漆黒の剣風と金色のせせらぎ   作:クリュネル

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どーもです。

先週末にソードアートオンラインオーディナルスケール、
見に行きました!
あの映画は最高ですね~何回見ても飽きないと思う。
ボッチで見に行ったんですがとても楽しめました!
皆さんの感想を聞かせてください!(ネタバレ無しでお願いします)

今夜は二話連続で投稿できれば良いなぁ...

とにかくこの回でプロローグは終わりです。。
そして原作に入っていきますよ!
それではどうぞ。


思いは胸に

和人 sied

 

 

 大体の劇の内容が決まってからは練習に劇の小道具の準備等に追われ、

あっという間に時間が過ぎていく。

 

 何とアリスはヒロインに抜擢されており、練習中には努力の成果なのか或いは

天武の才能なのか、演技でクラスの皆を魅了した。

 

 俺はというもの性格ゆえに、人前に出ることができないので、

裏方の仕事に回った。

アリスは少し不満そうだったが、

何を思い付いたのか悪戯をする幼い子供の様な笑みを浮かべそっと

 

アリス「後でご褒美くれたら許してあげるよ♪」

 

 とだけ囁き練習に戻っていった。

内心少しだけ罪悪感が残った 何故なら、

 

 

 アリスに隠していることがあるのだ。

しかもかなり大変な事なのだ。

 

 

 そんなことがありながらも既に今日は、

明日に文化祭本番を控えているのである。

 

教室ではクラス全員で円陣を組み気合いを入れている。

 

夏希「じゃあ、和人ー掛け声よろしく」

 

和人「何で俺なんだ夏樹!?俺は関係ないぞ」

 

皆「良いから良いから」

 

和人「はぁ じゃ、明日は気合い入れて頑張るぞ!」

 

皆「「おお!!!」」

 

 

そして帰りの途中に決心する。

 

和人「アリス、明日の文化祭が終わったら話があるから...

   屋上に来てくれ」

 

アリス「和人? 今じゃダメなの?」

 

和人「あ、うん....そうなんだ」

 

アリス「...良いよ判った!明日放課後に屋上ね。」

 

 出来るだけの笑みを浮かべる。

そうして別れる。

 

足取りが少し重くなった気がした。

 

 

和人 sied out

 

 

アリス sied

 

 

 和人は最近何故か様子がおかしい。

顔は何時ものようにポーカーフェイスなのだが、

落ち着きがないと言うかソワソワしている。

 

 悩んでいることがあるのか気になって、

本人に聞いてみたけれど曖昧にしてはぐらかされてしまった。

 

 そして文化祭前日、

放課後に一緒に帰っているとき、

明日、話があると言われたのだ。

 

 直感で良い知らせではないのだろうと思う。

だって和人は最後に微笑んでいたが、

何処か儚げな感じがしたからだった。

 

 

 文化祭当日の朝、私は何時もより早く

和人との待ち合わせ場所に着く。

 

 時間を見ると何時もより三十分くらい早かった。

今日は流石にまだ来てないだろうと思い、

少しだけ劇の練習をする。

 

 区切りの良い所まで一通りやって、

ふと、回りを見渡すと

斜め後ろの方にある花壇の縁に座り込み、

こくりこくりと揺れる人影。

いや、和人が居た。

 

(えっ!?何でここに和人が?周りに人がいないことを確認してからやっていたのに...)

 

 そこまで考えてから、よくさっきの風景を思い出す。

確かに人は居なかった、しかし小さい袋みたいな物はあった。

それは今和人が膝に乗せている

 

つまり、和人は私より早く来ており荷物をおいて離れていたのだろう。

 

 溜め息を吐きながら近づく。

その時気配に気づいたのか眼をゆっくり覚ます。

そして

 

和人「...ん?アリス、今日は早かったね...後、綺麗だったよ」

 

 ゆったりと言葉を紡ぐ。

それより先に気恥ずかしさを感じて、

すぐに眼をそらした。

 

それに和人は小首を傾げる。

 

アリス「あ、ありがとう、和人。それより、ほら行こう!」

 

和人「ほいよ、判ったって...まぁまぁそんな急がなくても...アリス。」

 

二人でそこから学校に向かった。

 

 

 

 学校に着いたらまずは最終確認をして軽く練習、

そして一年生から発表していく。

 

 

高学年の私達は最後の方だった。

 

 

 

アリス sied out

 

 

no sied

 

 

 

そして本番ーーー

 

 特に何事もなく順調に進む。

台詞を忘れたりする人も居たがアドリブで支えたりしていた

 

そのなかでもアリスは一際輝き眼を奪い去る。

 

 

 途中トラブルがあったが無事に終わった。

これらのことはいつかまた何処かで。

 

 

 

no sied out

 

 

アリス sied

 

 

 私達の劇は成功だった

途中思いもよらない事故が起きたが

 

 とある人の勇気ある行動で怪我もなく、

切り抜けられた。

 

 

 皆、大満足で喜んでいた。

それをよそに私は和人に言われた通りに屋上に来た。

 

 其所には長い髪を風に靡かせ佇む和人が居た。

しかし何時もはその長い髪を纏めているが今は髪止めを

外して髪に隠れた表情を窺うことは出来ない。

 

 それと同時にその出で立ちからは決意をしたという確固たる

威圧を感じる。

 

 そのまま暫く沈黙が続く。

沈黙に耐えられず、問い詰めようとしたとき、

 

和人「アリス、一つ謝らせてくれ。

   ゴメン、俺、アリスに隠してることがあるんだ。」

 

アリス「何を言って...」

 

 

唐突に謝られ混乱し、言葉を詰まらせる。

 

和人「俺はこの事は嫌だし納得もしてない!

   でもさ、そんなこと言っても何も変わらないのをわかってる!」

 

アリス「待って! 何を隠してるの?

    全然話が見えないよ!」

 

和人「...から...して...な...」

 

 

いきなり声が小さくなって聞こえなくなる。

 

アリス「なに?聞こえないよ!」

 

和人「こ...ら..こし...く..る」

 

和人の両目から涙がこぼれ始める。

 

アリス「か..ずと?」

 

和人が息を大きく吸い込んで、

 

和人「この町から引っ越して遠くにいかなきゃいけなくなったんだ!」

 

いきなりのことに息を飲む。

 

アリス「ま、待ってよ!どうして?」

 

 

 覚悟を決めたように、

和人は両親が交通事故で他界してしまいもう此所には居られない、

そして九州の親戚の家に預けられると言うことを

淡々と明かした。

 

 その顔に生気はなく表情が無い。

アリスはただただ信じることが出来なかった。

 

暫く黙っていたがようやく声を絞り出して、

 

アリス「九州に行くのって何時なの?」

 

和人「なるべく早くって言ってたからな...多分、来月末くらい。」

 

アリス「和人といて楽しかったのに、嬉しかったのに...なのにどうして?」

 

和人「それは俺もだ。離れたくないし何よりそれなのにその事に

   抗えない無力な自分が憎い。」

 

もう涙が止めどなく溢れる。

 

和人「俺は生まれ育ったこの町が好きだ。でも

   それ以上にアリス、君が大好きだ。誰よりも、何よりも

   ...まだ子供で言葉の重みも無いけれど...

   アリスを愛しているよ!」

 

アリス「...和人...それは私だって同じ。結婚だってしたい!

    永遠に別れたくない!」

 

 まだ幼い私達は怖いのだ。

離ればなれになって二度と会えなくなるのではないかと。

 

 純粋で真っ直ぐに互いに思い合い、

心が通じ合い深く繋がった私達は、

そう簡単に離れることが出来るわけがないと分かっていながら、

確実に値するとこれでも思えないのだ。

 

 

 

 どれくらい経ったのだろうか、

暫くして落ち着きを幾らか取り戻し互いを

見据える。

 

和人「俺、桐ケ谷和人はアリスの事を忘れない。

   絶対に、胸を張って愛してると言えるように

   そして絶対迎えに来るよ」

 

アリス「私、舞姫アリスも和人の事を忘れない。

    ずっと待ってる。」

 

和人「約束は十八歳の俺の誕生日まで」

 

アリス「忘れないよ...和人。」

 

二つの影はゆっくり寄り添い一つに重なった。

 

 

 

そしてーーー

 

 一ヶ月後、和人の出発日

クラス皆で見送りに駆けつけていた。

 

 

 

未来「キーちゃん、あっちでも頑張れ!」

 

柚木「キーちゃん元気でね!」

 

夏希「和人、負けんなよ」

 

和人「何か、送り出されるって慣れないな...

   まぁ色々あったけど楽しかったよ。

 

 皆! ありがとう!」

 

皆笑顔で送り出す。

 

男子「アリスちゃんは俺らに任せとけよ!

   あっちで楽しく過ごせよ!」

 

和人「ほざけ...」

 

男子達が怯む。

 

 すると不意にこちらに視線を向ける、

そこには出会ったときから変わらない屈託の無い

微笑みが浮かんでいる。

 

それを見ると胸が高鳴る。

 

(私はあの笑顔に救われたんだ、生涯忘れるなんて出来ないだろう。)

 

和人「アリス!約束、俺絶対に守るから」

 

アリス「ええ、待ってるよ。ずっと」

 

皆にまた顔を向け

 

和人「皆、じゃあまたな!」

 

別れを告げた。

 

 

アリス sied out

 

 

no sied

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしその時別れが本物になるなんて、誰も思わなかった。

 

 少年少女は絶望を深く心に刻むことになる

希望が絶望に変わり悲劇になると。

 

 

 その夜、一機の飛行機が墜落したというニュースが流れた。

その飛行機は昼間に皆で送り出した、

桐ケ谷和人という少年をのせた飛行機だった。

 

乗員乗客合わせ137人

死者0人

重軽傷者97人

行方不明者40人

 

 その後行方不明者が遺体として見つかったり負傷者が見つかったり等、

事件は収束に近づいていった。

 

 しかし独りだけ遺体も何も見つからず、

行方がわからない者が居た。

 

 それはかつての級友、

桐ケ谷和人だった。




過去最長の文で疲れた...
これでプロローグは終わります。

次回から原作の話に入っていきます。
アインクラッド編お楽しみに!

ちなみに今回、話の都合上時間を飛ばしたり、
劇の部分をまるごと抜いていますが、
今後のストーリーを進める上で必要になるので書きませんでした。

又、原作と設定を変えております
近いうちにキャラ紹介の回を投稿しようと考えているので詳しくはそっちに書きます。

今までお付き合いしていただきありがとうございました!
これからもよろしくお願いします。

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