漆黒の剣風と金色のせせらぎ   作:クリュネル

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一ヶ月ぶりですがいきなり
あっつい~~~~~~~~!

やる気でない...三十五度とか殺しに来てるよマジで!

と言うのもさておき、今回の本編に入っていきましょう~
最初に言っておきます。
時間跳んでいます


孤高の剣

アリス side

 

デスゲームが唐突に始まりを告げ

約一年が経過した。

 

相変わらずゲームの中から脱出出来ていない。

 

そんな現在のアインクラッド最前線は50層まで到達した。

 

私ことアリスは五層で誘われたギルドに所属し

それまで共に行動していたパートナーとも別れ、

それ以来見かけたことがほぼ無くどうしているのかすら分からない。

 

喧嘩別れのようになってしまい、

彼方が避けているのか目撃情報を掴めても見たことはなく

フロアボスの攻略で二、三度見かけただけなのだ。

 

そんな思考を巡らせていくうちに無意識に溜め息を吐いてしまう。

 

「今日も成果無しか...」

 

「そんな溜め息吐いてるとやる気が無くなるわよ

 アリス、また例の”黒の剣士”の事?」

 

思わず肩をビクリと震わせ振り返る。

 

そこには栗色の綺麗なロングヘアーを流し

紅白の騎士風の衣装に身を包んだ私と同じくらいの

少女が立っている。

 

「アスナ...ビックリするじゃない

 いきなり声かけないでよ...」

 

彼女は私と同じギルド”血盟騎士団”に

所属するアスナだ。

アスナは細剣の達人で知られており

また、アインクラッド三大美人数えられるほどの

人気者だ。

 

「アリスがこんなところで油売って

 溜め息吐いているんだもの、気にもなるわ

 護衛も無しにね」

 

「そう言うアスナだってクラディールとか

 護衛いないじゃない」

 

その言い返しに「違いない」と笑いながらに

同じテーブルにかける。

 

これで三大美人、二人が揃った席になったわけだ。

 

私自身はそんなでもないと思っているが、

整った容姿をしているらしくそれに数えられているらしい。

 

紅茶を飲みつつ他愛の無い話をポツリポツリと

していると、

 

「ヤッホー!アスナ、アリス!」

 

そこに、夜明けの群青のような鮮やかな紫の髪をたなびかせ

パタパタと幼子のようにテーブルに来たのは

 

「あれ?ここに居ること言ってないんだけど...」

 

「アスナ、多分フレンド追跡で来たんだと思うけど

 まぁ、二日ぶりだねユウキ」

 

ユウキは同じギルドではないものの、

攻略組でのボス討伐レイドでパーティーを組んで

仲良くなったのだ。

 

「ギルドを今日は休みにしたから暇になっちゃってさ~

 ところで、ボクが来るまで何話してたの?」

 

「アリスがご執心の噂の”黒の剣士”について」

 

「なっ、何か言い方悪いよ...アスナ」

 

いきなり話の軌道修正をされて動揺してしまうが、

突っ込むのは忘れない。

 

「そういえばボク、その人ギルドメンバーが見たって聞いたよ

 確か...レベリングスポットの45層<道化の谷>で見たって言ってた!

 どうにも深夜になると不意に現れて明け方に消えるって話だよ」

 

その話を聞いて、アスナがガタッと音をたて

椅子を倒しつつも身体を乗り出す。

 

「アスナ?どうしたのよ、ビックリするじゃない」

 

震えながらアスナが口を開く。

 

「今の話が本当なら”黒の剣士”は一睡もしてない計算になるわ...

 最近、明け方位に迷宮区に行くようにしているのだけれど

 それと同じくらいに入っていくのを何回か見たことあるのよ」

 

「か、キリトが!?

 デスゲームが始まったくらいにそれやって

 私、四日で倒れたのに」

 

幾らなんでも無茶し過ぎだ

そんなことをしていたら危なすぎる。

助けに来たキリトが知らない筈はないのに

 

「今、アルゴさんに聞いてみたら今までの層でも同じことをやってるらしいよ...

 ボク、心配だなぁその人、死に急いでるような感じ...

 しかもソロだからそれだけでも危ないのに」

 

そこまでを聞いてある可能性にたどり着く。

限り無く危険な一つの可能性

 

「確か、今日でこの層攻略が始まって七日だよね...

 それに昨日、最上階への階段を見つけたらしい...」

 

「まさか...無いとはボク思うけど...」

 

「まさか...ね」

 

沈黙がこの空間を支配する。

私は居ても立ってもいられなくなり直ぐ様カフェを飛び出す。

 

しかし、すぐに敏捷力で優っている二人に止められる

 

「待ってアリス!」

 

「危ないって心配なのはわかるけどさ...

 落ち着こうよ...ね?」

 

そんなこと言っても落ち着いて居られるわけがない。

制止を降りきろうとする

 

「離して...お願い...」

 

思い切り腕を振り切ろうとしたとき

 

「アリス!」

 

アスナの声と同時に頬に衝撃が走り、

思わず崩れ落ちる。

 

「このまま行ってもアリスも死んじゃうよ...」

 

それを聞いて漸く我に帰る

無意識に口から、

 

「ごめん...自分を見失ってた」

 

アスナは私の頭を撫で「わかればいいの」

とまるで母親の様に優しく言ってくれた。

 

「ボク達も一緒にいくよ!」

 

ユウキも笑いながらに言う。

私達三人は転移結晶を使い50層へ向かった。

 

「「「転移アルゲート!」」」

 

迷宮区最寄りの街に着くとボス戦の

必要最低限の道具だけを持ち最上階へ急ぐ。

 

道中のモンスターは極力無視してスピード重視で向かう

時刻は正午を示しており、

明け方から潜って

戦闘などをしていれば恐らくやっとボス部屋に到着している頃だ。

 

私達がボス部屋に辿り着いたのは午後12時半で

下手したらもう居なくなっている可能性がある。

 

ボス部屋の扉に近付くと微かにだが剣戟の音が聞こえる。

 

「間に合った...まだキリトが生きてる...」

 

「良かった~」

 

「一先ずは安心ね...でもとにかくボスのソロ討伐は危険すぎるわ」

 

息を整え、扉に手をかける。

顔を見合わせ頷きあい扉を開く

 

そこには、多腕を振り回し暴れている銅像のようなボスと

 

その悪魔のような無慈悲な攻撃を華麗に回避し、

神速のような身のこなしで絶え間無く攻撃をヒットさせている

漆黒の長髪をたなびかせ戦う剣士。

 

その剣士は全身黒の装備を纏い

フーデットケープを翻しながら黒の白銀の剣を振るう。

眼光は鋭く、右目は髪と同じ漆黒。

左目には何故か包帯で眼帯をしているようだ。

 

しかし、その姿は出会った時から力を与え続けてくれる

和人/キリトその物だった。

 

 

 

アリス side out

 

 

キリト side

 

俺はこれまで数え切れないほどの人を見捨て、

背を向けて逃げ、沢山の罪を背負った。

 

これは償いだ自分に課せる罰だ。

 

これぐらいやらないと気が済まない。

 

だから、休むことも負けることも出来やしない。

せめて、生き残っている人は現実に帰してやる。

その為には俺はどうなったってどうでもいい

例え死んでも。

 

 

だからこのクウォーターポイントの強力なボスをソロで倒し、

少しでも皆が進みやすくする。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は体術スキル蹴り上げ技[翔龍]

を繰り出すべく腕を剣でパリィし隙を作る。

 

「セアッ!」

 

短く吼えパリィによって出来た隙間を縫い

顔面近くまで跳びスキルエフェクトを纏うブーツの先を

ボスの無防備な顎目掛け叩き付ける。

 

そこに追撃でスキルの反動でついた勢いを殺さず

スキルを繋げる。

コンボ専用後ろ回し蹴り技[旋空]

 

その二撃目のノックバックでボスが転倒する。

そこで漸く剣を抜き放ちボスの額にある

弱点の宝玉に連撃を叩き込むべく突進する。

 

片手直剣突進技[ソニック·リープ]

で間合いを詰める

そこを起点に連撃を開始する。

 

垂直四連撃技[バーチカル·スクエア]

僅かな技後硬直後

水平四連撃技[ホリゾンタル·スクエア]

七連撃技[デットリー·シンズ]

上位重撃技[ウォーパル·ストライク]

片手直剣最上位技[ノヴァ·アセンション]

 

その技後硬直後即座に退避

 

今の猛攻で四本ある内の一本の一割を削れた。

だが、DPSやATKが低く余りに削れなさすぎだ。

 

効率が悪すぎる。

 

一回退いて他の方法を探すか...

 

その時、閉まっていたはずの扉が開く。

 

(誰だ?)

 

振り返るとそこには

見捨てたはずの”精霊の騎士”アリス

険悪な仲のあまり得意ではない”閃光”アスナ

少し前に助けた”絶剣”ユウキ

 

何故こんな所に居るのだろうか

俺は一緒にいる権利もその気も無いんだけどな...

 

でも、その三人の姿を見て俺は死ぬほど嬉しかった。

 

 

キリト side out




初の3000字突破!
つっかれたー
気力使い果たしたかも...

今回は本当はボス戦の終わりまで書くつもりだったけど
文字数が多いのと気力の問題により
二話に分けることにしました。

次回も楽しみにしていてください!
あ!あと、感想などお待ちしています!

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