復活!
……ごめんなさい嘘ですまだ無理してます。でも頑張ってちょこちょこ上げていきます。忘れられそうですし。
神と人間が結ばれることは神話の中ではそれなりに多い。ギリシャ神話では
今重要なのは、ルガルバンダとニンリルが結ばれたせいで神と人間との結婚が少々流行っていると言う事だ。
神と王の婚姻。それも何の策があったわけでもない純粋なる恋愛結婚となれば、そこには当然様々な憶測が飛びまわることとなる。ついでに、様々な国の王が二匹目の泥鰌を取ろうと群がってきたりもする訳で。
で、国家間の付き合いになると言う事は当然ながらルガルバンダが惚れ込んでいると言う噂の食べ物を食べに俺の店に来ることもよくある。それで、俺を引き抜けば交渉で有利に立つことができると思われるのもある意味では当然。人間とは実に欲深な物だからな。
そして古来から、女を連れて行く方法と言えば限られている。合法な物から違法なものまで、手口は変われど内容は全く変わらない。
誘拐か、婚姻か。究極的にはこの二つに絞られるものだ。
「お前の料理を気に入った。我が国の料理人として召し抱えてやろう。光栄に思う事だな」
俺の目の前にいるこいつもそう言った類の奴だ。権力だなんだと人間社会ってのはもう本当に面倒な物だ。
だが俺は今のところ神だ。人間社会の事なんざ知ったことじゃない。つまり、俺はこう答えるわけだ。
「帰れ。後お前ら出禁な」
「なっ!?」
「『なっ』じゃねえよ。帰れって言ってんだ。わかるか? か・え・れ、だ」
と言うか新参とは言え神相手にその口の利き方はどうなんだ? 俺がヘスティアだったからまだいいものの、キレやすい奴だったら速攻殺されてもおかしくないぞ? と言うか殺す。神相手に嘘が通じるわけがないだろうが。
飯が気に入ったのは本当のようだが、それ以外の部分が多すぎる。ルガルバンダを含む他の国の王に対する札として使えると思うのはまだいいが、顔と体格を見て自分の娘を犯しているような気分に浸れそうで興奮するとか、気持ち悪いんだよ。そう言うのはギリシャだけで十分だ。
……俺、ギリシャの神格なんだよなぁ……近親相姦バッチコイな神話の生まれでよくもまあ処女神なんてのが出来上がるもんだ。
無礼だなんだと剣を突き付けてくる馬鹿の剣の腹に裏拳を当て、青銅の剣をへし折る。呆然としているその男の横っ面にも裏拳を叩きこんでおく。肉を削ぎ飛ばす威力になると店の中が汚れるからな。ゼウスにやったのの万分の一以下で、狙う場所も顎先で脳を揺らすに止めている。まあ、それでも人間相手には威力が大きすぎるようで振動で脳の一部が砕けたりすることもあるようだが、この時代の王と言うのは神の加護を得ていることが多いと言うか、加護を得ていない王は存在しないレベルなので大概の傷なら治ってしまうのだ。
まあ、即死した場合には生き返らせるのは無理だが、逆に言えば即死さえしていなければ大概の場合は治ってしまう。俺の知っている人間と違って人外染みているもんだ。
ぶっ倒れてビクンビクンと痙攣を繰り返すどこぞの国の王を店から蹴り出し、さっと拭き掃除。顎の先端しか殴っていなくても意識を飛ばしたから涎を垂らしたりとかもあるし、必須と言える。へし折った剣も拾って放り出す。俺の店の食器は基本セラミックだから青銅なんて使わないんだよな。そもそも青銅に含まれる錫は人体には毒だし、食器にするには向かない。調理器具としては最悪だ。やっぱり銅か鉄だろうよ。
その点セラミックは中々に頑丈でかつ材料を選べば毒性もない。消毒さえしっかりしておけばかなり長いこと使うことができる実に便利な物だ。一部の神からも注目されて……陶磁器の神ってなんだよ。竈の権能から派生したせいで
まあ、便利だし、別にいいんだけどな。