い攻撃力が著しく低下した

俺の攻撃では大したダメージを叩き出すなんて到底不可能な芸当だ。

 

だから俺が狙ったのは一定確率で起こるボスのスタンだった

一旦俺が引くまでの時間を稼ぐために、

俺らが勝つ為の布石として




おそらく、下手したら毎回毎回ボス戦は5話以上続くことが予想されます(笑)
今回に至っては多分作者の根気次第ですがあと3話ぐらい続くと思います....
これからものんびりと付き合ってくれれば嬉しいです
感想、意見お待ちしてます!

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